OEKのCD

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2015年12月6日 - 2015年12月12日

2015/12/11

マルク・ミンコフスキ指揮OEK 二夜連続のシューマン交響曲全集の二日目。何といっても第4番のコーダにしびれました。快速快演!全4曲を熱く締めてくれました。 #oekjp

マルク・ミンコフスキ指揮OEKによる,二夜連続のシューマン交響曲全集の二日目を聞いてきました。

昨晩は2番で終わったこともあり,どこか陰影の濃さを感じさせる,独特のオーラを感じさせてくれましたが,今晩は,第4番のエンディングに向け,一気に上り詰めるような素晴らしい盛り上がりを持った演奏を聞かせてくれました。

今回,シューマンの交響曲4曲をセットで聞いてみて,祝祭的な気分のある第1番,深い情感を湛えた第2番,明るい旅情を感じさせる第3番,そして,全体をビシっとしめる第4番とあたかも,4つの楽章からなる大交響曲を聞くような充実感を感じました。さすがミンコフスキという,イマジネーション豊かな音のドラマを聞かせてくれました。

第3番「ライン」の方は,OEKは,過去何回か演奏していますが,この日の演奏には,力んだようなところはなく,明るい暖かさのある雰囲気で始まりました。第5楽章などは大変軽快で,古典的な交響曲を聞くようなまとまりの良さを感じました。聖堂を思わせる第4楽章も重苦しい感じではなく,どこか懐かしさを感じさせてくれるようでした。全4曲をセットとして見た場合の第3楽章的な,ちょっと控えめな感じがあると思いました。

後半に演奏された第4番は反対に,最終楽章的な盛り上がりを持った演奏でした。第1楽章から堂々とした量感がありました。第2楽章は昨日のアンコール(というか本日の「予告編」でしたね)で聞いばかりです。カンタさんのチェロの上でしっとり歌う加納さんのオーボエ,その後,すっきり・しっとりと息の長いメロディを堪能させてくれたサイモン・ブレンディスさんのヴァイオリン...と室内楽的な魅力をしっかり楽しませてくれました。第3楽章から第4楽章にかけては音によるドラマが,次々と湧き上がってくるようでした。

特に第4楽章最後のコーダが印象的でした。ステージ奥に女神のように立っていたマルガリータ・カルチェヴァさんを中心としたコントラバスの猛烈なダッシュを皮切りに,切れ味抜群,熱気に満ちた凄い演奏を聞かせてくれました。さすがミンコフスキ,さすがOEKという演奏でした。第4番を実演で聞くのは今回が初めてだったのですが,改めて良い曲だなぁと思いました。

# ちなみに,このコーダでは,第1ヴァイオリンがちょっと飛び出すような感じに聞こえる部分があるのですが,この部分もしっかりと飛び出していました。

そして,シューマンといえば,「ホルンが肝」みたいなところがありますが,両曲とも余裕のある大らかな響きが冴えわたっていました。

演奏後,ミンコフスキさんは,OEKメンバーといっしょになって「ごあいさつ」をしていましたが,その雰囲気も実に楽し気でした。「プリンシパル・ゲスト・コンダクター就任」を祝うのにぴったりの雰囲気でした。

アンコールでは,第4番の終楽章がもう一度演奏されました(繰り返しは省略していたと思います)。本割の時よりもリラックスした感じでしたが,切れ味と熱気は同様で,この楽章以外アンコールはあり得ない,という演奏でした。最後の音は,本割の時よりも,長~く伸ばしており,ミンコフスキさんも名残惜しさを感じていたのかもしれません。

この日は金曜日ということで,私自身結構疲れていたのですが,両曲の演奏を聞いて,憂さが晴れたようなところがあります。平日に二日連続ということで,客席は満席ではなかったのですが,今後のミンコフスキ&OEKの新たな挑戦に大きな期待を持たせてくれる演奏会となりました。次の共演が大変楽しみです。

2015/12/10

マルク・ミンコフスキ指揮OEKの二日連続定期公演 シューマン交響曲全集第1夜は1番「春」と第2番。ミラクルでちょっと病的な音の世界を存分に楽しませてくれました。 #oekjp

昨年9月にOEKの新しいプリンシパル・ゲスト・コンダクターに就任...するはずだったマルク・ミンコフスキさん。この時は急病で出演がキャンセルになってしまいましたが,満を持して,2日連続で行われるOEKの定期公演に登場することになりました。

演奏されるのは,シューマンの全交響曲です。OEKがシューマンの全交響曲を演奏するのも初めてということで,今シーズンのOEK定期公演シリーズの目玉です。

1日目は,シューマンの交響曲第1番「春」と第2番が演奏されました。まず,シンプルに番号順に演奏していくのが面白いと思いました。この2曲を続けて聞くと,「対照的かつ相似形だな」と感じました。まず,両曲とも,第1楽章の序奏は金管のファンファーレ風に始まる点が共通しています。ミンコフスキさんは,両曲とも第3楽章と第4楽章をアタッカで演奏し,急速なテンポで締めるのも共通していました。スケルツォ風の楽章と緩徐楽章の位置は逆なのですが,両曲とも十分の聞きごたえがあり,交響曲2曲を並べるプログラムの面白さを感じました。ただし,曲想については,第1番のサブタイトルが「春」であるのに対し,第2番の方は全体にちょっと病的な雰囲気が漂う点で対照的です。

ミンコフスキさんとOEKの作る音楽は,冒頭のファンファーレから音の純度が高く,しかも意味深でした。両曲とも第1楽章の主部に入るとテンポが上がるのですが,軽く流れ過ぎることなく,しっかりとした安定感を感じました。この日の楽器の配置は,第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを左右い分ける対向配置でしたが,コントラバスがステージ奥の高い場所に3人配置しており,しっかりと低音が響いていました。その効果が出ていたと思いました。

その他特徴的だったのは,ところどころ,音をぐっと弱め,テンポを落とし,脱力したような雰囲気を出してた点です。ミンコフスキさんの指揮の動作自体も脱力した感じになり,「妙な雰囲気」になっていました。大きな間をとって,深く意味深なムードを漂わせるなど,ステージ全体からミラクルなオーラを発散していました。

OEKの音は室内オーケストラらしく,各楽器の音がすっきりと聞こえ,見通しの良いクリアさがありました。その点でシューマンらしくなかったのかもしれませんが,個人的には重過ぎるシューマンよりは聞きやすい,と思いました。何より,ミンコフスキさんの指揮にぴったりと反応して,シューマンの音楽の持つ,ちょっと屈折した世界を鮮やかに(矛盾するような表現ですが)聞かせてくれたのが素晴らしいと思いました。

両曲とも明るさの中にちょっと憂うつな影を秘めた感じがあるのがシューマンらしいのですが,特に第2番の一筋縄でいなかいような,病的な雰囲気に強くひかれました(危険?)。第2楽章のスケルツォ楽章での,夢遊病になったように走りまくる感じ,第3楽章での悲痛さと安らかさが混在したような感じ,など妙に共感してしまいました。第4楽章の最後は大きく盛り上がるのですが,そこでのティンパニの硬質な冷酷な強打も印象的でした。

両曲とも,純粋に交響曲としての聞きごたえを感じたのですが,それに加え,ミンコフスキさんならではの「妙な空気感」にハマってしまいました。

アンコールでは,「アシタモキテネ」というアナウンスとともに,シューマンの交響曲第4番の緩徐楽想が演奏されたのですが,その室内楽的でメランコリックな気分にすっかり魅了されました。

明日もしっかり聞きに行きたいと思います。

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