2015ビエンナーレいしかわ秋の芸術祭 石川フィル特別演奏会 ラフマニノフの交響曲第2番を中心に,たっぷりとロシア・プログラムを楽しみました。
その名のとおり,2年に一度「ビエンナーレいしかわ秋の芸術祭」というイベントが行われ,この時期,石川県内の色々な文化・芸術関連の団体が集中的にイベントを行っています。
本日はその一環として,石川フィルハーモニー交響楽団の特別演奏会が石川県立音楽堂コンサートホールで行われたので聞いてきました。指揮は常任指揮者の花本康二さんでした。
石川フィルの演奏会では,一般的な名曲だけに偏らず,ちょっとマニアックな曲を入れることがあるのですが,今回,メインで演奏されたのは,ラフマニノフの交響曲第2番でした。20世紀の交響曲の中では親しまれている作品ですが,マーラーの交響曲やショスタコーヴィチの5番ほどには演奏される機会のない作品です。金沢で演奏されるのは,金沢大学フィルの定期演奏会以来かもしれません。
今回はこの曲を核として,ロシアの名曲を並べたプログラムでした。前半のグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲とチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」は,どちらも無理のないテンポで,しっかりとしたオーケストラサウンドを聞かせてくれる,まとまりの良い演奏でした。久しぶりに実演で聞いた「ロメオとジュリエット」は,甘さたっぷりというよりは,微糖ぐらいの感じで,交響曲の一つの楽章を聞くような感じで,主題と主題の絡み合いの面白さを楽しむことができました。
後半のラフマニノフでは,しっかりと「ラフマニノフらしく」盛り上げており,充実感たっぷりでした。4楽章ともそれぞれにボリューム感があるのですが,4章からなる長編小説を楽しむような感じで聞かせてくれました。緩やかな楽章では,ねっと~りと盛り上がったり,急速なテンポの楽章では,パーカッションを交えて,華やかに盛り上がったり,ラフマニノフらしさをしっかり味わわせてくれました。
特にうねるような情感を自然に感じさせてくれた,ヴァイオリンを中心として弦楽合奏が素晴らしいと思いました。クラリネットを初めとした,管楽器のソリスティックな活躍も曲に変化を付けていました。長大な作品ですが,全く退屈することなく楽しむことができました。
花本さんは,8月に金沢で行われた全国アマオケフェスティバルで,ラフマニノフの交響曲第3番を指揮されましたが,それに続いての第2番の指揮ということで,すっかり「ラフマニノフの権威」に成られたのではないかと思います。
ビエンナーレの方は,その他の音楽団体も色々な公演を行うようなので,いくつか出かけてみようと思います。
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