ジョン・ウォルトハウゼンさんをゲストに迎えての「パイプオルガンの日」2回とも聞いて,パイプオルガンの多彩な音を浴びてきました。
先週から,土日の度にコンサートを聞いていますが,今日もまた午後から石川県立音楽堂に出かけ,「パイプオルガンの日」の公演を2回聞いてきました。音楽堂では,1年前の10月に「ピアノの日」という企画がありますが,それの続編のような形になります。
昨年は45分~1時間程度のピアノ公演が3回でしたが,今年は1時間強の公演が2回でしたので,やや長めの演奏会の1回分ぐらいということになります。
プログラムは,札幌コンサートホールの専属オルガニスト,ジョン・ウォルトハウゼンさん,金沢で活躍している春日朋子さん,黒瀬惠さんのオルガンを中心に,ソプラノ,ヴァイオリン,児童合唱,混声合唱とオルガンとの共演を交えた内容でした。
パイプオルガンは,多彩な音色と広い音域を持つ楽器ですが,どうしても単独コンサートとなるとちょっと行きづらいところがあります。一つの楽器で何でも出来てしまうオールマイティな楽器なのですが,半面,どの曲も同じように聞こえるようなところがあります。
この日の公演は,そういった単調さを解決するために,いろいろな楽器との共演を交えていました。それぞれ楽しめたのですが,特に声楽アンサンブル ラ・ムジカと共演した宗ゼレンカのミゼレーレ(抜粋)が良かったと思いました。ほの暗い雰囲気が格好よく,こんな良い曲があったんだ,という発見する楽しみがありました。
坂口昌優さんとの共演による,ヴィターリのシャコンヌの厳粛さもパイプオルガンとの共演ならではでした。熊田祥子さんとはアヴェマリアやフォーレのレクイエムの中の曲を共演しました。甘い雰囲気が心地よく響きました。フォーレのレクイエムはオルガン伴奏版で全曲というのも「あり」かもしれません。
OEKエンジェルコーラスとは,すっかりご当地ソングとなった「希空」などを共演しました。この日は結構間近で聞いたのですが,子供たちの声の純粋さが際立つと思いました。
さて,オルガン曲独奏曲ですが,各回の最後に演奏した,ウォルトハウゼンさんの演奏のオリジナルティ溢れる音色とスケールの大きな演奏が特に素晴らしいと思いました。2回目の方で演奏されたような,現代曲でも音楽的に聞けてしまうのが,オルガンという楽器の面白さだと思います。それと,各回の最後に演奏された,おなじみバッハのトッカータとフーガ。この曲の最初の方の和音の重厚な響きは,年に数回は聞いてみたいと思いました。
オルガンについては,このところ音楽堂での公演回数が少ないのですが,今回のような親しみやすい雰囲気の企画(各回とも春日さんと黒瀬さんのトークが入ったのもとても良かったと思いました)は定期的に行って欲しいなと思いました。
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