OEKのCD

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2016年5月29日 - 2016年6月4日

2016/06/02

川瀬賢太郎指揮OEK定期公演。一柳慧の交響曲第10番(初演)とベリオのレンダリングの間に山根一仁独奏によるスコットランド幻想曲が挟まれる,かつてない選曲。2人の魅力が伝わる素晴らしい公演 #oekjp

「クラシック界のライジングスター!」と銘打たれたOEKフィルハーモニー定期公演には,近年どんどん活躍の場を広げている若手指揮者,川瀬賢太郎さんが登場しました。ソリストとして登場した山根一仁さんも,まだ20歳の若手ということで,OEK定期公演史上最もも若い(推測ですが)組み合わせではないかと思います。ちなみにこのお2人とも,図らずも,今年の出光音楽賞を受賞されており,その点でも話題性十分の演奏会となりました。

今回は演奏者だけではなく,演奏された曲も「初尽くし」でした。最初に演奏された一柳慧さんの交響曲第10番は,OEKが委嘱した作品で,本日が世界初演でした。2曲目のブルッフのスコットランド幻想曲もOEKが演奏するのは,多分初めてです。そして,3曲目のシューベルト-ベリオ作曲によるレンダリング(シューベルトの幻の「交響曲第10番」といってよい作品をベリオが色々手を加えた作品)。ブルッフの曲を交響曲第10番が挟むという,考えてみれば,非常にマニアックな曲の並んだプログラムでした。

それが大変新鮮に響いていました。山根さん,そして何といっても川瀬さんの指揮の素晴らしさの力だと思います。

最初に演奏された一柳さんの交響曲第10番は,没後10年となる岩城宏之さんのことを意識した作品ということで,マリンバや打楽器が活躍していました。最初,神秘的なムードで始まった後,色々な気分を持つ,いくつかの「部分」が順に出てきました。川瀬さんの指揮ぶりは,大変明快で,その音楽も鮮やかでした。最初のムードが,最後に再現されてくるなど,各部分が有機的につながっている感じがしたので,「やはり,これは交響曲だな」という実感の残る作品でした。

2曲目のブルッフは,「もしも,ブラームスがヨアヒムと一緒にスコットランドにいったら...」といったムードのある作品で,メンデルスゾーンのスコットランド交響曲に通じるような,哀愁と美しさに溢れた旅情のようなものが漂っていました。実演で聞くのは初めてでしたが,とても良い曲だと思いました。山根さんのヴァイオリンには,20歳とは思えぬ落ち着きがあり,この曲をじっくりとスケール感たっぷりに聞かせてくれました。最終楽章では,さり気なく華麗なテクニックが披露され,協奏曲としての華やかさも楽しむことができました。

後半は,ベリオのレンダリングが演奏されました。前述のとおり,一種のパロディ的な作品ですが,聞きごたえ十分,かつ,大変楽しめる作品でした。最初,大変明快に古典派的な交響曲の第1楽章が始まりました。明快すぎるぐらい明快だったのが,途中で,ドローンと全てが解けてしまったような感じで混沌の世界に入って行きます。このコントラストが大変楽しめました。夢現を行き来しているような不思議な感覚を味わうことができました。

曲は,3楽章構成(多分)で,どの楽章にもそのような部分がありました。川瀬さんは,時折,ジャンプをして指揮をされるなど,くっきりとしたメリハリのある音楽を作っていました。このジャンプにしても,全然大げさな感じはせず,すべてが「自然」に感じられました。

大変分かりやすい指揮ぶりで,OEKから,明快かつミステリアスな響きを引き出していたのが見事でした。終演後の雰囲気を見ていると,OEKメンバーも大歓迎といった感じでした。川瀬さんには,再度,OEK定期公演に登場していただきたいものです。

2016/05/29

駅なかコンサート エキコン金沢:心の音を花束にして 駅構内に歌の花が咲いていました。終演後はひゃくまんさんに遭遇。こちらも大人気でした 

毎月1回,JR金沢駅構内で行われている駅なかコンサート エキコン金沢を聞いてきました。実は,直前までは出かける予定はなかったのですが,石川県立音楽堂からのツィートについつい反応し,「音の花束」をしっかり受け取ってきました。

今回は,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の第1ヴァイオリン奏者のトロイ・グーキンズさん,ハープの上田智子さん,ソプラノの石川公美さんという,地元クラシック音楽ファンにはおなじみの3人でした。おなじみと言いつつ,ヴァイオリン,ハープとソプラノの組み合わせというのは,珍しいと思います。

上田さんのハープの作る,優雅で安定感のあるベースの上に,暖かい味を持ったトロイさんのヴァイオリンと伸びやかさと華やかさのある石川さんの声が加わり,駅の構内は,そこだけ光が差しているようでした。演奏前は座席のある部分だけにお客さんが集まっていましたが,演奏が進むにつれて立ち見のお客さんがどんどん増えていきました。

今回のプログラムのポイントは,トロイさんのトークによると,「花」ということでしたが...それから外れる曲もあったので,この季節に聞いて気持ちよくなる曲,元気が出る曲というようなコンセプトだったようです。JR金沢駅構内は,かなりの雑踏ということで,マイクを使って音声を拡大していましたが,改札から出て来た観光客の皆さんには絶好のおもてなし,だったのではないかと思います。

最初にトロイさんのヴァイオリンによる,チャールダーシュで気分を盛り上げた後,石川さんが加わりヘンデルのアリア2曲をしっかり聞かせてくれました。駅の中には,凛とした優雅な空気が流れていました。

続いて,現在放送中のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の主題歌である「花束を君に」がトロイさんと上田さんのデュオで演奏されました。トロイさんのヴァイオリンには,語り掛けるような味わいがあり,しっとり聞かせてくれました。先週の放送では,主人公の常子が女学校を卒業する際に,恩師の東堂先生(片桐はいりが演じています)の「ささやかな心がけが小さな幸福を生む。そういう瞬間を大切にして欲しい」といった言葉に感動していました。ヴァイオリンとハープによるささやかなコラボレーションが,小さな幸福感を作ってくれている。そういう演奏だったと思います。

その後,石川さんの本領発揮,という感じでプッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」の中のムゼッタのワルツが歌われました。やはり,オペラのアリアには別格の迫力があるなぁという見事な歌でした。駅構内のお客さんも度肝を抜かれていたのではないかと思います。

続く「浜辺の歌」は,初夏のシーズンにぴったりの曲です。曲の中で,ハープの1音でパッと転調する部分がありました。その部分を初めとして,ハッとさせてくれるような爽やかさのある歌でした。

最後は,「花」の歌の定番となった,「花は咲く」が演奏されました。この曲は東日本大震災からの復興支援のために作られた曲です。色々な熊本地震をはじめ,自然災害が続く中,この曲の持つ,純粋な暖かさは多くの人にとって支えになっているのではないかと思います。石川さんの強く澄んだ声が心地よい後味を残してお開きとなりました。

この公演は11:00からと13:00からの2回行われ,私は11:00の方を聞いてきました。石川県立音楽堂ができるまでは,こういう公演が行われることは考えられなかったのですが,音楽堂ができて15年が経ち,地元金沢のアーティストが活躍する機会が増えていることは素晴らしいことだと思います。岩城宏之さんの蒔いた種が「花咲いている」といえるのかもしれません。

PS. 終演後,駅の構内を歩いていると,「ひゃくまんさん」がお出まし。百番街にいる,「そっくりさん」の前で色々なポーズをとっていました。こちらもすっかり人気が定着しましたね。

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ちなみ本日はユンディ・リーのリサイタルも午後から行われたのですが...こちらはパスしました。

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