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2014年3月16日 - 2014年3月22日

2014/03/21

オペラの愉しみ:ラ・フォル・ジュルネ金沢音楽祭2014プレイベント。トロヴァトーレ(ハイライト)を若手歌手の活きの良い声で堪能。エレクトーン演奏も予想以上に効果的 #lfjk

本日は,「オペラの愉しみ:ラ・フォル・ジュルネ金沢音楽祭2014「プラハ,ウィーン,ブダペスト:三都物語」プレイベント」を聞いてきました。ヴェルディの「トロヴァトーレ」は,直接今年のテーマとは関係ないと思いますが,前半は今現在プラハ歌劇場で上演されている曲からの抜粋でした。

というわけで,ラ・フォル・ジュルネの流れというよりは,1月,2月と連続して金沢で上演されたオペラに出演した歌手が登場する,”アンコール企画”的な感覚で楽しんできました。

今回登場した歌手は,「滝の白糸」に出演した石川県出身のメゾソプラノの鳥木弥生さん,「こうもり」に出演したソプラノの小川里美さんに加え,テノールの笛田博昭さん,バリトンの与那城敬さんが登場しました。いずれもこれからの日本のオペラ界の中心的存在になるであろう歌手ばかりということで,最初のヴェルディの「乾杯の歌」から,4人だけとは思えない圧倒的な迫力がありました。

前半はこの4人の「あいさつ」がわりの曲が歌われました。特に「トスカ」の中のアリアを歌った男声2人の声の輝かしさが印象的でした。この日の伴奏は,清水のりこさんのエレクトーンだったのですが,これがまた素晴らしいものでした(余談ですがエレクトーンというのは,ヤマハの電子オルガンの商品名で,例えばカワイの電子オルガンはドリマトーンと言います。)。

クラシック音楽愛好者からすると,電子オルガンというとちょっと軽く見がちなのですが,オーケストラ的なサウンドを非常に巧く再現しており,感心するばかりでした。特に「トスカ」のデ・デウムでは,大砲のような音を出したり,演奏の主役になっていました。

音自体が最適のバランスで作られている上,ちょっと残響が付いているような感じなので,東京ディズニーリゾートで行われている夜のアトラクションをうっとりと楽しんでいるような気分と似た感じになると思いました。

後半はこの日のメインである,ヴェルディの「トロヴァトーレ」ハイライトでした。私自身,このオペラの全曲を見たことがないのですが,今回のハイライトを聞いて十分に「見た感じ」になりました(十分以上です)。聞いて感心したのは,ヴェルディの音楽です。プッチーニの音楽は結構泣かせる感じのメロディが多いのですが,ヴェルディの方は,”血沸き肉躍る”的な熱さがありますね。特に「トロヴァトーレ」にはそういうところがあると思いました。

鳥木さんの解説によると,ソプラノ,メゾ・ソプラノ,テノール,バリトンのそれぞれに聞かせどころがあり,全員が主役のようなところがある,とのことでしたが,確かにそのとおりでした。しかも,それぞれが色々な組み合わせで,喜怒哀楽のありとあらゆる感情を表現します。4人の歌手とも前半以上に声の力を増していると同時に,後半に向かって,感情がどんどん熱く高ぶってくるような感じでした。ストーリー的には,やや釈然としないようなところがあるのですが,その辺は全く関係なく,熱くなれるような作品だと思いました。

一度生で聞いてみたかったマンリーコのアリアは,笛田博昭さんによる真っ直ぐな強さを持った見事な声で堪能できました(少し短かった?)。鳥木さんのアズチェーナは,「滝の白糸」に続く母親役でしたが,終盤でやはり「ジーン」と来るような歌を聞かせてくれました。そして,最後の最後の場面での「復讐だぁ」のポーズは夢に出てきそうな(?)インパクトがありました。

小川里美さんは,2人のイケメン(鳥木さん談)から愛される役なのですが,その感情の動きが本当にリアルに伝わってきました。終盤でのルーナ与那城さんとの絡みの部分など,「レオノーラ頑張れ!」という感じで見てしまいました。与那城さんは,バリトンなのですがテノールを思わせるような輝きがあり,イタリアオペラにぴったりだと思いました。

というわけで,是非,この4人+OEKで「トロヴァトーレ」全曲を観てみたいものです(実は,アンケートにも書いてしまいました)。

その企画は別として,電子オルガン伴奏によるオペラ・ハイライトシリーズも面白いと思いました。曲の解説の後,電子オルガン伴奏+若手歌手による「ハイライト」。プロジェクション・マッピング的な照明をつけるとさらに盛り上がると思います。

\2000で気軽にオペラの「いいところ」を楽しめる,まさに「オペラの愉しみ」という良い企画だったと思います。

2014/03/18

オスロ・フィルハーモニー管弦楽団金沢公演。明晰で雄弁,しかも爽快なマーラーの「巨人」。ヴァシリー・ペトレンコさん,これから人気が出そうな指揮者です。諏訪内晶子さんのメンデルスゾーンはバランス感覚抜群の安定した演奏

本日は,この時期恒例の東芝グランドコンサートを聞いてきました。今年は,オスロ・フィルハーモニー管弦楽団が登場しました。オスロ・フィルは1990年代にもこのコンサートで金沢公演を行ったことがあります。その時は,現在,ヨーロッパの複数のメジャー・オーケストラで重要な地位を締めているマリス・ヤンソンスが指揮者として登場しました。ヤンソンスさんの現在の活躍の基礎はこのオスロ・フィル時代にあるのではないかと思っています。

今回の指揮者は,ヴァシリー・ペトレンコさんでした。私自身,生で演奏を聞くのは今回が初めてですが,この東芝グランドコンサートに登場する指揮者は,昨年のヤニック・ネゼ=セガンにしても,その後,どんどん活躍の場を広げていますので,「先物買い」的な楽しみもあります。今回のペトレンコさんの指揮ぶりを見て,今回来て良かったと思いました。今後,どんどん人気が出そうな指揮者だと思います。

最初に演奏されたモーツァルトの「フィガロの結婚」序曲は,日頃OEKで聞いている編成よりはかなり大きかったのですが,演奏の雰囲気自体は,ギュッと引き締まっており,古楽奏法を思わせる雰囲気と密度の高さがありました。

続いて,お馴染み諏訪内晶子さんのソロで,メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が演奏されました。諏訪内さんの演奏を聞くのは,昨年9月のOEKとの共演以来です。メンデルスゾーンの協奏曲を聞くのは,OEKが金沢市観光会館で定期公演を行っていた時代に岩城さんと共演したのを聞いて以来です(ちなみにこの公演は,伝説的超満員コンサートでした)。

演奏は諏訪内さんらしく,安定感抜群でした。甘くなり過ぎることも,よそよそしくなることもなく,しっかりと息の長いメロディをじっくりと聞かせてくれました。テンポの速くなる第3楽章でも十分にキレの良さを感じさせながらも,慌てた感じはありませんでした。ペトレンコさん指揮オスロ・フィルの演奏も,各楽章ごとに鮮やかに気分が変わっており,一体となって聞きごたえのある音楽を楽しませてくれました。

さて,後半は楽しみにしていたマーラーの交響曲第1番「巨人」です。マーラーの交響曲が金沢で演奏される時は,ほとんど毎回聞きに行っているのですが(と書くほど,頻繁には演奏されないのですが),今回の演奏は特に魅力的な演奏だったと思います。

第1楽章の冒頭部は,通常非常にデリケートな雰囲気で始まるのですが,今日の演奏には神経質な感じはまったくありませんでした。それでいて,とてもよく練られており,楽章が進むにつれて,音量が増し,だんだんと太陽の位置が高くなっていくように華やかさが増していきました。各楽器の音も非常にクリアでした。

第2楽章では,たっぷりとテンポを落とした中間部での緻密な表現と,自然な伸びやかさを感じさせる主部のコントラストが鮮やかでした。第3楽章でも,「哀しくもユーモラス」といった気分のあるコントラバスの独奏をはじめ,各部分の表情が鮮やかに変化をするのが見事でした。

第4楽章はオスロ・フィルの各パートの実力の高さをしっかり実感できました。楽章最初の強烈な一撃をはじめ,オーケストラ全体としての迫力は十分でしたが,それほど重苦しさは感じませんでした(3階席で聞いていたこともあると思います)。弦楽器のカンタービレも,じゅうぶんたっぷりと歌っているのですが,しつこく粘るような感じにはなりません。ペトレンコさんとオスロ・フィルの演奏からは,「巨人」の曲想にぴったりの若々しさを感じました。

ホルン(8本もいました)やトランペットなど,金管楽器の鮮やかさも素晴らしく,テンポをさらに一段階アップしたようなコーダ部分での若々しい表現にぴったりでした。

ちなみにコーダ部分でホルン奏者たちは,「全員起立」していました(別の部分ではベルアップも行っていました。)。音響的にそれほど効果に差はないと思いますが,実演でやってくれると,聞いている方の気分も盛り上がりますね。

アンコールでは,ブラームスのハンガリー舞曲第6番が演奏されました。最後の部分で茶目っ気を見せてくれるなど,ペトレンコさんの緩急自在の指揮ぶりをオーケストラ自体も楽しんでいるようなアンコールにぴったりの演奏でした。

というわけで,聴衆も大喜びの素晴らしい演奏でした。ペトレンコさんは,NAXOSからショスタコーヴィチの交響曲全集(?)のCDも出しているようですが,機会があれば,ロシア音楽なども聞いてみたいものです。

2014/03/16

本日の午後は「ピアノ協奏曲の午後」。ショパンの1番2番をはじめ,4曲の協奏曲をOEKとの共演で楽しみました。特に竹田理琴乃さんのショパンの2番は完成度の高い素晴らしい演奏 #oekjp

石川県ピアノ教会とOEKが数年に1回行っている,県内のピアニストたちとOEKが共演する「ピアノ協奏曲の午後」を聞いてきました。このコンサートですが,文字通り「休日の午後にピアノ協奏曲ばかりを取り上げる」という企画で,次の4曲のピアノ協奏曲が5人のピアニストによって演奏されました。

サン=サーンス/ピアノ協奏曲第2番
ショパン/ピアノ協奏曲第1番
モーツァルト/2台のピアノのための協奏曲第10番
ショパン/ピアノ協奏曲第2番

休憩はショパンのピアノ協奏曲第1番の後に入りましたが,前半後半ともに1時間以上かかるプログラムで,14:00から17:00近くまで掛かる,大変ボリュームのある演奏会となりました。

今回登場したピアニストの中では,やはり昨年日本音楽コンクールピアノ部門で3位に入賞した竹田理琴乃さんによる,ショパンのピアノ協奏曲第2番の演奏が一頭地を抜くような完成度の高い演奏でした。完全に手の内に入った演奏で,第2楽章でのじっくりと聞かせる歌から一気に駆け抜けるような最終楽章まで,言うことなしの演奏でした。竹田さんは,この曲を北陸新人登竜門コンサートの時に井上道義さん指揮OEKと共演したこともありますので,聞くのは2回目なのですが,さらに「歌心」が豊かになったように思いました。これからの活躍が本当に楽しみなピアニストです。

その他の曲も各曲の魅力をしっかり伝えてくれる演奏でした。

木下由香さんによるショパンのピアノ協奏曲第1番は,タッチがとても軽やかで特に第3楽章の民族舞曲的な感じが印象的でした。吉藤佐恵さんによるサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番は,サン=サーンスにしては,ちょっと雰囲気が重いかなという気もしましたが,その分充実した響きをしっかり楽しませてくれました。この曲はOEKのレパートリーに入っている曲で,今度の新人登竜門コンサートでも演奏されますが,その聞き比べも楽しみです。

後半最初に,坂下麻子さんと菅野幸子さんによって演奏されたモーツァルトの2台のピアノのための協奏曲は,演奏全体に濃い雰囲気がありました。演奏全体に大人の雰囲気を持った品の良い温かみがあり,晩年のモーツァルトの音楽を聞くような深さを感じました。

今回の指揮は,三河正典さんでした。どの演奏もしっかりとしたサポートで,どのピアニストにとっても大変演奏しやすかったのではないかと思います。これから,ラ・フォル・ジュルネ金沢2014に向けて,県内のピアニストの演奏を聞く機会が増えてきますが,その期待を高めてくれるような,質量ともに充実感のある演奏会でした。

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