OEKのCD

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2014年8月31日 - 2014年9月6日

2014/09/06

12月上旬の金沢はバレエウィーク OEKの演奏で12/6「くるみ割り人形」と12/9プロコフィエフ「シンデレラ」が上演されます #oekjp

本日のコンサートでもらったチラシによる情報です。

今年の12月上旬ですが,金沢では次のとおり1週間内にOEKが演奏するバレエが2本上演される「バレエウィーク」となります。

12月6日(土)14:00~ 石川県立音楽堂コンサートホール
チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」

12月9日(火)19:00~ 金沢歌劇座
プロコフィエフ/バレエ「シンデレラ」

どちらも佐藤正浩指揮OEKで,ドイツ・エッセン市立歌劇場バレエ団のソリストが登場します。

「くるみ割り人形」の方には地元バレエ団のオーディション合格者も登場します。「シンデレラ」の方は「モダンバレエ」ということで,一味違ったものになりそうです。

このような形で短期間でバレエが2本上演されることは石川県内では珍しいことだと思います。バレエには,「見るまではややハードルは高いが,一度見るとハマル」ようなところがあります。今回は,金沢では滅多にみられない「シンデレラ」が上演されるのが特に注目です。お得なセット券(SS席セット12000円,S席セット10000円)もあるようです。チケットは本日9/6から発売開始とのことです。

オーケストラ公演だけでなく,「お金がかかる」オペラやバレエの上演頻度が増えてきたのも,OEKの活動の副産物なのではないかと思います。今年の注目公演だと思います。

ちなみにその翌週には,恒例のヘンデルの「メサイア」が演奏されます。OEKのスケジュールもなかなかハードですね。

潮博恵著『古都のオーケストラ,世界へ!:「オーケストラ・アンサンブル金沢」がひらく地方文化の未来』(アルテスパブリッシング)が演奏会場で配布されました。OEKをしっかり取材したOEKファン必読の著作です #oekjp

本日の岩城宏之メモリアルコンサートで,潮博恵著『古都のオーケストラ,世界へ!:「オーケストラ・アンサンブル金沢」がひらく地方文化の未来』(アルテスパブリッシング)が定期会員(S,A席購入者)に配布されました。次のとおり,レンゴーさんの提供による特製パッケージ(段ボールですね)に入れられていました。

Nec_0621

本文の方は,まだ全部読んでいないのですが,3月末に潮さんが講演された時同様,豊富な写真を掲載し,データに基づいた記述がされています。日本のオーケストラについては,山形交響楽団について指揮者の飯森範親さんが書いた書籍があったと思いますが,それ以外ではこういうタイプの本はほとんどないのではないかと思います。

アーティスト自身,オーケストラのメンバー,指揮者が書いているのではない点も独自の点だと思います。アートの観点だけにとどまらない視野の広さがあり,より客観的な記述になっているのではないかと思います。

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ちなみに...私も潮さんから取材を受けており,p.127~のコラムで楽友会の活動とともにOEKfanのサイトが紹介されています。OEKメンバーも含め,地道なインタビューの積み重ねで作られているのも素晴らしいと思います。日本の特定のオーケストラについて,こういうタイプの書籍が作られたことは過去になかったと思います。

この本がきっかけとなって,OEKの活動がさらに地元金沢に定着し,さらに多くの人に「応援しがいのあるオーケストラだ」と感じてもらえるようになると,OEKファンとしても大変嬉しく思います。

PS. 本日,潮さんから,メッセージ付きのサインをいただきました。こちらも良い記念になりました。

岩城宏之メモリアルコンサート。内藤淳子さんの真摯なヴァイオリンでメンデルスゾーンをじっくり堪能。山田和樹指揮による包容力のある「宗教改革」も見事。ウンスク・チンの新曲は斬新な響き #oekjp

OEKの2014/15のシーズンが始まりました。

9月上旬の新シーズン最初の定期公演は,毎年「岩城宏之メモリアルコンサート」ということが多かったのですが,今年はこのコンサートは定期公演ではなく,純粋に「メモリアルコンサート」として開催されました。今回は,今年の岩城宏之音楽賞を受賞したヴァイオリニストの内藤淳子さんとの共演を中心に,メンデルスゾーンの作品とOEKの委嘱作品が演奏されました。指揮は,病気療養中の井上道義さんに代わって山田和樹さんが登場しました。

山田さんは,2006年の北陸新人登竜門コンサートで岩城さんの代理でOEKを初めて指揮した後,指揮者としての活躍の場を広げましたので,今回のコンサートの指揮者にはぴったりと言えます。

演奏会に先立ち,岩城宏之音楽賞の表彰式があった後,ウンスク・チン作曲の大アンサンブルのための「グラフィティ」という作品が演奏されました。この曲は,当初7月の定期公演で井上道義さん指揮で演奏される予定だったものです。ウンスク・チンさんは,OEKの前のコンポーザー・オブ・ザ・イヤーだった方です。今回の特徴はOEKの単独委嘱ではなく国際的な共同委嘱となっている点です。そのため,世界初演ではなくアジア初演ということになります。

この作品ですが,「大アンサンブルのための」という表現どおり,独特の編成でした。弦楽器の数は室内楽並みに少ないのですが,管楽器はトロンボーンやテューバも含め一通りそろっています。何といっても打楽器が大活躍します。この日は6人(多分)ぐらい打楽器奏者がいました。の

曲の方は...かなり前衛的でメロディがない作品でした。ピアノ,ハープや打楽器の多彩な音,弦楽器の特殊奏法など含め何が飛び出してくるか分からない曲でした。新曲の場合,15分以内のことが多いのですが,この曲については国際共同委嘱作品ということもあるのか,3楽章からなるかなりの大作で30分ぐらい掛かっていたと思います。「グラフィティ」というタイトルは,「壁に描かれたストリートアート」的な落書を意識しています。どこか取り留めもないところがありましたが,その辺をどう感じるかが好みを分かつところだったと思います。

続いて内藤淳子さんが登場しました。内藤さんは,金沢市出身のヴァイオリニストで現在,ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の第1ヴァイオリン奏者として活躍されています。この内藤さんの独奏によるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ですが,大変立派な演奏で,感動しました。

冒頭部分はちょっと音程が上ずったような感じになりましたが,その後は非常にゆっくりとしたテンポでじっくりと聞かせてくれました。第1楽章の最後のカデンツァなどは,深く沈潜するような感じでした。華やかな協奏曲というよりは緻密な室内楽的な雰囲気があるのも素晴らしく,内藤さんならではメンデルスゾーンの世界を堪能させてくれました。この曲は非常によく演奏される曲ですが,スター奏者による甘美な演奏とは一味違った,知的な抑制の効いた演奏は大変新鮮に感じました。

今後は,内藤さんとOEKメンバーによる室内楽,さらには内藤さんつながりでロイヤル・コンセルトヘボウのメンバーとOEKメンバーとの共演なども期待したいと思いました。

後半では,内藤さんの演奏曲目に合わせるようにメンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」が演奏されました。山田さんは今年2月のOEK定期演奏会で,メンデルスゾーンの交響曲第2番「讃歌」の見事な演奏を聞かせてくれましたばかりですので,そのアンコール公演のような感じです。

この曲は,題材的にメンデルスゾーンの作品にしては渋く,交響曲と宗教曲が混ざったようなところがあります。第1楽章はコラールが何回か出てきますが,その明るく透き通った感じがOEKらしいところだと思います。第2楽章は,山田さんとOEKにぴったりのスケルツォ風の楽章でした。正真正銘メンデルスゾーンといった感じの瑞々しい音楽を聞かせてくれました。

第3楽章は無言歌を思わせる美しい楽章でした。特にサイモン・ブレンディスさんを中心とした弦楽器の透明感に溢れた美しさが印象的でした。そのまま第4楽章に入っていくのですが,そのつなぎのコラールのメロディが印象的でした。フルートの岡本さんをはじめ,木管楽器のアンサンブルが素晴らしく,聞いていて妙に敬虔な気分になりました。

曲の終結部はコラールと対位法的な音の動きが組み合わさって大きく盛り上がります。ブルックナーの交響曲のフィナーレに通じるものがあると感じました。山田さんは大げさにまとめるのではなく,すべてを暖かく包み込むように柔らかな雰囲気で締めてくれました。

この日のプログラムは,現代曲で始まり,メンデルスゾーンの渋い交響曲で終わるというやや地味目な構成でしたが,お客さんの反応は大変良かったと思います(特に内藤さんのヴァイオリンに対する拍手が暖かかったですね)。金沢で,こういうプログラムが普通に取り上げられるようになり,お客さんが自然に楽しめるようになったのもOEKの活動の積み重ねによるものだと思います。ステージ上の岩城さんのポートレートを眺めながら,そんなことを感じました。

PS.この公演では,OS,A席を購入した定期会員に,潮博恵さんによる25周年記念本「古都のオーケストラ,世界へ!」が配布されました。この本については,別途紹介しましょう。

2014/09/02

サイトウ・キネン・オーケストラ スクリーンコンサート2014@金沢市文化ホール 小澤征爾渾身の指揮の幻想交響曲

ここ数年,この時期恒例になっているサイトウ・キネン・フェスティバル2014のスクリーンコンサートを金沢市文化ホールで聞いてきました。過去2回参加した際には,小澤征爾さん以外の指揮で聞いたので,小澤さんの指揮でスクリーンコンサートを聞くのは今回が初めてです。

ただし,小澤さんの体調を考慮してか前半は指揮者なしによるモーツァルトのグランパルティータでした。名人揃いのサイトウ・キネン・オーケストラの木管楽器メンバーによる演奏ということで,じっくりと練りあげられたられた素晴らしいアンサンブルを聞かせてくれました。ただし,さすがに50分以上かかるこの曲を実演ではなくビデオ映像で楽しむというのは難しいところがあります。この際,目を閉じて,気持ちよい響きに浸ることにしました。最終楽章で,音が鮮やかに立ち上がるように響いていたのが大変印象的でした。

後半が小澤さん指揮による幻想交響曲でした。この曲は,小澤さんがデビュー当時からもっとも得意にしてい曲ではないかと思います。トロント交響楽団,ボストン交響楽団とのスタジオ録音に加え,サイトウ・キネン・オーケストラとのライブ録音のCDもあるようです。

小澤さんはやや高めの背もたれのような椅子に座って指揮をしていましたが要所要所では立ち上がっていました。小澤さんの作る音楽は,基本的には,よく整理された整った丁寧な音楽なのですが,ライブになると随所に熱さがにじみ出ます。テンポは,若い時の演奏に比べると遅めで,味付けも淡白な感じでしたが,その分,ヴィルトーゾ・オーケストラの各メンバーが小澤さんを盛り立ててやろうという気分が素晴らしく,最終楽章などは厚みのある響きを楽しませてくれました。

特に印象的だったのは第3楽章でした。孤独感と同時に不思議な温かみを感じました。しっかりと音が染み渡るような音楽を聞かせてくれました。

参加しているメンバーがアップになるのがスクリーンコンサートの面白さです。相変わらずの豪華なメンバーでした。コンサートマスターは新日本フィルなどでコンサートマスターをされている豊嶋さんでした(それにしてもこの方は色々なオーケストラのコンサートマスターをされています。)。その隣に座っていたのが東京都交響楽団の矢部達哉さん,その後が読売日本交響楽団の小森谷さん...と東京の主要オーケストラのコンサートマスターが勢ぞろいしている感じでした。

木管楽器は外国人奏者が多かったのですが,特にクラリネットのリカルド・モラレスさんの見事にコントロールされた音が魅力的でした。最終楽章の最初の方,通常のフルートではなく,「伸び縮みする横笛」を使ってユーモラスな音を出していたのも独特でした。こういうのは初めてみましたが,独特の風貌のフルート奏者(ジャック・ズーンさんだと思います)のアイデアでしょうか?

というわけで,前半のグランパルティータでは目を閉じて,後半の幻想交響曲では次々に切り替わる各奏者のアップを見ながら楽しみました。が,やはりハイビジョン映像+5.1サラウンドとはいえ,生の音とは全く違います。何よりも,拍手をしても奏者に届かない...というのがかなり空しいですね。

コンサートの開始前,長野県の方が「新幹線ができたら,是非松本にお越しください」といった観光PRをされていましたが,是非,一度松本に行って,その場で拍手をしてきたいものだと思いました。

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