OEKのCD

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2014年1月5日 - 2014年1月11日

2014/01/08

OEKのニューイヤーコンサート 今年は前半がヘンデル,後半がオペレッタの音楽 藤木大地さんと中村恵理さんの素晴らしい声をまじえ,OEKらしさ満載。外は雨でも内はハレルヤ!もちろん恒例「OEKどら焼き」付き #oekjp

恒例のOEKのニューイヤーコンサートを聞いてきました。昨年は前半コルンゴルトの音楽が取り上げられましたが,今年の前半はヘンデル特集。女声歌手と男声歌手(性格には女声的男性歌手?)が登場する点は,昨年同様ということでしたので,特定の作曲家を特集する形が「井上道義+OEKのニューイヤー」の基本形になりつつあるようです。

井上道義さん指揮の場合,毎回毎回,色々な工夫がされ,楽しませてくれるのですが,今回は最初から「おやっ」と思わせてくれました。ヘンデルの水上の音楽からの抜粋ということで,すんなり始まると思ったのですが...ステージに登場したOEKメンバーの数はやけに少なくほとんど室内楽。しかも井上さんが出てきません。

この状態で序曲がとても丁寧に始まりました。次の曲でホルン2名,その次の曲でファゴット1名が加わり,そして,アラ・ホーンパイプで井上さんも含めて弦楽器がフル編成になり,のびやかに締めてくれました。そして,「あけまして,おめでとうございます」...こういう趣向でした。ハイドンの「告別」交響曲の反対のような感じで,照明もだんだん明るくなっていきました。ヘンデルも大喜び(?)というアイデアだったと思います。

その後,ソプラノの中村恵理さんとカウンターテノールの藤木大地さんが登場し,ヘンデルのアリアを3曲(1曲は重唱)歌いました。このお2人は1月3日に行われたNHKニューイヤーオペラコンサートに出演されたばかりで,そのまま一緒に金沢に移動して来られたような形になります。期待の若手二人の声は,どちらも瑞々しく,新年の気分にぴったりでした。

中村さんの声は,どちらかというと軽い方だと思いますが,声に芯の強さがあり,シャキッとした美しさが魅力だと思いました。藤木さんの方は,癒しの気分を持った,とても暖かい歌を聞かせてくれました。このお2人の相性はとても良いのではないかと思いました。

前半最後は,ヘンデルの合奏協奏曲op.6の最後の曲でした。ロ短調の曲ということで,ほの暗く,ピシッとした感じで始まった後,緩-急-緩-急と動いていきます。どの部分も音楽自体に魅力と聞きごたえがありました。サイン会の時,井上さんに「この曲,良かったです」と言ってみたら,「う~ん」としばらく考えた後,「なんか豪華なんだよねぇ」と振り返ってくれました。井上さんは,以前定期公演でヘンデル役を演じたことがあるくらい,ヘンデル好き(だと思います)が,さすが井上さんという感じの充実感のある演奏でした。それと,ヴァイオリンのサイモン・ブレンディスさんをはじめとしたソリスト・グループとトゥッティとが交錯する立体感が味わえるのは,ライブならではだと思います。

後半は,ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートと似た雰囲気になりましたが,オペレッタの序曲+アリアの間にオッフェンバックという構成になっているのは,やはり井上+OEKらしさなのかもしれません。曲全体が生きているような「こうもり」序曲に続いて,中村さんの独唱でアデーレのアリアが歌われました。これは本当に素晴らしい歌唱で,一流の歌を聞いたというインパクトの強さがありました。中村さんはバイエルン国立歌劇場で活躍されているそうですが,今後の活躍が楽しみです。

藤木さんの方はオルロフスキー伯爵のアリアを歌いました。この伯爵については,「エキセントリックなキャラクター」という印象があったのですが,藤木さんの歌はとても「いい人」っぽい感じに聞こえました。来月は「こうもり」全曲を楽しめますが,どういうオルロフスキーが登場するか楽しみです。

続いてオッフェンバックの「カンカン」と「ホフマンの舟歌」が演奏されましたが,マニュエル・ロザンタール編曲のバレエ音楽「パリの喜び」の最後の部分でした。実はこの曲は大好きなので,聞いていて「全曲を聞いてみたい」と思いました。井上さんの楽しげな指揮ぶりにぴったりの曲なので,そのうち是非全曲演奏を期待したいと思います。

「ヴェネツィアの一夜」の序曲に続いて,「酔っ払いの歌(アンネン・ポルカに歌を付けたもの)」が中村さんの歌で歌われました。この曲はニューイヤーコンサートでも何回か聞いていますが,毎回,いろいろな絡みかた,酔っ払い方で楽しませてくれます。楽譜は一体どう書いてあるのでしょうか?中村さんの良い方は最初は可愛らしい感じでしたが,だんだんと過激になっていく感じでした。

演奏会の最後は,おなじみの「美しく青きドナウ」でしたが,OEKらしくコーダの部分が短い版で演奏されていました。この曲については,やはり打楽器のロールが派手に入る長いコーダの方がウィーン・フィルの演奏で聞きなれていることもあり,「良いかな」と思うのですが,OEKの場合,あえてウィーン・フィル風を避けているのかもしれません。

事実,ウィーン・フィルでは恒例の「ラデツキー行進曲」は,井上さん指揮のニューイヤーコンサートでは演奏されていない気がします。「一緒に手拍子をしたい」というお客さんもいると思いますが,井上さんは,「予定調和的」「ウィーン・フィルの真似」というのは嫌いなのだと思います。

その代わりに演奏されたのが,藤木さんの独唱で歌われた「ペチカ」でした。藤木さんの暖かな声にぴったりの曲だと思いました。冬に聞く日本歌曲は良いなぁと思いました。

そして,最後の最後にヘンデルに戻って,ハレルヤ・コーラスのオーケストラ編曲版が演奏されました(そういえば,昨年9月のOEK創立25周年記念公演でもヘンデルで始まりヘンデルで終わっていましたね)。通常合唱が歌う部分をトロンボーンが演奏しているような感じで,会場が一気に明るくなりました(というか,照明自体明るくなっていました。「これでお開きです」という合図だったのかもしれません。)。

この季節,金沢では雪になることも多いのですが,今日は雨。演奏会の終わりはハレルヤ。というわけで,「雨のちハレルヤ」というニューイヤーコンサートでした。

PS. 恒例のOEKどら焼きのプレゼントもありました。一晩眺めた後,明日にでも食べてみたいと思います。

石川県立音楽堂&OEK機関誌「CADENZA」Vol.44が届きました。新作オペラ「滝の白糸」の準備状況の紹介など,邦和とも演劇的作品の紹介が中心 #oekjp

石川県立音楽堂&OEK機関誌「CADENZA」の最新号が,ニューイヤーコンサートに合わせるように郵送されてきました。その中からご紹介しましょう。

今号では,1月17日と19日に高岡と金沢で上演される新作オペラ「滝の白糸」の舞台稽古潜入レポート,邦楽ホールで行われる「干支の芸能シリーズ」に出演する野村萬斎さんのインタビュー,文楽の舞台についての紹介記事など演劇的作品についての記事がメインになっています。

クラシック音楽ファンとしては,やはり今回OEKが初演する「滝の白糸」の稽古レポートが興味深い内容となっています。演出家の十川稔さん,主役のソプラノ中嶋彰子さんのインタビューなど,送り手側の生の声を読むことができます。

井上道義さんの対談シリーズは金沢出身の俳優,篠井英介さんとの対談になっています。意気投合されたようなので,そのうち,井上道義指揮OEKと篠井さんが共演する公演も実現するかもしれません。篠井さんなら,和でも洋でも男でも女でも何でも行けそうです。個人的には,ストラヴィンスキーの「兵士の物語」の悪魔役などに期待しています。

今後の公演情報については,4月以降についてはまだ掲載されていませんでした。3月には9日に輪島市で,22日に津幡町でOEKの公演が行われます。

3月23日の石川県ジュニアオーケストラの定期公演には,ピアニストの宮下理香さんがゲスト出演します。グリーグのピアノ協奏曲を演奏するようですが,これは楽しみな共演になりそうです。

3月30日の「オーケストラの日」公演の内容ははっきりとは分かりませんが,このところ連続してOEK定期公演のプログラムに記事を書かれている潮博恵さんが講演をされるようです。どういう内容になるか期待したいと思います。

というわけで詳細は音楽堂等でお手に取って,お読みください。

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