OEKのCD

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2017年2月19日 - 2017年2月25日

2017/02/19

マルク・ミンコフスキ指揮OEK 「セヴィリアの理髪師」。演奏会形式のメリットを生かし切った,音楽も歌手も縦横無尽に動き回る,最上のエンターテインメントでした. #oekjp

OEKは1月に,「蝶々夫人」を演奏したばかりですが,2月の定期公演フィルハーモニーシリーズでは,ロッシーニの人気オペラ「セビリアの理髪師」の全曲が演奏会形式で演奏されました。

今回は,何といってもマルク・ミンコフスキさんがこのオペラをどう聞かせてくれるかが注目でした。恐らく,現在の欧米のオペラハウスでも最高レベルの生きの良い歌手たちを自由自在に歌わせ,動かし,絡ませ,素晴らしく豪華で楽しいオペラを楽しませてくれました。たっぷりとメロディを歌わせる伝統的なイタリア・オペラとはちょっと肌合いは違う気はしましたが,現代的なシャープさを感じさせながらも,暖かみのある幸福感のある世界を作ってくれました。最上のエンターテインメントだったと思いました。

今回は大道具を全く使わず,「椅子」「理髪店セット」「お手紙セット」ぐらいしか小道具もなかったのですが,そのことによって,歌手たちが,本当に縦横無尽にホール内を動き回っていました。客席から登場したり,パイプオルガンステージを使ったり(バルコニーの設定なので丁度よかったですね),オーケストラの背後のステージを使ったり...ロッシーニの音楽の持つ躍動感を視覚的にも表現していました。

このオペラについては,第1幕の前半の方に有名なアリアが集中しているのですが,それにも増して,各幕切れでの,5重唱,6重唱といったアンサンブルが見事でした。オーケストラの演奏がはっきりと聞こえるのが演奏会形式のメリットです。大太鼓のビートの上に生き生きとした音楽が続き,さらにその上で歌手たちが,表情豊かな歌を聞かせてくれました。

アルマヴィーヴァ伯爵役のデヴィッド・ポーティロ,ロジーナ役のセレーナ・マルフィ,フィガロ役のアンジェイ・フィロンチクの3人は,いずれも若々しく,瑞々しく,くっきりとした歌を聞かせてくれました。特に伯爵役のポーティロさんの声は大変軽やかで,この役柄にぴったりでした。今回は,第2幕の最後,通常カットされることの多い,伯爵による長いアリアが歌われましたが,この技巧的なアリアをしっかりと聞かせてくれたことで,このオペラの主役は伯爵だったのだな,ということが改めてよく分かりました。

最後に「伯爵の身分を明かして,うまく収まる」というのは,「水戸黄門」的な感じで,それをさらに念を押すようなところもありましたが,一流の歌で聞くと意味合いが変わります。オペラ全体の充実感がアップした感じでした。その分,全員が出てきて,丸く収まる大団円の部分は,大変軽快でした,

このオペラの中の悪役(憎めない悪役ですが),バルトロ役のカルロ・レポーレさんも素晴らしかったですね。貫禄たっぷりの声で,見事なコメディアンぶりを楽しませてくれました。今回の上演が大きく盛り上がったいちばんの立役者だったと思います。

その他の歌手は,若手日本人歌手が参加していました。特にバジーリオ役の後藤春馬 さんが堂々とした声で,欧米の歌手たちとしっかり絡んでいるのが印象的でした。地元石川県出身のベルタ役の小泉詠子さんも,大騒動の中で唯一,クールな役柄で,しっかり存在感を出していました。

ミンコフスキさん指揮の作る音楽は,所々,ちょっとミステリアスな感じのあるテンポの変化や音量の変化を付ける部分があるのが特徴ですが,全曲を通じて,何とも言えぬ大らかさがあり,一緒にオペラを楽しんでいるような感じでした。上演時間は休憩を含めて3時間ぐらいかかりましたが,恐らく大半のお客さんはとても時間が短く感じたのではないかと思います。今後もミンコフスキさん指揮によるオペラに期待をしたいと思います。ミンコフスキさんが得意とするオッフェンバックのオペラあたりどうでしょうか?

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