OEKのCD

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2015年7月19日 - 2015年7月25日

2015/07/24

OEK2014/2015シーズンの締めは,広上淳一指揮による北欧の渋ーい作品集+小山実稚恵さん独奏の千両役者の共演のようなグリーグ #oekjp

先週のOEK定期公演マイスターシリーズでは,井上道義さん指揮,日本センチュリー交響楽団との合同公演で「春の祭典」が演奏されましたが,フィルハーモニーシリーズの方は対照的に,北欧の叙情を感じさせる曲渋い曲が並びました。

特に後半最後に演奏されたシベリウスの組曲「白鳥姫」は演奏される機会が少ない作品だったのですが,広上さんの指揮は,さらさらと流すというよりは,内容の濃さを感じさせくれ,シベリウスの「秘曲」のちょっと不思議な世界をしっかりと伝えてくれました。後からじわじわと効いてくるような魅力を持った作品だと思いました。個人的には,演奏会の最後ならば,やはり,がっちりとした構成感のある交響曲で締めるプログラムの方が好きなのですが,魅力的な作品をどんどん紹介し,新たなレパートリーを開拓しようとする,広上さんとOEKの姿勢は大いに評価したいと思います。

前半最初に演奏されたラーションの「田園組曲」は,知る人ぞ知る名曲という感じの曲です。20世紀の作品にしては,大変分かりやすい作品で,しかも「いかにも北欧」の肌触りがありました。編成的にもOEKにぴったりで,「OEKの新たなレパートリーになったなぁ」と感じました。

後半最初に演奏された,シベリウスの「トゥネラの白鳥」も名曲の割に,金沢では滅多に演奏されない曲です。この曲は何といってもイングリッシュホルンの神秘的な音色が聞きどころです。この日は加納さんが担当で,ほの暗いけれども強さのある見事な音を聞かせてくれました。カンタさんのチェロもしっかりと雰囲気を盛り上げてくれました。

この日のもう一人の主役は,ピアニストの小山実稚恵さんでした。この日,オーケストラのみで演奏された作品については,渋い曲が並んでいたので,前半最後に演奏されたグリーグのピアノ協奏曲がプログラム構成的にはクライマックスになっているような感じでした。

小山さんは,第1楽章のカデンツァの部分など,結構ミスタッチがあったのですが,まったく動じることなく,ダイナミックレンジと表現の幅の広い,巨匠風の音楽を聞かせてくれました。冒頭のティンパニのロールに続いて出てくるピアノの音型から,音がピリッと締まっており,一気にグリーグの世界に引き込んでくれました。しっかりと歌いこまれた叙情的な部分との対比も見事でした。第3楽章の最後の部分でのオーケストラと一体になって,堂々と盛り上がっていく辺りの雰囲気には,千両役者の共演といった趣きがありました。

7月末のOEKの定期公演も,秋山和慶さん指揮によるファンタスティック・クラシカルコンサートのみとなり,OEKも夏休みになります。しばらくは休息を取っていただいて(お客さんの方もしっかりと休みを取って),また新シーズンでの瑞々しい演奏を期待したいと思います。

2015/07/19

Noism1の舞踊「箱入り娘」(バルトーク「かかし王子」に基づくオリジナル童話劇)を21美で観てきました。独自のダンスメソッドと意表を突く映像の組み合わせに魅了されました

昨日の「春の祭典」公演に続き,本日は石川県立音楽堂での低弦楽器版「展覧会の絵」。そして夕方からは,金沢21世紀美術館で行われた舞踊団Noism1による「箱入り娘」を観てきました。バルトークの「かかし王子」に基づくオリジナル童話劇ということで,まず音楽面から関心を持ったのですが,シアター21の密室的空間の中で間近で鑑賞したこともあり,見るからに濃いキャラクターたちと凝った映像とが絡み合った世界にはまり込んでしまいました。

この舞踊団は新潟のりゅーとぴあを拠点に活躍しており,通常はもっと抽象的なパフォーマンスをしているそうですが(終演後のトークイベントで芸術監督の金森譲さんがそう語っていました),この作品は,「箱入り娘」と「ニート」と「ネットで出会ったイケメン」を中心に展開するのですが,その周りで魔女や黒子やビデオを撮影するウサギなどが物語を動かしていきます。

その意図までは,はっきり理解はできなかったのですが,絶えず滑らかに動き回るようなパフォーマンスそのものが魅力的でした。

映像と組み合わさあったセットも凝っていました。スクリーンに投影された映像が実際の人物に切り替わったり,隣にある(?)ニートの部屋の画像に切り替わったり,虚と実が混在するような不思議な世界を見せてくれました。この虚と実が混在した感じが,インターネットに支配された現代をうまく象徴していました。

音楽の方は,もともとも童話風の作品ということもあり,バルトークにしては大変分かりやすいもので,映画音楽を思わせるような流れの良さがありました。舞踊の流れの良さとぴったりの音楽だったと思いました。

全体の時間は70分ほどでしたが,あっという間に終わってしまいました。終演後の金森さんのトークを聞いて,「なるほど」という部分があったり,色々な面で刺激に満ちた公演でした。これまで,現代舞踊の公演はほとんど見たことはなかったのですが,なかなか面白い世界だ,と思いました。21美で公演があれば,また観に行ってみようと思います。

OEKと日本センチュリー交響楽団,”もう一つの”合同演奏はチェロとコントラバスのみによる「展覧会の絵」その他。滅多に聞けない音世界を楽しませてくれました #oekjp

昨日のOEK定期公演で,OEKと日本センチュリー交響楽団が合同演奏を行い,金沢初演(多分)となる「春の祭典」などが演奏されました。本日は,そのアンコール企画という感じえで,各楽団のチェロ・パートとコントラバス・パートの合同演奏会が行われました。

低弦楽器ばかりによる演奏会というのは滅多にありませんが,そこで演奏された曲が...ムソルグスキー作曲,パッリという人の編曲による低弦版「展覧会の絵」。何と全曲でした。さすがに「かなり無理があるかも」という曲もありましたが,フラジオレットなど色々な技法を駆使しての多彩な音響による演奏は聞きごたえたっぷりでした。

特にカタコンベ,バーバ・ヤーガ,キエフの大きな門と続く後半は,「ロシア的な大地のサウンド」という感じがあり,「ぴったり」と思いました。ユニゾンで演奏すると,「1812年」のような雰囲気になり,鐘の音の効果も出したり,大変楽しめました(途中,聖歌風のメロディでハミングが聞こえた気がするのですが...錯覚?)。

前半はまず,OEKの大澤さんとセンチュリーの内藤さんによるヴィヴァルディのソナタに続き,コントラバス・オンリー,チェロ・オンリーで色々な曲が演奏されました。コントラバス・アンサンブルのドスが聞いているのにどこか憎めない雰囲気,チェロ・アンサンブルの「オーケストラそのまんま」のような音域の広さなど,予想以上に「華麗な世界(?)」が展開していました。

この日は金沢駅コンコースでもセンチュリーの金管パートが演奏を行っていたようですが,今後も是非,色々なレベルでの合同演奏を期待したいと思います。

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