OEKのCD

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2016年2月7日 - 2016年2月13日

2016/02/07

北谷直樹指揮・チェンバロによるOEK定期公演はバロック音楽の楽しさを存分に楽しませてくれる最高のパフォーマンス。ラザールのヴァイオリン曲でのヤングさんもお見事! #oekjp

オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の特徴は,オーケストラ的な性格と室内楽的な性格を兼ね備えている点です。そのことにより,フル編成のオーケストラの定期公演では取り上げられることの少ない,バロック音楽を中心とした比較的小編成な公演が組み込まれることがあります。今回の北谷直樹さんの指揮・チェンバロによるフィルハーモニー・シリーズもそのタイプの公演でした。

「北谷さんならば,何かやってくれそう」と期待していたのですが,その期待を上回る,大変楽しめる内容でした。選曲,演出などすべての点で予想を裏切る,驚きの連続でした。

特に後半最後に演奏されたラモーの叙情悲劇「アバリス,またはボレアド」組曲が予想をはるかに超える凄い演出でした。ラモーの音楽自体,とても分かりやすかったことに加え,ステージ上の照明を変化させることで,自然にドラマが伝わってきました。照明が赤くなった「ロンド」の演奏の時のパフォーマンスは「!」でした。OEKメンバーのほとんどすべての人たちが演奏しながら動きだし(もともと,この日の演奏はヴァイオリンをはじめ,皆立って演奏していたのですが),パーカッションがリズムを刻む中,管楽器奏者たちは一旦外に出て,また戻ってくるという,楽しさと狂気とが混ざった不思議な雰囲気を出していました。(使い便利なので,ついついこの言葉を使ってしまいたくなりますが...)「びっくりぽん」の演奏でした。その後に続く平和そのものの音楽の美しさが弾き立っていました。

後半最初に演奏された,ラザールのヴァイオリンとチェンバロのためのバレエ組曲も素晴らしい曲でした。この曲だけは,2014年作曲の「現代音楽」だったのですが,チェンバロとヴァイオリンという編成だったこともあり(オーケストラの定期公演とは思えない編成です),全く違和感なく,他の曲と溶け合っていました。

曲自体,大変聞きやすいのですが,デリケートな静けさと激しい運動性が美しく交錯するような感じで,集中して楽しむことができました。ヴァイオリンのアビゲイル・ヤングさんの演奏も本当に見事でした。エネルギッシュな熱さと繊細さとが共存した,「ブラーヴォ!」としか言いようのない演奏でした。

ヤングさんと北谷さんは,前回の交流ホールでの室内楽シリーズでも,フィリップ・グラスの「四季」で凄い演奏を聞かせてくれましたが,最高のコンビだと思います。是非,また共演を期待したいと思います。「何かやってくれる」2人ですね。

後半を聞いた後,前半を振り返ってみると「普通のバロック音楽」にも思えたのですが,前半もまた,工夫に満ちた演奏の連続でした。

最初のハイニヒェンのシンフォニア ヘ長調, S.209「モーリッツブルク」という曲は初めて聞く曲でしたが,2曲目に演奏されたヘンデルの水上の音楽を彷彿とさせるようなところがあり,うまい組み合わせだと思いました。

今回の編成では,バロックギターまたはテオルボが通奏低音に加わっていたのが大きな特徴でした。高本一郎さんは,北谷さんのすぐ傍で,これらの楽器を掻き鳴らしていましたが(バロックギターの方はそんな感じでした),特にリズミカルな曲での効果が素晴らしく,ロック・ミュージックを彷彿させるような躍動感を作っていました。その他,コントラバス2本を左右に分けて配置するなど,低音部が非常に充実しており,OEKの響きがイル・ジャルディーノ・アルモニコ(?)のような感じに変貌していたのがすごいと思いました。

ヘンデルの「水上の音楽」組曲は,ホルンやトランペットの入らない,比較的静かな曲の多い,第3組曲が演奏されました。この選曲も良いと思いました。リコーダーが入って軽やかな味を加えていましたが,この曲の別の面を聞かせてくれました。

前半最後には,バッハ,J.S.のフルート,ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲 イ短調, BWV1044が演奏されました。ブランデンブルク協奏曲第5番と同じ編成の協奏曲で,フルートの岡本さんとヴァイオリンのヤングさんが,繊細さとやさしさのある音楽を聞かせてくれました。短調の曲なので,全体的に荘重な雰囲気もあったのですが,北谷さんのチェンバロが大変鮮やかだったので,曲全体が品の良い装飾で,くっきりと縁取りされているようでした。

というわけで,個人的には,過去のOEKによるバロック音楽系の定期公演の中でも特に楽しめた演奏会でした。

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