OEKのCD

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2015年2月

2015/02/28

OEKの「メリー・ウィドウ」@金沢歌劇座は東京を舞台とした多国籍版。小川里美さんと小林沙羅さんの魅力を中心とした斬新で楽しいステージでした #oekjp

昨年の「こうもり」に続いて上演された,OEKのオペレッタ・シリーズ(勝手にシリーズ化していますが)の第2弾はレハールの「メリー・ウィドウ」でした。

制作のコンセプトは昨年の「こうもり」同様,現代の東京を舞台に変更し,ストーリーはそのままで,インターナショナルな雰囲気で進めるというものでした。登場した歌手もほぼ同様でした。ステージ全体に,架空の国「ポンテヴェドロ」のロゴをあしらい,具体的な場所をイメージさせない,スタイリッシュなものでした。

面白かったのは使っていた言語です。セリフ部分は,ほとんどが英語でしたが,カミーユの出てくるところではフランス語が入りました。日本人だけの時は,日本語のセリフ,歌詞の部分はオリジナルどおりドイツ語という感じのマルチリンガル・オペレッタとなっていました。これだけ多言語が飛び交う作品も珍しいですね。マッサンもマッサオという感じです(失礼しました)。

ストーリーは,文章で書くと結構複雑なのですが,実際の演技を見ていると分かりにくい部分はなく,字幕をあまり読まなくても自然に楽しむことができました。

歌手の中では,主役ハンナ(日系ポンテヴェドロ人の資産家の未亡人)の小川里美さんの気品あふれる歌と演技が素晴らしく,前回の「こうもり」の時同様,小川さんを当てて作られた「メリー・ウイドウ」という感じでした。ヴァランシェンヌ(ポンテヴェドロ国の東京駐在大使の妻)役の小林沙羅さんも,ちょっとコケットリーな可愛らしさがあり,ドラマを大きく盛り上げてくれました。

それぞれの相手役の男声歌手も昨年に続いての登場で,息もぴったりでした。特にペーター・ボーディングさんのダニロは声には瑞々しさがあり,小川さんとのバランスがとても良いと思いました。

男声歌手ではカミーユ役のジョン・健・ヌッツォさんのリリカルな高音声が相変わらず見事でした。この手の役(浮気相手?)には本当にぴったりだと思います。第2幕で,カミーユの歌の後,ヴァランシェンヌとカミーユが二人で四阿(あずまや)に入る,という展開も納得でした。その後,中に入っているはずのヴァランシェンヌとハンナが入れ替わり,主要人物によるアンサンブルになっていくあたり,「フィガロの結婚」の雰囲気と似ているなぁと思いました。

合唱団の方は,声楽アンサンブルという感じで,いろいろな場面で盛り上げ役になっていました。小川さんを取り巻いて,男声合唱団が誘うような場面が何回かありましたが,「ちょっと参加してみたいな」と思いながら聞いていました。男声歌手だけによる,「女,女,女」のアンサンブルも楽しませてくれました。この曲は,「メリー・ウィドウ」全体のテーマ音楽みたいな感じですね。

ダンスシーンについては,キャバレー,マキシムの場で華やかな踊りを見せてくれましたが,定番になっている「天国と地獄」のカンカンの部分は,テンポがややゆっくりで,ややおとななし目だったかもしれません。

その他に,狂言回し的な役柄のニェグーシをはじめ,各種ギャグ満載で,楽しませてもらいました。その分,ややセリフが多すぎるかなという気もしました。「メリー・ウィドウ」は音楽だけだとCD1枚程度に収まる程度ですが,この日は休憩2回を含め3時間ぐらいかかっていました。

そして,「お待ちかね」という感じで今年もメラニー・ホリディさんが登場しました。第3幕のパーティのお客様という設定で,お得意のオペレッタ中のアリアを1曲歌ってくれました。そして,最後のカーテンコールの時に,「花は咲く」が歌われました。いつも思うのですが,ホリディさんの日本語は非常に心に染みます。オペレッタの最後に「アンコール」があるのは,少々変な気もしましたが,暖かい気持ちにさせてくれる歌でした

というようなわけで,今年もまたオペレッタを楽しませてくれました。小川さん,小林さんは毎年のように,金沢のオペラ公演に登場していますので,オペラの固定ファンもきっと増えてきているのではないかと思います。

OEKのオペラは,次回は5月に同じ歌劇座で行われる井上道義指揮,野田秀樹演出の「フィガロの結婚」です。「庭師は見た!」というサブタイトルが気になりますが,これを含め,大変楽しみです。

2015/02/25

東芝グランドコンサート2015 トゥガン・ソヒエフ指揮トゥールズ・キャピトル国立管弦楽団金沢公演 インスピレーション溢れる魅力たっぷりの「展覧会の絵」とルノー・カプソンさんのヴァイオリンによる爽快なサン=サーンス。お見事でした。

この時期恒例の東芝グランドコンサート,今年は,トゥガン・ソヒエフ指揮トゥールズ・キャピトル国立管弦楽団が登場しました。今回,メインで演奏されたのはムソルグスキー(ラヴェル編曲)の「展覧会の絵」ということで,ロシア出身のソヒエフさん指揮のフランスのオーケストラにぴったりのプログラムでした。

私自身,ラヴェル編曲版の「展覧会の絵」を実演で聞いたことはほとんどないののですが(今回で2回目です),ソヒエフさんの指揮はインスピレーションに溢れ,所々でこれまでに聞いたことの内容なハッとする瞬間がありました。オーケストラの響きは,ダイナミックレンジが広く,まるで「生き物」のように,その姿を変化させていました。

各楽器も素晴らしい演奏を聞かせてくれました。冒頭のトランペットの独奏をはじめ,各楽器の音が明るく突き抜けて聞こえてくると同時に,オーケストラ全体としての音色の統一感がありました。「古い城」でのサクソフォーンの音もオーケストラとの統一感があり,フランスの音だなぁと思いました。各曲ごとに音色が多彩で,次々と音の引き出しが開かれていくようでした。

最後の「キエフの大門」も引き締まっており,過度に大げさになることのない演奏でした。それでいて,要所要所でソヒエフさんならではの意表を突くような音の変化を聞かせてくれました。特に印象的だったのは,最後のクライマックスの部分で,チューブラベルではなく鐘を使っていた点です。この音がとてもよく聞こえ,ロシアらしさを強調していたようでした。洗練味と野性味とが合わさった,魅力たっぷりのエンディングでした。

前半は,ドビュッシーの「牧神の午後」とサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番でした。アンニュイなムードたっぷりのフルートを中心に抑制された美しさのある演奏は,このオーケストラの十八番なのではないかと思います。

サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番はルノー・カプソンさんの独奏でした。基本的にストレートに気持ちよく明るい音を聞かせてくれる演奏でしたが,全く荒っぽくなることがなく,聞いた後に爽快さと品の良さが残りました。今回初めて聞くヴァイオリニストでしたが,このオーケストラとの相性もぴったりで,申し分のないサン=サーンスを聞かせてくれました。

アンコールでは,ビゼーのカルメン組曲から2曲演奏されました。いかにもフランスのオーケストラらしい,明るく,カラッとした演奏で,演奏会を気持ちよく締めてくれました。

ソヒエフさん,カプソンさんともに,30代後半ということで,これからますます世界的な活動を広げていくアーティストだと思います。このところ,東芝グランドコンサートには,こういったアーティストが登場しますが,今後の活躍に注目したいと思います。

2015/02/22

バッハアンサンブル富山設立10周年記念演奏会 マタイ受難曲(多分,富山初演)。イエスの一生がしっかりと伝わり,最後のコラールでは感動が染み渡りました。

本日は小松シティ・フィルハーモニックの定期演奏会も行われており,どちらに行こうか迷ったのですが,「設立10周年記念」「マタイ受難曲」ということで,午後から富山のオーバードホールに出かけ,バッハアンサンブル富山設立10周年記念演奏会を聞いてきました。北陸地方でバッハのマタイ受難曲が演奏されるのは,ペーター・シュライヤーの歌い振り(?)によるOEK定期公演以来のことだと思います。この日のプレトークに礒山雅さんが登場し,まず驚いたのですが,礒山さんの話によると「多分,今回が富山初演」とのことでした。

演奏会は14:30に始まり,17:45頃に終了し,さすがに疲れましたが,津田雄二郎さん指揮バッハアンサンブル富山(管弦楽は富山室内合奏団)の演奏は大変誠実で安定感のある演奏で,「イエスの一生」を過不足なく体感することができました。

この曲での合唱の役割は,イエスを責め,あざけり,讃える群衆,各場面の間に挟まれたコラールを歌う,など多彩です。どの部分にも熱い思いが込もっていましたが,特にいちばん最後の合唱曲が感動的でした。全曲を聞き終わった達成感がしみじみと広がりました。

今回登場したソリストの皆さんも立派な歌唱でした。特に,すっきりとした芯のある声のソプラノの藤崎美苗さん,威厳に満ちたイエス役の佐々木直樹さんの声が素晴らしいと思いました。福音史家は大変な難役だと思いますが,東福光晴さんの優しさと真摯さのある声も印象的でした。

オーケストラはOEKの大澤明さんが代表をつとめる富山室内合奏団でしたが,コンサートミストレスの上島淳子さんをはじめ,OEKのメンバーや金沢でもお馴染みのアーティストが何人か参加していました。アリアなどでは,ヴィオラ・ダ・ガンバ,フルート,オーボエなどのソリスティックな活躍もあり,合唱同様に誠実さが染み渡るような演奏を聞かせてくれました。

今回全曲をたっぷり聞いて,改めて,バッハの偉大さとこの曲の偉大さを感じることができました。最近,OEKはバッハの宗教曲を取り上げていないのですが,バッハアンサンブル富山の皆さんには,これからも継続的にバロック時代の宗教曲をコツコツと演奏していった欲しいと思いました。金沢の合唱団とのコラボというのもあっても良いかもしれませんね。

2015/02/15

本日のOEK定期公演は,クリスチャン・ヤルヴィ指揮による「ペール・ギュント」全曲。2部構成の大交響曲を聞くような充実感。ソルヴェイグの輝く声に救われました。 #oekjp

いろいろと新しい公演スタイルに取り組んでいるOEKですが,2月の定期公演フィルハーモニーシリーズは,グリーグの「ペール・ギュント」全曲を演奏会形式で演奏するものでした。「ペール・ギュント」といえば,小中学校あたりの音楽鑑賞の教材になっていることもあって組曲版が大変有名ですが,全曲演奏というのはかなり珍しいと思います。CDでも抜粋版はかなりありますが,全曲を演奏したCDというのは,この日の指揮者のクリスチャン・ヤルヴィさんの父上のネーメ・ヤルヴィさんの演奏ぐらいかもしれません。というわけで,ヤルヴィ家に伝わる「ペール・ギュンント」全曲公演とも言えそうです。

演奏の方は,音楽と音楽の間を主にナレーションでつないでいくもので,歌手がセリフを語って演技をするような部分はありませんでした。ナレーションの台本は恐らく,クリスチャン・ヤルヴィさんが持ち込んだもので,原作とは一部違う部分もありましたが(アメリカに行って大金持ちになる...みたいな部分は入っていませんでした),音楽とナレーションのつながりがとてもよく,大変スムーズに聞くことができました。やや台本が硬い感じで(翻訳するのがやはり難しいのだと思います),やや難解に感じる部分もありましたが,全曲をうまく2部構成にまとまっており,間延びすることなく,大交響曲を聞いたような充実感を感じました。

前半後半とも「ペールを思う女性」の力で救われるという形になっていたのも特徴でした。その意味で,「ファウスト」と同じような雰囲気があると感じました。この「ファウスト」的な雰囲気も今回の公演の特徴だったと思います。

ヤルヴィさんとOEKの演奏は,クリアかつスムーズで,要所で打楽器を中心とした大きな盛り上がりを聞かせてくれました。ヤルヴィ家の「お家芸」という感じで,全体の構成をしっかりと見極めた演奏だと思いました。

歌手の中で特に印象的だったのは,やはりソルヴェイグ役の立川清子さんでした。しっとりとした声でありながら,光り輝くような美しさがあり,最後の子守歌などは,「救われた!」という気分になりました。OEK合唱団も大道具の一部になったような感じで,色々な場面で活躍していましたが,やはり最後の部分での讃美歌が感動的でした。

その他の歌手も若手を揃えており,瑞々しい声の競演となっていました。ただし,遠くからだと「見た目」であまり区別がつかず(その点で,ソルヴェイグだけ白いドレスというのは分かりやすかったですね),せめて主役のペール・ギュントだけは違う服装でもよかったかなと感じました。

そして今回の公演の成功の大きな立役者がナレーションを担当した風李一成さんです。指揮者の隣に座って,怪しげな雰囲気だけではなく,迫力と自信を漂わせた見事な語りを聞かせてくれました。風李さんは,過去,室内楽編成のOEKと「兵士の物語」を共演していますが,そのメフィスト的な雰囲気が,今回の「ペール・ギュント」にはぴったりだと思いました。

子供向け名曲と思われている「ペールギュント」ですが,今回の公演は,現代風にアレンジしながらも,グリーグの意図した形により近い内容だったのではないかと感じました。聞きごたえがありました。

PS.今回は通常の日本語字幕に加え,絵本の挿絵のような感じの白黒のイラストもスクリーンに投影していました。この雰囲気も良かったのですが,最後のシーンの沈む夕日の絵を見ながら「「あまちゃん」の時のように鉄拳さんに描いてもらっても面白いかも」などと思ってしまいました。

2015/02/07

OEKおしゃべりクラシック「金管で奏でるヴァレンタイン」。OEKの藤井さん,金星さんを中心とした金管五重奏には新幹線を待つ今の金沢にぴったりの明るい軽やかさがありました #oekjp

今日の金沢はこの時期には珍しい晴天でした。金沢駅では北陸新幹線の試乗会を行っていたようですが,その期待感に溢れる雰囲気の中,石川県立音楽堂交流ホールで行われた「OEKおしゃべりクラシック:金管で奏でるヴァレンタイン」を聞いてきました。

このシリーズは朝日新聞社,北陸朝日放送との共催でOEKメンバーのトークを含めて室内楽編成で1時間以内程度の演奏会を行うものです。過去の室内楽シリーズでも金管楽器だけというコンサートは少なかったと思うので,散歩も兼ねて聞いてきました。

この日登場したメンバーは,昨日行われたOEKのファンタスティック・クラシカルコンサートにエキストラで出演していた金管楽器奏者3人とOEKの藤井さん,金星さんという5人でした。トランペット2,ホルン1,トロンボーン1,テューバ1ということになります。

ほぼ一人ずつの編成ということで,間近で聞く室内楽シリーズらしく,各楽器の音の絡み合いやメロディの受け渡しなどをしっかり聞くことができました。各楽器の音が語るように聞こえたり,歌うように聞こえたり,各楽器のソロをメインに据えた曲があったり,バラエティに富んだ演奏を楽しむことができました。

今回演奏された曲は,親しみやすい曲ばかりでした。「ペリのファンファーレ」でパリっと始まった後,ヴァレンタインにちなんで,サティの「ジュ・トゥ・ヴ」と続きました。その後は,メンバー紹介を兼ねてそれぞれの奏者のトークの後,トランペット,ホルン,トロンボーン,テューバがメインとなる曲が演奏されました。

# 余談ですが,「トランペット吹きの休日」を聞くといつも,「トラペット吹きは休みどころではないなぁ」と思ってしまいます。「指揮者なしで思い切り吹ける」といった感じでしょうか?

このソロ・コーナーでは,特にトロンボーンの中村友子さんによる,「Shoutin' Liza Trombone」の演奏が楽しめました。360度ぐるっと回りつつ,「いつもより多めにグリッサンドしています」という感じのサービス精神たっぷりの演奏でした。

最後は「サウンド・オブ・ミュージック」と「ウェストサイド物語」の中から3曲ずつが演奏されました。金管アンサンブルの場合,オーストリアのアルプスの雰囲気にも合うし,ニューヨークの雰囲気にも合います。特にジャズの要素もある,ウェストサイド物語にはぴったりだと思いました。

最後にアンコールが2曲演奏されておしまいになりました。1曲目の「アナ雪」は,後半のミュージカルとの流れからして,「多分そうかな?そうあってほしい」と思っていたのですが,その予想どおりでした。2曲目はカナディアンブラスのお得意の曲でした。最後は立ち上がって,楽器を左右に動かしながら演奏し,「カナディアン・ブラスの雰囲気(カナディアンブラスのステージを見たことはないのですが)」たっぷりでした。

というわけで,穏やかな天候にぴったりのリラックスして楽しめる演奏会でした。

PS. この日の音楽堂は,邦楽ホールで「落語版ラ・フォル・ジュルネ」みたいなイベントをやっていました。こちらもとても楽しそうでした。北陸新幹線が開通したら,東京と大阪からの時間がほぼ同じぐらいになるので,上方VS江戸の和物企画を行うには金沢はぴったりかもしれませんね。

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