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2017年9月3日 - 2017年9月9日

2017/09/03

北國新聞赤羽ホールで行われた「若き才能の輝き『いしかわ国際ピアノコンクール』から世界に羽ばたく」という演奏会で,4人の若手ピアニスト(塚田尚吾,中川真耶加,小嶋稜,竹田理琴乃)の力の入った演奏の競演を楽しんできました

本日は,北國新聞赤羽ホールで行われた「若き才能の輝き『いしかわ国際ピアノコンクール』から世界に羽ばたく」という4人の若手ピアニストが登場する演奏会を聞いてきました。登場したのは,過去,このコンクールに登場し,優秀な成績を収めたことのある,塚田尚吾 さん(富山出身),中川真耶加さん (愛知県出身),小嶋稜さん (大阪府出身),竹田理琴乃さん (石川県出身)の4人でした。

塚田さんと竹田さんについては,今年の春に行われたガルガンチュア音楽祭でのベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏に参加するなど,金沢の音楽ファンにはお馴染みの方です。今回聞きに行こうと思ったのは,塚田さんや竹田さんと同世代の実力のある若手が一気に聞けることと,演奏された曲の渋さにあります。今回演奏された曲を並べると次のとおりだったのですが,「さすらい人」幻想曲を除くと,かなりマニアックな雰囲気の曲ばかりです(塚田さんの演奏した「死の舞踏」は,以前,塚田さんの演奏でどこかで聞いたことがあります)。

塚田尚吾 (富山)
メンデルスゾーン/幻想曲 嬰ヘ短調「スコットランド・ソナタ」op.28
リスト/死の舞踏:怒りの日のパラフレーズによるS.525/R.188

中川真耶加 (愛知)
ショパン/マズルカ op.50
バーバー/ピアノソナタ

小嶋 稜 (大阪)
J.S.バッハ:トッカータ ホ短調
シューベルト:幻想曲 ハ長調 D.760「さすらい人」

竹田理琴乃 (金沢)
ヴェルディ=リスト/「アイーダ」より 神前の踊りと終幕の二重唱 S.436/R.269
ブラームス /7つの幻想曲 op.116~第1,2,3番

個人的には,未知の曲を開拓していくことと,未知の演奏者を聞くことが大好きなので,その両方を目当てに聞いてきました。

今回特徴的だったのは,各奏者が自分自身のことや選んだプログラムについて,5分程度のスピーチを行ったことです。このコンクールでも曲についてのスピーチを行ってもらっているようですが(他に例はあまりない?),スピーチとセットで聞くと,楽しみが増すなぁと思いました。お客さんが喜ぶような話をしたり,曲についての説明をすることは,一種,「常識的な発想」が必要になります。「アーティストは演奏の内容だけで勝負」というのが理想だとは思いますが,日常的にお客さんがほとんど予備知識を持っていないクラシック音楽(特に今回のようなマニアックなプログラムの場合)を聞かせるという場合,演奏者によるトークはかなり重要だと思います。今回の演奏を聞いて改めてそう思いました。

今回の演奏は,4人とも大変水準が高く,どの演奏も面白く聞くことができました。塚田さんの演奏では,最初に演奏されたメンデルスゾーンの「スコットランド・ソナタ」という曲がいいなと思いました。スコットランドのひんやりとした空気を感じさせてくれるような,良い曲だと思いました。「死の舞踏」の方は,もはや十八番という感じだと思いました。

中川さんは,しっとりとした落ち着きのある流れをもったマズルカに続いて,バーバーのピアノ・ソナタが演奏されました。中川さんのトークの解説の後に聞いたこともあり,一見,難解そうな作品(ホロヴィッツが演奏していた曲だそうです)をとても面白く聞くことができました。各楽章に際立った個性のある曲で,大変鮮やかな演奏だったと思います。今回の演奏会のいちばんの収穫でした。

小嶋さんの演奏は,かなり個性的な歌わせ方をするピアノだったと思います。シューベルトの「さすらい人」幻想曲は,シューベルトの曲の中でも特にダイナミックで技巧的な作品ということもあり,速いパッセージでは少々窮屈な感じに聞こえる部分がありましたが,第2楽章に当たる部分でのメロディの歌わせ方が素晴らしいと思いました。

最後の竹田さんについては,毎回毎回レベルの高い演奏を聞かせてくれて感心するばかりです。最初の曲は,ヴェルディの歌劇「アイーダ」の中のメロディをリストがパラフレーズしたものでした。初めて聞く曲でしたが,ちょっとエキゾティックなメロディを豊かな情感を伴って鮮やかに演奏しており,一気に曲の世界に引き込まれました。ブラームスのop.116の中からの3曲についても,一見地味な印象のある曲の中から,くっきりとした情感の動きが引き出されていました。

4人の演奏を聞いて,演奏者それぞれに,音楽の流れのようなものを持っているなぁと思いました。演奏者それぞれに,呼吸のタイミングのようなものがあり,それが演奏全体に反映していると感じました。それは曲によっても変わるし,誰が良いというものでもないのですが,その違いを楽しめることが,こういった複数の奏者が登場する演奏会の楽しみだと感じました。

いしかわ国際ピアノコンクールについては,やはり,もう少し広報に力を入れてもらい,ピアノに関心がない人にもピアノ演奏に目を向けてもらう機会になれば,良いなと思います。4人それぞれに30分以上演奏していたので,トータルで2時間30分ぐらいかかりましたが,定期的に行っても良い企画だと思いまいした。

PS. 演奏会のサブタイトルに「百万石歴史のみち交流祭」と書いてありました。これが少々謎でした。

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