今月2回目のマーラーの交響曲5番の実演。西本智実指揮エルサレム交響楽団で聞いてきました
西本智実指揮エルサレム交響楽団による演奏会が,石川県立音楽堂コンサートホールで行われたので聞いてきました。西本さんの指揮については,数年前のラ・フォル・ジュルネ金沢で聞いて以来のことですが,今回もマーラーの5番を中心に大曲をたっぷりと聞かせてくれました。
エルサルム交響楽団については,実演を聞くのも初めてでしがが,名前を聞くのも初めてでした。聞いた印象としては,超一流のヴィルトーゾ・オーケストラという感じではなく,フル編成にしてはやや響きが薄めな気がしました(今回,3階席で聞いたこともあるかもしれません)。どこか鄙びた感じもしましたが,マーラーの5番の”肝”である,トランペットもホルンも好調で,最終楽章の最後の輝かしいフィナーレでは,充実した音を聞かせてくれました。
第1,2楽章では,テンポ感が重苦しく,停滞した感じがしましたが,第3楽章辺りから変化に富んだ軽やかさが出てきました。この変化に富んだ気分はマーラーらしいな,と思いました。第4楽章アダージェットもじっくりと演奏されましたが,終盤に行くと音楽が高揚し,どこか華麗な雰囲気が出てくるのも西本さんらしいと思いました。
前半に演奏された,ドヴォルザークのチェロ協奏曲は,ドミトリ・ヤブロンスキーさんとの共演でした。この方は,20年以上前にOEKと共演したことがある方です。その時の印象はすっかり残っていないのですが,今回の演奏については,全体的にテンションが低い印象で,やや物足りなさが残りました。それと,やはりマーラーと組み合わせるプログラムとしては,やや長すぎるかなと思いました。
マーラーの5番については,今月前半に石川フィルの演奏でも聞いたばかりでした。一月の間に2回実演で聞いたのは初めてのことでしたが,それぞれに面白い演奏だったと思います。何よりも,曲自体が素晴らしいなぁと実感できました。
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