OEKのCD

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2017年3月5日 - 2017年3月11日

2017/03/11

何といってもジャケットが凄い,井上道義指揮「ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂」にしっかりとサインをいただいてきました。

本日行われたオーケストラ・アンサンブル金沢の定期公演の後のサイン会で,2月末に発売されたばかりの井上道義さんによる「ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂」(12枚組)にサインをいただいてきました。

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井上さん自身「これは相当値が上がるよー」と仰っていましたが,我が家のお宝にしておきたいと思います。サイン会の時,テーブルの上にこの全集を積み重ねており,「売りたい気持ち満々!」の井上さんでしたが,私が持参したのを見て,「ようやく来たか」という感じで喜んでくれました。

この全集は,10年ほど前に日比谷公会堂で行われた井上さん指揮によるショスタコーヴィチの交響曲全集のライヴ録音です(一部,昨年の「日比谷公会堂さよなら演奏会」の音源も入っています)。この全集企画については,井上さんの気合いが入りまくりだったのですが,それを収録した全集CDの方もかつてないものになっています。その心意気に惚れて(?),購入してしまいました。タワーレコードの通販でクーポンも使って購入したので,2000円近くは割引になりましたが,1万円以上のCDを買ったのは久しぶりです。

まずこのCDですが,次の写真のとおり,見るからに存在感があります。

As01m_20160116_190733_2

分厚い本を思わせる,特別仕様になっているからです。こういう発想は一体どこから出てくるのだろうか,とまず関心してしまいます。本の間にCDが入っている感じです。

As01m_20160116_190811_2
↑こうやって見ると,赤い部分が丁度8個あるので,タコの足のようにも見えます。まさにショスタコですね。

青と赤のコントラストの強い色合いの方も,ロシア・アヴァンギャルド的です。表紙が分厚い厚紙のような感じなので持ち運ぶのには不便で(本日も持参するのが結構やや大変でした),ページをめくるのもちょっと不便ですが,持っていて嬉しくなる感じです。

まだ一部しか聞いていないのですが,残響がほとんどない日比谷公会堂で収録しただけあって,冷酷なまでにくっきりとした感じで,当時のソヴィエト的な雰囲気にはぴったりなのではないかと思います。ショスタコーヴィチの交響曲を全部聞いたことがないのですが,これから,夜な夜な一枚一枚聞いていこうかと思います。

CDの詳細については,次のページなどをご覧ください。
http://tower.jp/article/feature_item/2016/10/21/1104

3.11東日本大震災の発生日に行われた井上道義指揮OEK定期公演。モーツァルトのレクイエムは大騒ぎすることのない抑制された演奏。ダニール・グリシンさん独奏のバルトークのヴィオラ協奏曲ともども音楽自体の美しさが伝わってきました #oekjp

3.11東日本大震災の発生した日に行われたOEKの定期公演マイスターシリーズは,井上道義さん指揮による,モーツァルトのレクイエムを中心としたプログラムでした。後から気付いたことですが,この大災害で亡くなられた方の魂を鎮めるための選曲と言えます。

ただし,演奏会の方は特に震災を意識したものではなく,演奏の方も大げさに感動を盛り上げるようなものではなく,しっかりと抑制の効いた質実さを感じさせるものでした。この日の演奏は,バイヤー版によるものとのことでしたが,その辺も関係していたのかもしれません(ただし,どの部分が違っていたのが,通常のジュスマイヤー版との違いは私にはよく分かりませんでした)。

特にOEKの演奏には,全曲を通してキビキビとした折り目正しさと透明感があり,宗教音楽に相応しい清潔感を感じました。OEK合唱団の方は,その上に情感のこもった歌を聞かせてくれました。こちらも大げさに叫ぶような部分はなく,全体的にしっかりと抑制された演奏の印象を持ちました。そのことが音楽自体の美しさが際立ち,感動をさらに深めていたと思いました(もっとドラマティックな音楽を期待していた人には,やや淡白に思えた面があったかもしれませんね)。

独唱者では,森麻季さんが,やや本調子でない気はしましたが,相変わらず天から降ってくるような軽やかで滑らかな声を聞かせてくれました。その他の3人も安定感のある声を聞かせてくれました。特にテノールの笛田博昭さんは,声自体の凛とした強さが素晴らしく,ひと際光っているようなでした。笛田さんの歌では,以前,「トロヴァトーレ」のいくつかのアリアを聞いたことがありますが,そのうち,OEKとの共演でのイタリア・オペラあたりを期待したいと思います。

この日のもう一つのハイライトは,ダイール・グリシンさんのヴィオラ独奏による,バルトークのヴィオラ協奏曲でした。この曲をOEKが演奏するのは初めてだと思いますが,グリシンさんの存在感のある豊かな音でしっかりと堪能させてくれました。曲の構成としては,静かな楽章2つの後,動きのある楽章で締める,ということで,バーバーのヴァイオリン協奏曲とちょっと似た部分もあると思いました(もちろん,バーバーの曲ほど親しみやすくななく,センチメンタルな部分も無いのですが)。

「ヴィオラは,人間の声にいちばん近い楽器」というのを何かの音楽番組でやっていましたが,グリシンさんの音はまさに人間の声のようで,一見晦渋な雰囲気の中から,親しみやすい情感であるとか,諦観のようなものが伝わってきました。

ちなみにこの日は,ヴィオラの客演の首席奏者として須田祥子さんも参加していました。グリシンさんと2人並んだモーツァルトの方は大変豪華メンバーでした。

モーツァルトとバルトークの最晩年の遺作を並べたプログラムでしたが,鎮魂の気持ちと同時に,人間らしい情感の豊かさや,生きていることのありがたみのようなことの伝わってくる公演だったと思います。

さて,この日ですが,予想通り井上道義さんとグリシンさんによるサイン会がありました。それを予想して,井上道義さん指揮による,日比谷公会堂でライブ録音した話題のショスタコーヴィチ交響曲全集を持参してみました。井上さんは大喜びでした。これについては,また別に紹介しましょう。

2017/03/05

第13回OEK&石川県学生オーケストラ合同公演。今年はサン=サーンス「オルガン付き」交響曲。上品な華やかさと熱気を持った聞きごたえのある演奏でした。OEKによるヤナーチェクも掘り出し物的な良い曲でした #oekjp

オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と石川県内の大学オーケストラメンバーによる合同公演,カレッジコンサート。2年ぶりに行われた今回は,サン=サーンスの交響曲第3番がメイン・プログラムとして演奏されました。この曲は,パイプオルガンを活用できる点で,石川県立音楽堂コンサートホールで演奏するのにぴったりの作品です。指揮は,2年前のカレッジコンサートにも登場したことのある松井慶太さんでした。

この演奏会は,1曲目と3曲目が合同演奏。2曲目にOEKの単独演奏が入るというのが定型となっています。今回もその形でした。最初に演奏された,スメタナの歌劇「売られた花嫁」序曲は,OEKの方がトップ奏者になる合同演奏でした。この曲もOEKが単独で演奏する機会は多くない曲ですが,大変安定感のある演奏でした。この曲は,冒頭の旋回するように降りてくるメロディ(「男はつらいよ」に雰囲気が似ていると思います)の後,弦の細かい音の刻みが続くのですが,それがくっきりと聞こえ,聞いていてワクワクとしました。生き生きとした気分と同時に,音楽が大らかさがあるのが良いと思いました。

2曲目に演奏された,ヤナーチェクの「弦楽のための組曲」という珍しい作品も大変楽しめました。この2曲目に入れる作品はOEK側で選んでいるようですが(1,3曲目の方は学生側で選んでいるようです),毎回,定期公演に出てこないような,「ちょっといい感じ」の掘り出し物的な曲が出てきます。ドヴォルザークやスークの作品に,「弦楽のためのセレナード」がありますが,このヤナーチェクの作品もその系統の作品で,せつなくなるような,ほのかな甘さと,生き生きとした民族的な感じとがバランスよく合わさった曲でした。ヤナーチェクの室内楽といえば,もっと意味深な曲というイメージを持っていたのですが,こういう素直な曲も良いなと思いました(かなり若い時の作品のようです)。

後半は,学生側がトップになる形の合同演奏で,サン=サーンスの「オルガン付き」が演奏されました。OEKがこの曲を演奏するのは...初めてではないかと思います。この曲は,CDでも楽しめる曲ですが,やはり生のパイプオルガン付きの生演奏の威力にはかないません。第1楽章後半の静かな部分では,ホール一杯に静かに広がるパイプオルガンの低音が加わることで,弦楽器のカンタービレの魅力が10倍増(推測です)ぐらいになっていました。

そして,第2楽章後半の最初に格好良く盛大に入り,音楽が生気を増し,大きく盛り上がって行きます。今回は音楽堂のオルガンをいちばんよく演奏している黒瀬惠さんの演奏ということで,オーケストラとのバランスがとても良く,この曲を上品かつ華やかに楽しませてくれました。

この曲では,第2楽章前半のスケルツォ風の部分にピアノが入るのも好きです。オルガンと対照的に,ピアノが加わることで,音楽に透明感と軽やかさが加わる感じで(「動物の謝肉祭」の「水族館」と通じる部分がありますね),サン=サーンスの楽器の使い方が巧いなぁといつも思います。

そして合同オーケストラの演奏も立派でした。曲の最初の部分などは,やや恐る恐る始まっている感じもしましたが,フレーズを誠実に積み重ねながら,次第に大きな音楽を作って行くような雰囲気がしっかりと伝わって来て,大変聞きごたえがありました。何よりも音に込めた熱気のようなものが常に感じられました。曲の最後は,ティンパニの気合いのこもった連打を中心にビシッと締めてくれました。

演奏時間的には,全体で約90分ということで短めでしたが,どれも大変充実した演奏だったと思います。この時期は,大学生の授業が終わっており,お客さんの動員的にはやや厳しいところがあるような気がしますが,これからどんどん春らしくなっていく季節の気分にぴったりの演奏会でした。

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