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2014年3月2日 - 2014年3月8日

2014/03/08

OEKのベートーヴェン交響曲シリーズ,第3弾は井上道義指揮による第4番と第5番。キリっと引き締まった自信に満ちた見事な演奏は「トスカニーニもびっくり」の素晴らしさ。権代敦彦「クロノス」は3.11を前にした祈りの音楽 #oekjp

今日の朝,起きてみると雪が積もっていました。今年の金沢の冬は,積雪量が少なかったので,「もう降らないだろう」と思っていたので,一瞬「おっ」と思いました。が,交通に影響するほどでもなくかえって金沢の風情を増してくれるような「3月の雪」でした。

その中,OEKの定期公演マイスターシリーズ:ベートーヴェン全交響曲シリーズの3回目を聞いてきました。チクルス的にも真ん中ですが,演奏された曲も真ん中の「4番」と「5番」でした。この2曲が一つの演奏会で取り上げられるのは,かなり珍しいことだと思いますが,今回の井上道義さんのアプローチを聞いてなかなか良い取り合わせだと思いました。

井上さんの指揮は,非常に正統的で,両曲とも古典的な交響曲として捉えていたと思います。しっかりと凝縮した密度の高さと,「形の良さ」がありました。それに「熱い魂」がしっかり籠っていました。井上さんは,5番の演奏が終わった後のアンコールの前で「今日の4番の演奏は本当に良かった」とステージ上で語っていました。

このこと自体珍しいのですが,両曲ともOEKメンバーの演奏に自信に裏打ちされた積極性が感じられ,「言うことなし」の演奏だと感じました。この日のフルートは工藤重典さんでしたが,その他の木管のメンバーの演奏も生き生きと音が前に出てきていて,古典的な枠はあるのに,かえって自由と感じさせてくれるようなところがありました。

第4番では,生き生きとしたスピードにのって各楽器が次々ソリスティックに活躍する第4楽章が特に印象的でした。第5番は,名曲中の名曲ということで,どこを取っても素晴らしかったのですが,やはり第4楽章に入る前の「革命前の静けさ」的な気分と第4楽章に入ってからの晴朗さが印象的でした。

第3楽章では,マルガリータ・カルチェヴァさんとルドヴィート・カンタさんを中心とした低弦グループによるフーガの部分も圧倒的な迫力を持っていました。最終楽章はピッコロが加わり,その音ばかりが目立つ,ということもあるのですが,今日の演奏は,その音が非常によく溶け合っていたのも素晴らしいと思いました。

このチクルスでは,現代曲を1曲加えるのが定番になっています。今回は,権代敦彦さんの「クロノス-時の裂け目」が演奏されましたが,これが全体の「要」になるように,4番-クロノス-5番という順に演奏されました。この配置も良かったと思います。

プレトークで権代さんは,この曲は「ミ♭ レ ド」という3つの音から成る下行するモチーフばかりでできている,と仰られていましたが,第5番は,「ソソソミ♭ー ファファファレー」の積み重ねですので,発想としては共通する部分があります。オーケストラの演奏会としては異例の5人編成の曲でしたが(ピアノ,ホルン,バスクラリネット,打楽器,チェロ),あまり違和感なくベートーヴェンの曲と組み合わさっていたと思います。

この曲は2012年のラ・フォル・ジュルネ用に書かれた曲で,「震災」「原発」などについての権代さんの思い・祈りが込められているとのことです。重くのしかかるようなモチーフの繰り返し,軋むような音の重なり合い(チェロのソンジュン・キムさんの激しい演奏が特に印象的でした)の後,最後の方では祈りを象徴するように,鐘の音が入っていました。

「クロノス」というのは「時の刻み」ということで,アンコールでは「時の刻み」を表現したベートーヴェンの交響曲第8番の第2楽章がアンコールで演奏されました。

終演後のサイン会で井上さんに「第4番は本当に良かったですよ」と言ってみたところ,「今日のような演奏は滅多に聞けないよ。トスカニーニの演奏よりも凄い」と,結構熱く語ってくれました。”トスカニーニ”という名前が出てきて,ちょっと意外だったのですが,言われてみると今日の演奏の方向性はまさにトスカニーニ的だった気がしました。井上さんの思い通りの演奏が実現できた演奏会だったのだと思います。

残念ながら,この第4番が聞けるのは今回だけですが,第5番の方は,明日の輪島公演,3月24日の東京公演,そして,ラ・フォル・ジュルネ金沢の開幕公演直後の軽井沢公演でも演奏されます。是非ご期待ください(と,宣伝をさせていただきました)。明日の輪島公演では,工藤重典さんのフルート独奏も楽しめすので行ってみたいところですが....ラ・フォル・ジュルネ金沢までお楽しみは取っておきたいと思います。

2014/03/05

OEK2014-2015シーズン・プログラム(速報版) マリナー,C.ヤルヴィ,ポンマーなど初登場の指揮者が続々登場 #oekjp

家に帰ると,OEKから2014-2015シーズン・プログラムの「速報版」が届いていました。昨年までは,「速報版」というのは無かったと思いますが,ファンとしては「完全でなくても早く知りたい」という思いがありますので大歓迎です。その内容についてご紹介しましょう。

フィルハーモニー・シリーズは,今シーズン同様,開幕コンサート9/10で辻井伸行さんが登場します。共演するのがマルク・ミンコフスキさんです。すっかりOEKの常連になりましたね。今回はフランス音楽特集で,ビゼーの交響曲などが演奏されます。

10/10には,クラリネットの名手チャールズ・ナイディックさんが登場します。コープランドのクラリネット協奏曲というのも大変楽しみです。

10/30には,何とネヴィル・マリナーさんが登場します。マリナーさんはアカデミー室内管弦楽団の指揮者として有名です。90歳ぐらいになられると思いますが,伝説の指揮者と言っても良いと思います。そのマリナーさんがOEKを指揮するという,夢のような演奏会になりそうです。ちなみにマリナーさんはマイスターシリーズ11/2の方にも登場します。

10/30の方はモーツァルト特集で工藤重典さんとの共演によるフルート協奏曲第1番と交響曲35番,39番が演奏されます。

1/10のニューイヤーコンサートは井上道義さん指揮で,島田歌穂さんがゲストとして登場します。ミュージカルの曲が演奏されるのでしょうか?これまでにないニューイヤーコンサートになりそうです。

2/15にはクリスチャン・ヤルヴィさん指揮の「ペール・ギュント」全曲です。OEK合唱団も登場します。

3/20は井上道義さんと仲道郁代さんの共演です。シューベルトのザ・グレイト,ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番が演奏されます。

6/22には五嶋みどりさんが登場します。定期公演に五嶋さんが登場するのは初めてかもしれまん。指揮は井上道義さんで,バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番を共演します。ブラームスの交響曲第2番も楽しみです。

7/24には広上淳一さんが登場します。曲目はソリストは未定です。

マイスターシリーズの方は,「オーケストラ・マスターワークス」と題して,オーケストラの名曲+ハイドンの交響曲という感じのプログラムになっています。毎回毎回,ハイドンの80番台を中心とした交響曲が演奏されます。演奏会は,いずれも土or日曜日の14:00開演です。

9/20は井上道義さんの指揮です。シューベルトの「未完成」,ハイドンの81番,シェーンベルクの「浄められた夜」が演奏されます。

11/2は上述のとおりマリナーさんの指揮です。マイスターの方では,モーツァルトの「ジュピター」,ハイドンの96番,ヴォーン=ウィリアムズの「揚げひばり」が演奏されます。「揚げひばり」では,アビゲイル・ヤングさんがソリストとして登場しますが,これも楽しみです。

1/24はシュフテファン・ヴラダーさんが純粋に「指揮者」として登場します。ブラームスの4番,ハイドン83番などが演奏されます。

3/7はマックス・ポンマーさんが登場します。マリナーさん同様,ベテラン指揮者のOEK初登場ということで,こちらも大変楽しみです。バッハの管弦楽組曲とハイドンの交響曲などが演奏されます。

7/18は井上道義さん指揮の日本センチュリー交響曲団+OEKの演奏会となります。演奏される曲が待望のストラヴィンスキーの「春の祭典」です。これは本当に楽しみです。

ファンタスティック・クラシカルコンサートについては詳細は未確定です。11/23に黒柳徹子さんがゲスト出演することは決まっています。

こうやって並べてみて気づくのは,
(1)これまで常連だった,ギュンター・ピピラーさん,山田和樹さん,金聖響さんなどが登場しない。
(2)4月,5月に定期公演がない
(3)ベートーヴェンの交響曲がない
といった点です。(2)については,ラ・フォル・ジュルネ金沢との関連もあるかもしれませんね。

個人的に注目しているのは,やはり,ネヴィル・マリナーさんです。演奏される曲では,「春の祭典」が楽しみです。というわけで,新シーズンも目が離せませんね。

2014/03/02

石川県学生オーケストラ&オーケストラ・アンサンブル金沢合同公演,今年のメインはボロディンの交響曲第2番。重厚で若々しい演奏を堪能しました。OEKのハイドンもお見事でした。#oekjp

この時期恒例の石川県学生オーケストラとオーケストラ・アンサンブル金沢の合同公演,カレッジ・コンサートを聞いてきました。この演奏会も回を重ね,今回で11回目になります。今年の指揮者は,小松長生さんで,金沢大学フィルハーモニー管弦楽団,金沢工業大学室内管弦楽団のメンバーとオーケストラ・アンサンブル金沢が合同で演奏しました。

1曲目はOEK側がトップ奏者になり,チャイコフスキーの「くるみ割り人形」組曲が演奏されました。名曲中の名曲ですが,OEK単独だとなかなか演奏する機会はない曲です。小松さんの指揮は非常に正統的で,この曲の魅力をストレートに楽しませてくれました。指揮する姿にも全くブレがなく,安心して楽しむことができました。花のワルツの最後の部分の威厳に満ちた終わり方など,「お見事!」という感じの演奏でした。

2曲目のハイドンはOEK単独の演奏でした。これもまた現代オーケストラによるハイドン演奏の見本のような見事な演奏だったと思います。冒頭からとても速いテンポでスッキリ,クッキリと明快な音楽を聞かせてくれました。ハイドンの後期の交響曲は非常に緻密に出来ていて,それらの音やフレーズの積み重ねを聞くだけでうれしくなります。今日の演奏は,そういった点で大変明快であると同時に,リラックスした気分もありました。

最終楽章のコーダの前では,何故か第2楽章ののんびりとしたメロディが再現してきて,「おお」と思いました(全く違和感がなかったので,気づかなかった人もいたと思います)。そういう遊びの感覚の後,ビシッと曲を締めてくれるあたり,緊張感とユーモアの絶妙のバランス感覚のある見事な演奏だったと思います。

後半のボロディンの交響曲第2番は,私自身,実演で聞くのは始めての曲です。他のオーケストラの実演でも聞いたことはないのですが,LPレコード時代などにはレコーディングも多かった曲です。LPレコードの片面にちょうど納まるぐらいの長さだったので,それが人気だったのかもしれませんが,本来,今でももっと演奏されるべき作品だと思います。

この演奏では,学生オーケストラ側がトップ奏者になっていました。冒頭の音型がとても印象的な曲ですが,非常に堂々と演奏しており,まず,学生オーケストラとOEKが一体になった”音の厚さ”を堪能できました。大型の恐竜がゆっくりと動きまわるような,独特の雰囲気が出ていました。恐竜は絶滅してしまっているので,言い方を変えると,やはりちょっと現代の感覚とずれた曲なのかもしれませんが,インパクトの強さは不滅だと思います。最後の部分の仰々しさも最高でした。

途中の楽章では,第3楽章でのホルンやクラリネットのソロが大健闘でした。この部分は,「中央アジアの草原」的な大らかさがありました。そうやって聞くと,第4楽章は草原を馬が走っているようにも感じられます。なかなか重厚さのある疾走感があり,とても楽しいエンディングになっていました。パーカッションも活躍していましたが,ひっぱたくようなタンバリンなど,若々しさに溢れた演奏でした。

今回はボロディンの交響曲第2番という,かなり意表を突く曲でしたが,こういう選曲は良いですねぇ。来年もまた,OEKメンバーもびっくりというような曲を聞いてみたいと思います。

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