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2015年7月

2015/07/30

OEK2014/2015シーズンの最後は北陸新幹線開業記念で秋山和慶さんが車掌コスプレで登場。定刻通りに到着するようなきっちりとした音楽を聞かせてくれました。鉄道ものまねの立川真司,中川家礼二のネタは相当マニアック #oekjp

OEK2014/2015シーズンの最後は,鉄道マニアとして知られる秋山和慶さんが登場し,北陸新幹線開業にちなんで,鉄道にちなんだ曲が演奏されました。進行役として鉄道ものまねの元祖立川真司さん,スペシャルゲストとして,やはり鉄道マニアである,中川家礼二さんが登場し,通常のクラシック音楽の演奏会とはかなり違ったムードで「出発進行!」となりました。

正直なところ,「指揮生活50年(ど根性ガエルではありません)」の秋山和慶さんが登場するならば,本格的なクラシック音楽のプログラムが良いかな,とも思っていたのですが,鉄道好きの秋山さんが車掌さんのコスプレで指揮するというのも,これは大変貴重な機会です。前半は,通常の燕尾服で指揮をされていましたが,後半では車掌さんの姿で帽子をかぶって登場しました。

前半は鉄道マニアの作曲家として知られるドヴォルザークの作品中心に演奏されました。第1曲のスラヴ舞曲から,定刻通りに発車,定刻通りに到着という感じの無事故無違反,安心感抜群の演奏でした。秋山さんの場合,新幹線同様に50年間無事故無違反という感じですね。それでいて退屈なところはまったくなく,金管楽器などを鮮やかにならし,充実感のあるサウンドを楽しませてくれました。

「新世界から」の4楽章は,編成的にグランクラスほどにはゴージャスではないけれども,大変バランスの良い音で,座り心地の良い北陸新幹線に乗って長野までちょっと行ってみた(全曲演奏だったら東京までですね),という趣きでした。

後半は鉄道にちなんだ曲がメドレーを含め,あれこれ演奏されました。鉄道の歌メドレーは快適なテンポ感ですっきりと気持ちよく流れ,新幹線のような流線形の演奏を聞かせてくれました。個人的には,メドレーの途中に出てきたナツメロ「高原列車は行く」を聞いて,実に良いテンポ感だなぁと思いました。オーケストラ演奏だとさらに楽しさが増していました。

その後,中川家礼二さんと立川真司さんによる,鉄道ものまねコーナーとなりました。鉄道ものまね,といっても色々とこだわりが広く,「ホームでのアナウンス」「車内での英語のアナウンス」「列車のトイレの音」「列車の走行中の音」...と大変マニアックでした(こういうネタは,タモリさん辺りも大好きそう)。

特におかしかったのは,ホームで自動放送が流れているのに,駅員さんが割り込むように同じアナウンスを上から叫ぶ,という「あるある」というシチュエーションでした。立川さんによると,駅員さんからすると「言わずにはおれなくなる(機械に負けられない)」というのが,その理由とのことです。

列車内の英語のアナウンスのイントネーションがJR西日本と東日本では全然違う...とか相当面白いネタの連続でした。

日本映画「鉄道員」のラストシーンの小林稔二さんが出てくるシーンの「音による再現」に続いて,「鉄道員」の音楽(イタリア映画の「鉄道員」のテーマと日本映画の「鉄道員」)の聞き比べがあったり,最後は,テレビ版「銀河鉄道999」と映画版「999」のメドレーがあったり,色々と工夫された選曲になっていました。

最後に演奏された「999」は,テレビ版の方は短調,映画版(おなじみのゴダイゴの曲)はカラッとした長調なので,続けて演奏すると,暗から明への推移の面白さを楽しむことができました。特に映画版「999」は,吹奏楽アレンジ版などでもよく演奏されており,すっかり鉄道にちなんだ曲の定番になっていますね。個人的にも大好きな曲を,カラッと晴れた見事なサウンドで楽しませてくれました。

最後,アンコールでシュトラウスのポルカ「観光列車」が演奏されました。これは,OEKも頻繁に演奏している曲ですが,特に軽快な演奏だったと思います。途中から,立川さんの物まねによるSEが入っていましたが...この曲については,じっくり聞きたかったな,という気がしました。

個人的には,鉄道にちなんだ曲として,映画「オリエント急行殺人事件」のテーマ(リチャード・ロドニー・ベネット作曲),オネゲルの「機関車パシフィック231」や「世界の車窓から」のテーマなども聞いてみたかったのですが,これらはまた第2弾に期待したいと思います。

2015/07/24

OEK2014/2015シーズンの締めは,広上淳一指揮による北欧の渋ーい作品集+小山実稚恵さん独奏の千両役者の共演のようなグリーグ #oekjp

先週のOEK定期公演マイスターシリーズでは,井上道義さん指揮,日本センチュリー交響楽団との合同公演で「春の祭典」が演奏されましたが,フィルハーモニーシリーズの方は対照的に,北欧の叙情を感じさせる曲渋い曲が並びました。

特に後半最後に演奏されたシベリウスの組曲「白鳥姫」は演奏される機会が少ない作品だったのですが,広上さんの指揮は,さらさらと流すというよりは,内容の濃さを感じさせくれ,シベリウスの「秘曲」のちょっと不思議な世界をしっかりと伝えてくれました。後からじわじわと効いてくるような魅力を持った作品だと思いました。個人的には,演奏会の最後ならば,やはり,がっちりとした構成感のある交響曲で締めるプログラムの方が好きなのですが,魅力的な作品をどんどん紹介し,新たなレパートリーを開拓しようとする,広上さんとOEKの姿勢は大いに評価したいと思います。

前半最初に演奏されたラーションの「田園組曲」は,知る人ぞ知る名曲という感じの曲です。20世紀の作品にしては,大変分かりやすい作品で,しかも「いかにも北欧」の肌触りがありました。編成的にもOEKにぴったりで,「OEKの新たなレパートリーになったなぁ」と感じました。

後半最初に演奏された,シベリウスの「トゥネラの白鳥」も名曲の割に,金沢では滅多に演奏されない曲です。この曲は何といってもイングリッシュホルンの神秘的な音色が聞きどころです。この日は加納さんが担当で,ほの暗いけれども強さのある見事な音を聞かせてくれました。カンタさんのチェロもしっかりと雰囲気を盛り上げてくれました。

この日のもう一人の主役は,ピアニストの小山実稚恵さんでした。この日,オーケストラのみで演奏された作品については,渋い曲が並んでいたので,前半最後に演奏されたグリーグのピアノ協奏曲がプログラム構成的にはクライマックスになっているような感じでした。

小山さんは,第1楽章のカデンツァの部分など,結構ミスタッチがあったのですが,まったく動じることなく,ダイナミックレンジと表現の幅の広い,巨匠風の音楽を聞かせてくれました。冒頭のティンパニのロールに続いて出てくるピアノの音型から,音がピリッと締まっており,一気にグリーグの世界に引き込んでくれました。しっかりと歌いこまれた叙情的な部分との対比も見事でした。第3楽章の最後の部分でのオーケストラと一体になって,堂々と盛り上がっていく辺りの雰囲気には,千両役者の共演といった趣きがありました。

7月末のOEKの定期公演も,秋山和慶さん指揮によるファンタスティック・クラシカルコンサートのみとなり,OEKも夏休みになります。しばらくは休息を取っていただいて(お客さんの方もしっかりと休みを取って),また新シーズンでの瑞々しい演奏を期待したいと思います。

2015/07/19

Noism1の舞踊「箱入り娘」(バルトーク「かかし王子」に基づくオリジナル童話劇)を21美で観てきました。独自のダンスメソッドと意表を突く映像の組み合わせに魅了されました

昨日の「春の祭典」公演に続き,本日は石川県立音楽堂での低弦楽器版「展覧会の絵」。そして夕方からは,金沢21世紀美術館で行われた舞踊団Noism1による「箱入り娘」を観てきました。バルトークの「かかし王子」に基づくオリジナル童話劇ということで,まず音楽面から関心を持ったのですが,シアター21の密室的空間の中で間近で鑑賞したこともあり,見るからに濃いキャラクターたちと凝った映像とが絡み合った世界にはまり込んでしまいました。

この舞踊団は新潟のりゅーとぴあを拠点に活躍しており,通常はもっと抽象的なパフォーマンスをしているそうですが(終演後のトークイベントで芸術監督の金森譲さんがそう語っていました),この作品は,「箱入り娘」と「ニート」と「ネットで出会ったイケメン」を中心に展開するのですが,その周りで魔女や黒子やビデオを撮影するウサギなどが物語を動かしていきます。

その意図までは,はっきり理解はできなかったのですが,絶えず滑らかに動き回るようなパフォーマンスそのものが魅力的でした。

映像と組み合わさあったセットも凝っていました。スクリーンに投影された映像が実際の人物に切り替わったり,隣にある(?)ニートの部屋の画像に切り替わったり,虚と実が混在するような不思議な世界を見せてくれました。この虚と実が混在した感じが,インターネットに支配された現代をうまく象徴していました。

音楽の方は,もともとも童話風の作品ということもあり,バルトークにしては大変分かりやすいもので,映画音楽を思わせるような流れの良さがありました。舞踊の流れの良さとぴったりの音楽だったと思いました。

全体の時間は70分ほどでしたが,あっという間に終わってしまいました。終演後の金森さんのトークを聞いて,「なるほど」という部分があったり,色々な面で刺激に満ちた公演でした。これまで,現代舞踊の公演はほとんど見たことはなかったのですが,なかなか面白い世界だ,と思いました。21美で公演があれば,また観に行ってみようと思います。

OEKと日本センチュリー交響楽団,”もう一つの”合同演奏はチェロとコントラバスのみによる「展覧会の絵」その他。滅多に聞けない音世界を楽しませてくれました #oekjp

昨日のOEK定期公演で,OEKと日本センチュリー交響楽団が合同演奏を行い,金沢初演(多分)となる「春の祭典」などが演奏されました。本日は,そのアンコール企画という感じえで,各楽団のチェロ・パートとコントラバス・パートの合同演奏会が行われました。

低弦楽器ばかりによる演奏会というのは滅多にありませんが,そこで演奏された曲が...ムソルグスキー作曲,パッリという人の編曲による低弦版「展覧会の絵」。何と全曲でした。さすがに「かなり無理があるかも」という曲もありましたが,フラジオレットなど色々な技法を駆使しての多彩な音響による演奏は聞きごたえたっぷりでした。

特にカタコンベ,バーバ・ヤーガ,キエフの大きな門と続く後半は,「ロシア的な大地のサウンド」という感じがあり,「ぴったり」と思いました。ユニゾンで演奏すると,「1812年」のような雰囲気になり,鐘の音の効果も出したり,大変楽しめました(途中,聖歌風のメロディでハミングが聞こえた気がするのですが...錯覚?)。

前半はまず,OEKの大澤さんとセンチュリーの内藤さんによるヴィヴァルディのソナタに続き,コントラバス・オンリー,チェロ・オンリーで色々な曲が演奏されました。コントラバス・アンサンブルのドスが聞いているのにどこか憎めない雰囲気,チェロ・アンサンブルの「オーケストラそのまんま」のような音域の広さなど,予想以上に「華麗な世界(?)」が展開していました。

この日は金沢駅コンコースでもセンチュリーの金管パートが演奏を行っていたようですが,今後も是非,色々なレベルでの合同演奏を期待したいと思います。

2015/07/18

井上道義指揮OEK+日本センチュリーSOの「春の祭典」。やっぱり生演奏は最高。古典的かつ野性的な充実感。刺激たっぷりの権代敦彦:Vive Versa(初演)と合わせオーケストラ音楽の祭典を楽しみました #oekjp

今日の石川県は台風が接近中で,「日本センチュリー交響楽団が台風を連れてきた?」という感じでしたが,午後からは雨が上がり,オーケストラのパワーで台風も退散してしまったようです。

今回のOEK定期公演の目玉は,日本センチュリー交響楽団との合同演奏による「春の祭典」でした。私自身,この曲を実演で聞いたことはなく,この演奏会を心待ちにしていました。合同演奏は,後半だけだったのですが,ステージは100人以上のメンバーで溢れ,見るだけで「祭典」ムードになりました。

「春の祭典」は20世紀に作られたクラシック音楽の中では,もっとも人気のある作品の一つということで,CDでは何回も聞いたことがあります。文字通りの古典と言って良い作品です。この日の井上道義さんの指揮も,基本的には冷静で,曲の魅力を十分に伝えてくれるような演奏でした。

しかし,普通に演奏していても,要所要所で自然に熱気が溢れ,実演ならではの生々しい音の迫力が伝わってきました。冒頭のファゴットソロ(OEKの柳浦さんが見事に聞かせてくれました。),豪快にベルアップしていた9人のホルン,ずらっと並んだトランペット,トロボーンの咆哮....。イメージどおりの演奏を楽しむことができました。

特に素晴らしいと思ったのは打楽器群でした。OEKの渡邉さんのバスドラムとティンパニの神戸さんをはじめ,気合十分の音が全体をビシッと締めていました。

第2部の序奏の「夜」を表現する部分でのチェロやヴィオラのしみじみとした響きも印象的でした。カンタさんやグリシンさんも存在感たっぷりでした。そして,打楽器勢揃いで11拍子になる部分の迫力。井上さんは,この部分では指揮をするというよりは,一緒になって土俗的なダンスをしているようでしたが,「春の祭典」ならではの部分ですね。

第2部最後の部分は,さすがに音を合わせるのが難しそうでしたが,それがまた壮絶さにつながっていました。最後の最後の部分は,力強さと同時にダンサブルな雰囲気があり,バシっと締めてくれました。

何というか,あっという間に演奏が終わった気がします。終わるのが惜しいと感じるくらいでした。演奏後,井上さんが各メンバーをたたえ,最後,両オーケストラのメンバーが晴れ晴れとした表情で握手して解散となりました。数年に一度の「オーケストラの祭典が終わった!」という感じの爽快感が残りした。

アンコールはなし?と予想していたのですが,予想外の(ただし,大阪にちなんだ)曲が演奏されました。これについては,レビューで紹介しましょう。

前半(こちらはOEKだけ)に演奏された,権代敦彦さんによる新作「Vice Versa」も刺激的な作品でした。権代さんは,現在OEKのコンポーザ・オブ・ザ・イヤーということで,この日の演奏が世界初演でした。歴代の作品は,結構難解な作品が多かったのですが,権代さんの作品には,独特のサウンドの面白さがあり,全く退屈せずに楽しむことができました。井上さんからの結構細かい「注文」に応じて作られた作品で,「ありとあらゆる対称を描いた,2楽章形式の作品」となっていました。

曲の冒頭から耳をつんざくような高音(ピッコロの音が特に強烈)が続いたのですが,第2楽章になると,コントラバスなどによる低音が出てきたり,光を感じさせるような感動的でシンプルな音が出てきました。この日の演奏はCD録音をしていいましたので,恐らく,この作品はCD化されるのではないかと思います。井上さんも,大満足という表情でしたので,今後,OEKのレパートリーとして定着していくかもしれません。

そして,この曲に続いて演奏されたのが,ハイドンの交響曲第87番でした。この曲もまた実演で聞くのは初めてだったのですが,「刺激の強い食事の後に食べる白いご飯は最高」みたいなところがあり,「やはり,OEKのハイドンはよい」と思いました。ハイドンの曲には,色々と仕掛けがあり,この曲の第1楽章などでも,「何でこんなところで,急に音が弱くなる?」といった面白さがありました。第2楽章や第3楽章に出てくる,オーボエ(水谷さん)やフルート(松木さん)のソロも大変魅力的でした。

「春の祭典」をはじめ,実演で聞くのは初めての曲ばかりでしたが,井上さんがトークで語っていたとおり,「1,2年に1回ぐらいは合同で大編成」というのを期待したいと思います。

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