OEKのCD

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ

« IMA&OEKチェンバーコンサート 4曲のフランス系の室内楽作品をたっぷり楽しみました。特にレジス・パスキエさんの気迫がこもったフランクのピアノ五重奏曲が感動的 | トップページ | 今年の岩城宏之音楽賞は受賞者なし。その分,岩城宏之メモリアル・コンサートの方は,井上道義+OEKらしさをたっぷりある楽しめる内容に。やっぱり「ジュピター」は良い曲です。 #oekjp »

2017/08/27

山下一史指揮OEK+合唱団OEKとやま+藤原歌劇団のソリスト4人によるヴェルディのレクイエム(北陸初演)を富山で聞いてきました。さすがヴェルディ!という名曲。たっぷり楽しんできました #oekjp

昨年まで,毎年のように夏にOEKと共演してきた「合唱団おおやま」が,名称を「合唱団OEKとやま」と変え,ヴェルディの「レクイエム」をOEKと共演するということで,夏休み最後の日曜日,金沢から富山に出向いて,この大作を聞いてきました。1時間30分近くかかる大作ということで,私自身,これまで実演で聴いたことはありません。それどころか,今回が北陸初演ということです。

この曲については,強烈な4つの和音で始まる「怒りの日」の最初の方だけは,テレビの効果音などで,非常によく耳にするのですが,実演での全曲となるとなかなか聞く機会はありません。私の場合,大昔,FM放送からエアチェックをしていた時代には,何となく全曲を聞いた記憶はあるのですが(アバド指揮ミラノスカラ座のライブ録音とか),CD時代になってからは,なぜか聞かなくなってしまい,今回,久しぶりにじっくりと予習をしてから,聞きにいきました。

今回初めて実演を聞いた感想は,「ヴェルディの気合い入りまくりの曲だ!すごい」と,この曲の良さを,初めて肌で実感できました。私にとっては,CDやカセットテープ(古くてすみません)だと,何故か聞き通せない曲だったのですが,実演だと全く退屈することなく,オペラ風味をもった壮大な宗教曲を丸ごと楽しむことができました。

その理由は,今回の演奏の水準の高さによると思います。そして,そのいちばんの原動力になったのは,山下一史さんと「合唱団OEKとやま」の皆さんの長年の信頼関係の力だと思います。プログラムによると2002年の「合唱団おおやま」の第7回演奏会以降,山下さんとは14回目の共演とのことです。この強いつながりが,集中力と熱気を持った演奏のエネルギーになっていたと感じました。

そして,藤原歌劇団に在籍する,砂川涼子,鳥木弥生,所谷直生,伊藤貴之の4人のソリスト,兵庫芸術文化センター管弦楽団(PACオケ)のメンバーを加えて増強されたOEK。これらが一丸となって,「合唱団OEKとやま」のデビューコンサートに相応しい,充実感のある演奏を生んでいました。

今回の会場は,富山市役所のすぐ向かいにある,富山県民会館でした。以前に一度来たことがあるのですが,ホール全体がきれいにリニューアルされていました。音楽専用のホールではなく,多目的ホールなので,残響は少な目で,今回の大編成にしては,やや小さいと感じましたが,その分,迫力たっぷりの生々しい音楽をクリアに楽しむことができました。

有名な「怒りの日」については,大太鼓(OEKの渡邉さんが担当されていました)の音が壮絶に響き,弦楽器の細かい音の動きなども,くっきり聞こえました。大きな音の部分だけでなく,例えば,「怒りの日」の後半に出てくる,合唱のソット・ヴォーチェの部分(文字通り,声をひそめてソット歌う部分。この部分,個人的に好きな部分です)など,非常に生々しく聞こえ,ゾクゾクしました。曲の冒頭部も,CDでは,「小さすぎてよく聞こえない」ようなところもあるのですが,実演だと,そのエネルギー量が全然違うと感じました。

第2曲の「怒りの日」は,「怒りの日」から「涙の日」までが連続的に演奏されるセクエンツィアなのですが,この部分が,オペラの一つの幕を見るように多彩な音楽が詰め込まれていて,「やはり,ヴェルディはすごい」と思いました。

「怒りの日」は,熱狂的に荒れ狂う感じではなく,しっかりと迫力のある声の力を聞かせてくれました。改めて,100人以上からなる合唱団のパワーは素晴らしいと思いました。その後の「トゥーバ・ミルム」では,トランペットの別動隊が楽しみだったのですが,ホールの両袖の上の方(お客さんからは見えない場所)に居たようです。山下さんは,半分以上,客席の方に体の向きを変えて指揮されていました。この部分での,爽快に音が広がる立体感も素晴らしいと思いました。今回,オーケストラのメンバー表が付いていなかったのが残念だったのですが,恐らく,PACオケの方が活躍されていたのだと思います。

その後は,ソプラノとメゾソプラノによる二重唱,テノールの独唱など,「ほとんどオペラ?」みたいな部分が続々と出てきました。4人のソリストは,みなさん本当に素晴らしかったのですが(この4人でヴェルディのオペラを何か聞いてみたいものです),このセクエンツィアでは,金沢ではお馴染みのメゾ・ソプラノ,鳥木弥生さんの存在感が特に大きかったと思いました。鳥木さんの声には,聞いた瞬間,「ヴェルディのオペラだ」的な充実感がありました。特に「涙の日」での,文字通り泣かせる歌は素晴らしいと思いました。

そして,この「涙の日」の最後の部分の雰囲気が実にいいなぁと思いました。ちょっと明るく転調して,静かに終わる感じが,いかにも「ヴェルディのオペラにありそう」で,終結感と期待感が混ざったような後味を残してくれました。
第3曲から後も,「ヴェルディの総決算」のような色々な曲が続きました。「サンクトゥス」は合唱だけ,「アニュス・デイ」はユニゾン中心の素朴な感じの曲。「ルクス・エテルナ」は,ミサの中心である聖体拝領の場に相応しい神秘的な雰囲気がありました。

そして,最後の「リベラ・メ」では,レクイエム全体を回想するような,聞きごたえがありました。この部分では,ソプラノの砂川涼子さんの声が見事でした。「リアルな朗誦」のようなソロも印象的でしたが,合唱とソプラノが一体になった時の,中から浮き上がってくるような,高揚した声の力も素晴らしいと思いました。

最後の方で,「怒りの日」が再現したり,二重フーガが出てきたリ,合唱団の皆さんには,最後まで,エネルギーと集中力が必要だったと思いますが,素晴らしい盛り上がりを聞かせてくれました。二重フーガの部分では,ヴェルディの音楽がいちいち「ジャン,ジャン」と念を押すよう感じで,結構,泥臭い(?)感じもしたのですが,それが音楽全体の熱さにつながっていたと思いました。

今日の演奏については,休憩なしで一気に演奏されたのですが,先に書いたとおり,充実した時間を楽しむことができました。一気に演奏して良かったと思いました。

今年の夏は,7月中旬,大阪で聞いた井上道義さん指揮大阪フィルによるバーンスタインの「ミサ」で始まり,8月末の富山でのヴェルディのレクイエムで終わった感じです。とても良い「夏の思い出」となりました。本日の演奏を聞いて,「合唱団OEKとやま」の今後の活躍がますます楽しみになりました。毎年,夏の思い出作りに富山に来たいなと思います。

その一方,富山県民会館は,100人編成だとやや小さい気がしたので,残響の豊かな石川県立音楽堂コンサートホールで聞いてみたい気もします。ヴェルディのレクイエムは,北陸初演というほどには大編成ではなかったと思いますので(トランペットは大勢必要ですが),是非機会があれば,「金沢初演」にも期待したいと思います。

« IMA&OEKチェンバーコンサート 4曲のフランス系の室内楽作品をたっぷり楽しみました。特にレジス・パスキエさんの気迫がこもったフランクのピアノ五重奏曲が感動的 | トップページ | 今年の岩城宏之音楽賞は受賞者なし。その分,岩城宏之メモリアル・コンサートの方は,井上道義+OEKらしさをたっぷりある楽しめる内容に。やっぱり「ジュピター」は良い曲です。 #oekjp »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« IMA&OEKチェンバーコンサート 4曲のフランス系の室内楽作品をたっぷり楽しみました。特にレジス・パスキエさんの気迫がこもったフランクのピアノ五重奏曲が感動的 | トップページ | 今年の岩城宏之音楽賞は受賞者なし。その分,岩城宏之メモリアル・コンサートの方は,井上道義+OEKらしさをたっぷりある楽しめる内容に。やっぱり「ジュピター」は良い曲です。 #oekjp »

最近のコメント

最近の記事

最近のトラックバック