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2016年12月11日 - 2016年12月17日

2016/12/11

恒例北陸聖歌合唱団とOEKのメサイア公演。天沼裕子さんの指揮のもと,新しい試みを盛り込んだ新鮮な演奏を聞かせてくれました #oekjp

12月恒例の北陸聖歌合唱団とOEKによる,クリスマス・メサイア公演が行われたので聞いてきました。半世紀以上メサイアを歌っているこの合唱団ですが,今年の公演は,いろいろと新しい試みが行われており,今後の新しい方向性を示すような充実した内容になっていたと思います。このことは,今回の指揮者の天沼裕子さんの力によるところも大きかったのではないかと思います。

通常この公演は,抜粋版で行われるので,「どの曲を演奏するか?」というのが一つのポイントになります。「クリスマス」ということで,イエスが誕生する場である,第1部が毎回中心になるのですが,今年は,第1部を全部演奏していました。そのかわり,イエスが受難を受ける第2部については,合唱曲をばっさりとカットし,ハレルヤ・コーラスのみに絞っていました。また,イエスが復活する第3部についても合唱は少なめで,最後のアーメン・コーラスに力を集中させているようでした。その代わり,独唱者の方は大活躍で,抜粋版ではあまり歌われてこなかった曲も歌われていました。

合唱曲と独唱曲のバランスを見直した結果この形になったのだと思いますが,全体のまとまりがとても良い印象を持ちました。これは,今回登場した4人の独唱者のすばらしさにもよると思います。

北陸聖歌合唱団の「メサイア」の「顔」のような存在だったソプラノの朝倉あづささんが2013年以来3年ぶりに復帰し,いつもどおりの可憐で凛とした声を聞かせてくれました。通常メゾ・ソプラノが歌うパートは,カウンター・テナーのデーキョン・キムさんが歌っていました。男声で聞くのは今回初めてでしたが,非常に優しい暖かみのある歌だったと思います。男声2名も充実していました。テノールのオリヴァー・クリンゲルさんもバリトンの高橋洋介さんもOEKの「メサイア」公演には初登場でしたが,どちらも宗教曲にぴったりの品格と清潔感のある歌でした。指揮者の天沼さんは,シャキッとした芯の強さのある「メサイア」を目指していたと感じたのですが,その意図にぴったりの独唱陣だったと思います。

北陸聖歌合唱団の歌も,熱のこもったものでした。天沼さんの指揮からは,各曲のテキストのイメージをくっきりと伝えようという意志が伝わってきました。そして,合唱団の歌からもその思いがしっかりと伝わってきました。OEKの演奏もいつもにも増して清々しさがあり,全曲を通じて,大変新鮮な気分を持ったメサイアになっていたと思います。

今回のもう一つの特徴は,OEKエンジェルコーラスが,いつもの「クリスマス・ソング・メドレー」ではなく,ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1000年前の作曲家です)の合唱曲を歌ったことです。これもまた,天沼さんのこだわりだったのですが,この曲を入れたことで,演奏会全体のトーンのまとまりが良くなったと思いました。エンジェルコーラスのメンバーは,練習するのは大変だったと思うのですが,素朴さと同時にミステリアスな気分がしっかりと伝わってきました。

伝統を維持しながら,新しい試みを取り入れた今回の「メサイア」公演は,半世紀以上の歴史の中でも,特に意味のある公演になったと思いました。

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