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2016年5月

2016/05/29

駅なかコンサート エキコン金沢:心の音を花束にして 駅構内に歌の花が咲いていました。終演後はひゃくまんさんに遭遇。こちらも大人気でした 

毎月1回,JR金沢駅構内で行われている駅なかコンサート エキコン金沢を聞いてきました。実は,直前までは出かける予定はなかったのですが,石川県立音楽堂からのツィートについつい反応し,「音の花束」をしっかり受け取ってきました。

今回は,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の第1ヴァイオリン奏者のトロイ・グーキンズさん,ハープの上田智子さん,ソプラノの石川公美さんという,地元クラシック音楽ファンにはおなじみの3人でした。おなじみと言いつつ,ヴァイオリン,ハープとソプラノの組み合わせというのは,珍しいと思います。

上田さんのハープの作る,優雅で安定感のあるベースの上に,暖かい味を持ったトロイさんのヴァイオリンと伸びやかさと華やかさのある石川さんの声が加わり,駅の構内は,そこだけ光が差しているようでした。演奏前は座席のある部分だけにお客さんが集まっていましたが,演奏が進むにつれて立ち見のお客さんがどんどん増えていきました。

今回のプログラムのポイントは,トロイさんのトークによると,「花」ということでしたが...それから外れる曲もあったので,この季節に聞いて気持ちよくなる曲,元気が出る曲というようなコンセプトだったようです。JR金沢駅構内は,かなりの雑踏ということで,マイクを使って音声を拡大していましたが,改札から出て来た観光客の皆さんには絶好のおもてなし,だったのではないかと思います。

最初にトロイさんのヴァイオリンによる,チャールダーシュで気分を盛り上げた後,石川さんが加わりヘンデルのアリア2曲をしっかり聞かせてくれました。駅の中には,凛とした優雅な空気が流れていました。

続いて,現在放送中のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の主題歌である「花束を君に」がトロイさんと上田さんのデュオで演奏されました。トロイさんのヴァイオリンには,語り掛けるような味わいがあり,しっとり聞かせてくれました。先週の放送では,主人公の常子が女学校を卒業する際に,恩師の東堂先生(片桐はいりが演じています)の「ささやかな心がけが小さな幸福を生む。そういう瞬間を大切にして欲しい」といった言葉に感動していました。ヴァイオリンとハープによるささやかなコラボレーションが,小さな幸福感を作ってくれている。そういう演奏だったと思います。

その後,石川さんの本領発揮,という感じでプッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」の中のムゼッタのワルツが歌われました。やはり,オペラのアリアには別格の迫力があるなぁという見事な歌でした。駅構内のお客さんも度肝を抜かれていたのではないかと思います。

続く「浜辺の歌」は,初夏のシーズンにぴったりの曲です。曲の中で,ハープの1音でパッと転調する部分がありました。その部分を初めとして,ハッとさせてくれるような爽やかさのある歌でした。

最後は,「花」の歌の定番となった,「花は咲く」が演奏されました。この曲は東日本大震災からの復興支援のために作られた曲です。色々な熊本地震をはじめ,自然災害が続く中,この曲の持つ,純粋な暖かさは多くの人にとって支えになっているのではないかと思います。石川さんの強く澄んだ声が心地よい後味を残してお開きとなりました。

この公演は11:00からと13:00からの2回行われ,私は11:00の方を聞いてきました。石川県立音楽堂ができるまでは,こういう公演が行われることは考えられなかったのですが,音楽堂ができて15年が経ち,地元金沢のアーティストが活躍する機会が増えていることは素晴らしいことだと思います。岩城宏之さんの蒔いた種が「花咲いている」といえるのかもしれません。

PS. 終演後,駅の構内を歩いていると,「ひゃくまんさん」がお出まし。百番街にいる,「そっくりさん」の前で色々なポーズをとっていました。こちらもすっかり人気が定着しましたね。

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ちなみ本日はユンディ・リーのリサイタルも午後から行われたのですが...こちらはパスしました。

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2016/05/21

ジャン・レイサム=ケーニック指揮OEK定期公演Mは,急遽代役で登場した若林顕さんのピアノとともに,初期ロマン派の作品を爽やかに表現 #oekjp

今シーズのOEK定期公演マイスターシリーズは,毎回,ショパンの管弦楽伴奏付きピアノ作品を核としたプログラムが組まれています。今回の第376回公演でも,ショパンの「ポーランドの歌による幻想曲」が演奏される予定だったのですが,菊地裕介さんが本人の体調不良により急遽出演がキャンセルになり,「ショパン抜き」に変更になってしまいました。

このこと自体は大変残念だったのですが,それを補うかのように,ジャン・レイサム=ケーニックさん指揮OEKと代役で登場した若林顕さんが熱のこもった演奏を聞かせてくれました。

前半は,ドビュッシー編曲のサティのジムノペディ(2曲)が演奏された後,シューマンのピアノ協奏曲が演奏されました。さらりと演奏されつつも,まどろむような「牧神の午後」的な後味を残す演奏はよかったのですが,他に演奏された曲と比べると,サティだけがちょっと中途半端,というか,違和感を感じました。当初のプログラムの「ポーランドの歌による幻想曲」との取り合わせを考えての選曲だったのでしょうか?

シューマンのピアノ協奏曲は,大変オーソドックスな演奏だったと思います。若林さんは,本当に急遽出演することになったようで,曲を仕上げるのがまず大変だったと思いますが,さすがという安定感のある演奏を聞かせてくれました。ただし,個人的にはこの曲については,もう少し屈折したような濃い味を期待していたので,少々物足りなさを感じましたが,この辺は仕方のないところかもしれません。OEKの演奏では,第2楽章中盤でのチェロパートの陶酔的な気分が素晴らしいと思いました。

急遽登場し,立派な演奏を行った若林さんに対する拍手が続き,アンコールでは,リストの「愛の夢」第3番が演奏されました。この曲での音の美しさとまどろむような気分が最高でした。こうやって聞くと,サティのジムノペディと巧い具合に対応しているなぁと思いました。

後半は,夏至を前にした「日の長い」季節にぴったりのメンデルスゾーンの「夏の夜の夢」の抜粋が演奏されました。レイサム=ケーニックさんの意図としては,いちばん規模の大きな「序曲」=第1楽章,いちばん華やかに盛り上がる「結婚行進曲」=最終楽章。その間に,スケルツォ,間奏曲,ノクターンを挟むことで,交響曲的なまとまりをつくろうとしていたのではないかと思いました。

演奏は全体にキビキビとしており,フルートの松木さんをはじめとした木管パートが生き生きとした精彩のある音楽を聞かせてくれました。アビゲイル・ヤングさんを中心とした弦楽パートの引き締まった音も素晴らしく,初夏の雰囲気たっぷりの音楽になっていました。

最後,「結婚行進曲」で締めるというのは,この曲自体,実用音楽として親しまれ過ぎていることもあり,ちょっと軽い気はしましたが,びしっと揃った3本のトランペットを中心とした,新鮮味のある音楽は見事でした。

アンコールでは,ドヴォルザークのスラヴ舞曲op.72-2が演奏されました。演奏前に,「Ladies and Gentlemen...」とレイサム=ケーニックさんはお客さんに呼びかけていたのが,何かとても貴族的な雰囲気がありました。演奏の方は,熱い雰囲気でテンポを揺らす流れの良い演奏でした。

ソリストの急な交替というアクシデントはありましたが,「美しい5月」の休日の午後に聞くのにぴったりの演奏会でした。

2016/05/17

音楽堂室内楽シリーズ第1回は,OEKメンバー+高橋多佳子さんによるモーツァルト室内楽曲集。ケーゲルシュタット・トリオをはじめ,素晴らしい雰囲気の連続でした #oekjp

今年度の音楽堂室内楽シリーズの第1回は,「私のお気に入り・天才モーツァルト」と題して,ちょっとこだわりのありそうなモーツァルトの室内楽作品4曲が演奏されました。今回面白かったのは,各曲の編成が全部違い,それぞれに主役のように活躍する楽器があった点です。

プログラムは次のとおりでした。
モーツァルト/フルート四重奏曲第1番
モーツァルト/ディベルティメント第11番ニ長調,K.251「ナンネル七重奏曲」
モーツァルト/ピアノ四重奏曲第1番ト短調, K,478
モーツァルト/ピアノ三重奏曲変ホ長調,K.498「ケーゲルシュタット」

それぞれ,松木さやさんのフルート,加納律子さんのオーボエ,高橋多佳子さんのピアノ,遠藤文江さんのクラリネットが,おじさんたち(?)を中心とした弦の上に華を添える形になっていました。

間近で聞くOEKの管楽器の名手たちの音は素晴らしく,モーツァルトの曲の美しさや楽しさがストレートに伝わってきました。今回演奏された曲の中では,フルート四重奏曲第1番とピアノ四重奏曲第1番は,「名曲」として有名で,聞いたことはありましたが,それ以外の曲も大変楽しめました。

ナンネル七重奏曲は,弦5部+オーボエ+ホルン2(8人編成だけれども,コントラバスとチェロは同じメロディを演奏するので7重奏とのことです)という室内楽にしては大きめの編成で,大変上機嫌な音楽を楽しませてくれました。ホルンの2人はバルブのないホルンを使い,弦楽メンバーもとても力強い演奏を聞かせてくれたので,全体に野性味を感じさせてくれました。加納さんのオーボエには,美しさの中にどこか暖かいユーモアが漂っているのが良いと思いました。そして...最後に楽しい仕掛けがありました。これについては,レビューの方でご紹介しましょう。

最後に演奏されたケーゲルシュタットの方は,「モーツアルトがケーゲル(元祖ボウリングのようなもの)をしながら作った曲」という伝説がある曲です。ただし,クラリネット,ヴィオラ,ピアノという独特の編成ということもあり,私自身,CD録音を含め,聞くのは今回が初めてでした。

これが本当に素晴らしい曲であり,演奏でした。遠藤さんのクラリネットの純度の高く,大らかな歌が本当に心地よく響いていました。明るさの中に時折,「影」を感じさせてくれるのは,晩年のモーツァルトらしいところです。石黒さんのヴィオラ,高橋さんのピアノにも見せ場があり,大変聞きごたえがありました。

フルート四重奏曲での松木さんのフルートの爽やかさも良かったし,ピアノ四重奏曲での高橋さんのピアノの音楽する喜びに溢れた演奏も印象的でした。髙橋さんは,ナビゲーターの柳浦さんからの質問に対して「若い時苦手だったモーツァルトを演奏するのが今はとても楽しい」と語っていました。曲自体,ピアノ協奏曲的な部分もあったのですが,OEKメンバーと一体となった室内楽的な雰囲気がとても良い味わいを作っていました。

こうやって聞くと,OEKによるモーツァルトは,基本的なレパートリーだな,と再認識しました。モーツァルトの室内楽は色々な編成のものが,まだまだ沢山あります。是非,音楽堂室内楽シリーズで,モーツァルト特集の続編を期待したいと思います。今回の演奏会は,「こんな公演を聞きたかった!」と思わせる,OEKファンにぴったりの演奏会だったと思いました。

2016/05/15

第15回北陸新人登竜門コンサート <管・打楽器 声楽部門> この部門恒例,今回もまた,色々な楽器による色々な作品を楽しむことができました。 #oekjp

ラ・フォル・ジュルネ金沢が終わって間もない時期ですが,この時期恒例の北陸新人登竜門コンサートが行われたので聞いてきました。今回は,管・打楽器 声楽部門で,通算15回目となります。

この部門については,どういう新人が登場するのか?という楽しみ以外に,「どういう楽器が登場?」「どういう曲?」という楽しみがあります。今回もソプラノ,サクソフォン,ティンパニと大変多彩なプログラムを楽しむことができました。

最初に登場したソプラノの中宮永莉香さんが歌ったのは,ヴェルディのオペラのアリアでした。その声を聞いただけでドラマを感じさせてくれました。声に力があり,ヴェルディのオペラの世界に強く引き込んでくれました。これからさらに声を磨いていけば,さらに大きく飛躍される方だと思いました。

サクソフォンの小川卓朗さんは,イベールの室内小協奏曲を演奏しました。アルトサクソフォーンはもともと表現力の豊かな楽器ですが,小川さんの演奏からは,どこか「男気」のようなものが伝わってきました。最初ステージに登場した時は,ちょっと緊張しているかな?という雰囲気でしたが,演奏が始まると一気に精彩が増し,集中力に溢れた演奏を楽しませてくれました。この曲はOEKのサイズにもぴったりです。音の動きが速く,井上さんによると「OEKも大変」とのことでしたが,室内協奏曲に相応しい鮮やかな演奏を聞かせてくれました。

最後に登場した,ティンパニの伊藤拓也さんは,既に中部フィルハーモニー交響楽団のティンパニ奏者として活躍されている方です。今回演奏されたラバンサーのティンパニ協奏曲「OBI」は,今回のプログラムの中でも,特に演奏されるのが珍しい作品です。こういう作品を聞けるのも,この登竜門コンサートならではです。

曲の方も大変分かりやすい曲で,この楽器らしい豪快さに加え,表現の幅の広さをしっかり楽しませてくれました。金管楽器も大活躍しており,ビッグバンドジャズを聞くような爽快さもありました。

今回は演奏時間が短かったこともあり,井上道義さん指揮OEKのみで,ヴェルディの「椿姫」前奏曲とメンデルスゾーン「フィンガルの洞窟」が演奏されました。どちらも大変雄弁な演奏でした。特に,「フィンガル」の方は,「ナチュール」のテーマにもぴったりの,じっくりと聞かせる演奏でした。

OEKの方もラ・フォル・ジュルネ金沢明けに色々と演奏会が続きハードスケジュールですが,この公演は,今後も大切にしていって欲しいと思います。

2016/05/06

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016 #lfjk 最終日は,朝一のエル=バシャを手始めに,惑星,グランドキャニオン,福間洸太朗,OEKの田園,栗コーダーカルテット,小山実稚恵,そしてクロージングコンサート。関係者の皆さん,ありがとうございました。

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016の最終日も,金沢市は快晴に恵まれました(風は相変わらず強かったですが)。私は,朝一のエル=バシャを手始めに,惑星,グランドキャニオン,福間洸太朗,OEKの田園,栗コーダーカルテット,小山実稚恵,そしてクロージングコンサートを聞いてきました。

エル=バシャさんのベートーヴェンは,日常を超越した世界が広がっていました。一見クールな中,哲人が思黙考するような瞬間がありました。聞くたびに素晴らしいピアニストだなぁと感じます。エル=バシャさんのベートーヴェン,また聞いてみたいです。

ナビル・シェハタ指揮新日本フィルによる「惑星」は,今回,特に人気の高かったプログラムで,超満員でした。それだけ,金沢で演奏される機会の少ない作品です。

今回の演奏ですが,引き締まった筋肉質の「火星」から始まり,大編成オーケストラの魅力を堪能できました。生で聞くと一層楽しめる曲です。終盤の海王星,天王星など,これまであまり熱心に聞いたことのなかった曲が特に面白いと思いました。ちなみに,天王星の最後に女声合唱のヴォカリーズが入ることになっていますが,今回は舞台裏の電子的な楽器(?)で代用していたようです。

本日の昼食。
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井上道義指揮新日本フィルのグローフェ「グランドキャニオン」では,堂々たるスケール感の「日の出」をはじめ,大変じっくりダイナミックに大峡谷の一日が描かれていました。この曲はCDでも実演でも,近年は軽視されがちですが,名曲だなぁと実感。最後の「豪雨」の部分では(井上さんお得意の)照明の演出もありました。

午後からは今回初めてアートホールへ。
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福間洸太朗さんの公演は,ナチュールのテーマどおりのこだわりの選曲でした。技巧的な曲や標題のある小品の数々を聞きながら,SPレコード時代のヴィルトーゾ・ピアニストの時代が再来するのも面白いかもと実感。最後のリストの曲は大盛り上がりを感じました。

続いて,ナチュールのテーマでは絶対欠かせないベートーヴェン「田園」を井上道義指揮OEKの演奏で聞きました。この公演も超満員でした。次のような感じで両サイドもいっぱいでした。
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演奏の途中(3楽章の途中)でティンパニ,トロンボーン,トランペット,ピッコロが 入ってくるなど(「チーム嵐」でどう?)の井上さんならではの「目立たせる工夫」をしつつ,「OEKのいつもの田園」を新鮮に聞かせてくれました.

この時間帯は大賑わいでした。
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続いて時間調整も兼ねて栗コーダーカルテットの公演へ。実は...昨晩の「花の章」公演の払い戻しがこれに化けました。ナチュールに関係あるのかは不明ですが,「自然体」の演奏ということでナチュールなのかもしれません。リコーダーとテューバの組み合わせが実に良い味を出していました。サインもいただいてきました。

↓次のような感じのステージで,楽器を色々持ち替えて演奏していました。
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コンサートホール公演の最後は,小山実稚恵さんのソロによるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番他。実質的なトリに相応しい力感と高級感の溢れる演奏でした。クルデーレさん指揮プチョン・フィルも大変若々しいバックアップでした。

その後,交流ホールに向かい,クロージングコンサートに参加してきました。

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↓開演を待つお客さん
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クロージングコンサートでは,今回登場した3人の指揮者+歌手2名+OEK祝祭管弦楽団による楽しいステージでした。ホールの響きは相変わらずデッドですが(やはり,昨年よりもステージの高さが少し変わった気がしますが...気のせい?),オケを間近に取り囲んでのステージは聴衆の一体感を高めてくれます。演奏された曲の中では,OEKが演奏することはまずない,スターウォーズのテーマがとても新鮮でした(かなり以前,ボブ佐久間さんや渡辺俊幸さん指揮で聞いたことがあるかも)。

登場したソプラノのボルコヴァさんとバスの森雅史さんの声も素晴らしかったですね。特にボルコヴァさんの声は間近で聞くと音がダイレクトに飛び込んでくるようで圧倒的でした。

その後,森さん主導で,シューベルトの「野ばら」を皆で歌いました。昨年歌った「ハレルヤコーラス」は難易度が高かったのですが,「野ばら」ならば,私でも歌えました。ドイツ語の歌詞でも皆さんほぼ大丈夫そうでした。

今回のラ・フォル・ジュルネ金沢ですが,大曲が多かったこともありOEK祝祭管弦楽団が大活躍でした。いろいろ課題はあると思いますが,是非継続していって欲しいと思います。例えば,5月以外にも9月(音楽堂アニバーサリーなど)にも登場し,大曲を演奏するのもありかも。POPSオーケストラとしてジョン・ウイリアムズ特集とかでも面白いかもしれません。

今年のラ・フォル・ジュルネ金沢は,テーマの面では「何でもあり」の気配はありましたが,例年通り,充実した内容だった思います。祭の終わりの寂しさを感じつつ,明日から現実復帰です。関係者の皆様,ありがとうございました。

2016/05/05

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016 ナチュール:自然と音楽 本公演2日目 コンサートホールを中心に京大,OEK,プチョンの3オーケストラ+ペレスさんのピアノ,中嶋彰子+能を聞きました #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016 ナチュール:自然と音楽 本公演2日目は,天気予報が外れる形で,思わぬ快晴となりましたが,公演の方では,思わぬ「花の章」事件があるなど,変化に富んだ1日となりました。

↓午後のようす。凄い人数です。
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この「花の章」事件は,プチョン・フィルによるマーラーの交響曲第1番「巨人」の公演で予定されていた「花の章」が予告なく演奏されなかったというものです。単純な曲目変更ならば,よくあることですが,「花の章付き」というのが,この公演のチケットを売る場合の決め台詞だったと思うので,かなり反響は大きく,結局,「払戻可能」ということになりました。

私自身,演奏の途中から,「どこで演奏する?なぜ演奏しない?」といったことが気になり,演奏後拍手できませんでした(初めてのことです)。直前のペレスさんの公演がかなり伸びたので,その影響でカットしたのかな?などと勝手に憶測していました。それに加え...実は演奏自体にも満足できませんでした。音が鳴っているだけで味が薄いと感じました。後ろめたいところはありましたが,けじめとして払戻をしてきました。

通常の公演の場合,演奏者目当てのことが多いのですが,ラ・フォル・ジュルネの場合,曲目で選ぶ人も多いので,この辺は特に慎重さが必要なのだと思います。それにしても...演奏後に払戻,というのは大変珍しいケースかもしれません。その対応の速さには感心しました。

さて,その他の公演ですが,朝一で行われた井上道義指揮京都大学交響楽団の演奏を聞いたて,その水準の高さに感嘆しました。特にドヴォルザークの交響曲第8番の第4楽章の最初のトランペット。素晴らしい音がピシッと揃って,鳥肌が立ちました。井上さんも「どうだ!」という表情でしたね。

今回はとても良い場所(2階前方のバルコニー席)で聞いたこともあり,団員と一緒になって井上さんの指揮に反応するような感じで楽しんでしまいました。

↓違反かもしれませんが...終演直後に撮影したものです。
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改めて,間近で見る井上さんの指揮の素晴らしさを実感すると同時に,その手足,それどころか,その血や肉になったような集中力の高い演奏を聞かせてくれました。

この公演では,最初に「ウィーンの森の物語」も演奏しました。ツィター無しだったこともあり,最初の部分をバサっとカットして,いきなりフルートの独奏(立って演奏していたのにも驚きました)が出て来たのにも驚いたのですが,最後,OEK弦楽メンバーがオルガンステージに登場し,照明が緑に変わり,通常ツィターが演奏する部分を室内楽風に演奏しました。これは面白い演出だと思いました。!

OEKメンバーの服装がリアルなふだん着だったので,ウィーン観光中のアーティストが思わず飛び入りで参加...という「物語」を勝手に作って聞いてしまいました。音楽堂オリジナル版としてまた聞いてみたいものです。

今,「朝一」と書いたのですが,実はその前に,交流ホールで行われた金大吹奏楽団のファミリーコンサートも少し聞きました。演奏された「カーペンターズメドレー」に含まれる曲だけではなく,真島俊夫編曲版自体が既に定番ですね。聞いていて懐かしくなりました。

その時に気づいたのですが,交流ホールの八角形ステージですが高さが昨年までよりも低くなっていること(のような気がしたのですが....)に気づきました。これは大変良いと思います。音の通りがよくなった上,ステージがさらに間近になりました。サイド前方で聞いていたのですが,金大吹奏楽団と客席の一体感を感じました。

その後,昼食。本日は能登牛のカレー。においが一番のPR手段ですね。
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午後からは,アレッサンドロ・クルデーレさん指揮OEK祝祭管弦楽団による「白鳥の湖」「火の鳥」の紅白鳥尽くし。京大交響楽団の素晴らしい演奏の後でしたが,やっぱりOEKの演奏は鮮やかだなぁと思いました。クルデーレさんはまだ若い方で,指揮ぶりの方も,もう少し熟練が必要かな,という気はしましたが,メンバーに暖かく(?)見守られているようで,とても気持ちの良い音楽を聞かせてくれました。

邦楽ホールに移動し,ルイス・フェルナンド・ペレスさんの公演。これは,今回のテーマにぴったりのしっかりとしたコンセプトのプログラム。ピアノ曲については,小品~中品が多いのですが,やはり本家のプログラム(ルネ・マルタンさん監修?)は,面白いと思いました。

吟味し尽くされたような素晴らしいタッチと秘めた熱さと...演奏後の笑顔。本当に素晴らしいピアニストだと思いました。超満員のお客さんも大満足でした。

アンコールを2曲も演奏してくれてペレスさんも絶好調でしたね。ただし,この影響で,その後の公演が5分ずつ後ろに伸びてしまいました,

プチョン・フィルのマーラーの後は, 金沢名物の能とのコラボ。今年は中嶋彰子さんとの共演による,月に憑かれたピエロを中心とした内容でした。月に憑かれたピエロについては,数年前,映像付き公演を見たことがありますが,今回はその時の映像を転用していました。それに渡邊荀之助さんの般若が加わり,ピエロを殺害といった...非常にチャレンジングな公演になっていました。

ただし,相変わらず能自体については,どう楽しむのかよく分かりません。今回,池辺晋一郎さんによる「月に憑かれたピエロ」についてのトークが入ったのですが,伝統芸能としての能をPRするためにも,「能のしきたり」についてのプレトークも必要かな,と感じました。

その他,中嶋さんの独唱で歌曲も数曲歌われました。可憐さと深さが同居したような歌は,どれも見事でした。金沢で何回も聞いていることもありますが,私にとって今いちばん波長の合うソプラノ歌手が中嶋さんといえそうです。

本日の最終公演は,おなじみ菊池洋子さんのピアノ+クルデーロ指揮OEKによる,グリーグのピアノ協奏曲他でした。菊池さんのピアノには,結構粗い部分もあったのですが,冒頭の堂々としたタッチから,見ているだけでスケールが大きいなぁと感じました。それと,菅原さんのティンパニは,相変わらず迫力があります。一日の最後(=結構疲れていました)ということもあり,緩徐楽章は特に心地よく響きました。

というわけで,あれこれあった一日でしたが,複数のオーケストラを聴き比べられるというのは,やはりラ・フォル・ジュルネらしいところだと思います。

↓ホテル日航金沢の建物内の生け花も,心なしかかなりナチュール風でした。
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2016/05/03

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016 本公演1日目 OEKの四季,ケフェレック,カンマーアカデミー・ポツダム,ラデク・バボラーク,椿姫ハイライト #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016も本公演が始まりました。
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今年は(も?)3日連続で聞きに行く予定です。ただし,「連日,朝から晩まで」というのも体力的に大変なので,3日目に体力が残るように焦点を合わせ,本日は少な目にしました。

コンサートホールの公演は「朝一」の吹奏楽公演が満席だったようですが,邦楽ホールの最初の公演,ヴィヴァルディの四季も人気曲だけあって,満席になっていたようです。演奏は,OEKで,独奏ヴァイオリンは,OEKと初めて共演する(多分),ベルリン・フィルの第1ヴァイオリン奏者,町田琴和(Vn)でした。

実は,ヴィヴァルディの四季については,昨年のラ・フォル・ジュルネ金沢でもOEKが演奏しています。その時はコンサートミストレスのアビゲイル・ヤングさんとの熱い演奏でした。ヴィヴァルディの四季については,CD録音をしていることもあり,「OEK版」と言っても良いような流儀がある気がしますが,今回の町田さんとの演奏は,その流儀に初共演の町田さんのシャキッとした演奏が絡み合い,クールな緊張感のある演奏だったと思います。バロック音楽ならではの,通奏低音の音の自在の動きも楽しめました。

その後,邦楽ホール前のカジマートさんでタケノコご飯を買って昼食。450円というお得な価格でした。今年のタケノコは当たり年という噂ですが,そのとおりだと思いました。
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音に釣られて鼓門下に行くと,ものすごい人だかり。金沢市中学校吹奏楽団が演奏中でした。こういった中学生が音楽祭に関わることで,LFJKは着実に金沢市民に浸透していっていると思います。
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金沢駅から兼六園口の方に出ると,ドームの中に吹奏楽の音が気持ちよく広がっています。この感覚は,ディズニーランドなどのテーマパークに入った時のワクワク感とかなり似ているのではないかと感じました。

続いてコンサートホールのカンマーアカデミー・ポツダムとアンヌ・ケフェレックさんの公演へ。ケフェレックさんは,毎回登場しているのですが,必ず赤丸を付けて聞きに行っています。今回演奏されたモーツァルトの27番は,ラ・フォル・ジュルネ金沢の2年目にも一度,OEKと共演していましたので,本当は当初の予定の21番を聞きたかったのですが,OEKの時とは一味違ったコラボレーションを楽しませてくれました。

ケフェレックさんのピアノの音は年々自信と気品が増してくるようです。全体に穏やかで優しい雰囲気が漂う中,時折,晩年のモーツァルト作品らしく,ものすごく深い陰が漂います。その表現に作為的なところがなく,今年のテーマどおり「自然」でした。全曲どこを取っても美しさと深さに満ちていました。

カンマーアカデミー・ポツダムの演奏は,最初に演奏された「水上の音楽」の時もそうだったのですが,全員(チェロ以外)が立って演奏していました。トランペットやホルンはオリジナル楽器(多分。バルブが付いていなかった気がします)を使っていましたが,出てくる音には古臭いところはなく,すべての音が軽やかに溶け合っていました。

モーツァルトのピアノ協奏曲の時も全員が立って演奏していたのは珍しいと思います。ケフェレックさんは,指揮をしているわけではなかったのですが,オーケストラと向き合う形(お客さんに背を向ける形)で座っていました。特に木管楽器とは正面から向き合う形になります。曲の最初の方から,この木管楽器の音がとてもくっきりと聞こえていたのがとても印象的でした。この積極性あふれる木管の音が,「あの世」に近づいたような響きを「この世」の方に引き戻しているような気がしました。

弦楽器の方はとても軽やかな音で(OEKよりも一回り少ない人数でした),独特の浮遊感のある演奏を楽しませてくれました。

その後,いったん帰宅し,夜まで休息。カンマーアカデミー・ポツダムによるK123の公演は聞けなかったのですが,ボッケリーニの「マドリードの夜の通りの音楽」は,きっと楽しめたのではないかと思います。

さて夜の部です。18:00からは,金沢オリジナル公演の元ベルリン・フィルの首席ホルン奏者,ラデク・バボラークを中心とした室内楽公演では,バボラークの”ムラなく・ムリなく”コントロールされた見事な音に改めて感嘆。最後に演奏されたブラームスのホルン三重奏曲(この曲は,一度,実演で聞いてみたかった曲です)は,特にじっくりと演奏され,特に聞きごたえがありました。終演後は,サイン会も行っており,しっかりいただいてきました。

本公演1日目の締めは,OEKによるヴェルディ「椿姫」ハイライトでした。実は,もっとお手軽な感じの内容を予想していたのですが,公演時間が通常のラ・フォル・ジュルネ・サイズ(45分)よりも長かったこともあり,2幕後半ヴィオレッタとジェルモンの場を中心に,ほとんど全部観てしまったような充実感がありました。改めて,「椿姫」は,各幕に聞きどころの多い作品だと思いました。

ステージでのオペラらしく,ソロも合唱も管弦楽も大変ダイナミックに聞こえてきました。ソリストの中ではアルフレート役の清水徹太郎さんの声がこの役にぴったりでした。ヴィオレッタ役のヤーナ・ボルコヴァさんは,大変よく通る声でしたが,ヴィオレッタにしては,ちょっと元気が良過ぎるかな,と思いました。

本日は4公演を聞きましたが,こうやって振り返ると,金沢独自企画の公演がどんどん充実しているな,と感じました。

2016/05/01

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016 吹奏楽の日 強風にも負けず「自然と音楽」を実感できました。陸上自衛隊の歌姫 鶫真衣さんの伸びやかな声が広場全体に広がっていました。 #lfjk

本日は午前10時から午後4時まで,ラ・フォル・ジュルネ金沢恒例の「吹奏楽の日」公演をしいのき迎賓館裏の緑地で聞いてきました。今年のテーマは「自然と音楽」ということで,この公演自体テーマにぴったりです。金沢城の石垣を背景として,12団体が次々登場し,それぞれ楽しませてくれました。

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本日は,晴れ過ぎない天気で気温の面では丁度良かったのですが,風がかなり強く,演奏者の方は譜面台が飛んでいかないか神経を使っていたようです。最初に登場した遊学館高校吹奏楽メンバーが,譜面が飛んでいかないようにサポートする「裏方」の仕事をずっとされていましたが,この辺が野外公演の大変なところです。

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↑最初に登場した遊学館高校

演奏された曲は,「日本のマーチ」というのが「課題」となっていたようで,どのバンドも行進曲を入れていました。また,先日亡くなられた,吹奏楽曲を数多く作・編曲していた真島俊夫さんを偲ぶような形で真島さんの作品も沢山登場しました。

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↑今回登場したバンドの中ではいちばん大所帯だった小松高校。120人近くの部員がいるそうです。

今回も石川県内の高校吹奏楽部が中心に出演しました。こういった公演の場合,小松明峰の「風になりたい~宝島」,小松高校の歌謡曲メドレーなど,パフォーマンス入りの曲も楽しかったのですが,本日のいちばんの聞きものは,やはり陸上自衛隊中部方面音楽隊の演奏だったと思います。

それほど大編成ではありませんでしたが,音がピシッとした張りと透明感がありました。本家本元という感じの東京オリンピックのファンファーレと行進曲も品格がありました。それと金沢出身のソプラノの鶫真衣さん歌がお見事でした。野外公演ということでエコー付きのマイクを使っていたこともあり,その伸びやかな声が,金沢城の石垣に届くぐらいに広がっていました。

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↑はっきり分かりませんが,指揮者の隣で歌っているのが鶫さんです。今回の歌で,鶫さんは,一気に金沢ではスターになったと思います。

今回,鶫さんの歌を楽しみにしていた人が多かったようで,お客さんは特に沢山入っていましたが,「歌姫登場」に大満足されていたようです。

流石に一日,芝生の上に座っていると疲れたのですが,今年もまた金沢ならではの「自然と音楽」を同時に楽しめる企画を楽しむことができました。


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