OEKのCD

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2016/04/29

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016開幕。OEK祝祭管弦楽団による透明で壮麗な「ローマの松」は最高。これから1週間,「自然」に浸りましょう #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016が開幕しました。今年のテーマは,これまでのように特定の作曲家や国・地域,時代に焦点を当てたものではなく,「ナチュール:自然と音楽」という大くくりなテーマです。ポスターのビジュアルも,特定の作曲家ではなく,自然をイメージさせるようなものです。ある意味「何でもあり」ということで,今年は特に標題が付いているような名曲が多く取り上げられているのが特徴です。

11:00の開幕ファンファーレの時には,かなり雨が降っていたのですが,14:00のオープニングコンサートの前にはからっと晴れ上がり,今年もまた「音楽漬け」の1週間が始まりました。

今年は雨が降ったこともあり,開幕ファンファーレには行かず午後から参加しました。行ってみると,12:45頃から鼓門下で11:00から同様,金沢大学フィルの演奏が行われました。これを少し見てから,石川県立音楽堂に向かいました。
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本公演は5月3日からということで,音楽堂の方のブースはまだ完全に出来ていない感じでしたが,赤じゅうたんが敷かれ,グッズ販売コーナーもオープンしており,お祭り気分になっていました。
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例年どおり,前田利祐実行委員長,谷本石川県知事,山野金沢市長の挨拶があった後,井上道義さん指揮による,オープニング・コンサートが始まりました。
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ここ数年,オープニング・コンサートは,ガラ・コンサート的な内容で,今年もそのスタイルで,ヴァイオリンのジヨン・イムさん,バストロンボーンの森川元気さん,ソプラノの中嶋彰子さん,バリトンの直野資さんがソリストとして登場しました。このソリストたちですが,全員,何らかの形で石川県に関係しているのが素晴らしいところです。

イムさんは,2015年のエリーザベト王妃国際コンクールの優勝者で,いしかわミュージックアカデミーの受講者です。私も何回か演奏を聞いたことがあります。森川さんはすっかりおなじみで,石川県出身で石川ジュニアオーケストラに在籍していたことがあり,その後,北陸新人登竜門コンサートに出演したことがあります。中嶋彰子さんは,OEKが初演したオペラ「滝の白糸」で主役を演じるなど,石川県が第2の故郷であるかのように,毎年のように金沢で公演を行っています。そして,ベテランの直野さんは,石川県出身です。

それぞれが演奏した曲の中では,イムさんのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲だけは,「自然」とは直接関係がありませんでしたが,それ以外は,「自然」のムードが漂い,それぞれに聞きごたえがありました。

特に森川さんの演奏したブルーベックの「山の歌」と中嶋さんが歌ったトスティの歌曲が印象的でした。ブルーベックの曲は,最初,パイプオルガン前のステージに並んだホルン,フルート,ファゴットが,タイトルどおり「山の歌」のような感じのメロディを演奏して始まったのが面白かったですね。それを受ける森川さんの包容力のある音も魅力的でした。曲はだんだんジャズっぽくなっていきます。その中にどこか落ち着いた雰囲気があるのが良いと思いました。

中嶋さんのトスティは,まず,中嶋さんの声が素晴らしいと思いました。可憐さと同時に落ち着きがあり,しかも凛とした強さも感じました。今回歌われた「4月」「理想の人」は,当初の予定から変更になった曲でしたが,どちらも親しみやすい曲で,春の気分や恋人に対する憧れの気分がしっかりと伝わってきました。

直野さんの歌を聞くのは,久しぶりです。髪の毛の色がグレーになられ,,今回歌われた「椿姫」のジェルモンにぴったりの雰囲気でした。歌の方も父親の気持ちが伝わってくるようなリアルさを感じました。

今回のもう一つの大きいな特徴は,OEKがメンバーを増強し,オーケストラ・アンサンブル金沢祝祭管弦楽団となっていることです。これまでも編成を増強していたことはありますが,名前まで変えてくれるのは楽しいですね。年に1回,「祝祭」を付けて大編成になる,というのは面白いアイデアです。実は,私自身,昔このアイデアをどこかに書いたことがあります。参加メンバーは,石川県出身の人が多いように見えたのですが,これも良いと思いました。

このOEK祝祭管弦楽団は,最初に演奏されたウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲と最後に演奏されたレスピーギの「ローマの松」(2曲抜粋)で登場しました。「魔弾の射手」も良かったのですが(コーダに入る部分でのティンパニの菅原さんの一撃がいいなぁと思いました),やはり最後の「ローマの松」のスケールの大きさが見事でした。

まず「ジャニコロの松」の部分で,映画音楽を聞くように,静かな夜のムードをしっとり伝えた後(遠藤さんのクラリネットが絶品でした),「アッピア街道の松」につながりました。低音楽器とピアノと中心とした重い歩みは最初から最後まで一貫しており,その上に展開する音楽が,どんどん壮麗に広がっていきます。途中からバンダが入ってくるのですが,最初はパイプオルガンのステージのドアの後ろで演奏。その後,ドアが開いて,外に出てきて,爽快に吹きまくっていました。さらにパイプオルガンも加わっていました。

祝祭管弦楽団のベースはOEKですので,音量が大きくなっても透明感はしっかり残っており,聞いていてうるさくなく,威圧的な感じがなかったのも良かったと思います。金沢では滅多に聞けないオーケストラによる心地よい大音量に浸ることができました。

この公演を皮切りに,前半は金沢市内や北陸地区各所で演奏,後半は石川県立音楽堂周辺で集中的に演奏会が多数行われます。お天気の方が少し気になりますが,これから一週間,「自然」な音楽を楽しみたいと思います。

PS. 演奏会前,輪島塗で出来た弦楽器による弦楽四重奏が演奏されました。演奏後は大勢の人が集まって楽器を見ていました。
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