石川県音文協年末,本日は荘厳ミサを聞いてきました。やはり素晴らしい作品です。1年を振り返りつつ,平和を祈ってきました
石川県音楽文化協会の年末公演。先日の第9公演に続き,本日行われた荘厳ミサ曲の公演も聞いてきました。今年は北陸聖歌合唱団のメサイアも聞いて来たので,冬のトリプル・クラウン(?)制覇といったところです。
荘厳ミサを実演で聞くのも久しぶりですが,聞いた後は素晴らしい曲だな,といつも感じます。指揮の山口泰志さんのテンポ設定はゆっくり目で(我が家にある荘厳ミサのCDは1枚に収まっているので,そう感じたのかもしれませんが,90分ぐらいかかっていたと思います),すべての存在を暖かく包み込むような包容力を感じました。50年以上この曲を歌っている石川県合唱協会県民合唱団の,熱さと渋さを兼ね備えた歌にぴったりの雰囲気がありました。
オーケストラは第9に続いて,石川フィルでした。第9の時は追加メンバーが居たようですが,こちら方は,石川フィルのみによる演奏でした。短期間で大曲2曲を演奏するのは,大変だと思いますが,こちらも渾身の演奏だったと思います。特に第4曲後半のベネディクトゥスに出てくる,コンサートマスターが声楽の独唱者たちと一緒に演奏する天上の音楽が印象的でした。
独唱は,お馴染みのソプラノの石川公美さんに加え,テノールの倉石真さん,バスの清水宏樹さんが大変バランスの良い歌を聞かせてくれました。今年は,日伊国交150周年記念ということで,イタリアのメゾ・ソプラノのフランチェスカ・ロマーナ・イオリオさんが,メゾ・ソプラノで参加していました。イオリオさんの声は,すっきりとしているけれども,細かくヴィブラートが掛かっているような独特の声で,しっかり存在感を示していました。
全曲の中では,戦争の雰囲気の後,平和の祈りへとつながる,最終楽章がやはり印象的でした。じっくりとテンポを落として,噛みしめるように締められました。
この日,指揮者の山口さんによるプレトークが行われました。「荘厳ミサは平和を祈る曲,第9はそれを受けて,平和に至るには人類が兄弟にならねばならないと方法を示した曲(意訳)」と語られていましたが,なるほどと思いました。
ミサに先立って演奏された,モーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスともども,クリスマス気分と同時に平和への祈りを強く感じた演奏会でした。
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