OEKニューイヤーコンサートは,ヴォーカル・グループIL DEVUがゲスト。明るく晴れたイタリアンな歌の世界を楽しませてくれました。三ツ橋敬子指揮によるレスピーギの精緻な響きも忘れられません。 #oekjp
今年最初に出かけたコンサートは,例年通りOEKのニューイヤーコンサートでした。
OEKのニューイヤーコンサートは,井上道義さんが音楽監督になって以来,ウィーン風ニューイヤーコンサートに対抗して,色々な試みがされてきましたが,このところは「歌モノ」が中心になっています。これまでは比較的女性歌手が出演することが多かったのですが,今年は趣きを替え,男性4名のヴォーカル+ピアニスト1名による声楽アンサンブル IL DEVUとの共演となりました。
このIL DEVUというグループについては「総重量約500kgの重量級クラシック・ボーカル・グループ」ということで,イギリスのヴォーカル・グループIL DIVOをもじったものです。いわゆる「色モノ」的なグループかな,と思ったのですが,皆さんトークも含め大変真面目で,きっちり,たっぷりと気持ちの良い歌を聞かせてくれました。
今回のテーマは「イタリア」ということで,演奏されたのはすべてイタリアの曲でした。前半はイタリア古典歌曲集,後半はカンツォーネ中心で,イタリアの歌の歴史をたどる形で,プログラム的にもとても良くまとまったものでした。
メンバーは,テノール:望月哲也,大槻孝志,バリトン:青山 貴,バスバリトン:山下浩司,ピアニスト:河原忠之の5名です。歌手の中では,特に大槻さんの凛々しい声と青山さんの脂の乗ったトロけるような声が特に素晴らしいと思いました。後半に歌われた「オ-ソレミオ」は,ドミンゴ,カレーラス,パヴァロッティの「3大テノール」のコンサートで歌われたいたのと,ほぼ同様のアレンジでしたので,特にゴージャスでした。が,この曲に関してはもっと,遊んでくれても良かったかな,と思いました。
演奏会の最後に歌われた,モリコーネの「ネッラ・ファンタジア」は,感動を秘めたスケール感たっぷりの曲で,演奏会をしっかり締めてくれました。
そして,今回のコンサートで素晴らしかったのは,三ツ橋敬子さん指揮OEKの演奏でした。レスピーギとロッシーニの曲が演奏されましたが,どの曲にも緻密さとしなやかさがありました。特に前半最後に演奏された,レスピーギの「ボッティチェリの三枚の絵」は,OEKの編成にぴったりの小編成の曲でありながら,キラキラとた色彩感に溢れ,タイトルどおり,音による三枚の絵を見るようでした。
ステージの前方には花が飾られ,音楽堂のスタッフの皆さんが晴れ着を着ていらっしゃるなど,例年どおりの華やかさでした(ただし,恒例のどら焼きのプレゼントがなかったのは少々淋しかったかな)。今年もまた,石川県立音楽堂を中心として,あれこれクラシック音楽の演奏会を楽しみたいと思います。
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