OEKのCD

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2018/05/26

OEKオーボエ奏者 #加納律子 さんの初リサイタル。バロック音楽って良いものですねー。加納さんの金沢での20年が凝縮された,素晴らしい公演でした。#oekjp

オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)のオーボエ奏者,加納律子さんのリサイタルが金沢市アートホールで行われたので聴いて来ました。加納さんは,OEKに入団して20年とのことです(早いものです)。今回は,それを記念しての初リサイタルということになります。

初リサイタルというのは意外だったのですが,その分,加納さんが演奏したいと思っているバロック音楽を集めてのプログラムとなりました。OEKファンとしては聞き逃せきません。今回配布されたプログラムの解説(とても分かりやすく,充実した内容でした)に書かれていたとおり,バロック音楽は,もともとバロック時代のオーボエを想定して書かれています。現代のオーボエは高性能であると同時に,演奏するのに非常にエネルギーが必要ということで,現代の楽器でバロック音楽を演奏することは,見た目以上に重労働のようです。

しかし,今回の加納さんの演奏は,そういう「大変さ」を感じさせることはなく,通奏低音のメンバーやOEKのフルート奏者の松木さやさんと共に,晴れやかで鮮やかなバロック音楽の世界を楽しませてくれました。

今回演奏された曲は,ヘンデルのオーボエ・ソナタ第3番へ長調,ヴィヴァルディのオーボエ・ソナタ ハ短調,C.P.E.バッハのトリオソナタ ニ長調,Wq.151,クープランのコンセール(新コンセール)第6番,J.S.バッハのオーボエ・ソナタ ト短調,BWV.1030bということで,一般的には知られていない曲ばかりでしたが,小ホールで聴くオーボエを中心とした室内楽は大変聴き応えがあり,存分に楽しむことができました。加納さんのオーボエの音は,OEKの中で聴いている時同様,真っ直ぐで,力のある気持ちの良い音でした。

最初のヘンデルのソナタは,メヌエットで終わる変わった構成の曲でしたが,上品な華やかさのある世界を楽しませてくれました。

ヴィヴァルディの曲は,全体にほの暗い歌に溢れていると同時に,技巧的な作品でした。最終楽章など,息継ぎをしているのかな?というぐらい吹きっぱなしでしたが,加納さんの演奏は余裕たっぷりでした。今回の通奏低音は,チェンバロの辰巳美納子とチェロ(エンドピンのないチェロでした)の懸田貴嗣さんが担当していましたが,どの曲でも,その安心感のあるベースの上に,加納さんがしっかりとコントロールされながらも,迫力たっぷりの音を聴かせてくれました。

前半最後のC.P.E.バッハの曲は,古典派に一歩近づいているだけあって,今回演奏された曲の中で,いちばん聞きやすい作品でした。そして,この曲では松木さんのフルートもお見事でした。加納さんの「妹分」という感じで,ぴったりと息の合った,「極上のハモリ」を聴かせてくれました。演奏後の加納さんのトークで,「実は,今日が私とさやちゃんの誕生日」という秘密(?)が披露されましたが,相性の良さの理由はここに合ったか,と妙に納得してしまいました。

後半はクープランのコンセール第6番が演奏されました。プログラムの解説を読んで,第4曲「悪魔のエール」というのが気になったのですが...「どこが悪魔?」という感じでした。曲の方は,ヘンデル,ヴィヴァルディとまたひと味違った,軽やかな明るさのようなものがあり,フランス王宮の雰囲気(と想像しているだけですが)に浸ることができました。

そして,最後は「やっぱり締めはJ.S.バッハ」という感じで,チェンバロとの組み合わせでソナタが演奏されました。元々はフルート・ソナタで,こちらのバージョンでは聴いたことのある曲でしたが,「まさに名品」という感じの,充実感がありました。フルート版とはまた違ったつややかさがある一方,チェンバロの辰巳さんと一体となって,対位法的な音の絡み合いを楽しませてくれました。

今回,加納さんは,地元の作家・安井美星さんのデザインした,和風テイストのある美しいドレスで演奏しました。こういう取り組みも素晴らしいと思います。演奏後,加納さんは「金沢に来て20年」の感謝の言葉をお客さんに伝えていましたが,今日の会場には,加納さんを応援しようお客さんが大勢集まっていました。加納さんの真摯にオーボエを演奏する姿が,しっかりと金沢のお客さんにも受け止められているのだと思います。

加納さんにとっては,今回が初めてのリサイタルとのことでしたが,これを機会に第2回,第3回...と続けて欲しいと思います。この日はOEKメンバーの姿を客席で見かけましたが,OEKの木管楽器メンバー総出演の演奏会があっても面白そうだと思いました。

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