OEKのCD

2018年9月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

« #川瀬賢太郎 指揮OEK小松定期の方は,珍しくチャイコフスキー:交響曲第5番がメイン。スコアが見えるような解像度の高さ!さすがOEKという演奏。#平野加奈 さんとのピアノ協奏曲第1番も大変鮮やか。帰宅途中,チャイ5の後のゴーゴーカレーで締め #oekjp | トップページ | #レオシュ・スワロフスキー指揮 #スロヴァキア・フィル 金沢公演。#石川県立音楽堂 にぴったりのヨーロピアン・サウンドによる「モルダウ」「新世界」。素晴らしい。#ルドヴィート・カンタ さんの万感の思いのこもったチェロ協奏曲も感動的 »

2018/06/22

#下野竜也 指揮OEKによるイタリアンな定期公演。#ロッシーニ 4連発は予想以上に多彩。4つの皿が順に出てくるフルコースを満喫。#吉野直子 さん独奏の #ニーノ・ロータ のハープ協奏曲は新たな定番曲かも。ラテン的な気分をしっかり楽しませてくれました。#oekjp

本日は,下野竜也さん指揮によるOEK定期公演フィルハーモニー・シリーズを聞いてきました。下野さんが以前,OEKの定期公演に登場した時,スッペの序曲4曲を後半に並べる意表を突くプログラムだったことがありますが,今回はその「姉妹編」のような形で,後半にロッシーニの序曲4曲が演奏されました。そして,そのロッシーニに合わせる形で,前半にブリテンのマチネ・ミュージックと,吉野直子さんをソリストに迎えて,ニーノ・ロータのハープ協奏曲が演奏されました。前半・後半とも,イタリアにちなんだ一ひねりある曲が並びました。まず,このプログラミングの斬新さが,下野さんの素晴らしいところです。

前半最初に演奏された,ブリテンのマチネ・ミュージカルは,一見,イタリアと関係なさそうですが,実はロッシーニの曲をブリテンがオーケストラ曲にアレンジして,バレエ組曲にしたもので,見事に後半の序曲集と対応していました。ロッシーニの音楽の持つ親しみやすさに,20世紀の音楽らしい鮮やかさが加わり,大変聞き映えのする音楽になっていました。

最初の曲には,ちょっとチープな感じのするトランペットのファンファーレが入るなど,全体にウィットが効いているのも面白いと思いました。20世紀に作られたバレエ組曲ということで,ちょっとショスタコーヴィチのバレエ音楽を思わせるような部分もあったのですが,皮肉な感じはなく,非常に健康的で,素直にオーケストラの音の美しさと凛としたキレの良さを楽しむことができました。

この日の演奏は,どの曲についてもそうだったのですが,下野さんは,OEKからビシッと引き締まったクリアな響きを引き出していました。安心して,ロッシーニの世界に遊ぶことができました。

続くハープ協奏曲の作曲者のニーノ・ロータは,往年の映画音楽の大家として有名な方ですが,実は本人としては,「クラシック音楽の作曲家」の方が本職だと言って欲しかったようです。今回演奏されたハープ協奏曲は,吉野さんの説では「日本初演かもしれない」とのことです。明確なことは言えないようですが,非常に演奏される機会の少ない作品です。

聞いた印象は,どこかロドリーゴのアランフェス協奏曲を思わせる雰囲気があるなぁと思いました。古典的でラテン的な「空気感」が漂う,大変魅力的な作品だと感じました。吉野さんのハープを聞くのは,5月の楽都音楽祭以来です。その時同様,繊細かつ鮮やかな音楽を楽しませてくれました。地中海的なカラッとした感じにミステリアスな気分が加わる第1楽章,寂しさと幻想的な美しさが交錯するような第2楽章。そして,品の良い躍動感のある第3楽章。各楽章,それぞれ楽しむことができました。

そして,吉野さんのハープの音を聞いているうちに,どこか現実離れした世界に運ばれたような感覚になりました。時間の流れ方が違う,澄んだ世界に浸ることができました。最終楽章は,最後の音がパタっと止むように終わるのですが,時の流れがパタっと止んだような不思議な寂寥感を感じました。

その後,アンコールでロータの映画音楽の名曲,「ゴッド・ファーザー」愛のテーマが,ハープ独奏で演奏されました。サイン会の時,吉野さんにお尋ねしたところ,ニーノ・ロータ自身によるハープ用のアレンジとのことでしたが,この曲のメロディの美しさに加え,どこかニヒルで虚無的なムードも漂っていました。

というわけで,ロータのハープ曲は,これから「定番曲」として,レパートリーに定着していって欲しいなと思いました。

後半は,ロッシーニの序曲が4曲演奏されました。最初プログラムを見たときは,「4つをまとめて,4楽章の交響曲のように聞かせる趣向かな?」と予想していたのですが,下野さんは,1曲演奏するたびに,袖に引っ込み,さらに各曲ごとに楽器編成が違っていましたので,「4皿からなるロッシーニ・フルコースを満喫」といった気分になりました。

正直なところ,ロッシーニの序曲で,「ウィリアム・テル」「セビリアの理髪師」「泥棒かささぎ」以外については,区別がつかなかったのですが(今回,この3曲を見事に抜かしていたのも下野さんらしい選曲だったと思います),楽器編成からして全然違うのが面白いと思いました。CDで聞くよりは,ずっと楽しめると思いました。

「シンデレラ」と「絹のはしご」には,打楽器は全く入らず,「アルジェのイタリア女」では,トルコ風の鳴り物とピッコロが活躍。そして,「セミラーミデ」では,トロンボーン3,ホルン4となり,ちょっとした交響曲を思わせるようなスケールの大きな響き。そして,全曲を通じて,前半のマチネー・ミュージカル同様の,メリハリの効いた引き締まったを楽しむことができました。

ロッシーニの序曲は,大まかにいうと,序奏部の後,木管楽器が大活躍する主部になり,最後はロッシーニ・クレシェンドで締め,というパターンなのですが,このパターンにも色々なバリエーションがあるのが面白いと思いました。そしてOEKの木管楽器メンバーの鮮やかな演奏が素晴らしかったですね。特に加納さんのオーボエ,松木さんのフルート(ピッコロ)が大活躍でした。「絹のはしご」の冒頭のヴァオリンの響きの瑞々しさ(この日もコンサートマスターは水谷晃さんでした),「セミラーミデ」での,たっぷりと歌ったホルンも素晴らしいと思いました。

何より「ロッシーニ・クレッシェンド」を4連発(正確にいうと,1曲の中に2回ずつぐらい出てくるので,8連発かもしれません)で聞くと,「癖になってしまう」ようなところがあります。終演後,頭の中でずっとクレッシェンドが続いているようなワクワク感が後に残りました。

やっぱり下野竜也さんの作る音楽は,最高と再認識した定期演奏会でした。

« #川瀬賢太郎 指揮OEK小松定期の方は,珍しくチャイコフスキー:交響曲第5番がメイン。スコアが見えるような解像度の高さ!さすがOEKという演奏。#平野加奈 さんとのピアノ協奏曲第1番も大変鮮やか。帰宅途中,チャイ5の後のゴーゴーカレーで締め #oekjp | トップページ | #レオシュ・スワロフスキー指揮 #スロヴァキア・フィル 金沢公演。#石川県立音楽堂 にぴったりのヨーロピアン・サウンドによる「モルダウ」「新世界」。素晴らしい。#ルドヴィート・カンタ さんの万感の思いのこもったチェロ協奏曲も感動的 »

コメント

今回、初めて投稿いたします。いつもコンサートの後で、こちらのご感想を拝読することが楽しみです。
音楽の聴き方がよくわからないことがあり、そういうときには、こうやって言葉を与えて下さると、なるほどそういうことか、と感心することが多いのです。

今回は、次回に向けての池辺さんのトークを聴き、今更ながら情報量の多さと貴重さに目覚めましたので、プレトークも一生懸命聞いておりました。ハープという楽器の難しさを具体的に教えて下さっていたので、全く聴き方が変わりました。
ゴッドファーザー、団員の方々も聴き入っていらっしゃいましたね。

お仕事の合間に、これだけのものを書かかれるには、かなり時間もとっておられるのでは、と思いますが、今後も楽しみにしております。

コメントありがとうございます。

音楽については,一つに決まった聞き方のルールはないと思うのですが,私の場合,常にアーティストがどういう様式で,何を伝えたいのかなと考えながら聞くようになってしまいました。ただし,考えながら聞くとリラックスできなくなることもあるので,ほどほどが良いのだと思います。

プレトークなどの情報で,音楽が面白くなることもありますね。今回の吉野直子さんのアンコールの「ゴッドファーザー」も良かったですね。出だしの部分の艶消ししたような音の部分で引き込まれました。

OEKについては30年間聞き続けていますので,私の中にも自然と経験や情報が蓄積されています。その辺も紹介しながら,これからも続けていきたいと思っています。

文章を書くには,やはり時間は掛かるのですが(家族に迷惑を掛けている or 見放されている?),その分,あれこれ余分なことをしないようになっている気もします。

これからもよろしくお願いします。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« #川瀬賢太郎 指揮OEK小松定期の方は,珍しくチャイコフスキー:交響曲第5番がメイン。スコアが見えるような解像度の高さ!さすがOEKという演奏。#平野加奈 さんとのピアノ協奏曲第1番も大変鮮やか。帰宅途中,チャイ5の後のゴーゴーカレーで締め #oekjp | トップページ | #レオシュ・スワロフスキー指揮 #スロヴァキア・フィル 金沢公演。#石川県立音楽堂 にぴったりのヨーロピアン・サウンドによる「モルダウ」「新世界」。素晴らしい。#ルドヴィート・カンタ さんの万感の思いのこもったチェロ協奏曲も感動的 »

最近のコメント

最近の記事

最近のトラックバック