OEKのCD

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2016年10月30日 - 2016年11月5日

2016/11/05

イェルク・デームスさんの無心の境地のような感動的なピアノと井上道義指揮OEKによるお得意のビゼー。至福の音楽時間を堪能しました #oekjp

爽やかな快晴の11月の午後,OEK定期公演フィルハーモニーシリーズを聞いてきました。今回の目玉は,何といっても,かつて「ウィーンの3羽烏」と呼ばれ,日本でも親しまれているベテランピアニスト,イェルク・デームスさんが登場することです。OEKとの共演は今回が初共演です。デームスさんは,1928年生まれですので,今年88歳の米寿になります。演奏生活64年ということで,大変息の長い活動をされています。そのレパートリーの中心は,モーツァルト,ベートーヴェン,シューベルトといったウィーン古典派の音楽です。今回はベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を演奏しました。

デームスさんが舞台袖に登場し,ゆっくりと歩く姿を見て,一瞬「大丈夫だろうか?」と思ったのですが,ピアノに向かうと一気に巨匠に変貌しました。その姿には,常に平常心が漂っていました。

さすがにピアノのタッチに力強さはなく,テンポも気ままに伸び縮みする感じでしたが,その何も邪気を感じさせないような無心のタッチを聞いて,音楽の原点に触れた気がしました。井上さんは,テンポを合わせるのが大変だったと思いますが,敬意に溢れたバックアップを聞かせてくれました。

アンコールでは,シューベルトの即興曲 作品90の3が演奏されました。純粋な音の流れだけが静かにゆっくりと続き,会場を全体を別世界に変えていました。感動的な音楽でした。

プログラムの後半では,井上道義さんの大好きなビゼーの作品が演奏されました。「子供の遊び」は,井上さんのキャラクターにぴったりの作品です。粋で品の良い演奏を聞かせてくれました。

「アルルの女」第1,第2組曲も親しみやすいメロディに溢れた名曲中の名曲です。第1組曲の前奏曲から,ビシッと引き締まった緊張感が溢れていました。その中にプロヴァンスの空に気を感じさせる,明るい詩情が溢れていました。井上さんは,本当にこの組曲が好きなんだなと思わせるような演奏でした。

管楽器の個人技も楽しめる作品です。特に要所で出てくる,サックスの甘い音は,この曲のトレードマークのような感じです。曲の魅力である「フランスの田舎風」の空気をしっかりと伝えていました。第2組曲のメヌエットでは,工藤重典さんのフルートのソロを楽しむことができました。その純粋な音が大変印象的でしたが,実演で聞くと色々な管楽器が絡み合ってくるのを楽しめるのも魅力です。カリヨンの冒頭のホルンのユニゾンの力強い演奏も見事でした。

最後のファランドールでは,この曲ならではのプロヴァンス風の太鼓のリズムに乗って気持ち良く盛り上がって行くのですが,テンポ設定には余裕があり,熱狂するけれども,荒れ狂う感じにはならない,音楽的な大人の演奏になっていました。

演奏後,井上さんは「本日はアンコールはありません。快晴なので。外にお出かけてください」と言ってお開きとなりました。この秋の空に相応しい気持ちの良い演奏会となりました。至福の時間でした。

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