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2018年4月

2018/04/29

風と緑の楽都音楽祭2018開幕。#石川県立音楽堂 では #横山幸雄 #森麻季 などスターの揃ったオープニング・コンサート。#三戸大久 さんの素晴らしい声と #ヘンリク・シェーファー 指揮 OEKの新鮮な響きは春の雰囲気にぴったり  #ガル祭

今年で2回目となる,いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭が開幕しました。ラ・フォル・ジュルネ金沢の頃から,この日はほとんど毎年晴れていた印象があるのですが,今年も大変気持ちの良い,少々暑いぐらいの好天になりました。

今年は開幕ファンファーレには行かず,午後のオープニング・コンサートから参加しました。演奏会の前に,前田家の当主で音楽祭の実行委員長である利祐氏,谷本石川県知事,山野金沢市長のあいさつが入るのもすっかり恒例です。

オープニングコンサートは,NHK朝ドラ「花子とアン」に出演していた,サラ・マクドナルドさんが日本語で司会を担当しました。ヘンリク・シェーファーさん指揮のOEKに加え,ピアニストと歌手が複数登場していましたので,ガラコンサートのような構成となっていました。

個人的には,昨年のように,大曲を全部演奏するような構成の方が好きですが,音楽祭全体の「予告編」として考えれば,とてもバランスの良い内容になっていたと思います。今回の音楽祭の「最初から最後まで」OEKを指揮するのが,ヘンリク・シェーファーさんですプロフィールによると「クラウディオ・アバドの指名でベルリン・フィルのアシスタント・コンダクターを務めたことがある」と言うことで,確かにアバドに通じるものがあるかもと感じました。

最初に演奏されたモーツァルトの「劇場支配人」序曲をはじめとして,すっきりとした透明感をベースに,キビキビとした音楽を聞かせてくれました。古楽奏法という感じではなかったのですが,ティンパニのくっきりとしたアクセントなど,強弱の付け方がとても新鮮だと思いました。モーツァルトの交響曲第40番は,第1楽章のみの演奏でしたが,5月3日以降での本公演での演奏が大変楽しみになってきました。

続いて登場したのが,川下新乃さんという小学校4年生の女子でした。今回オーディションで選ばれた方で,モーツァルトのピアノと管弦楽のためのロンドを見事に演奏しました。優しく,しっかりと弾かれたピアノも素晴らしかったのですが,それを包み込むOEKの演奏にも愛情が溢れていました。

ちなみにこのロンドですが,ラ・フォル・ジュルネ金沢でモーツァルトを取り上げた際もオープニングコンサートで演奏されたことを思い出しました。「チャン チャン チャン 休み/チャン チャン チャン 休み/チャン チャン チャン チャン チャン チャン チャン 休み」とういうリズムで始まる曲ということで...見事に三三七拍子の曲です。

続いて「大人のピアニスト」,おなじみ横山幸雄さんが登場し(衣装は,いつもどおりのソムリエ風のチョッキでした),モーツァルトのピアノ協奏曲第20番の第2楽章と第3楽章が演奏されました。何よりも第2楽章の音が美しかったですねぇ。さりげないのに素晴らしく磨き上げたような音でした。第3楽章もお見事だったのですが,この楽章については,もう少し「ひっかかり」のようなものがあって欲しいかなと思いました。

その後は歌手たちが続々と登場しました。最初は,こちらもお馴染みのソプラノの森麻季さんが登場。アレルヤを歌いました。3楽章からなるモテット全曲ではなかったので,後から考えると,非常に出番は短かったのですが,いつもどおりの天から降ってくるような軽く柔らかな声を聞かせてくれました。

その後,もう一人のソプラノのマリア・サバスターノさんが登場し,ドン・ジョヴァンニの中の「あの人でなしは私を欺き」が歌われました。森さんとは対照的に,やや暗めの強い声の方で,このアリアの雰囲気にぴったりでした。

続いて,プログラムに書かれていない曲が「サプライズ」のような形で演奏されました。登場したのは,マリンバの神谷紘美さんと田嶋翠さんで,お二人の二重奏でトルコ行進曲が客席の中程で演奏されました。軽やかさと迫力を兼ね備えた,表現力の豊かな演奏を間近で楽しむことができました。

そしてそのままマリンバ2曲目に突入...と思わせつつ,「フィガロの結婚」の中の「もう飛ぶまいぞこの蝶々」にするっと切り替わり,客席から三戸大久さんが登場。客席からフィガロが登場というのは,キャラクターにぴったりかもしれません。

そして三戸さんの声が素晴らしかったですね。すべてを包み込むような暖かさと豊かさを持った,惚れ惚れとする声でした。

最後,三戸さんとサバスターノさんの二重唱で,ドン・ジョヴァンニの中の「お手をどうぞ」が歌われてプログラムは終了したのですが,やはり,この曲で締めるのも少々弱い部分がありましたので,やはりアンコールが演奏されました。

演奏されたのは...ヨハン/シュトラウスの「こうもり」の中の「シャンパンの歌」でした。ここまでモーツァルト尽くしで,最後だけ別の作曲家というのは「?」の面もありましたが,ガラ・コンサートの締めにはぴったりの曲でした。

本日の夜に行われる演奏会も「ベートーヴェンの第9の第4楽章」ということで,個人的には「?」なのですが,この辺の「細かいところは気にしない,コンセプトのアバウトさ」が,ガル祭の特徴と言えるのかもしれません。

というわけでこれから5月5日まで,今週いっぱいはモーツァルト漬けで過ごしたいと思います。

2018/04/14

#クリストフ・エッシェンバッハ 指揮 #トンヨン・フェスティバル・オーケストラ アジアツァー 最終日の金沢公演。スケールの大きく,新鮮さのある「新世界」 #ツィモン・バルト との共演による深すぎるガーシュイン 聞き応え十分でした

韓国のトンヨンを中心に,世界のトップアーティストが集うトンヨン国際音楽祭という音楽祭が毎年行われています。その音楽祭の中心を担うオーケストラとして結成されたのがトンヨン・フェスティバル・オーケストラです。このオーケストラのアジア・ツァーの最終日の公演が金沢の石川県立音楽堂コンサートホールで行われたので聴いてきました。指揮はクリストフ・エッシェンバッハでした。

このオーケストラは,2015年にもクリストフ・ポッペン指揮で金沢公演を行っているのですが,今回の注目は何と言っても,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)のメンバーが大々的に参加していることです。その他,香港シンフォニエッタのメンバーも加わっています。今回のツァーでは,これらのオーケストラの出身国を巡る形で,韓国,香港,金沢で演奏会が行われました。

もう一つの注目は,現代を代表する巨匠指揮者と言ってもよい,エッシェンバッハさんがアジアの多国籍オーケストラとどういう音楽を作るのだろうか,という点です。エッシェンバッハさんは,昨年はNHK交響楽団に客演し,ブラームスの全交響曲やベートーヴェンの第九を指揮されましたが,本日演奏されたドヴォルザークの交響曲第9番「新世界から」もそれらに連なるような大変スケールの大きな演奏だったと思います。

「新世界」については,超人気の名曲過ぎて,奏者側からすると新鮮味が薄く感じられる可能性があります(OEKの場合は,室内オーケストラなので,滅多に演奏しませんが)。今回のトンヨン・フェスティバル・オーケストラの演奏は,一期一会的な音楽祭用のオーケストラということもあり,響きが大変新鮮だと思いました。エッシェンバッハさんの指揮については,かなり大仰な演奏になるのでは,と予想していたのですが,第2楽章,第3楽章については,むしろ速目のテンポで,大変前向きな感じのする演奏でした。

第1楽章の最初の序奏部から提示部に掛けては,所々で,深く思いに耽るような意味深い間のようなものがあり,「エッシェンバッハさんらしいなぁ」と思いましたが(特に第1楽章提示部の繰り返しをする瞬間,大見得を切るようにテンポを落としていたのが,特徴的でした),楽章が進むにつれて,次第にシンフォニックな充実感を持った,スケールの大きな音楽へと発展していくようでした。

第4楽章では力強さと同時に,途中,ファンタジーの世界に飛翔するような雰囲気がありました。最後の部分で大きく盛り上がった後,澄んだ音を長く伸ばし,フッと終了。この何とも言えない清潔感と儚さも素晴らしいなぁと思いました。

個性的な演奏という点では,ツィモン・バルトさんをソリストに迎えてのガーシュインのピアノ協奏曲が大変個性的でした。実演で聴くのは初めての曲でしたが,軽い音楽と思われがちなガーシュインをこれだけ濃く深く演奏し尽くしたバルトさんの力量に感服しました。気軽に楽しく楽しみたいという人には,重過ぎる演奏だったかもしれませんが,ここまで徹底すると,「もしもブラームスがジャズの影響を受けたら...」といった趣が感じられ,すごいと思いました。エッシェンバッハさんの演奏の方向性ともよく合ったピアニストだと思いました。このコンピならではのガーシュインだったと思います。

アンコールでは,スコット・ジョップリンのラグタイム音楽の中から「イージー・ウィナー」が演奏されました。あまりにも重厚なラグタイムで,最初はミスマッチかなと思ったのですが,次第にそれがユーモアとなって感じられました。

この2曲以外にも,トンヨン出身の作曲家ユン・イサンの「Bara」という,かなり前衛的な作品が最初に演奏されました。トンヨン国際音楽祭は,現代音楽も積極的に取り上げているようで,今回の演奏についても,確かにとっつきにくかったのですが,点描的な音を持つ,意味深さのようなものを感じることができました。

このオーケストラのメンバーの中には,元OEKのティンパニ奏者だった,トム・オケーリーさんが加わっていたのですが,相変わらず迫力十分の演奏で,各曲とも演奏全体を引き締めていたのも印象的でした。「新世界」の2楽章のイングリッシュ・ホルンの演奏も,OEKの水谷さんが担当するなど,要所要所でOEKメンバーがしっかりと活躍していたのが嬉しかったですね。

個人的には,3年前の時のように,金沢では滅多に聞けない,マーラーの交響曲辺りを取り上げて欲しいなという思いもあったのですが,聞き慣れた名曲を新鮮な響きとスケールの大きな表現で楽しむことができたのは良かったと思います。この音楽祭には,毎回,有名指揮者やソリストとが登場していますが,今後,さらにアジアを代表する音楽祭へと発展し,金沢公演の方も継続して欲しいと思います。

2018/04/03

#植村太郎,#鶴見彩 デュオ・リサイタル 満開の夜桜にぴったりの,充実のブラームス「雨の歌」,シュトラウス,R.ヴァイオリン・ソナタ他でした。

満開の桜の中,植村太郎さんのヴァイオリンと鶴見彩さんのピアノによるデュオ・リサイタルが,金沢市アートホールで行われたので聞いて来ました。聞きに行こうと思ったのは,リヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタとブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番という大曲2曲が演奏されることです。特にリヒャルト・シュトラウスの方は,近年,人気が出ている曲ですが,金沢で演奏される機会は非常に少ないと思います。

植村太郎さんについては,実は今回初めてお名前を知ったのですが,そのしっかりとした余裕と安定感のあるヴァイオリンの音がまず素晴らしく,両曲とも,満開の桜の気分にぴったりの,聴き応え十分の演奏を聴かせてくれました。大げさな表現はなく,さりげなく演奏しているのに,しっかりと落ち着きのある音が広がり,音楽に常に余裕がありました。その中にロマン派の曲にふさわしい,熱い情感もほのかに漂っていました。

特にブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番の最終楽章での思いの熱さがあふれ出るような盛り上がりとその後に続く,名残惜しさが素晴らしいと思いました。

リヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタの方も聴き応え十分の演奏でした。もっと大げさに弾いてもらっても面白いかなとも思いましたが,華麗に駆け上っていくようなパッセージやたっぷりとした歌は,ロマン派音楽の到達点のような充実感を感じました。
両曲とも,落ち着きと安定感のある鶴見さんのピアノもドイツ音楽にぴったりだと思いました。最初に演奏されたシューベルトのソナチネ第1番もシンプルな曲想ながら,植村さんと鶴見さんによるしっかりとした音で聴くと聴き応え十分でした。

アンコールでは,ロマンティックな気分に溢れたグラズノフの瞑想曲に加え,シンプルな歌と名技性の両方が楽しめるとてもキャッチーな曲(タイトルを知りたいところです)の2曲が演奏されました。

充実感たっぷりの大曲と歌と技をたっぷりと楽しませてくれるアンコールということで,ヴァイオリン・リサイタルの王道を行くような素晴らしい演奏会だったと思います。演奏会後は,少し遠回りして夜桜を眺めながら帰ったのですが,その気分にもしっかりとマッチした演奏会でした。

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