OEKのCD

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2018/01/06

2018年の「演奏会初め」は,#フォルクハルト・シュトイデ さんのリードによるOEK定期公演。新年早々,ウィーン直送の正しいニューイヤーコンサートを楽しみました。そして,MVPは鍛冶屋担当の #グンナー・フラス さん! #oekjp

2018年最初のコンサートは,OEKのニューイヤーコンサートでした。この演奏会については,10年ぐらい前までは,マイケル・ダウスさんの弾き振りによるシュトラウス・ファミリーのワルツやポルカが定番だったのですが,その後は,声楽を交えたプログラム,古楽を交えたプログラムなど「ウィーン風」にこだわることなく,色々なタイプのコンサートが行われてきました。

今年のニューイヤーコンサートは,今年の1月1日にウィーンでリッカルド・ムーティの指揮の下,ニューイヤーコンサートを行ってきたばかりの,ウィーン・フィルのコンサートマスター,フォルクハルト・シュトイデさんをリーダー&ソリストに迎えての楽しい演奏会となりました。

今年のウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート(不思議なめぐりあわせですが,本日,演奏会と同じ時間帯にNHKで再放送をしていましたね)を観たとき,「もしかしたら1月6日に金沢に来るシュトイデさん?」と思った方も多かったと思いますが,本日の演奏を聞いて,まさに産地直送のウィーンの空気を運んでくれたように感じました。それにしても新年早々,シュトイデさんもハードスケジュールです。

演奏会は前半,ウェーバーの「オベロン」序曲とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(シュトイデさんがソロ)が演奏された後,後半にシュトラウス・ファミリーの音楽が演奏されました。

ウェーバーの「オベロン」序曲は,OEKが演奏するのは初めてかもしれません。個人的には魅力的なメロディが次々湧いて出てくる感じが大好きな曲です。新年最初にこの曲を聞けて,まず良い気分になりました。シュトイデさんは,通常のコンサートマスターの席に座り,リードする動作も必要最小限でしたが,そういったところに職人的な雰囲気を感じました。とろんとした感じの序奏とキビキビと妖精が動き回るような主部とのコントラストが鮮やかかつ自然で,この曲の魅力をストレートに味わうことができました。

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の方は,昨年は神尾真由子さんの演奏で聞きましたが,その演奏とは対照的な気分のある演奏でした。まず,ステージ中央にビシッと立つシュトイデさんの姿が凜々しかったですね。音楽の方もグイグイと攻めるようなテンポで始まりました。シュトイデさんのヴァイオリンについては,音には甘い香りがあるけれども,表現としては引き締まっており,さすがウィーン・フィルのコンサートマスターというバランスの良さがあると感じました。

最初の部分は,オーケストラとのテンポ感が少し合わない感じもしましたが,段々と一体となって音楽が流れて行きました。じっくりとテンポを落とした第2主題の静謐な雰囲気もとても良いと思いました。耽美的になりすぎない第2楽章では,その分,曲の素朴で親しみやすい味のようなものを感じました。第3楽章も,自由自在に羽ばたくというよりは,OEKと一体となって音楽を楽しむような,室内楽的な気分がありました。ソリスティックな華やかさよりは,指揮者無しのアンサンブルのスリリングさ(?)であるとか,楽しさを感じさせてくれるような演奏だったと思います。

さて後半です。最初に演奏された「こうもり」序曲を聞いて,「正しい「こうもり」だ!」と思いました。この曲については,実演でもCDでも何度も聞いてきた曲ですが,テンポ感であるとか間の取り方であるとか,すべての点で,「これだ!」と思わせるフィット感がありました。安易に「本場の演奏」と言いたくはないのですが,シュトイデさんは,ウィーンで「こうもり」を毎年のように演奏しているはずなので,今回,そのエッセンスがしっかりとOEKに伝えられたのではないかと思いました。

その後も楽しい演奏の連続でしたが(特にエドゥアルト・シュトラウスの「テープは切られた」は,リアルに鉄道を描写しており気に入りました),何と言っても「鍛冶屋のポルカ」が最高でした。これからOEKのニューイヤーコンサートに行く人には「ネタばれ」になってしまうのですが,鍛冶屋担当のグンナー・フラスさんのパフォーマンスが最高でした。

鍛冶屋をイメージするエプロンを付けて,ステージ中央に登場。ソリスト気分満々でシュトイデさんやヤングさんと握手。さらには何とチューニングも開始。オーボエのAの音を受けて,金床をカーンと叩く,というパフォーマンス(個人的には,これがいちばん受けました)。その後もバッグ(「鍛冶屋さん背セット一式」という感じでしたね)から,飲み物を取り出したり,新聞を取り出したり...周到に準備された,楽しいパフォーマンスに拍手大喝采でした。そして,何よりも金床のカーンと冴えた音。この音自体素晴らしいと思いました。

など,珍しい作品も交えてプログラムが進み,最後は定番中の定番の「美しく青きドナウ」で締められました。この演奏でも,序奏の弦楽器の弱音トレモロの音の後にホルンの音が聞こえてくると,「ドナウ!」という気分になります。そして主部がゆったり始まると...ウィーン国立歌劇場のバレエが見えてくるような錯覚になります。こうもり同様,「正しいドナウ」という安心感のある演奏でした。

アンコールはもちろん,聴衆が手拍子で参加するラデツキー行進曲した。井上道義さん指揮のニューイヤーコンサートの時は,あえてこの曲を外しているようなところがありましたので,考えてみると久しぶりかもしれません。テンポは,(私の感覚では)今年のムーティ指揮ウィーン・フィルと同じくらいだと思いました。和気あいあいと楽しむのに最適のテンポでした。

というようなわけで,今年のニューイヤーコンサートでは,産地直送のウィーン風ニューイヤーを楽しむことができました。OEKは今後,富山県射水市,東京,大阪でも同様のコンサートを行いますが,指揮&ピアノはシュテファン・ヴラダーさんになります。恐らく,シュトイデさんの演奏とは一味違った演奏になると思います。金沢で楽しんだ後,もう一度楽しみたい方も含め,是非お出かけください。

PS.今年も恒例の「たろう」さん提供の「どら焼き」のサービスがありました。今年はピーナッツ味ということで,どういう味か今から楽しみたいと思います。

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