OEKのCD

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2017年9月10日 - 2017年9月16日

2017/09/16

#金沢ジャズ・ストリート2017 オープニングコンサート@石川県立音楽堂 伝説的なジャズピアニスト #秋吉敏子 さんのソロ,#マッズ・トーリング &村上寿昭/OEKの共演による独創性あふれる「ヴァイオリン協奏曲」を楽しんできました #oekjp

金沢市内で毎年9月に行っている「金沢ジャズ・ストリート2017」のオープニングコンサートにOEKが登場し,ジャズ・ヴァイオリン奏者のマッズ・トーリングと共演。さらには伝説的なジャズピアニスト,秋吉敏子も登場するということで,秋の3連休の初日の午後,石川県立音楽堂コンサートホールに聞きに行ってきました。

金沢ジャズ・ストリート(KJS)も今年で9回目で,ラ・フォル・ジュルネ金沢とほぼ同様の歴史を持っているのですが,実はこれまで1回も有料コンサートを聞いたことがありませんでしたが,OEKが出演するとなると,OEKファンとしては聞きにいかないわけにはいきません。

KJSは,ラ・フォル・ジュルネのように,45分単位でハシゴをするようなスタイルではなく,有料公演については通常の公演ぐらいの長さ(ジャズの演奏会の長さはよく知らないのですが...)があります。この日の公演も,前半が秋吉さんのソロ,後半がトーリングさんとOEKの共演から構成された,約2時間の公演でした。

前半に登場した秋吉敏子さんは,日本のジャズピアニストで初めて世界的に活躍された方です。年齢のことを言うのは失礼かもしれませんが,クラシック音楽のピアニストで言うと,イェルク・デームスあたりと同世代になります。80代のピアニストが現役で活躍されているというだけで,素晴らしいのですが,その演奏も味わい深いものでした。

秋吉さんは,トークをまじえつつ,全部で7曲演奏されました(配布されたプログラムは8曲になっていましたが,一部省略したようです)。今日は,3階で聞いたこともあり,やや音圧的には遠く感じ(ピアノの蓋をあまり開けていなかったせいもあるかもしれません),速いパッセージについてはスムーズでない部分はあった気はしましたが,特にしっとりとした雰囲気をもった曲での,淡々とした語り口が実に味があると思いました。

「毎回,演奏会の最後に演奏しています」という「ホープ」という曲(広島や長崎への原爆投下に関する秋吉さんの自作の曲でデューク・エリントンに捧げた長い曲の最後の部分,という説明をされていたと思います)が,今回も最後に演奏されたのですが,この曲での,どこか爽快さと前向きな気分のある演奏は素晴らしいと思いました。

後半は,デンマーク出身のヴァイオリニスト,マッヅ・トーリングさんが登場し,村上寿昭指揮OEKと共演しました。こちらの方は,OEKの定期公演で言うところの,ファンタスティク・オーケストラコンサートのような雰囲気があると思いました。トーリングさんはのヴァイオリンについては,バランスが悪くならない程度にPAを使っており,リラックスした余裕のある音がしっかりとホール全体に広がっていました。

演奏の技巧的にも素晴らしく,時折,「粋なポルタメント」のような奏法を交える以外では,通常のクラシックの演奏会と大きな違いはないと感じました。その点で,ジャズの本道(?)という感じではなく,クロスオーバー的な雰囲気がありました。

その点については,トーリングさん自身も意識しており,「餅アイスクリーム(どこで食べたのでしょうか?私も好きです)」のように,色々な音楽をフュージョンするのが私の音楽と語っていました(英語で言っていたので細かい部分は分かりませんが)。

特にデンマーク出身という北欧のテイストや民族音楽的な親しみやすさの要素が入っているのが大きな個性になっていると思いました。特に最後に25分ぐらいかかる「Begejstring(デンマーク語で「心からの喜び,熱狂」といった意味)というタイトルを持った,3楽章からなるヴァイオリン協奏曲的大曲が非常に面白い作品でした。

通常の協奏曲のように,堂々と始まった後,中間楽章で叙情的になり,最終楽章は大きく盛り上がるというクラシカルな構成でしたが,前述のとおり,色々なジャンルの要素を巧く盛り込んでおり,飽きることなく楽しめる作品となっていました。OEKの定期演奏会で演奏してもおかしくない曲かな,と思いつつ聞いていたのですが,最終楽章のカデンツァ風の部分になって,やはりこれは即興性を重視する何でもありのジャズだなと感じました。

トーリングさんの足元に何か機械が置いてあるのは気になっていたのですが,これを足で操作しながら,事前に仕込んでおいた音源(テンポが結構変化していました)が流れ,それに合わせて,トーリングさんが熱狂的に弾きまくります。各楽章ごとに面白い聴きどころがあったのです,やはりこの部分が全曲の見せ場だったかもしれません。

この曲はトーリングさん自身の作曲ということで,クラシック音楽の作曲家としても,とても面白い存在だと思いました。トークの雰囲気からもどこか知的な雰囲気を感じさせてくれ,今後さらに,国際的にもジャンル的にも,色々な境界を乗り越えて活躍するアーティストとして活躍していくのではないかと感じました。

そして,最後に秋吉さんが再度登場し,トーリングさんとの「50歳差デュオ」で大変リラックスした雰囲気のある演奏を聞かせてくれてお開きとなりました。

全体として,石川県立音楽堂コンサートホールは,ジャズを聞くホールとしてはやや大きすぎる印象でした。結構,お客さんはマジメというか,クラシック音楽のコンサートとほぼ同じ雰囲気だったと思いました。ジャズについては,お客さんの方がもっとリアクションを示しながら聞くのかと思っていたのですが,やはり,音楽堂という場所だとクラシックと同様になってしまうのかもしれませんね。特に秋吉さんの演奏については,聴衆との一体感が感じられるような場所の方が本当は良かったのかなと思いました。

ただし,私としては,いつものOEKの演奏会と同様の気分で2人のアーティストの演奏を楽しめた演奏会でした。

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