OEKのCD

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2014年11月23日 - 2014年11月29日

2014/11/24

ルドヴィート・カンタ演奏活動50年記念チェロ・リサイタル。リサイタルといいつつOEKチェロの仲間が加わった心地よいチェロアンサンブルの数々

OEKは個性的な奏者の集まりですが,その中でももっとも存在感のある奏者の一人が首席チェロ奏者のルドヴィート・カンタさんではないかと思います。そのカンタさんのチェロ活動歴が50年になったのを記念して,石川県立音楽堂でリサイタルが行われたので聞いてきました。

まず,リサイタルといいつつ,全曲がOEKのチェロ4人によるアンサンブルばかりというのが面白いところです。活動50年のいちばんの収穫が「チェロの仲間たちの存在」というのはうれしいですね。

プログラムの方も面白いものでした。前半と後半とも,「レクイエムのような静かな曲」「チェロ協奏曲を4人のチェロ用に編曲したもの」「懐かしの映画音楽集のメドレー」という組み合わせになっていました。

レクイエムは,カンタさんの師匠をはじめとした先輩チェリストたちとカンタさんが金沢に来るきっかけとなった岩城宏之さんに捧げた演奏でした。しみじみとした感じとどこか浄化されたような透明感のある素晴らしい演奏で始まりました。

チェロ協奏曲の編曲版は,サン=サーンスとシューマンでした。どちらも同じような長さで,全楽章がインターバルなしで演奏されました。似たタイプの曲ということで,前半と後半が線対称になっているようなプログラミングの面白さを感じました。

カンタさんは両曲ともオーケストラと演奏したことはありますが,4人で演奏するというのは別の楽しさがあったと思います。カンタさんの音がしっかり浮き上がるようになっており,協奏曲的な華やかさはありましたが,その中に室内楽的な落ち着いた味わいがありました。オリジナル版に比べると,やはり音のダイナミックさや音色の変化の点でやや単調になるところはありましたが,カンタさんを囲む仲間たちという演奏は,今回の趣旨にぴったりでした。

映画音楽集のメドレーはアレンジが素晴らしく,4人の奏者それぞれに見せ場がありました。どれも有名な曲でメロディの美しい曲ばかりでしたので,聞いていてとても贅沢な気分に浸ることができました。

そして,最後に「影武者」という,とてもスピーディで格好よい曲が演奏されて,締められました(いったい何の曲でしょうか?)。

この4人組は「I Cellisti di Kanazawa」というのがグループ名です。イタリア語の「I」は英語のTheにあたるので,「金沢のチェリストたち」という意味ですが,「イー」と金沢弁的に伸ばして「良い」という意味も込めています。

というわけで,「金沢のよいチェリストたち」の活動にこれからも期待したいと思います。

2014/11/23

待ってましたミッキー!OEKファンタスティック・クラシカルコンサートで,ゲストの黒柳徹子さんとともに井上道義さんの金沢復帰を祝福。トークの方も完全復帰です。

11月の連休の中日,石川県立音楽堂で行われたOEKファンタスティック・クラシカルコンサート,今回のゲストは黒柳徹子さん。でしたが,今回は,OEKファン待望のゲストの黒柳徹子さんとともに井上道義さんの金沢復帰を祝う演奏会になりました。

井上さんは,すでにNHK交響楽団や大阪フィルと復帰演奏会を行っていますが,金沢の場合,旧知の仲の黒柳さんとの掛け合いトークを交えた演奏会での復帰ということになりました。井上さんは,咽頭がんを克服されたのですが,まだ喉の調子は完全には回復しているわけではありませんので(声は少しかすれぎみで,水を補給しつつのステージでした),今回のように「トークで復帰」というのは,ある意味,指揮者としての復帰よりも大変だったのかもしれませんが,本日のステージを聞いて「トークの方も完全復帰」と思いました。

この日はもともとは,黒柳さんがゲストで井上さんが聞き手という設定だったと思うのですが,今回,井上さんの復帰コンサートというとになったので,お互いがお互いを補い合うような,対等のトークとなりました。それも良かったですね。互いを信頼し合っている「仲間」「同志」という空気が伝わってくるようなステージでした。

演奏会は,メンデルスゾーン,ロッシーニ,ヨハン・シュトラウスという3人の「めぐまれた」作曲家に焦点を当てたプログラムで,以前,井上さんと黒柳さんがレギュラーで出演していたNHKの「徹子ときまぐれコンチェルト」のような雰囲気の構成だったのではないかと思います。

今回はステージ上手側に「徹子の部屋」を思わせるセットが用意されており,最初はお二人のトークで始まりました。黒柳さんの幅広い活動を紹介した後(黒柳さんは,タモリの第一発見者とのことでしたが,そのつながりでタモリさんを招いてもらえないですかねぇ),井上さんの闘病生活の話になりました。

途中,「徹子ときまぐれコンチェルト」の懐かしのビデオ映像が流れ,井上さんが「どうしてウィーン・フィルやベルリン・フィルを指揮しないのですか?」という質問が視聴者から来て困ったという思い出話が紹介されました。それに対する,井上さんの「今の答え」が興味深いものでした。

「ウィーン・フィルやベルリン・フィルを指揮するにはあれこれ他人に頭を下げる必要がある。そういうことをしてこなかった。そういう名誉を得ることよりも,自分は人から愛されたいと思っているのかもしれない」

そういう意味で入院中に贈られてきた,千羽鶴(京都からのものよりも金沢からのものの方が「凝っていた」そうです)とか寄せ書きに感激し,復帰する力となったとのことです(その一方,本当に辛い時は,音楽は役立たないと思ったそうですが)。

演奏の方は,メンデルスゾーンの「イタリア」の第1楽章,「夏の夜の夢」の結婚行進曲など,明るい感じの作品中心に演奏されました。この中で印象的だったのが,ロッシーニの「どろぼうかささぎ」序曲です。冒頭,左右に分かれたスネアドラムのロールで始まるのですが,そのユーモアに満ちた間の取り方,切れ味の良い音の動き,そして,音楽する喜びが湧き上がってくる”ロッシーニ・クレシェンド”を聞いて,「ミッキー完全復帰」と思いました。

途中,若手のコロラトゥーラ・ソプラノの田中彩子さんの歌を交えて,「歌の翼に」,ロッシーニの「今の歌声は」,シュトラウスの「春の歌」が演奏されました。私のいた3階席からだとやや声量が不足気味に感じたのですが,田中さんのお名前のとおり,井上さんの復帰に”彩”を添えていました。特に超高音の清らかなコロラトゥーラが聞きものでした。

最後のコーナーでは,「鍛冶屋のポルカ」というよりは「JRの鉄道員のポルカ」といった感じの楽しい演奏,黒柳さんが手拍子を仕切ってくれた「ラデツキー行進曲」などが続き,すっかりリラックスしたムードとなりました。

ブルックナーの第9番で復帰した井上さんですが,金沢での黒柳さんを交えた復帰というのは,井上さんからすると,特に嬉しかったのではないかと思います。黒柳さんは,今回OEKを聞いて「岩城さんの頃から呼ばれていて今回初めてOEKを聞いたけれども,とても良いオーケストラだと思いました(井上さんによると「徹子さんはお世辞は言わないんですよ」とのことです)」と語っていました。是非,今回のつながりときっかけに,OEKとのいろいろなつながりが増えていくと良いなぁと思いました。

何はともあれ,復帰した井上道義さんの前と変わらない指揮姿を見ることができ,OEKファン全員が安心し,喜んだ演奏会だったと思います。

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