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2015年4月

2015/04/29

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015開幕。例年通りの好天の中,オープニング・ファンファーレ。午後からは石川県立音楽堂でオープニング・コンサート。期待たっぷりの多彩な内容のガラ・コンサート #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015が開幕しました。今年のテーマは「パシオン・バロック:バッハ,ヘンデル,ヴィヴァルディ Passions baroques:Bach, Handel, Vivaldi」,満を持してのバロック音楽ですが,もう一つ重要なのが「北陸新幹線金沢開通記念」です。というわけで,黄色いポスターのデザインどおり,「バッハ,ヘンデル,ヴィヴァルディ,新幹線」が主役です。

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ラ・フォル・ジュルネ金沢のオープニングの日に雨が降ったことはないのですが,8回目の今回も快晴でした。例年,オープニング・ファンファーレはJR金沢駅コンコースで行っていたのですが,北陸新幹線開通後,観光客が急増していますので,さすがにコンコースを使うのは厳しいと思います。今年は半分野外の鼓門下でオープニング・セレモニーが行われました。

登場したのは金沢大学フィルとJR金沢駅の皆さんによる合唱団でした。

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木製の楽器の多いオーケストラにとって,野外での演奏は,かなり条件は悪かったと思うのですが,快晴の空を背景に気持ちよい演奏を聞かせてくれました。JRや金沢百番街の制服を着た人たちが歌っている姿を見るのもとても新鮮で良かったですね。

演奏された曲は...バロック音楽と関係のない曲もありましたが,JR金沢駅に到着した観光客を,オーケストラと合唱の響きでもてなしていました。

午後からは石川県立音楽堂コンサートホールでオープニング・コンサートが行われました。
シャルパンティエのファンファーレ(ヨーロッパで行われているコンサート中継の時によく使われている曲ですね)に続き,例年通り,前田家当主の利祐氏,谷本石川県知事,山野金沢市長のあいさつがあった後,青島広志さんの司会で演奏会が始まりました。

最初に演奏されたのは,バッハのトッカータとフーガを外山雄三さんがオーケストラとオルガン用に編曲したものでした。石川県立音楽堂が開館した時に演奏された曲ですが,原曲らしさをしっかり残しつつ,オ―ケストラがオルガンと競うように色彩感を発揮する曲で,OEKと音楽堂にぴったりの作品です。オルガンはおなじみの黒瀬恵さんで,OEKと一体となった演奏を聞かせてくれました。

続いてバッハのヴァイオリン協奏曲第2番がオリヴィエ・シャルリエさんのヴァイオリン独奏を加えて演奏されました。バッハというと堅苦しいイメージがありますが,がっちりとしたフォーマットを感じさせながらも,その中で自由自在に演奏するような素晴らしい演奏でした。井上道義指揮OEKの演奏との息もぴったりでした。シャルリエさんのヴァイオリンの音は,「春」の雰囲気にぴったりの柔らかさと暖かさがありました。本公演での演奏も大変楽しみです。

その後,このプログラムが入っているとは知らなかったのですが,渡邊荀之助さんの能舞とOEK首席チェロ奏者,ルドヴィート・カンタさんの共演でバッハの無伴奏チェロ組曲第1番のプレリュードが演奏されました。

カンタさんがじっくりと,味わい深く演奏する中,どこか若々しさを感じさせる能舞(赤い髪のカツラ)が絡み合い,静かでどこかドラマティックなコントラストを持ったステージを楽しませてくれました。

続いて,今度はヴィヴァルディに移り,アビゲイル・ヤングさんのヴァイオリン独奏で(井上道義さんは登場しませんでした),「四季」の中の「春」の第1楽章が演奏されました。お馴染みのメンバーによる,阿吽の呼吸で演奏された演奏で,「言うことなし!」の春でした。本公演での全曲も大変楽しみです。

最後にヘンデルの「水上の音楽」の抜粋が演奏されました。井上さんはヘンデルが大好き(だと思います)が,この日の青空にぴったりの爽快感と優雅さを持った演奏を聞かせてくれました。抜粋版だったので,丁度,バッハの管弦楽組曲を聞くような感じになっていました。途中,バロックダンスも加わるなど,大変変化に富んだステージでした。

というようなわけで,実に多彩なオープニング・コンサートとなりました。金沢のラ・フォル・ジュルネのエッセンスを抜き出したような充実感があり,本公演への期待を高めてくれました。

大勢のお客さんが入っていました↓
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最後にアンコールが演奏されました。バロック音楽かな?と思っていたら...何と,NHK連続テレビ小説「まれ」のテーマ曲でした。地元の児童合唱も加わる華やかなステージになりましたが,さすがにバロック音楽の後だとちょっとイメージが離れすぎだったかもしれません(この曲だけは,井上さんではなく青島広志さんの指揮でした)。

この辺も含め,「何でもあり」「何が出てくるのか分からない」のがラ・フォル・ジュルネ金沢ですね。これから1週間,存分に楽しみたいと思います。

PS. オープニング・コンサートは北陸朝日放送が生中継を行っていましたが...最後の「まれ」はそのまま放送されたのでしょうか?録画していたので,後で確認したいと思います。

お馴染みの青島広志さんのイラスト入りの「柱」です。バッハとヘンデルなのですが...さて,どちらがどっちでしょうか?

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2015/04/14

第14回北陸新人登竜門コンサート弦楽器部門 西悠紀子さんがウォルトンのヴィオラ協奏曲を堂々と演奏。過去の出演者,荒井結子(Vc),岡本潤(Cb),筒井裕朗(Sax)が花を添えました #oekjp

毎年,4~5月に行われている北陸地方の新人演奏家発掘のための北陸新人登竜門コンサート。今年は弦楽器部門でした。今回は出演者が少なく,ヴィオラの西悠紀子さんのみが登場しました。西さんは,富山市にある桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程に在籍されている方です。

ヴィオラ奏者がこの演奏会のオーディションを通過したのは初めて。しかも,ウォルトンという,あまり実演で演奏される機会の多くない作曲家の作品ということで,内容的には「玄人好み」といった感じの渋いものとなりました。

私自身,ウォルトンの曲を聞くのは初めてでしたが,少しジャズのテイストのある聞きやすい作品でした。西さんは大変誠実に,そして堂々と渋い作品を聞かせてくれました。特に第3楽章の最後のじっくりと聞かせる部分の落ち着いた感じが素晴らしいと思いました。

この日は平日の夜ということもあり,お客さんの入りは悪く,井上道義さんも「今日来てくれたお客さんがいちばん大切なお客さん」といったことを語っていました。その言葉どおり,新人奏者の門出を盛り上げて上げようという感じの拍手が続き,とても暖かい雰囲気がありました。OEKも集中力の高い,聞きごたえのある演奏を聞かせてくれました。

今回は,新人が1人ということで,前半には過去の登竜門コンサート出演者の中から次の3人の方が出演し,ガラコンサートのように,それぞれが親しいやすい曲を演奏しました。

  荒井結子(チェロ/ ゲスト:2006年登竜門優秀者)
  岡本潤(コントラバス/ ゲスト:2009年登竜門優秀者)
  筒井裕朗(サクソフォン/ ゲスト:1998年登竜門優秀者)

前半に演奏された曲は,フォーレ:夢のあとに,ブルッフ:コル・ニドライ,ドビュッシー:美しい夕暮れ ということで,平日の夕方過ぎに一息ついて聞くのにぴったりでした。個人的には,有名な曲の割にあまり実演で聞いたことのなかった「コル・ニドライ」を聞けたのが特に収穫でした。後半,光が差すように曲が明るくなるのが効果的でした。

演奏会の時間も1時間ちょっとで,いつもよりも短めでしたが,まったく物足りない感じははく,かえって「平日に聞くには丁度良いかな」と思いました。

2015/04/07

トンヨン・フェスティバル・オーケストラ金沢公演。クリストフ・ポッペン指揮のマーラー4番は,すっきりした中にドラマを感じさせる素晴らしい演奏。ギドン・クレーメルのシベリウスは円熟の味わい

新年度になって最初に出かけた演奏会は,日本,中国,韓国の3国のオーケストラのメンバーからなるトンヨン・フェスティバル・オーケストラの金沢公演でした。OEKメンバーはそれほど多く参加していませんでしたが(チェロのカンタさんぐらい?),アジアの3つの国が交流して一つの芸術作品を作るという活動は,色々な点で有意義なことだと思います。

今回の公演はソリストとしてヴァイオリニストのギドン・クレーメルが参加しているのが目玉でしたが,個人的には後半に演奏されたクリストフ・ポッペンさん指揮のマーラーの交響曲第4番が特に素晴らしいと思いました。

マーラーの交響曲第4番は,マーラーの作品の中では編成的にも長さ的にも比較的コンパクトな作品です(それでも1時間近くはかかりますが)。今回の演奏は,その曲想によく合った速目のテンポで始まり,停滞することのない,とても気持ちの良い演奏を聞かせてくれました。その一方で曲想の変化,テンポの変化も鮮やかに表現されていました。聞いていて全く退屈しませんでした。

木管楽器を中心に,オーケストラのくっきりとした響きも印象的でした。大らかさのあるホルン,フルート4本(こういう曲は珍しいかも)による輝きのある明るさ...そして,元OEKメンバーだったトム・オケーリーさんの力に溢れたティンパニと,聞き所満載でした。特にオケーリーさんのティンパニを聞いて懐かしくなりました。

第3楽章は天国的な気持ち良さのある楽章で,「実は,まだ週の前半だけど,ずっとこの幸福感に浸っていたいものだ」と思わせる演奏が続きましたが,楽章の後半にはティンパニを中心とした打楽器の見せ場が出てきます。オケーリーさんの音は,ビシっと強く引き締まっており,「お見事!」と声を掛けたくなるような見事な演奏を聞かせてくれました。

終演後,ポッペンさんは各パートの奏者を立たせていましたが,オーケーリーさんの時の拍手がいちばん大きかったかもしれません。この日のお客さんの多くはOEK定期会員だったと思いますが,オケーリーさんのティンパニの素晴らしさを聞いて,大変うれしかったのではないかと思います。

最終楽章にはカロリーナ・ウルリヒさんのソプラノが加わりました。ウルリヒさんは,まさに逸材という感じの素晴らしい声の持ち主でした。声が瑞々しく,余裕があり,安心して「天国」に浸ることができました。

金沢でマーラーの交響曲第4番を実演で聞く機会は非常に少ないのですが,大満足の演奏でした。

前半はギドン・クレーメルさんとの共演でシベリウスのヴァイオリン協奏曲が演奏されました。クレーメルさんのシベリウスについては,以前,井上道義/OEKとの共演も聞いたこともありますが,その時に比べると,クレーメルさんも円熟したなぁと感じました。クレーメルさんについては,演奏の切れ味が鋭く,ややエキセントリックな雰囲気があるのが「らしさ」だと思っていたので,その点ではちょっと物足りなさを感じたのですが,これもクレーメルさんの進化なのかもしれません。

その分,アンコールでは,「本領発揮」という感じでした。ワインベルクという作曲家の人を喰ったようなユーモアを感じさせるヴァイオリン独奏曲で,恐らく,クレーメルさんの十八番の曲ではないかと思います。クレーメルさんについては,「いわゆる名曲」よりは,何が出てくるか分からないような現代の作品の方が面白いのかな,と感じました。

演奏会の最初には,韓国の作曲家ユン・イサンの「礼楽(レアク)」という作品が演奏されました。1960年代の作品ということで,かなり前衛的な感じの響きのある作品でしたが,冒頭いきなり出てくる木製の打楽器の鋭い音をはじめ,どこか「アジアの祝祭」のムードを感じさせてくれました。

トンヨン・フェスティバルについては,スイスのルツェルン音楽祭のような形を目指しているようです。日本海に飛び出している形の石川県は,見ようによっては,日中韓の結節点にも見えるかもしれません。今回のような,大編成のオーケストラ作品を聞けるということで,是非,来年以降の音楽祭の継続開催に期待したいと思います。

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