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2015年12月

2015/12/31

OEKの公演を中心に今年行った演奏会を振り返ってみました。皆様,よいお年をお迎えください。 #oekjp

今年もあと残りわずかです。カウントダウンコンサートが今から行われますが,一年間を振り返ってみたいと思います。

まず,例年通りのペースでOEKの定期公演を中心に沢山の演奏会に行くことができたことに感謝したいと思います。現実の世界では,テロ事件をはじめとして,紛争が絶えず,どこか閉塞感が漂っています。そういう時代だからこそ,各ア―ティストの作り出す自由な表現の世界に触れることは大切だと思います。

クラシック音楽の場合,「自由」と言いながらも,いろいろな制約のある世界です。その制約と自由とのせめぎ合いを楽しむのがクラシック音楽かなと思っています。一年間を振り返ってみると,クラシック音楽の新しい可能性を見出そうとする演奏会に特に惹かれました。

その意味で,特に次の公演が印象的でした(新しい順です)。
・OEK第370回定期(マルク・ミンコフスキ(12月10日~11日)
・フィガロの結婚:庭師は見た! 全国共同制作プロジェクト金沢公演(5月26日)
・OEK第364回定期(井上道義指揮,五嶋みどり,6月22日)
・OEK第361回定期(クリスチャン・ヤルヴィ指揮,2月15日)

そして,冒険的な試みがあるからこそ,古典的で正統的な音楽の良さが引き立ちますね。
・OEK第363回定期(井上道義指揮,仲道郁代(Pf),3月20日)
・OEK第362回定期(マックス・ポンマー指揮,3月7日)
・OEK第360回定期(シュテファン・ヴラダー指揮, 1月24日)

念願の「春の祭典」を金沢で聞くことができました。
・OEK第365回定期(井上道義指揮,ゲストオーケストラ:日本センチュリー交響楽団,7月18日)

若手からベテランまで,多彩なピアニストたちの水準の高いの共演
・OEK第368回定期(アレクサンダー・リープライヒ指揮,萩原麻未(Pf),10月24日)
・音楽堂室内楽シリーズ第4回 山本貴志・関本昌平ピアノコンサート(10月6日)
・OEK第367回定期(井上道義指揮,辻井伸行(Pf),9月15日)
・OEK第366回(広上淳一指揮,小山実稚恵(Pf),7月24日)

今年は何といっても北陸新幹線の開通が大きな話題でした。「音楽を聞くために金沢へ」という流れがもっと増えて欲しいですね。特に「金沢発のオペラ」には期待したいと思います。
・オペラ「滝の白糸」再演(11月15日)
・喜歌劇「メリー・ウィドウ」金沢公演(2月28日)

もてなしドームでの音楽イベントも効果満点でした。
・Electric Light Symphony by OEK × Rhizomatiks(10月16日,金沢駅 もてなしドーム)

恒例になったラ・フォル・ジュルネ金沢では,異次元の世界の広がる多彩な古楽演奏が特に素晴らしいと思ったのですが,これらの公演の入りがやや悪かったのが少々残念でした。翌年からは,違った切り口になるということで,新しい展開に期待したいと思います。

・ラ・フォル・ジュルネ金沢2015 パシオン・バロック:バッハ,ヘンデル,ヴィヴァルディ(4月29日~5月5日)

それでは,皆様,良いお年をお迎えください。

2015/12/19

Co.山田うん 春の祭典ツァー 金沢公演。間近で観たパフォーマンスは,ストラヴィンスキーの音楽にピタっと付けた衝撃的な素晴らしさ!もう一度見てみたい。

金沢市民芸術村パフォーミングスクエアで,現代舞台プロジェクトとして,ダンスカンパニー<Co.山田うん>による,バレエ「春の祭典」を中心とした公演が行われましたので,観てきました。12月19日と20日の2日連続で行われるのですが,その初日の方です。

ストラヴィンスキーの「春の祭典」は,今年の7月に井上道義さん指揮のOEKと日本センチュリー交響楽団の演奏で聞いたばかりですが,実際にバレエとして上演されるのを観たことがありません。今年は金沢市文化ホールの方でも別アーティストによって上演されたのですが,そちらの方は観損なってしまったので,今回を逃すとしばらく観られないと思い,出かけてきました。

演出・振付の山田うんさんについも,そのダンスカンパニーについても,全く予備知識はなかったのですが,パフォーミングスクエアという,非常に舞台までの距離が近い会場で観たこともあり,すっかり舞台に入り込んで観てしまいました。衝撃的なすばらしさでした。

ストラヴィンスキーの音楽は,何回も聞いたことはありますが,何よりも,音楽との一体感が素晴らしいと思いました。今回は13人による上演でしたが,音楽の展開にぴったり合ったダンスの連続でした。コンテンポラリー・ダンスを観たことがほとんどないので,比較はできないのですが,間近で見るプロのダンスのキレの良さに感動しました。

ポリリズムの部分では,13人が3つぐらいのグループに分かれたり,第1部の最後の部分ではトランス状態になったり,組体操のような雰囲気になったり...全く飽きませんでした。

第2部では,「祖先の儀式」での怪しく静かな群舞から,最後の「いけにえの踊り」での,ソリスト的な女性ダンサーを中心としたドラマティックでスピーディーな動きへと繋がっていくコントラストが特に面白いと思いました。最後の部分では,いけにえの女性が音楽に合わせて,バタっと倒れるのですが,本当に力尽きてバタっと倒れる感じで,そのドサっと言う音とストラヴィンスキーの音楽とのシンクロが衝撃的でした。

この日の音源は,ゲルギエフ指揮キーロフ劇場の演奏を使っていました。低音をしっかりと響かせた音響も素晴らしく,迫力満点でした。「春の祭典」は,20世紀音楽の古典になっていますが,バレエとしても古典なのだということを再認識しました。

前半もストラヴィンスキーの音楽に合わせたパフォーマンスでした。最初の「日本の三つの抒情詩」は伊藤知奈美さんの独舞,二曲目の「結婚」は,山田うんさんと河合ロンさんによるダンスでしたが,これらも大変楽しめました。ストラヴィンスキーの音楽は,音だけ聞くと難解ですが,ダンス付きで見ると全く退屈しませんでした。

「日本の三つの抒情詩」は4分程度でしたが,その短さが,叙事詩=和歌の雰囲気にぴったりでした。「結婚」の方は,打楽器とピアノと声楽を中心とした曲で,ロシア的な感じと現代的な感じとが混ざった,ちょっとカール・オルフの曲を思わせるような曲です(オルフの方が影響を受けてるのだと思います)。

「結婚」といっても,ハッピーな感じの曲ではないのですが,この曲でもまた,音楽の流れに乗ったキレの良いパフォーマンスが見事でした。よく考えると,普通のバレエで言うところの,「パ・ド・ドゥ」なのですが,最後の部分で「寝技(?)」に持ち込む辺りがコンテンポラリーなところです。

音源はポクロフスキー・アンサンブルという団体のものを使っていましたが,この演奏が非常に生々しい感じで,迫力のあるダンスにぴったりでした。

この公演は,明日もう一回行われます。狭い会場でしたので,ほぼ満席だったようです。個人的には,もう一度観てみたいぐらいの迫力と魅力のあるステージでした。

2015/12/13

年末恒例,OEK&北陸聖歌合唱団のクリスマス・メサイア公演 今年は藤岡幸夫さん指揮。二期会のソリストとともに,堂々とした正攻法の音楽を聞かせてくれました。 #oekjp

12月恒例の北陸聖歌合唱団とOEKによるクリスマス・メサイア公演。今年の指揮は藤岡幸夫さんで,ソリストは,昨年同様,二期会所属の4人の歌手でした。抜粋版で演奏されましたが,「毎年外せない曲」がしっかり入っており,第1部の後半を中心に,一足先にクリスマス気分を味わってきました。

藤岡さんの指揮ぶりは,堂々とした楷書という感じで,ハレルヤ・コーラスなどでは,正攻法のパシッとした音楽を聞かせてくれました。最後のアーメン・コーラスになると,「いよいよ年末だな」というしみじみとした気分になります。この日の演奏も,力いっぱい盛り上がるというよりは,しみじみとした情感を感じさせてくれました。

今回のソリストの皆さんも素晴らしい歌を聞かせてくれました。バリトンは,予定されていた青山貢さんから久保和範さんに交替になっていましたが(久保さんの方が音域的には低いようでバスバリトンとなっていましたが),この久保さんの威厳のある声が特に印象的でした。第3部でのトランペットは,おなじみOEKの藤井さんでしたが,見事な音を聞かせてくれ,久保さんの歌をしっかり盛り上げていました。

ソプラノの平井香織さん,メゾソプラノの手嶋眞佐子さん,テノールの鈴木 准さんも,それぞれの「聞かせどころ」をしっかりと聞かせてくれました。この際,もっと沢山アリアを聞いてみたいなと思うくらいでした。今回の抜粋は,例年よりもちょっと曲が少なかった気もします。特にハレルヤ・コーラスの前にテノールの曲が入らなかったのは珍しいかもしれません。

メサイアに先立って,OEKエンジェルコーラスが合唱が加わって,こちらも定番となっている,クリスマス・メドレーが演奏されました。この榊原栄さん編曲のメドレーも,10回以上聞いていると思うのですが,すっかり欠かせない曲です。榊原さんの編曲にはゴージャスな気分があり,藤岡さんの楽し気な指揮ぶりにぴったりでした。「ジングルベル」での子どもたちの手の動作も元気よく,演奏会を大きく盛り上げてくれました。

今年の金沢の12月は,今のところとても穏やかです。「メサイア」が終わると,いよいよ歳の暮です。例年どおりアンコールの「きよしこの夜」に続いて,讃美歌が歌われてお開きとなりましたが,を平和に過ごせていることに感謝したくなるような演奏会でした。

2015/12/11

マルク・ミンコフスキ指揮OEK 二夜連続のシューマン交響曲全集の二日目。何といっても第4番のコーダにしびれました。快速快演!全4曲を熱く締めてくれました。 #oekjp

マルク・ミンコフスキ指揮OEKによる,二夜連続のシューマン交響曲全集の二日目を聞いてきました。

昨晩は2番で終わったこともあり,どこか陰影の濃さを感じさせる,独特のオーラを感じさせてくれましたが,今晩は,第4番のエンディングに向け,一気に上り詰めるような素晴らしい盛り上がりを持った演奏を聞かせてくれました。

今回,シューマンの交響曲4曲をセットで聞いてみて,祝祭的な気分のある第1番,深い情感を湛えた第2番,明るい旅情を感じさせる第3番,そして,全体をビシっとしめる第4番とあたかも,4つの楽章からなる大交響曲を聞くような充実感を感じました。さすがミンコフスキという,イマジネーション豊かな音のドラマを聞かせてくれました。

第3番「ライン」の方は,OEKは,過去何回か演奏していますが,この日の演奏には,力んだようなところはなく,明るい暖かさのある雰囲気で始まりました。第5楽章などは大変軽快で,古典的な交響曲を聞くようなまとまりの良さを感じました。聖堂を思わせる第4楽章も重苦しい感じではなく,どこか懐かしさを感じさせてくれるようでした。全4曲をセットとして見た場合の第3楽章的な,ちょっと控えめな感じがあると思いました。

後半に演奏された第4番は反対に,最終楽章的な盛り上がりを持った演奏でした。第1楽章から堂々とした量感がありました。第2楽章は昨日のアンコール(というか本日の「予告編」でしたね)で聞いばかりです。カンタさんのチェロの上でしっとり歌う加納さんのオーボエ,その後,すっきり・しっとりと息の長いメロディを堪能させてくれたサイモン・ブレンディスさんのヴァイオリン...と室内楽的な魅力をしっかり楽しませてくれました。第3楽章から第4楽章にかけては音によるドラマが,次々と湧き上がってくるようでした。

特に第4楽章最後のコーダが印象的でした。ステージ奥に女神のように立っていたマルガリータ・カルチェヴァさんを中心としたコントラバスの猛烈なダッシュを皮切りに,切れ味抜群,熱気に満ちた凄い演奏を聞かせてくれました。さすがミンコフスキ,さすがOEKという演奏でした。第4番を実演で聞くのは今回が初めてだったのですが,改めて良い曲だなぁと思いました。

# ちなみに,このコーダでは,第1ヴァイオリンがちょっと飛び出すような感じに聞こえる部分があるのですが,この部分もしっかりと飛び出していました。

そして,シューマンといえば,「ホルンが肝」みたいなところがありますが,両曲とも余裕のある大らかな響きが冴えわたっていました。

演奏後,ミンコフスキさんは,OEKメンバーといっしょになって「ごあいさつ」をしていましたが,その雰囲気も実に楽し気でした。「プリンシパル・ゲスト・コンダクター就任」を祝うのにぴったりの雰囲気でした。

アンコールでは,第4番の終楽章がもう一度演奏されました(繰り返しは省略していたと思います)。本割の時よりもリラックスした感じでしたが,切れ味と熱気は同様で,この楽章以外アンコールはあり得ない,という演奏でした。最後の音は,本割の時よりも,長~く伸ばしており,ミンコフスキさんも名残惜しさを感じていたのかもしれません。

この日は金曜日ということで,私自身結構疲れていたのですが,両曲の演奏を聞いて,憂さが晴れたようなところがあります。平日に二日連続ということで,客席は満席ではなかったのですが,今後のミンコフスキ&OEKの新たな挑戦に大きな期待を持たせてくれる演奏会となりました。次の共演が大変楽しみです。

2015/12/10

マルク・ミンコフスキ指揮OEKの二日連続定期公演 シューマン交響曲全集第1夜は1番「春」と第2番。ミラクルでちょっと病的な音の世界を存分に楽しませてくれました。 #oekjp

昨年9月にOEKの新しいプリンシパル・ゲスト・コンダクターに就任...するはずだったマルク・ミンコフスキさん。この時は急病で出演がキャンセルになってしまいましたが,満を持して,2日連続で行われるOEKの定期公演に登場することになりました。

演奏されるのは,シューマンの全交響曲です。OEKがシューマンの全交響曲を演奏するのも初めてということで,今シーズンのOEK定期公演シリーズの目玉です。

1日目は,シューマンの交響曲第1番「春」と第2番が演奏されました。まず,シンプルに番号順に演奏していくのが面白いと思いました。この2曲を続けて聞くと,「対照的かつ相似形だな」と感じました。まず,両曲とも,第1楽章の序奏は金管のファンファーレ風に始まる点が共通しています。ミンコフスキさんは,両曲とも第3楽章と第4楽章をアタッカで演奏し,急速なテンポで締めるのも共通していました。スケルツォ風の楽章と緩徐楽章の位置は逆なのですが,両曲とも十分の聞きごたえがあり,交響曲2曲を並べるプログラムの面白さを感じました。ただし,曲想については,第1番のサブタイトルが「春」であるのに対し,第2番の方は全体にちょっと病的な雰囲気が漂う点で対照的です。

ミンコフスキさんとOEKの作る音楽は,冒頭のファンファーレから音の純度が高く,しかも意味深でした。両曲とも第1楽章の主部に入るとテンポが上がるのですが,軽く流れ過ぎることなく,しっかりとした安定感を感じました。この日の楽器の配置は,第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを左右い分ける対向配置でしたが,コントラバスがステージ奥の高い場所に3人配置しており,しっかりと低音が響いていました。その効果が出ていたと思いました。

その他特徴的だったのは,ところどころ,音をぐっと弱め,テンポを落とし,脱力したような雰囲気を出してた点です。ミンコフスキさんの指揮の動作自体も脱力した感じになり,「妙な雰囲気」になっていました。大きな間をとって,深く意味深なムードを漂わせるなど,ステージ全体からミラクルなオーラを発散していました。

OEKの音は室内オーケストラらしく,各楽器の音がすっきりと聞こえ,見通しの良いクリアさがありました。その点でシューマンらしくなかったのかもしれませんが,個人的には重過ぎるシューマンよりは聞きやすい,と思いました。何より,ミンコフスキさんの指揮にぴったりと反応して,シューマンの音楽の持つ,ちょっと屈折した世界を鮮やかに(矛盾するような表現ですが)聞かせてくれたのが素晴らしいと思いました。

両曲とも明るさの中にちょっと憂うつな影を秘めた感じがあるのがシューマンらしいのですが,特に第2番の一筋縄でいなかいような,病的な雰囲気に強くひかれました(危険?)。第2楽章のスケルツォ楽章での,夢遊病になったように走りまくる感じ,第3楽章での悲痛さと安らかさが混在したような感じ,など妙に共感してしまいました。第4楽章の最後は大きく盛り上がるのですが,そこでのティンパニの硬質な冷酷な強打も印象的でした。

両曲とも,純粋に交響曲としての聞きごたえを感じたのですが,それに加え,ミンコフスキさんならではの「妙な空気感」にハマってしまいました。

アンコールでは,「アシタモキテネ」というアナウンスとともに,シューマンの交響曲第4番の緩徐楽想が演奏されたのですが,その室内楽的でメランコリックな気分にすっかり魅了されました。

明日もしっかり聞きに行きたいと思います。

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