OEKのCD

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2014年7月6日 - 2014年7月12日

2014/07/12

クミコ&鈴木織衛/OEK を聞いてきました。伸びやかな声と人生を感じさせる深い味わい!井上芳雄さんとの清々しいデュオも聞きものでした。#oekjp

今晩は,歌手のクミコさんと鈴木織衛さん指揮OEKが共演するファンタスティック・クラシカルコンサートを聞いてきました。実はこのシリーズを聞くのは久しぶりだったのですが,たまには親孝行をするか,と思いつき,今月誕生日を迎えた母と一緒に聞いてきました。私の母の場合,モノをプレゼントしても「趣味に合わない」「モノを増やしたくない」...とあれこれうるさいので,コンサートのチケットを贈り,一緒に出掛けるこにしました。結果として,なかなか良いプレゼントだったと思います。

クミコさんがOEKと共演するのは,2006年以来です。その時に歌声を聞いて,「よい大人が聞くのにぴったりの音楽」という実感を得ていたのですが,今回もそのとおりでした。クミコさんの声は,とても伸びやかで,純粋で,率直なのですが,ただ真っ直ぐなだけでなく,歌詞の内容に合わせて,人生の陰影のようなものを感じさせてくれます。逆に言うと,クミコさんは平凡な人生の中から陰影をさせてくれるような歌を選んで歌っているのだと思います。

クミコさんの名刺代わりとなっている「わが麗しき恋物語」,シャンソンの定番曲の「百万本のバラ」,「愛の賛歌」などが前半に歌われました。この中では7/23に新譜が発売されるという「広い河の岸辺」が聞きものでした。この曲は,今放送中のNHK連続テレビ小説「花子とアン」の中でも重要なシーンで歌われたスコットランド民謡だそうです(私自身は,見逃したので再放送があったら見てみたいと思います)。

クミコさんは,3.11の東日本大震災の時,たまたま石巻で被災し,その復興に向けたの思いを込めてこの曲を歌おうと思ったそうですが,偶然同じようなタイミングで「花子とアン」でもこの曲が歌われたのを聞いて,「今しかない」と思ったそうです。調べてみると,次のような記事がありました。

http://www.oricon.co.jp/news/2038566/full/

今後,合唱でも歌われるような定番曲になっていくかもしれませんね。

後半はミュージカル歌手の井上芳雄さんをゲストに迎え,二人のデュエットを中心にステージが進みました。井上さんとクミコさんは,数年前から共演をしているようで,「車輪」「わたしは青空」などが歌われました。井上さんの声は,いかにもミュージカルのプリンス(「もうそんな年齢ではないのですが...」と語っていました)といった感じで,ストレートに思いが伝わってくるような歌を聞かせてくれました。

特に三木たかしさんが遺作のような感じで作った「車輪」は,「この2人でないと歌えない曲です」ということで,2人の個性がとても巧く生きていました。「わたしは青空」の方は,「千の風になって」と同じく「死者側目線の曲」です。もともとはクミコさんのソロの曲ですが,2人で歌うと立体感が増して,一味違った面白さが出ていたと思います。

井上さんの独唱の曲の後,最後に「指もかみも唇も」でドラマティックに締めてくれました。クミコさんの曲には,人の「死」がよく出てくるのですが,それがドロドロとした感じにならず,あくまでさらりとした後味が残るのが素晴らしいと思います。聞きやすさと同時に深みが残る素晴らしい歌の数々でした。

今回の鈴木織衛さん指揮OEKの演奏も見事でした。鈴木さんは「挿絵のようにフランス音楽を間に演奏します」と仰られていましたが,どの曲もとても流麗で,演奏会全体としてクミコさんに寄り添うように,演奏を盛り上げていました。

さて,私の母の方ですが...一緒に出掛けてみると,いろいろ目の付け所が私と違っていて面白かったですね。この辺はレビューの時に紹介しましょう。帰りの駐車場でも一騒動あったり,なかなか大変ではありましたが,時には親と一緒に聞くのも良いものだと思いました。

2014/07/08

音楽堂室内楽シリーズはOEK渡邉昭夫さんを中心とした打楽器アンサンブルによる横田大司作品集。外は湿気たっぷりでしたが,風李一成さんを交えた「芋掘り藤五郎」などキレ#oekjp

今年度最初の「音楽堂室内楽シリーズ」を聞いてきました。今回は,OEKの渡邉昭夫さんを中心とした打楽器アンサンブル想樂~sora~のステージで,横田大司さんの作曲・編曲作品のみによるプログラムが演奏されました。

プログラムの中心は,金沢を中心に活躍する俳優,風李一成さんを交えての音楽ものがたり「芋掘り藤五郎」 でしたが,前半に演奏された打楽器アンサンブルによる作品もそれぞれに面白く,キレよく,心地よい打楽器アンサンブルの世界を満喫しました。

横田大司さんは,打楽器アンサンブル,パーカッションミュージアムのメンバーとしても活躍されている方ということで,作品ごとに別の切り口から打楽器の魅力を聞かせてくれました。横田さんは,弦楽四重奏のような,「必要最小限の編成で効果のあがる定番的な編成」に関心があるそうで,打楽器アンサンブルについては「2人でマリンバ+マリンバ・ソロ+ヴィブラフォン・ソロ」という4人編成を基本形とみなしているとのことでした。今回の演奏された曲もこの編成にして曲を作られているようでした。

前半最後に演奏されたシャブリエのスペイン狂詩曲の編曲版はこの4人編成でしたが,音色の同質性と多彩さをバランス良く楽しむことができました。先日のOEKの定期公演のプレコンサートでも演奏された,「忠臣蔵」のために書かれた「白紙の一幕」では,竹と太鼓のみによる演奏で,和太鼓に乗って,竹刀でチャンバラをしているような和風の迫力が強烈でした。「箒と秘薬」という曲は,マリンバを中心とした曲で,「どこかファンタジー」な気分がありました。サン=サーンスの「死の舞踏」同様,シロフォンの音が絡むことで,ミステリアスな気分を高めているのも面白いと思いました。

Solaのメンバーは女性が多いのですが,今回は衣装にも凝っていました。曲によって色合いを変えていたのも楽しかったですね。マリンバ,ヴィブラフォンを中心とした鍵盤打楽器の演奏は,どの曲も見事でしたが,視覚的にも華やかでした。

後半の「芋ほり藤五郎」は,渡邉さんの委嘱で2005年に作られた作品です。金沢の地名の由来にもなっている民話を題材としているだけあって,横田さんの音楽は親しみやすく,のどかな雰囲気に満ちていました。財産作りに興味がなく,現在の平穏な暮らしに満足する藤五郎とその妻の心情を表すような,穏やかな幸福感(シャボン玉も飛んでましたね)が心地よくホールに広がりました。

風李さんといえば,「兵士の物語」の悪魔の印象があるのですが,今回はその時とは全く違ったキャラクターを演じていました。一人で全登場人物を演じることになるのですが,複数の仮面を使い分けることで,大変効率的にドラマの気分を伝えてくれました。声も大変聞きやすく,ストレスなく民話の世界に入り込むことができました。

打楽器アンサンブルは,この室内楽シリーズでも時々取り上げ得られますが,毎回毎回本当に楽しめます。楽器が空気を震わせ,それが耳にストレートに伝わってくる。それが最大の楽しみです。

今日は台風の接近の影響か大変湿度の高い「不快」な一日でしたが,音楽堂交流ホールだけは別世界でしたね。最後に手拍子(一部足拍子)だけによる曲がアンコールで演奏されましたが,これも格好良かったですね。今回もまた,打楽器アンサンブルの多彩な魅力を伝えてくれるステージを楽しませてくれました。

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