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2015年5月

2015/05/29

アンサンブル・ミリム金沢公演「九人でバッハ。」バッハのモテットなどを清々しく,鮮やかに聞かせてくれました。続編にも期待しています。

本日は,国内のプロ合唱団のメンバー8人+指揮者・チェンバロによる声楽アンサンブル,「アンサンブル・ミリム」の金沢公演を聞いてきました。このアンサンブルのメンバーのうちの3人が石川県出身ということで,金沢公演が行われることになったようです。

プログラムはバッハのモテット3曲の間にカンタータの中のアリア,重唱曲などが数曲挟み込まれるという,非常に渋いプログラムでした。どの曲も初めて聞く曲ばかりでしたが,小ホールで聞くプロの声楽家集団によるアンサンブルは,大変聞きごたえがありました。

特にモテットの方は8声部に分かれる曲があり,ドームの中で声があちこちから響いてくるような立体感を感じました。何より,小ホールで小編成の曲を聞くと各声部の動きが分かるのが面白いですね。前半の最後に歌われた「恐れることなかれ,我汝とともにあり」での心地よい繰り返し,そして後半最後に歌われた「主に向かって新しき歌を歌え」での2つのグループに分かれた合唱によるじっくりとした掛け合い。最後の方は明快でくっきりとした盛り上がりもあり,心地よい華やかさを感じました。

モテットの間に歌われた,アリアや重唱曲では,各メンバーのソリストとしての素晴らしさを楽しむことができました。今回のメンバーは,バッハ・コレギウム・ジャパン,新国立劇場合唱団,東京混声合唱団,神戸市混声合唱団からなるメンバーでしたが,恐らく,オペラを歌う時とは一味違った,すっきりとした声を聞かせてくれました。

この公演は,北陸新幹線が開通したからこそ実現した公演なのかもしれません。今年のラ・フォル・ジュルネ金沢では, ラ・ヴェネクシアーナによる素晴らしい公演がありましたが,その時に演奏されたモンテヴェルディの曲なども聞いてみたいものです。石川県出身者が3人含まれているということで,是非,続編の公演に期待したいと思います。

2015/05/26

井上道義指揮OEK,野田秀樹新演出の「フィガロの結婚」初日金沢公演。色々なアイデアが詰め込まれていましたが...個人的には,やや消化不良気味。歌手では小林沙羅さんのスザンナが期待通りの素晴らしさ #oekjp

5月のラ・フォル・ジュルネ金沢明け,初めてのOEKの公演(クリス・ハートとの共演は除くと)は,井上道義音楽監督指揮,野田秀樹演出によるモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」でした。

この公演については,野田さんがオペラを演出するということもあり,新聞,雑誌,インターネット上のニュースなどで多数取り上げられていました。その期待通りのアイデアに満ち溢れた公演だったのですが,個人的にはやや消化不良の部分が残りました。

幕末長崎を舞台として,異国から来た伯爵夫妻と日本人とが絡むという設定で,日本語とイタリア語が混ざるバイリンガル・オペラというのは,想定どおりでした。このことにより,異文化が混ざりあう面白さが伝わってきました。

有名なアリアはイタリア語で聞かせてくれましたので,音楽的な面では「オリジナル通り」でした。アリアに合わせて,役者たちによるマイムが色々と入るのも面白く,イマジネーションを大きく広げてくれました。

全体の進行については,庭師アントニオをナレーターにすることで,オリジナルのレチタティーヴォを少なくしていたのが特徴でした。ナレーションが文楽調になり,歌手たちが文楽の人形のように動いたりする場面があったのも面白かったですね。

舞台については,中が空洞になった3本の柱をうまく使っていました。「フィガロ」については,どの幕も「物陰に隠れる」シーンが多いので,大変効果的でした。その他,演劇アンサンブルのメンバーが長い棒やリボンを持って,それを組み合わせることで,各場面を象徴的に表現しているような部分があり,この辺は演劇的だなぁと思いました。

歌手の中では,ラ・フォル・ジュルネ金沢で聞いたばかりの小林沙羅さんのスザンナがはまり役だと思いました。第1幕の最初の方はちょっと硬い感じがしたのですが,幕が進むにつれ,どんどん声の魅力が増してくるようで,「伯爵がスザンナに惹かれるのももっともかも」などと思ってしまいました。

スザンナの敵役(実ハ姑)のマルチェリーナの森山京子さんの強いキャラクターを感じさせてくれる声も印象的でした。大山大輔さんによる,瑞々しいフィガロは,小林さんのスザナにぴったりでした。

アルマヴィーヴァ伯爵,伯爵夫人,ケルビーノの3人が海外から参加した歌手で,日本人歌手との間の「違和感」が作品の立体感につながっていました。ケルビーノ役のマルチン・エンゲルチェズさんはカウンターテナーだったので,「男性がケルビーノを演じる」という点でリアルな設定になっていました。女装するカウンターテナーということで,演技の面でも声の面でも不自然さが残っているのが面白さになっていました。

伯爵夫妻は第4幕(この日は2幕構成で休憩が1回でしたが)の最後の部分に見せ場があり,特に伯爵の方はたっぷりと聞かせてくれたのですが...

*** 以下は観ていない方は読まないでください ***

「伯爵夫人よ,許してくれ」で許された後の最後の最後の部分で,音楽を一瞬中断するように,パーンというライフル銃(花火の音かと思ったのですが,夫人が銃を手にしていましたね)の音が鳴り,それを突っ切るように音楽が続き,全曲が終わりました。

この部分があったので,「すっきり感」が無くなってしまいました。なぜ伯爵夫人はここで銃を鳴らしたのだろうか(前の方の幕でも銃を手にしていたので,唐突感はなかったのですが...理由がよく分かりませんでした)? 伯爵と夫人は最後の場面で手と手を取り合わなかったので,仲直りはしなかったのか?カーテンコールの拍手をしながら考え込んでしまいました。

何よりもモーツァルトの音楽の流れが中断されたのが残念でした。この部分での,ピーヒャラ,ピーヒャラという感じで楽天的に終わる感じが大好きだったのでかなり肩すかしを食わされた感じです。

ただし,この辺の裏切りも野田さんの策略なのだと思います。

というようなわけで,いろいろな点で冒険的な楽しさを感じさせてくれる「フィガロ」だったのですが,「普通のフィガロ」を実演でほとんど見たことのなかった私にとっては,やはり,まずは「普通の終わり方」で見たかったかな,というのが正直なところです。

野田さん自身,インタビューの中で「ブーイングも覚悟」と書かれていましたので,これからの全国ツァーでもいろいろと物議をかもすことでしょう。

2015/05/10

母の日のお祝いにクリス・ハート×鈴木織衛指揮OEKの演奏会へ。J-POPのスタンダードを誠実に楽しませてくれました  #oekjp

本日は母の日。今さらモノを上げても喜ばれなさそうなので(結構,好みがうるさい母です),プレゼンと代わりにクリス・ハートさんと鈴木織衛指揮OEKのコンサートに一緒に出掛けることにしました。私の母は,さだまさし,徳永英明など高い声の男性歌手が好みということで,今回のクリス・ハートさんはぴったりでは?と思い,1カ月ほど前に「行ってみるか?」と尋ねてみたら,「行ってみたい」とすぐに返事があったので,チケットを購入することにしました。

会場は石川県立音楽堂コンサートホールでしたが...満員でした。さすがです。

演奏会の方は最初の1曲だけがOEK単独の演奏で,それ以外は全部クリスさんが演奏に参加していました。過去のOEKのポップス系の演奏会ではオーケストラのみの曲がもっと沢山入っているのが普通なので,エネルギーがあるなぁと思いました。

今回,クリスさんが歌った曲は,(1)クリスさんのオリジナル曲,(2)他のJ-POP歌手の名曲のカバー,(3)クラシック系の曲の3つに大別できました。実は,クリスさんのオリジナル曲の代表曲が何なのか知らずに聞きに行ったので,(2)(3)の方が印象に残っているのですが,その声の魅力はどの曲からもしっかり伝わってきました。

クリスさんの声は,男性なのか女性なのか分からないような中性的な高音に魅力があります。透明感のある声というよりは,ちょっとしっとりとざらっとした質感があり,聞き手の耳に絡みついてきます。それがしつこくならならず,暖かさと爽やかさが後に残ります。クリスさんは,ほとんどの曲で微笑みながら歌っていましたが,その印象と同様です。

超高音の部分はファルセットになり,激しくシャウトするようなところは全くありません。その点も心地よく,鈴木織衛指揮OEKの作る,暖かみのあるサウンドとしっかりと融け合っていました。オーケストラとの相性がとても良い歌手だと思いました。

歌われた曲は上述のとおり,いろいろなタイプがありましたが,やはり,しっとりとした叙情性のある曲がぴったりだと思いました。曲の間にトークが入りましたが(歌詞の発音同様に,大変上手な日本語です),常に「前向きな応援」を意識されているようで,どの曲からも誠実さを感じました。

クリスさんは,その日本語の巧さから分かるとおり,大変日本が好きな方ですが,その日本への愛,日本語への愛が伝わってくるような丁寧な歌が素晴らしいと思いました。

クリスさん自身が語っていた通り,最初の方はちょっと緊張感がある気がしましたが,最新の曲「続く道」から代表曲の「home」が歌われた,演奏会後半の盛り上がりが良かったと思いました。鈴木さんとクリスさんによる「金沢はどうですか?」トークも楽しいものでした。

それと驚いたのが...後半最初の「夢がさめて」(紅白歌合戦で松田聖子とデュエットした曲)では,クリスさんがオーボエを演奏していた!という点です。後半最初,ひっそりと第3オーボエの位置に座っていたのを私は気づいていましたが...多くのお客さんはクリスさんがオーボエを吹いていたことに気づいておらず,「へぇ」と感心していました。

クリスさんはその他にもフルートとかも演奏できるようで(チラシの写真によるとギターも演奏できそうですね),「楽隊的精神(?)」をよく知っている人なのでは,という気がしました。OEKのメンバーもどこか楽し気な感じでした。

演奏会の後には,「CDお買い上げの方は握手会に参加できます」というアナウンスもありました。興味はあったのですが,今回は時間の関係でやめにしておきました。

クリス・ハートさんは10月にはオーケストラ以外の伴奏で再度,金沢でコンサートを行う予定になっていますが,今回の公演を聞いてさらにファンが増えたのではないかと思います。また,今回の共演を機会にクリスさんには,「OEKファン」になって頂けたのではないかと思います。そんな印象を持った演奏会でした。

PS. 今回,一番最初に鈴木織衛さん指揮OEKの単独演奏で,J.シュトラウスのポルカ「観光列車」が演奏されました。ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートのように,しっかりと鈴木さんは指揮台の上で小型のラッパを演奏されていました。リゾート気分たっぷりの「北陸新幹線開通記念」にぴったりの演奏でした。

2015/05/05

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015最終日 クロージングコンサート「みんなでメサイア」でOEKとお客さん一体になって盛り上がりました。立つと世界が変わります。ただしハレルヤ・コーラス...歌えそうで歌えませんねぇ #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015も本日が最終日。快晴の中,私は朝10:00から夜20:30頃まで,ほぼ30分感覚でフルにハシゴをしました。


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植木等も歌っているように「いつの間にやらハシゴ酒...わかっちゃいるけど,やめられない」という域になりつあります。これも「ラ・フォル・ジュルネ」の精神の一種かもしれませんが,家族からは呆れられています(既に放置されています)。
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日中の公演では,チョン・ミョンフン指揮&ピアノの2公演が大入り満員でしたが...「バッハ,ヘンデル,ヴィヴァルディ」から逸脱した公演だったので,個人的には音楽祭全体から見ると「なぜここに入る?」と違和感を感じました。
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それと,「コンサートホールを満員にできるのは,やはり交響曲だけか?」とちょっと寂しく感じました。...と言いつつも「チョン・ミョンフンが来る」ということで,しっかり聞いてきました。
ベートーヴェンの交響曲第7番はOEKの得意のレパートリーですが,弦楽器の編成がかなり大きかったこともあり,OEKで聞くのとは違った迫力を感じました。ただし,OEKの演奏に耳が慣れているので,やはりやや大味かなと感じるところがありました。
これまで聞いてきた「何が出てくるかわからない」バロック音楽の数々と比べると,古典的なレパートリーを改めて聞くこと自体,妙に予定調和的にも感じました。OEKの場合,レパートリーの幅が狭い分,常に予定調和的なものを打破しようと,あれこれ手を変え,品を変えチャレンジしているようなところがある気がします。

そう感じたのは,本日の夕方に邦楽ホールで行われた,アビゲイル・ヤングさんとOEKの弦楽セクションによるヴィヴァルディの「四季」を聞いたからかもしれません。この演奏は,「OEKの歴史の一つの到達点」を示す演奏だったと思います。ヤングさんと各パートのトップ奏者がコンタクトを取りつつ,全員がソリストのように演奏していました。指揮者なしにも関わらず,メンバーはヤングさんの動きにしっかり反応することで,「夏」の第3楽章のような急速な部分でも全く乱れることなく,迫力と気迫たっぷりの演奏を聞かせてくれました。
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その他,邦楽ホールで聞いた,御喜美江さんのアコーディオンにも感動しました。アコーディオンは人間の体調がそのまま反映する楽器だと御喜さんはトークで語っていましたが,まさに御喜さんの人生そのものが表現されたような演奏の数々でした。

アンヌ・ケフェレックさんは,毎回毎回レベルの高い演奏を聞かせてくれることが素晴らしいのですが,今回は,バロック音楽の小品を沢山ならべて,45分の音のドラマを伝えてくれました。「途中で拍手はいれないでください」と日本語で語った後,演奏を開始したのですが,ヘンデルのパッサカリアから始まり,抒情的な曲も含め,最後はヘンデルのシャコンヌで締めるという,とてもよく考えられた選曲でした。最後のシャコンヌ自体,人生の起伏を感じさせる曲で,「バロック音楽もいろいろ,人生もいろいろ」と島倉千代子のような歌のようなことを思いながら,45分のケフェレックさんのピアノに集中しました。

コンサートホールでは,アンドラーシュ・ケラー指揮コンチェルト・ブダペストが,「朝一」と「最終」の2回登場しました。ケラーさん自身のヴァイオリンも素晴らしかったのですが(実はセルゲ・ツィンマーマンさんの方がメインかと思っていたのですが,ケラーさんの方が中心でした),最後に登場した,ラーンキ一家(3人ともピアニスト)との共演が独特の世界を作っていました。
バッハのクラヴィア協奏曲をピアノで演奏すると,どうしても重い感じになり,「ちょっと違うかな」と思ってしまうのですが,それが3台となると,もうバッハを超越した感じになります。

今回はさらに,ドゥカイというハンガリーの現代作曲家のピアノ作品(実は,会場にご本人がいらっしゃいました)を組み合わせることで,不思議な陶酔感を醸し出していました。
ちなみにこの公演のピアノの配置ですが,「父・子・母」という形で,まさに「川の字」になっていました。父親のデジュー・ラーンキさんは,実は1980年代の中頃に一度,金沢でリサイタルを行っています。その公演を聞きに行ったことがあるので,その当時の自分のことなどを思い出しながら,色々と懐かしくなりました。
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さて,クロージングコンサートです。ラーンキ一家の公演が終わった後,地下に向かうと既に長蛇の列ができていました。今年もこの公演は大人気でした。

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最初,曽根麻矢子さんの独奏で「スキタイ人の行進」が演奏された後,ヌオーヴォ・アスペット・ブレーメンが登場し,ヴォーカル付きの古楽が演奏されました。内藤淳子さんと岡本誠司さんのヴァイオリンでバッハの2台のヴァイオリンのための協奏曲が演奏され,さらにソプラノの小林沙羅さん,バスの森雅史さんの歌を交えて,バッハのカンタータの中の1曲が歌われました。

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会場の交流ホールは,音響的にはベストではないのでが,大相撲の「砂かぶり」のような所でアーテストに接することができるのが魅力です。特に小林沙羅さん,森雅史さんのお2人の声が頭の上から降って来るのが嬉しかったですね。このお2人は,井上さん指揮の「フィガロの結婚」にも登場しますので(アナウンスがあると思ったのですが,特になかったですね),近いうちにまた再会できそうです。

その後,バッハの「主よ人の望みの喜びよ」とヴィヴァルディのグローリアの一部が「金沢フィガロ・クワイヤ」の合唱を加えて歌われました。ヴィヴァルディのグローリアは,是非全曲を聞いてみたい曲だと思いました。

そして,最後の「みんなでハレルヤ・コーラス」のコーナーになりました。「きっと,青島広志さんあたりが簡単に指導してくれるのだろう」と思っていたのですが,やはり,そんな短時間で簡単に指導できるはずもなく,そのまま「歌える人は歌ってください」という感じで音楽が始まりました。
回りの人たちが立ち上がったので,「適当に歌ってみるか」と私も立ち上がってみました。

立ち上がると世界が変わることが分かりました。まず,オーケストラの音がよく聞こえ,奏者との距離がさらに近くなった感じがしました。気持ちが良いですね。
ただし...「ハーレルヤ」と歌い始めたものの...後が続きません。しかも私のすぐそばにいた人が,どう見ても(どう聞いても)経験者で,しっかりとテノールのパートを歌っていました。これだと適当に歌うわけにもいきません。ということで,「まぁ,ハレルヤ・コーラスは起立して聞くという習慣だから」ということで,立ったまま聞いていました。
唯一歌えたのが男声のユニゾンになる,最後の方に出てくる「King of Kings」の部分です。ここだけはしっかり参加できました。いずれにしても,「少しでも参加できると気持ち良い」と実感できました。

それにしても近くに居た人は,きっちりと歌っていました。通常の歌詞の裏で,男声パートだけ「ハレルヤ,ハレルヤ...」と歌っていたり,結構,忙しげな曲だと分かりました。
この演奏の時,OEKのメンバーの一部が会場の通路でも演奏していたのですが,これも良かったと思います。
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というわけで,「歌いたいけど歌えない」という歯がゆさはあったものの,クロージングコンサートならではの,年に一度の一体感を味わいながらお開きとなりました。
毎回このコンサートが終わると,OEKをはじめとした演奏者の皆さんに加え,音楽祭の運営にあたったすべての方に感謝をしたくなります。その感謝の気持ちを表現するためにも,「お客さん参加型」クロージングコンサートを今後も定例化していってほしいと思いました。ただし,もっと簡単な曲が良いかもしれませんね。

*
最後に,来年のテーマが井上道義さんから発表されました。「自然」とのことです。「作曲家しばり」でないとすれば,どういう曲が入ってくるのだろうか?「アート」は「自然」の対義語でもあるので,難しそうだけれども面白そう...などと思いを巡らせながら帰途につきました。
自分自身も含め,参加された皆様,お疲れ様でした。

2015/05/04

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015 天候は良くなかったのですが本日も大盛況。ラ・ヴェクシアーナの異次元の世界のモンテヴェルディなど声楽曲中心に楽しんできました。シャルリエさんの無伴奏ヴァイオリンも凄かった #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015本公演2日目は,朝からずっと天候が悪かったのですが,朝10時から夜21:00近くまで,しっかりとバロック音楽の世界に入り浸ってきました。

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朝一は,仲道郁代さんのピアノによるバッハのパルティータ2曲。型があるからこその自由さを感じさせてくれました。
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コンサートホールにはOEKが登場。昨日の午後は東京のラ・フォル・ジュルネに出ていましたので,かなりのハードスケジュールですが,北陸新幹線のお蔭でかなり移動の労力は軽減されているかもしれませんね。「水上の音楽」抜粋は,いかにも井上道義さんらしい,照明や楽器の配置にこだわった,誰にも「一目瞭然」の爽快な演奏。 後半は,ベルリン・フィルの首席クラリネット奏者,ヴェンツェル・フックスさんのために作ったプログラム。「バロック時代にクラリネットはなかったのですが...」と井上さんは語っていましたが,フックスさんの隅々まで磨かれた音色にお客さんはすっかり魅了されていたようです。フックスさんの奥さんの実家は金沢なのですが,是非,来年以降も5月に「里帰り」して欲しいものです(できればBPOの仲間と一緒に)。
アートホールに移動し,松原混声合唱団による「メサイア」の合唱曲などのプログラム。アートホールのサイズは,合唱には小さすぎると感じたのですが,その臨場感は素晴らしく,迫力に圧倒されました。 後半は信長貴富の「ヴィヴァルディが見た日本の四季」。ヴィヴァルディの「四季」の各季節が始まった後,日本の唱歌などが続くという曲でしたが,その選曲のセンスがよく大変楽しめました。「夏」に「城ケ島の雨」が出てくる辺り,いいなぁと思いました。
ここで1回公演を外し,昼食を食べた後,エリアイベントめぐり。
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百万石ウィンド・オーケストラの行進曲集。もてなしドーム下は,残響が長く,とっても充実した響きを聞かせてくれました。
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JR金沢駅コンコースでの細川文さんと田島睦子さんの演奏も大盛況。
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交流ホールは,青島広志さんの司会による合唱イベント。ものすごい数の子供たちが赤い八角形の上に乗っていました。
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その後,人気公演の「能とバロック音楽のコラボ」公演へ。パリ・コロンヌ弦楽四重奏団の演奏は,ちょっとインパクトが薄い気がしましたが,最後に出て来た「マタイ受難曲」のアリアによる能舞とのコラボは,「光の十字架」を背にした舞台全体の雰囲気が素晴らしく,見入ってしまいました。石川公美さんの声にも痛切さがあり,印象的でした。
本日2回目のOEKの公演は,昨日の東京公演に続いて,バッハのマニフィカトを中心としたプログラム。ブランデンブルク協奏曲を思わせるようなトランペットの高音が印象的な曲で始まり,松原混声合唱団の充実感のある響きと小林沙羅さんや森雅史さんらを中心とする若手独唱者の生きのよい声が井上道義さんの下でしっかりと絡み合っていました。
金沢市アートホールに移動し,オリヴィエ・シャルリエさんのヴァイオリン独奏。バッハの無伴奏曲などが演奏されましたが,この演奏には感服しました。有名な「シャコンヌ」を初めとして,技巧をこれ見よがしに見せびらかすことなく,平然と伸びやかな音楽を聞かせてくれました。この公演は,井上道義さんも聞きに来ていましたが,是非,OEKの定期公演での共演も期待したいと思います。
そろそろ疲労感が出てくる時間帯でしたが...古楽グループ,クラウディオ・カヴィーナ指揮ラ・ヴェクシアーナの演奏は,何というか異次元の美しさを持った演奏を聞かせてくれました。前日のリチェルカール・コンソートに続き,「古楽系の団体でコンサートホールを一杯にするのは難しいんだなぁ」と実感しましたが,そのステージは本当に見事なものでした。 楽器,合唱とも室内楽編成で,カヴィーナさんを含めて11人編成でしたが,そこから出てくるモンテヴェルディのマドリガーレは300年以上前の音楽とは思えない瑞々しさと透明感に溢れていました。音が小さくまとまるというよりは,ホール全体にしっかりと広がっていく感じがあったのも素晴らしく,「これは癖になるかも」と思わせる,独特の魅力を持った音楽を聞かせてくれました。
この日最後は,先ほどの「マニフィカト」の独唱者チーム(メゾ・ソプラノだけ小泉詠子さんに変更)による,ヘンデルのオペラ・アリアを中心としたステージでした。アートホールの場合,声の迫力がダイレクトに伝わってくるので,まさに声の饗宴となっており,若手歌手たちの声の魅力をしっかり味わうことができました。
長時間,演奏を聞き続けたので,さすがに疲れましたが,特に「人間の声の素晴らしさ」「バロック音楽は古くない」ことを実感した1日でした。 さて,明日が最終日です,チョン・ミョンフン指揮の2公演が「完売」とのことですが,クロージングコンサートに向けて,明日も大きく盛り上がることでしょう。

2015/05/03

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015 5/3本日2回目の出動。フィリップ・ピエルロ/リチェルカール・コンソートwithカルロス・メナのヴィヴァルディ。マタン・ポラトのゴルトベルク。バロック音楽は美しい! #lfjk

本日はお昼頃,一つ演奏会を聞いた後,自宅に戻り,夕方から再度,石川県立音楽堂の出動しました。相変わらず,JR金沢駅~音楽堂周辺は大賑わいでした。
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夜の部はまず,邦楽ホールで行われたマルク・アンタイさんのフラウト・トラヴェルソでバッハのフルート・ソナタ3曲。フラウト・トラヴェルソを生で聞くこと自体,金沢ではほとんどないのですが,まず,その音に惹かれました。アンタイさんの音には,金属的な鋭さがなく(木管楽器なので当たり前?),素朴な美しさが自然ににじみ出ていました。そこから深遠な世界につながっているような,古楽器ならではの魅力に触れることができました。
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↑この辺りを聞きました。
邦楽ホール入口付近のやすらぎ広場での演奏にひかれつつ...
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↑水永牧子さんが演奏中。この日はこれでチェンバロ(全部違う楽器)を見たのは3回目です。今回のLFJKの隠しテーマは「チェンバロ」かもしれませんね。
続いて,コンサートホールでのフィリップ・ピエルロ指揮リチェルカール・コンソートとカウンター・テナーのカルロス・メナさんによるヴィヴァルディの宗教曲集を聞いてきました。今回特に楽しみにしていたプログラムだったのですが,その期待を上回る見事な演奏でした。
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↑ピエルロ/リチェルカール・コンソートの映像とメナさんの顔写真
ヴィヴァルディのオリジナル楽器による演奏といえば,エンリコ・オノフリさんを思い浮かべるのですが,リチェルカール・コンソートの演奏からは,オノフリさんのエネルギーに満ちた美しさとはまた違った,非常に精緻で,洗練された美しさを味わうことができました。共演したカウンター・テナーのカルロス・メナさんの声も見事でした。
私は3階席でゆったりと(実はお客さんが非常に少なかったです)聞いていたのですが,メナさんの声はしっかりと届いており,オーケストラとのバランスもぴったりでした。何というか...ステージから発散され,ホール全体に浮遊する美の世界に感服しました。ヴィヴァルディといえば,「似たような曲が多い」と揶揄されたりもしますが,今回の演奏を聞いて,その宗教曲の世界の深さ,魅力の一端に触れることができた気がしました。
実は次の公演を気にしつつも,楽屋口で待っていたら,うまい具合にメナさんに会うことができ,サインを頂きました。これも神のお導きかもしれません。
その後,再度邦楽ホールに戻り,マタン・ポラトさんのピアノでバッハのゴルトベルク変奏曲の全曲を聞きました。ここまでは耳がチェンバロに最適化されていたので,最初,ピアノの音を聞いた瞬間,「和食の後にステーキを食べる感じかな」とも思ったのですが,聞いているうちに,すぐに耳はピアノの音に最適化され,全ての音を鮮やかに弾ききったようなポラトさんの演奏を振り返り,恐るべき演奏だと実感しました。最初と最後のアリアはじっくりと演奏していましたが,各変奏は生き生きと湧き上がるようにつながり,全く退屈する間もなく全曲を堪能することができました(ラ・フォル・ジュルネ標準の45分ぐらいの演奏時間だったと思います)。
例によって交流ホールの様子も見えましたが,明日のリハーサルでしょうか。
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明日は,朝から晩まで参加する予定です。天気がちょっと気になりますね。

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015本公演1日目 史上最高の人出(多分)の金沢駅周辺にいきなり音楽が飛び込んできて,まさに音楽祭という雰囲気 #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015。本日から本公演です。本日は取りあえず昼公演を1回聞いた後,再度夕方から出かけてきますので,まずは会場全体の雰囲気をお伝えしましょう。恐らく,この日の金沢駅は,新幹線開業日を上回る人出になりそうです。その中で駅のコンコースやもてなしドームから生の音楽が飛び込んでくるということで,まさに音楽祭という雰囲気になっていました。

もてなしドーム下では,金沢大学吹奏楽団が昨日に続いて演奏中。このドームは残響が長いので,テーマパークに来たような気分になりますね。
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私の方は,対照的に中野振一郎さんのチェンバロの公演を聞いてきたのですが,演奏だけでなく中野さんのトークも面白く,すっかりバロック時代の貴族のような気分にさせられ,気持ちの良い時間を過ごしてきました。

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中野さんのチェンバロの音はとにかく音が純粋で美しく,高級な宝石を見るような趣きがありました。上手側からk聞いていたので音を出す「秘密」は見えなかったのですが,各曲ごとに音の雰囲気が違うのに感心しました。フローベルガーの組曲の威厳を持った悲しみ,そして,中野さん自身が編曲したバッハのシャコンヌの華麗な凄味。心地よい甘さの漂うクープランの小品など,45分の間にチェンバロの魅力がぎっしり詰め込まれていました。

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↑演奏後は撮影可だったので撮影してきました。

石川県立音楽堂の雰囲気は,例年通りです。

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JR金沢駅は,「コインロッカー不足」ということで,臨時の手荷物預かり所が設置されたようです。
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プログラムのボードの書き込みは,例年以上に,熱気があるようです。


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2015/05/02

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015 吹奏楽の日。これ以上ない快晴の中,11団体による世界各国の作品を楽しみました。エリック・ミヤシロさんと高校生の共演も大いに盛り上がりました。 #lfjk

大型連休後半初日の5月2日は,ラ・フォル・ジュルネ金沢恒例の「吹奏楽の日」でした。石川県立音楽堂の方は「パイプ・オルガン三昧」ということで,実は,今日がいちばん金沢らしい一日だったのかもしれません。

私は,家族と一緒にしいのき迎賓館裏に出かけ,朝10:00過ぎから16:30頃までしっかりと吹奏楽を楽しんできました。この公演の時は,好天になることが多いのですが,今年は特に好転で,雲が全くない快晴でした。風もそれほど強くなく,外で過ごすにはとても気持ちが良かったのですが,ずっと外にいるとかなり熱く,ほぼ半日外に居たのですっかり日焼けしてしまいました。

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本日は,次の順に登場しました。
遊学館高等学校
金沢市立工業高等学校
小松市立高等学校
富山県立高岡商業高等学校
福井工業大学附属福井高等学校
(休憩)
NOTOマーチングバンド
石川県立金沢桜丘高等学校
石川県立小松明峰高等学校
石川県立小松高等学校
長野県長野東高等学校
金沢大学

石川県内の高校吹奏楽部は,石川県吹奏楽コンクールでの金賞入賞高が勢揃い。それに,長野,富山,福井の高校,金沢大学,そして,常連のNOTOマーチングバンドが加わり,選曲を含め,各学校の個性を楽しめました。今回のプログラムは,テーマが「世界のマーチ」となっており,各団体ごとに国を決めて,その国に関する行進曲を中心にプログラムを考えていました。ただし,律義に行進曲を揃えてくる団体,得意の定番曲を持ってくる団体,クラシック系,吹奏楽オリジナル曲...など多彩なプログラムを楽しめました。

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↑午前中の写真ですが,午後になるとさらにお客さんは増えていました。この角度の写真もお馴染みですね。

それと今回の目玉はエリック・ミヤシロさんでした。高岡商,福井,小松の出番の時に登場し,見事なハイトーンを聞かせてくれました。特に,おなじみ「スタートレック」のテーマ(これは「アメリカ横断ウルトラクイズ」のテーマとして有名ですね)は見事に雰囲気にはまっていました。

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↑真ん中に写っているのがエリックさんです。

各団体の演奏では,午後から登場した小松高校のステージが特に印象に残りました。何よりもステージに乗っているメンバー数が多く,特に聞きごたえがありました。スーザ・メドレーでは,「きっと最後は「星条旗よ永遠なれ」だろう」と思って聞いていたのですが,編曲がなかなか凝っていて,通常ピッコロが独奏する見せ場で,何とテューバがソロを取っていました。吹奏楽の演奏会では,ソロを取った奏者が前に出てくるのが「おきまり」ですが,テューバ3人が登場したのには,「一本取られた!」と思いました(ただし,その後,オリジナルどおりピッコロも登場していました)。

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そして,この「吹奏楽の日」公演には欠かせない,小松明峰高校の「風になりたい~宝島」メドレーも楽しめました。毎年のように聞いているのですが,すっかりお家芸のようになっており,お客さんを巻き込んでの見事なショーになっていました。

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「宝島」は,この日の最後の最後に,金沢大学吹奏楽団も演奏したのですが,こちらの方はきっちりとオリジナルの形で演奏していました。これも大変清々しかったですね。

10:00~16:00過ぎまで野外にいたので,すっかり日焼けしてしまいました。連休で帰省してきた子どもと聞いていたのですが,あれこれと突っ込みを入れながら聞くのも楽しいものでした。

ラ・フォル・ジュルネ金沢の吹奏楽公演は,明日も石川県立音楽堂周辺で行われますが,街全体を巻き込むには無くてはならないものですね。明日からは石川県立音楽堂での本公演を中心に楽しんでいきたいと思います。

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↑広坂通りの「世界で2番目においしいメロンパン・アイス」を食べながら聞いていたのですが...本日は気温が高く,結構,ドロドロになりながら味わうことになりました。

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