OEKのCD

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2016/12/03

快晴の12月の土曜の午後にぴったりのギュンター・ピヒラー指揮OEK定期公演。菊地洋子さんのピアノと共に新鮮・安心のモーツァルト&ロッシーニ #oekjp

12月のOEK定期公演マイスターシリーズには,お馴染みギュンター・ピヒラーさん登場し,今シーズンの「お約束」のモーツァルトにロッシーニの序曲を絡ませたプログラムが演奏されました。プログラムの最初に序曲が1曲入るのは「定番」ですが,後半の最初にも序曲が入るのは,意外に珍しいことです。

というわけで,前半がロッシーニ「どろぼうかささぎ」序曲とモーツァルトのピアノ協奏曲第26番「戴冠式」,後半がロッシーニ「ウィリアム・テル」序曲とモーツァルトの交響曲第36番「リンツ」という,前半と後半で線対称になった独特のプログラムとなりました。最後の「リンツ」は,演奏会のトリの曲としては,やや短かったので,序曲を加えることで,非常にバランスの良いものになったと思います。

演奏の方も,いかにもピヒラー&OEKらしいものでした。12月上旬の快晴の午後に聞くのにぴったりの,ちょっとピリッとしているけれども晴朗な演奏を楽しませてくれました。

ロッシーニの2曲は,ピヒラーさんが指揮すると,ぎゅっと圧縮されたコンパクトな感じになります。「ウィリアム・テル」序曲の最後の部分などは,しっかりと手綱を握って,馬を疾走させているような軽快さがありました。「どろぼうかさぎ」の方は,打楽器が6人も並んでいるのが壮観でした。冒頭の小太鼓のステレオ効果をはじめ,見ているだけでも楽しめました。

ピアノ協奏曲「戴冠式」では,菊地洋子さんのピアノが見事でした。シンプルな曲の美しさをストレートに伝えてくれました。菊地さんは,金沢ではすっかりおなじみのピアニストということで,ホームグランドで演奏しているような,自信と安心感がありました。菊地さんの持っている「すくすくと育ったお嬢様」という健康的で大らかな雰囲気は,素晴らしいキャラクターだと思います。これからもずっと応援していきたいピアニストの一人です。

なお第1楽章のカデンツァは,往年のチェンバロ奏者のワンダ・ランドフスカのものを使っていました(掲示が出ていました)。ひょっこり「フィガロ」が入ってきたような,曲想にぴったりの気分がありました。

演奏会の最後に演奏された「リンツ」は,「ピヒラーさんとOEKならばこういう演奏をするだろう」という予想どおりの演奏でした。そして「やはりピヒラーさんはすごい」と思いました。弦楽器のアーティキュレーションが明確かつニュアンスが豊かで,いつもどおりのピリッと締まったバランスの良い演奏を聞かせてくれました。両端楽章での勢いのある演奏も良かったのですが,第2楽章でのどこか夜の雰囲気を持った,翳りのある表現も見事でした。

アンコールでは(ピヒラーさんは必ずアンコールを演奏してくれますね),ハイドンの交響曲第92番「オックスフォード」の最終楽章が演奏されました。素晴らしい疾走感のある演奏で,ワクワクとした爽快な気分で公演を占めてくれました。

OEK定番のモーツァルト演奏を中心に,大変まとまりのよい演奏を楽しませてくれた演奏会でした。

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