OEKのCD

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2014年11月30日 - 2014年12月6日

2014/12/06

この冬いちばんの雪の中,OEK+エッセン市立歌劇場バレエ団+石川県のダンサーによる「くるみ割り人形」を楽しんできました。やっぱり12月はこのバレエですね #oekjp

今年の12月,OEKは1週間内に行われる2つのバレエ公演の演奏を担当します。ちらしにあるとおり,「バレエ・ウィーク」ということになります。今日は,この冬いちばんの雪の中,その第1弾,バレエ「くるみ割り人形」を石川県立音楽堂で観てきました。OEKと以前から交流のあるドイツ・エッセン市立歌劇場バレエ団のメンバーと石川県内のダンサーの混成チームによる上演というスタイルもすっかり定着し,ホールいっぱいに溢れる,ダンスと音楽による幸せなステージを楽しんできました。

「くるみ割り人形」は,チャイコフスキーの他のバレエに比べると時間が短く,子供たちが沢山出演する作品です。今回,土曜日の午後に上演されたのは正解で,会場は大変沢山の親子連れが来ていました。

「くるみ割り人形」は過去数回観ているのですが,見るたびに名作だなと思います。実は,私がクラシック音楽を聞き始めるきっかけになったのが,小学生の音楽の時間に聞いた,このバレエの組曲版です。ついつい自分自身の子供の頃とも重ねてしまうのですが,音楽自体にそういうノスタルジックな気分が漂っているので,大人が見ても楽しめるバレエとなっているのではないかと思います。

今回の指揮は佐藤正浩さんでした。佐藤さん指揮でバレエ公演を聞くのは今回が初めてだったのですが,小序曲から,大変じっくりとしたテンポで,全曲を通じてどっしりとした落ち着きや安心感を感じました。特に第1幕後半の,ネズミ軍とくるみ割り人形軍の戦争が終わった後,くるみ割り人形が「リアルな王子」に変身して,マリー(主役はクララと呼ばれることもありますが,今回はマリーでした)とダンスを踊り,さらにコールド・バレエになっていく辺りの堂々とした盛り上がりは,さすがコンサートホールで聞くバレエだな,と思いました。この王子とマリーの素晴らしくロマンティックなダンスを見ながら,後期ロマン派の音楽なんだなぁと思いました。

そして,続くOEKエンジェルコーラスが加わる「雪のワルツ」の部分にはいつも感動してしまいます。「アーアーアーアアー」の声が聞こえてくると,分かってはいるけれどもウルっとします。

第2幕の方はディヴェルティスマンということで,本当に気楽に楽しむことができます。こういう時間はずっと続いてほしいなぁと思うのですが,お菓子をモチーフにしたお馴染みのダンスは「アッ」という間に終わってしまい,「花のワルツ」になりました。石川県のダンサーたは,エッセンのダンサーたちとしっかり絡みながら,みずみずしく,時に微笑ましいステージを作っていました。特に,「あし笛の踊り」の2人の若い男女ダンサーは,音楽の気分と相まって,初々しくていいなぁと思いました。

「花のワルツ」はそのクライマックスということで,大人数によるダンスには特に幸福感に溢れていました。OEKの演奏にも作為的なところがなく,こちらにも自然な幸福感が漂っていました。

最後に金平糖の精と王子(もう一人王子が出てきます)によるグラン・パ・ド・ドゥは「待ってました」という感じの部分です。エッセンのバレエ団メンバーによる切れ味の良さと繊細さとを兼ね備えたダンスはお見事でしたが,最後のコーダの部分では,もう少し華やかに回転をしてくれるのかなと思っていたのでちょっと地味に感じました。

最後の「全員のダンス」も良いですんねぇ。音楽堂のステージはそれほど広くないので踊りにくい部分はあったかもしれませんが,「大勢でクルッと回る」という光景を見るだけで,嬉しくなります。

最後は,眠っていたマリーが夢から目を覚まして,おしまいとなるのですが,何かとても後味の良い終わり方だと思いました。古典的なバレエについては,あれこれひねった解釈をして,「よくわからない」終わり方になることもありますが,今回の「くるみ割り人形」は,大変分かりやすいと思いました。楽しい夢から目が覚めても,その余韻がまだ残っているような感じで,「今日は良いことがありそう」と前向きな気分にさせてくれました。

カーテンコール(コンサートホールなので,リアルなカーテンはありませんが...)には次々と登場したダンサーたちが出てきて,楽しい雰囲気がさらに盛り上がるようでした。終演後,エッセンのダンサーたちのサイン会が行われましたが,これにも大勢の人が参加していました。特に小学生ぐらいの子供たちが沢山列に並んでいて,ダンサーたちと記念撮影をしていたのが,とても良い雰囲気でした。

OEKが石川県立音楽堂で活動をするようになって,多方面に広がりが出てきているのですが,この年末バレエ公演もその「広がり」の一つだと思います。エッセン+地元ダンサー+OEKによる親しみやすい「くるみ割り人形」というのもまた,OEKの財産になって来たのではないかと思います。毎年は難しいと思いますが,また,数年後に期待したいと思います。

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