OEKのCD

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2015/12/10

マルク・ミンコフスキ指揮OEKの二日連続定期公演 シューマン交響曲全集第1夜は1番「春」と第2番。ミラクルでちょっと病的な音の世界を存分に楽しませてくれました。 #oekjp

昨年9月にOEKの新しいプリンシパル・ゲスト・コンダクターに就任...するはずだったマルク・ミンコフスキさん。この時は急病で出演がキャンセルになってしまいましたが,満を持して,2日連続で行われるOEKの定期公演に登場することになりました。

演奏されるのは,シューマンの全交響曲です。OEKがシューマンの全交響曲を演奏するのも初めてということで,今シーズンのOEK定期公演シリーズの目玉です。

1日目は,シューマンの交響曲第1番「春」と第2番が演奏されました。まず,シンプルに番号順に演奏していくのが面白いと思いました。この2曲を続けて聞くと,「対照的かつ相似形だな」と感じました。まず,両曲とも,第1楽章の序奏は金管のファンファーレ風に始まる点が共通しています。ミンコフスキさんは,両曲とも第3楽章と第4楽章をアタッカで演奏し,急速なテンポで締めるのも共通していました。スケルツォ風の楽章と緩徐楽章の位置は逆なのですが,両曲とも十分の聞きごたえがあり,交響曲2曲を並べるプログラムの面白さを感じました。ただし,曲想については,第1番のサブタイトルが「春」であるのに対し,第2番の方は全体にちょっと病的な雰囲気が漂う点で対照的です。

ミンコフスキさんとOEKの作る音楽は,冒頭のファンファーレから音の純度が高く,しかも意味深でした。両曲とも第1楽章の主部に入るとテンポが上がるのですが,軽く流れ過ぎることなく,しっかりとした安定感を感じました。この日の楽器の配置は,第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを左右い分ける対向配置でしたが,コントラバスがステージ奥の高い場所に3人配置しており,しっかりと低音が響いていました。その効果が出ていたと思いました。

その他特徴的だったのは,ところどころ,音をぐっと弱め,テンポを落とし,脱力したような雰囲気を出してた点です。ミンコフスキさんの指揮の動作自体も脱力した感じになり,「妙な雰囲気」になっていました。大きな間をとって,深く意味深なムードを漂わせるなど,ステージ全体からミラクルなオーラを発散していました。

OEKの音は室内オーケストラらしく,各楽器の音がすっきりと聞こえ,見通しの良いクリアさがありました。その点でシューマンらしくなかったのかもしれませんが,個人的には重過ぎるシューマンよりは聞きやすい,と思いました。何より,ミンコフスキさんの指揮にぴったりと反応して,シューマンの音楽の持つ,ちょっと屈折した世界を鮮やかに(矛盾するような表現ですが)聞かせてくれたのが素晴らしいと思いました。

両曲とも明るさの中にちょっと憂うつな影を秘めた感じがあるのがシューマンらしいのですが,特に第2番の一筋縄でいなかいような,病的な雰囲気に強くひかれました(危険?)。第2楽章のスケルツォ楽章での,夢遊病になったように走りまくる感じ,第3楽章での悲痛さと安らかさが混在したような感じ,など妙に共感してしまいました。第4楽章の最後は大きく盛り上がるのですが,そこでのティンパニの硬質な冷酷な強打も印象的でした。

両曲とも,純粋に交響曲としての聞きごたえを感じたのですが,それに加え,ミンコフスキさんならではの「妙な空気感」にハマってしまいました。

アンコールでは,「アシタモキテネ」というアナウンスとともに,シューマンの交響曲第4番の緩徐楽想が演奏されたのですが,その室内楽的でメランコリックな気分にすっかり魅了されました。

明日もしっかり聞きに行きたいと思います。

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