第15回北陸新人登竜門コンサート <管・打楽器 声楽部門> この部門恒例,今回もまた,色々な楽器による色々な作品を楽しむことができました。 #oekjp
ラ・フォル・ジュルネ金沢が終わって間もない時期ですが,この時期恒例の北陸新人登竜門コンサートが行われたので聞いてきました。今回は,管・打楽器 声楽部門で,通算15回目となります。
この部門については,どういう新人が登場するのか?という楽しみ以外に,「どういう楽器が登場?」「どういう曲?」という楽しみがあります。今回もソプラノ,サクソフォン,ティンパニと大変多彩なプログラムを楽しむことができました。
最初に登場したソプラノの中宮永莉香さんが歌ったのは,ヴェルディのオペラのアリアでした。その声を聞いただけでドラマを感じさせてくれました。声に力があり,ヴェルディのオペラの世界に強く引き込んでくれました。これからさらに声を磨いていけば,さらに大きく飛躍される方だと思いました。
サクソフォンの小川卓朗さんは,イベールの室内小協奏曲を演奏しました。アルトサクソフォーンはもともと表現力の豊かな楽器ですが,小川さんの演奏からは,どこか「男気」のようなものが伝わってきました。最初ステージに登場した時は,ちょっと緊張しているかな?という雰囲気でしたが,演奏が始まると一気に精彩が増し,集中力に溢れた演奏を楽しませてくれました。この曲はOEKのサイズにもぴったりです。音の動きが速く,井上さんによると「OEKも大変」とのことでしたが,室内協奏曲に相応しい鮮やかな演奏を聞かせてくれました。
最後に登場した,ティンパニの伊藤拓也さんは,既に中部フィルハーモニー交響楽団のティンパニ奏者として活躍されている方です。今回演奏されたラバンサーのティンパニ協奏曲「OBI」は,今回のプログラムの中でも,特に演奏されるのが珍しい作品です。こういう作品を聞けるのも,この登竜門コンサートならではです。
曲の方も大変分かりやすい曲で,この楽器らしい豪快さに加え,表現の幅の広さをしっかり楽しませてくれました。金管楽器も大活躍しており,ビッグバンドジャズを聞くような爽快さもありました。
今回は演奏時間が短かったこともあり,井上道義さん指揮OEKのみで,ヴェルディの「椿姫」前奏曲とメンデルスゾーン「フィンガルの洞窟」が演奏されました。どちらも大変雄弁な演奏でした。特に,「フィンガル」の方は,「ナチュール」のテーマにもぴったりの,じっくりと聞かせる演奏でした。
OEKの方もラ・フォル・ジュルネ金沢明けに色々と演奏会が続きハードスケジュールですが,この公演は,今後も大切にしていって欲しいと思います。
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