OEKのCD

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2015年10月

2015/10/24

今シーズンのOEKマイスター定期はショパン中心のプログラム。協奏曲第1番は萩原麻未さんのファンタジーと華に溢れた演奏。プルチネルラはアレクサンダー・リープライヒさんもOEKメンバーになったような重層的で室内楽的な演奏 #oekjp

2015/2016シーズン第1回目のOEK定期公演マイスターシリーズを聞いてきました。今シーズンは,「ショパンと友人たち」というテーマがあり,毎回プログラムには,ショパンのピアノとオーケストラのための作品が組み込まれる予定です。数年前のラ・フォル・ジュルネ金沢と似たテーマですが,それを年間通じて楽しませてくれることになります。

その第1弾ですが,ショパンのピアノ協奏曲第1番が演奏されました。やはり,シリーズ第1回はこの曲で始まるのが良いですね。ピアノ独奏は,数年前のジュネーヴ国際コンクールで優勝した萩原麻未さんです。萩原さんは,過去数回,金沢市で演奏会を行ったことはありますが,OEKとの共演は今回が初めてだと思います。

萩原さんの演奏ですが,よく音が通るのが素晴らしいと思いました。軽やかで明るい音色がスッとホールに広がりました。堂々とした第1楽章,ファンタジー溢れる第2楽章に続き,パッと気分が変わり,軽やかに走り抜けるような第3楽章へ。どの部分をとっても,今の萩原さんの魅力がしっかり伝わってきました。

第2楽章では特にそのしっとりとした音の美しさが際立っており,たっぷりと楽しませてくれました。この楽章では,ピアノにしっかり寄り添うファゴットやホルンのオブリガートも聞きものでした。

第3楽章を聞いていると,時節柄「ショパン・コンクール」のファイナルといった気分になります。もともと,次々と聞きどころのメロディが出てくる魅力的な楽章ですが,ノリの良い萩原さんの演奏を聞いて,その魅力がさらに増していました。最後の方に大きく跳躍するような印象的なパッセージがありますが,萩原さんの弾き振りは本当に華やかで,ファンタジーが広がる感じでした。最後の方はピアノの方が走り過ぎみたいな感じもしましたが,それもまた,実演ならではの興奮をかきたててくれました。

この曲を実演で聞くのは,久しぶりなのですがしっかりと萩原さんのショパンを楽しませてくれました。アンコールで演奏されたコントルダンスという曲も,とろけるような絶品という感じの演奏でした。

演奏会の最初では,メンデルスゾーンの序曲「美しいメルジーネの物語」が演奏されました。プログラムには1834年版と書かれており,バルブのないホルンを使って演奏していたのがまず印象的でした。曲の冒頭からこのクラリネットなどを中心とする暖かい響きが大変心地よく,ファンタジーの世界に引き込んでくれるようでした。その後に出てくる弦楽器を中心としたキビキビした演奏との対比もドラマティックでした。

後半は,ストラビンスキーの「プルチネルラ」組曲が演奏されました。ペルゴレージの曲をベースにストラヴィンスキーが再構成した曲ということで,イタリアのバロック音楽らしい明快な明るさの中にストラヴィンスキーらしい「ひねり」とがしっかり効いていました。

楽器編成は,通常のOEKの編成よりも少し少なかったのですが,弦五部のトップ奏者がソリストとして活躍する部分もあり,合奏協奏曲のような重層的な面白さがありました。こういう部分は,実演で聞く方がずっと楽しめます。

リーフライヒさんは,室内楽のように緻密に音楽をまとめていくと同時に,熱さを感じさせる指揮ぶりで,クールな現代性とシンプルな明るさとのブレンドを見事に聞かせてくれました。

演奏後は,リープライヒさんがお客さんに向かって頭を下げるのと同時に,OEKのメンバー全員が一緒に頭を下げていました。こういうシーンは,これまであまり見たことはない気がしますが,ソリスト集団としてのOEKの力量と指揮者自身がオーケストラメンバーと一体となって演奏したことをしっかりとアピールしてくれました。

終演後の雰囲気では,リープライヒさんはOEKのメンバーからの信頼の厚い指揮者だとお見受けしました。今後の共演にも大いに期待したいと思います。

2015/10/16

Electric Light Symphony OEKがJR金沢駅もてなしドームで演奏。光と音が連携したスケール感豊かな世界が広がりました。ひゃくまんさんバルーンも大人気 #oekjp

気持ちの良い快晴だった金曜日の夕方,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)が,JR金沢駅のもてなしドームで演奏するElectric Light Symphonyというイベントが行われたので聞いてきました。このイベントは,その名のとおり,OEKの演奏する音楽に合わせてシャンデリア状のスクリーンに映像が投影され,ドーム内の照明が多彩に変化するというものです。映像の方は,音楽を電気信号に変えたものだそうで,音楽にぴったりと合っていました。昨年は,東京駅近くのKITTEというビルで行われたのですが,今回は北陸新幹線開通記念ということで,金沢駅で行われました。

OEKがこの場所で演奏するのは,今回が初めてということで大勢のお客さんが集まっていました。赤じゅうたんの敷かれた特設ステージの上でOEKが演奏する姿を見るのは,ファンとしても,ちょっと誇らしい気分でした。

イベントは指揮の斎藤一郎さんのトークを交えて行われました。斎藤さんは,棒を振る動作が非常に大きく,広々としたドームの雰囲気にぴったりでした。ベートーヴェンの交響曲第7番の第1楽章の最初の一音での,手を高く上に伸ばした状態から,真下に棒を振り下ろす動作は,大変ダイナミックでした。

音響の方は流石に,コンサートホール内で聞くようなわけにはいかず,マイクで拡声していたこともあり,やや不自然な響きでした。残響はとても長いのですが,各楽器の音が溶け合って聞こえず,弦楽器などはかなりギシギシとした感じに聞こえました。これは特定の楽器をマイクでクローズアップしていたためかもしれません。今回は,結構前の方で聞いていたのですが,もしかしたらもっと離れた場所で聞けば,もっと心地よく響いていたのかもしれません。

演奏された曲の中では,シュトラウスのポルカ「観光列車」が楽しめました。曲が進むにつれて,ひゃくまんさんの映像が大量発生し,密集してうねるような,すごい映像でした。近くに居た女子高生も「受ける~」という感じで楽しんでいました。

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お馴染み,NHK大河ドラマ「利家とまつ」のテーマも雰囲気にぴったりでした。音楽もゴージャスなら,映像もゴージャスでした。

最初から最後まで立ったままだったので,結構疲れたのですが(実は,開演前の公開リハーサルから立ったまま聞いていたので),「滅多に味わえない祝祭的な気分」を体全体で感じることができました。雰囲気としては,ラ・フォル・ジュルネ金沢恒例のクロージング・コンサートとちょっと似た感じがあるかもしれません。

というわけで,このイベントについては,年に数回行って欲しいものです。OEK以外でも,吹奏楽団でも面白いかもしれませんね。というわけで,今後「金沢の目玉商品」の一つになっていきそうな,企画だと思いました。

鼓門のあたりに,「ひゃくまんさんバルーン」が2つ浮かんでいましたが,こちらも大人気でした。

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2015/10/06

音楽堂室内楽シリーズ第4回,関本昌平さんの切れ味鋭い辛口ショパンと山本貴志さんの濃厚旨口ショパンの聞き比べ。最後は「びっくりぽん」の最高級ブレンドのモーツァルト

現在,5年に一度のショパン国際ピアノコンクールが現在行われています。それに合わせるかのように,第15回ショパン・コンクールで4位に入賞した山本貴志,関本昌平の2人のピアニストがショパンの曲を演奏し,最後にモーツァルトの2台のピアノのためのソナタを演奏する演奏会が音楽堂室内楽シリーズとして行われたので聞いてきました。

2人の実力のあるピアニストの共演ということで素晴らしい内容になることは予想していたのですが,その期待を上回る,「びっくりぽん!」という感じの演奏会になりました。

演奏会は3部構成で,まず関本さんが,ショパンの名曲の中から,英雄ポロネーズ,スケルツォ第2番などダイナミックな動きのある曲を中心に演奏しました。第2部では山本さんがノクターン,マズルカ,幻想ポロネーズなど,しっとりとした夜のムードを持った曲を中心に演奏しました。

まず,この2人の演奏の対比が鮮やかでした。日本酒の利き酒をするような感じで楽しんでしまいました。関本さんは,スーパー・ドライ,超辛口という感じで,粒立ちの良い音で,スパッとした爽快さのある演奏を聞かせてくれました。

山本さんの方は,濃厚旨口の日本酒という演奏で深く瞑想するような音楽を聞かせてくれました。

どちらの演奏も完成度が高く,ピアノがしっかりとコントロールされているのが素晴らしく,1つの演奏会で2倍楽しんだような充実感がありました。

そして,後半のモーツァルトの2台のピアノのためのソナタ(「のだめカンタービレ」で有名になった作品ですね)では,最高級ブレンドといった演奏を聞かせてくれました。2人の演奏を折衷したという感じではなく,2人が一体となって取り組むことで,スリリングで一段上の高みに上ったような生命感あふれる演奏を聞かせてくれました。

アンコールでは,ラフマニノフの組曲第2番の中のタランテラが演奏され,脂が乗りきった2人の奏者による,迫力満点の音楽で締めてくれました。

この室内楽シリーズで,「2台のピアノ」の演奏会が行われるのは珍しいと思いますが,過去のこのシリーズの中でも特に素晴らしい公演の一つだったと思います。

2015/10/04

2015ビエンナーレいしかわ秋の芸術祭 石川フィル特別演奏会 ラフマニノフの交響曲第2番を中心に,たっぷりとロシア・プログラムを楽しみました。

その名のとおり,2年に一度「ビエンナーレいしかわ秋の芸術祭」というイベントが行われ,この時期,石川県内の色々な文化・芸術関連の団体が集中的にイベントを行っています。

本日はその一環として,石川フィルハーモニー交響楽団の特別演奏会が石川県立音楽堂コンサートホールで行われたので聞いてきました。指揮は常任指揮者の花本康二さんでした。

石川フィルの演奏会では,一般的な名曲だけに偏らず,ちょっとマニアックな曲を入れることがあるのですが,今回,メインで演奏されたのは,ラフマニノフの交響曲第2番でした。20世紀の交響曲の中では親しまれている作品ですが,マーラーの交響曲やショスタコーヴィチの5番ほどには演奏される機会のない作品です。金沢で演奏されるのは,金沢大学フィルの定期演奏会以来かもしれません。

今回はこの曲を核として,ロシアの名曲を並べたプログラムでした。前半のグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲とチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」は,どちらも無理のないテンポで,しっかりとしたオーケストラサウンドを聞かせてくれる,まとまりの良い演奏でした。久しぶりに実演で聞いた「ロメオとジュリエット」は,甘さたっぷりというよりは,微糖ぐらいの感じで,交響曲の一つの楽章を聞くような感じで,主題と主題の絡み合いの面白さを楽しむことができました。

後半のラフマニノフでは,しっかりと「ラフマニノフらしく」盛り上げており,充実感たっぷりでした。4楽章ともそれぞれにボリューム感があるのですが,4章からなる長編小説を楽しむような感じで聞かせてくれました。緩やかな楽章では,ねっと~りと盛り上がったり,急速なテンポの楽章では,パーカッションを交えて,華やかに盛り上がったり,ラフマニノフらしさをしっかり味わわせてくれました。

特にうねるような情感を自然に感じさせてくれた,ヴァイオリンを中心として弦楽合奏が素晴らしいと思いました。クラリネットを初めとした,管楽器のソリスティックな活躍も曲に変化を付けていました。長大な作品ですが,全く退屈することなく楽しむことができました。

花本さんは,8月に金沢で行われた全国アマオケフェスティバルで,ラフマニノフの交響曲第3番を指揮されましたが,それに続いての第2番の指揮ということで,すっかり「ラフマニノフの権威」に成られたのではないかと思います。

ビエンナーレの方は,その他の音楽団体も色々な公演を行うようなので,いくつか出かけてみようと思います。

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