音楽堂室内楽シリーズ第4回,関本昌平さんの切れ味鋭い辛口ショパンと山本貴志さんの濃厚旨口ショパンの聞き比べ。最後は「びっくりぽん」の最高級ブレンドのモーツァルト
現在,5年に一度のショパン国際ピアノコンクールが現在行われています。それに合わせるかのように,第15回ショパン・コンクールで4位に入賞した山本貴志,関本昌平の2人のピアニストがショパンの曲を演奏し,最後にモーツァルトの2台のピアノのためのソナタを演奏する演奏会が音楽堂室内楽シリーズとして行われたので聞いてきました。
2人の実力のあるピアニストの共演ということで素晴らしい内容になることは予想していたのですが,その期待を上回る,「びっくりぽん!」という感じの演奏会になりました。
演奏会は3部構成で,まず関本さんが,ショパンの名曲の中から,英雄ポロネーズ,スケルツォ第2番などダイナミックな動きのある曲を中心に演奏しました。第2部では山本さんがノクターン,マズルカ,幻想ポロネーズなど,しっとりとした夜のムードを持った曲を中心に演奏しました。
まず,この2人の演奏の対比が鮮やかでした。日本酒の利き酒をするような感じで楽しんでしまいました。関本さんは,スーパー・ドライ,超辛口という感じで,粒立ちの良い音で,スパッとした爽快さのある演奏を聞かせてくれました。
山本さんの方は,濃厚旨口の日本酒という演奏で深く瞑想するような音楽を聞かせてくれました。
どちらの演奏も完成度が高く,ピアノがしっかりとコントロールされているのが素晴らしく,1つの演奏会で2倍楽しんだような充実感がありました。
そして,後半のモーツァルトの2台のピアノのためのソナタ(「のだめカンタービレ」で有名になった作品ですね)では,最高級ブレンドといった演奏を聞かせてくれました。2人の演奏を折衷したという感じではなく,2人が一体となって取り組むことで,スリリングで一段上の高みに上ったような生命感あふれる演奏を聞かせてくれました。
アンコールでは,ラフマニノフの組曲第2番の中のタランテラが演奏され,脂が乗りきった2人の奏者による,迫力満点の音楽で締めてくれました。
この室内楽シリーズで,「2台のピアノ」の演奏会が行われるのは珍しいと思いますが,過去のこのシリーズの中でも特に素晴らしい公演の一つだったと思います。
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