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2017/08/20

IMAライジングスターコンサート2017 今回も水準の高い演奏の連続。ヴァイオリンの弦が切れるハプニングもありましたが,奏者ごとの多彩な表現力とエネルギーを間近で味わってきました。

今年で20周年となる,いしかわミュージックアカデミー(IMA)のライジングスターコンサートを聞いてきました。このコンサートは,前年度のIMA音楽賞受賞者を中心とした若手奏者が続々と登場するコンサートです。IMA音楽賞受賞者からは,毎年必ず,国際的な音楽コンクールでの上位入賞者を輩出しています。恐らく,今日聞いた人の中からも,世界的に活躍する奏者が出てくることでしょう。

今回は次の皆さんが出演しました。
  • ヴァイオリン:外村理紗, ドンミン・イム, シューハン・リー, ナキョン・カン
  • チェロ:金子遥亮
  • ピアノ:ユリ・ノ
  • IMA受講生によるスペシャルトリオ(吉江美桜(ヴァイオリン),牟田口遥香(チェロ),渡邉朋恵(ピアノ))
今回も水準の高い演奏の連続でした。どの奏者も,技巧的に不安定なところはなく,表現力,技の切れ味,音の迫力...といった一段階上のレベルで聴き比べをするような聴きごたえ十分の演奏会でした。

今回の奏者の中では,韓国のドンミン・イム(ヴァイオリン)さん,台湾のシューハン・リー(ヴァイオリン)さんについては,演奏した曲自体,技巧が前面に出る曲だったこともあり,その音の迫力と技巧の切れ味の良さ間近で体感できました。2人とも平然と弾いているところが心憎いところです。特にドンミン・イムさんの方は,途中で弦が切れるハプニングがあり,再度,途中から弾き直すハプニングがありましたが,これもまた,演奏の強靭さを裏付けているように感じました。非常に激しくビブラートを掛けていましたので,切れても不思議でないかなと思わせるほどでした。

ただし,強靭だから良いというわけでもなく,金子遥亮さんの自然な表情の動きを持ったチェロの演奏を聞いて,実に人間的だなぁと感じました。最初に演奏した,外村理沙さんのヴァイオリン独奏によるバッハの無伴奏ソナタ第1番にも,内面から溢れてくる,しみじみとした味わいと暖かみが感じられました。各奏者が,演奏した曲に応じて,適切な表現で演奏しているのが素晴らしいと思いました。

後半に登場したナキョン・カンさんは,15歳に満たない方でしたが,全ての点でバランス良く,高い水準でまとまっているのが凄いと思いました。この方だけは,過去のIMA音楽賞受賞者ではないのですが,今後,「天才少女」として注目を集めるようになるのかもしれません。

ピアニストとしては,韓国のユリ・ノさんだけが登場しましたが,この方のラヴェル「ラ・ヴァルス」もお見事でした。前半のミステリアスな雰囲気から,華麗なワルツに変化し,ダイナミックに盛り上がっている曲想を非常にクリアに再現していました。

演奏会の最後は,吉江美桜さん(ヴァイオリン),牟田口遥香さん(チェロ),渡邉朋恵さん(ピアノ)による,ブラームスのピアノ三重奏曲第1番の第1楽章でした。ソロ演奏が続いた後,最後に室内楽で締めるというのは落ち着きますね。ヴァイオリンとチェロの2トップの音のハモリが大変心地よく,ピアノがそれをしっかりと支えていました。若々しさと同時に落ち着きを感じさせてくれる,トリに相応しい演奏だったと思います。

IMAのコンサートについては,22日に講師の先生方とOEKメンバーによる室内楽コンサートが行われます。それとの比較も大変楽しみです。

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