毎年,センター試験の日は...金沢大学フィルの定期演奏会。今年は山下一史さん指揮でブラームスの交響曲第2番がメイン。若いエネルギーの溢れた力強い演奏でした。
大体毎年,センター試験の日に金沢大学フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会が行われています。今年もこの日に行われたので聞いてきました。今年の指揮者は,おなじみの山下一史さんでした。
山下さんと金沢大学フィルは,過去何回か共演しており,マーラーの交響曲第5番であるとか,ブラームスの交響曲第4番などを聞いたことがあります。ただし,結構前のことなので,もしかしたら現在のメンバーが生まれる前の時代のことかもしれませんね。我ながら,結構長い間,金沢大学フィルを聞いてきたものだ,と痛感しています。
今回メインに演奏されたのはブラームスの交響曲第2番でした。この曲は,ブラームスの4つの交響曲の中で唯一テューバが加わる曲ですので,大学オーケストラのレパートリーには加えやすいかもしれませんね。昨年,井上道義さん指揮OEKで聞いたばかりですが,今回の演奏も立派な演奏でした。
この曲は,冒頭からホルンの活躍が目立つ曲ですが,終演後,山下さんが花束を受け取った後,1番ホルン奏者に「よく頑張った」という感じでその花束を丸ごと渡していました。冒頭部分もさることながら,第2楽章の終盤の長いソロなどをしっかりと聞かせてくれたのも印象的でした。全体的に粗の目立つところもあったのですが,このホルン・パートを中心に,若いメンバーのエネルギーを感じさせてくれました。弦楽器,特にヴァイオリン・パートの積極的な演奏も素晴らしいと思いました。最終楽章のコーダでのエネルギーが凝縮されたような力強い演奏が素晴らしいと思いました。
前半演奏された,ウェーバーの「魔弾の射手」序曲,ボロディンの「だったん人の踊り」もそれぞれ楽しむことができました。どちらもOEKが取り上げる機会の少ない曲で,特に「だったん人の踊り」の方は,有名な曲の割に,金沢で演奏される機会はほとんどありません。
どちらも曲の立ち上がりの部分はちょっと不安定な気がしましたが,曲が進むにつれてエンジンがかかってくるような感じで響きが充実してきました。「だったん人の踊り」の方は,テンポの変化が大きく,打楽器各種が多彩に曲を盛り上げてくれるので,聞いていてワクワクしました。
部分的に,もう少し音程が安定していて欲しいかなという所はあったのですが,今年もまたOEKでは聞けない,大編成の曲をしっかりと楽しませてくれました。
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