OEKのCD

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2017/06/02

OEK定期公演にハインツ・ホリガーさん初登場。迷いのない表現が徹底した,冷静で熱い表現の詰まった演奏会。1回で終わるにはもったいないかも #oekjo

6月のOEK定期公演には,恐らく,現在世界で最も有名なオーボエ奏者,ハインツ・ホリガーさんが登場しました。ホリガーさんは,昨年の定期公演に登場したイェルク・ヴィトマンさん同様,マルチ・タレントなアーティストです。ヴィトマンさんの時同様,管楽器奏者兼指揮者兼作曲家による,定期公演ということで,その「3つの顔」を反映した,非常にチャレンジングなプログラムでした。

ホリガーさんは,1939年生まれということで70代後半ですが,ステージに登場した雰囲気には,全く老いた雰囲気はなく,ホリガーさんらしさが,隅々まで徹底した,4曲を聞かせてくれました。

プログラムの最初で演奏された,ハイドンの交響曲第104番「ロンドン」は,少々ぶっきらぼうなぐらいの速目のテンポで第1楽章序奏が始まった後,所々で独特の意味深さを感じさせてくれる,不思議な魅力を持った音楽を聞かせてくれました。テンポをぐっと遅くする部分もありましたが,ロマンティックで甘い雰囲気になることは全くなく,どこか,現代音楽を聞いているような雰囲気のあるハイドンだと思いました。

次に演奏されたフィアラのコンチェルタンテは,オーボエとイングリッシュホルンのソロをまじえた古典派時代の二重協奏曲的な作品でした。ホリガーさんのオーボエの音は,音質も音の動きも大変軽やかでした。さすがに抜けるような音,という感じではなく,やや枯れた感じもありましたが,イングリッシュホルンのマリー=リーゼ・シュプバッハさんとの音のバランスが素晴らしく,音楽全体に豊かさが溢れていました。

アンコールで,ホリガーさんの自作による,オーボエとイングリッシュホルンのための「エア」という小品が演奏されました。いわゆる「現代音楽」風の作品だったのですが,そのすべての音が生きている感じで,大変雄弁でした。

後半もまず,ホリガーさんの自作のメタ・アルカという弦楽合奏のための作品が演奏されました。最初の方を聞いた感じでは,武満徹の作品を思わせるような,詩的て異様なムードを感じましたが,次第に色々な特殊奏法が出てきて,次々と曲のテクスチュアが変化していきました。自作自演ということで(他の作品でも同様でしたが),表現の迷いが全くなく,難解さはあったものの,どこかスカッと割り切れているような心地よさを感じました。

この日のゲストコンサートマスターは,東京フィルの荒井英治さんでした。この曲ではソロも担当しており,エネルギーをしっかり秘めた,怪しい美しさを持った素晴らしい演奏を聞かせてくれました。

最後に演奏された,シェーンベルクの室内交響曲第1番は,シェーンベルクが12音技法を用いるようになる前の初期の作品です。ただし,弦5部1名ずつにかなり充実した木管楽器群が加わる独特の編成で,薄いのか厚いのか分からない面白い響きを楽しむことができました。

15人程度の編成ということで,曲の最初の部分から透明感がありました。全奏者がソリストのように,音が前へ前へと出てくる感じで,大変生き生きした演奏を聞かせてくれました。この曲については,複雑な音の動きが難解さにつがなっている部分もありましたが,その複雑さを複雑のままクリアに表現しており,大変聞きごたえがありました。

演奏後,ホリガーさんは,全奏者と一人ずつ握手をして,その苦労(?)を労っていました。一緒に難曲に取り組んだ「同志」といった感じの熱さを演奏の背後に感じました。ホリガーさんについては,クールで神経質な雰囲気かなと勝手に予想していたのですが,実際には,出てくる音楽は確かに冷静で確固たるものがあるけれども,その背後には熱いエネルギーに満ち溢れているのでは,と感じました。
今回の定期公演は,大変チャレンジングな内容でしたが,結果として,狙いどおり,いくつもの顔を持つホリガーさんらしさを多面的に楽しむことができました。この日の定期公演1回の演奏で終わらせるには,もったいないぐらいの充実感のある演奏会だったと思いました。

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