OEKのCD

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2017/10/18

OEK定期公演は#シュテファン・ヴラダー の弾き振りによるハ長調,ハ短調,ハ長調のオール・モーツァルト・プログラム。1カ月前の「ジュピター」と全く違う,ものすごく引き締まった演奏に感嘆。主張がすっきり伝わってくる素晴らしい公演 #oekjp

10月のOEKの定期公演フィルハーモニーシリーズは,「常連」になりつつあるシュテファン・ヴラダーさんによるモーツァルトのみによるプログラムでした。OEKの定期公演の場合,古典と現代曲を組み合わせることが多いので,「全部モーツァルト」というのは,意外に珍しいことです。今回はヴラダーさんが登場するということで,前半は弾き振りの形になっていました。

まずプログラムの並びが面白いと思いました。ピアノ協奏曲第21番→24番→交響曲第41番ということで,ハ長調→ハ短調→ハ長調という見事なシンメトリーになっていました。実は,「ジュピター」は,9月にも井上道義さん指揮OEKで聞いたばかりなので,2カ月連続の演奏だったのですが,これがまた,ガラッと違った雰囲気になっていました。

今回の公演はこの,指揮者によってガラッと変わってしまうOEKの適応力の素晴らしさに感動しました。この日のOEKは,バロック・ティンパニを使い,弦楽器のヴィブラートがほとんどない,古楽的な奏法が特徴的で,特に後半に演奏された「ジュピター」では,第1楽章の冒頭からハッとさせるような,体脂肪率ほとんどゼロといった感じの筋肉質で引き締まった演奏を聞かせてくれました。

井上さん指揮による「ジュピター」も,OEKによる演奏の一つの典型だった思いますが,それとは全く違うアプローチで,生気と力感に溢れる「ジュピター」を聞かせてくれたヴラダーさんの手腕は素晴らしいと思いました。

これはこの日演奏されたどの曲にも言えたのですが,指揮者の主張がスッと伝わってくるような論理的な明快さのようなものを感じました。情緒的に甘く溺れるようなところが全くなく,基本的に速目のテンポでビシッと引き締まった中に美しさのある音楽を聞かせてくれました。特に両端楽章は,これまでに聞いた「ジュピター」の中でも特に快速の演奏だったと思います。

ただし,第1楽章,第4楽章に加え,第2楽章も繰り返しを行っていたような感じで(多分),演奏時間は30分以上掛かっていたと思います。全く弛緩することのないクールさと明晰さに,ライブならではのスリリングさが加わった見事な演奏でした。第4楽章の最後の音が短くバシッと終わっていたのも実に爽快でした。

前半のピアノ協奏曲2曲も同様に速いテンポによる演奏でした。特に第21番はとても速いテンポだったと思います。個人的には,この曲については,第2楽章を中心に少々ロマンティックな甘さのある演奏が「デフォルト」になっているので,もっとおっとりとした演奏が好みではあるのですが,速いパッセージが続いても崩れることのない,一本筋のとおったような演奏も素晴らしいと思いました。

第24番の方は,よりベートーヴェン的な響きのする曲で,ヴラダーさんの演奏の硬質な感じにぴったりだと思いました。この曲も基本的に速いテンポで,甘さに溺れるようなところはありませんでした。それに加え,OEKの木管楽器とピアノとの「対話」が素晴らしく,短調と長調の陰影のコントラストだけではなく,ピアノと管楽器のコントラストも楽しむことができました。

ヴラダーさんはお客さんに背を向け,ピアノの蓋を全部取り外す形で演奏していました。そのせいもあるのか,ピアノの音は,オーケストラとしっかりと溶け合い,全体として室内楽的な雰囲気があると感じました。弾き振りならではの演奏だったと思います。

演奏後は,お客さんから盛大な拍手が起こると同時に,OEKメンバーも大歓迎しているようでした。OEKの音を,メンバーと一緒になって「自分の音」に変えたヴラダーさんの指揮者としての素晴らしさを楽しむことのできた演奏会でした。この日は,特にアナウンスはなかったのですが,ステージ上にマイクロフォンがかなり沢山並んでいました。もしかしたら何かの収録かレコーディングを行っていたのかもしれません。是非もう一度,聞いてみたい,完成度の高い演奏でした。

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