OEKのCD

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2018/09/08

OEKのプリンシパル・ゲストコンダクターに就任した #ユベール・スダーン 指揮による,正真正銘の #岩城宏之メモリアルコンサート。#吉田珠代 さんの上質な声,#池辺晋一郎 作曲の新作 #この風の彼方へ 。どちらも素晴らしいと思いました #oekjp

本日は9月上旬恒例の「岩城宏之メモリアルコンサート」を石川県立音楽堂コンサートホールで聞いてきました。このコンサートでは,毎回,その年の岩城宏之音楽賞受賞者とオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)が共演していますが,今年は,福井県出身のソプラノ歌手,吉田珠代さんが登場しました。さらに今回の注目は,9月からOEKのプリンシパル・ゲストコンダクターに就任したばかりの,ユベール・スダーンさんが指揮をすることです。そしてOEKのコンポーザー・オブ・ザ・イヤーである,お馴染み池辺晋一郎さんの新作が初演されました。

新作の初演,新しいアーティストの発掘というだけで岩城さんらしいのですが,今回は,その他に演奏された曲が,プロコフィエフの古典交響曲とモーツァルトのハフナー交響曲ということで,岩城&OEKの「お家芸」と言ってよい作品が並びました。過去の「メモリアルコンサート」の中でももっとも,岩城さんらしさの漂う演奏会になりました。

まず,ユベール・スダーンさんの指揮が素晴らしかったと思います。古典交響曲もハフナー交響曲も,既にOEKと何回も演奏してきたような自然さで,気負ったところのない正統的な演奏を聞かせてくれました。

最初に演奏された古典交響曲は,風刺を効かせて,結構毒のある感じで演奏することもできると思いますが,スダーンさんの指揮は,どっしりと聞かせる部分と,さらりと聞かせる部分のメリハリが効いており,「正調・古典交響曲」といった感じでした。

ハフナー交響曲の方は,ガル祭の時にリッカルド・ミナーシさん指揮のザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団による,盛大に花火を打ち上げるような感じの演奏もありましたが(これはインパクトのある演奏でした),スダーンさんの指揮は,古典交響曲同様に楽章間のバランスがよく,現代のスタンダードといった感じの洗練されたモーツァルトを聞かせてくれました。

第2楽章については,ロマンティックに演奏されるのも実は好きなのですが(私の原点はブルーノ・ワルターの指揮の録音なので),今回は「文字通りアンダンテです」というリズム感を感じさせる演奏で,とても新鮮に感じました。第3楽章のメヌエットも速めの演奏でしたが,中間部では時々,人を食ったように長~く伸ばす部分があったり余裕たっぷりのウイットを感じました。曲全体に感じられる,神経質になりすぎない,緻密さも素晴らしいと思いました。

これから,スダーンさんはOEKと,ウィーン古典派の曲を多く取り上げてくれると思いますが,「万全の演奏を聞かせてくれそう。安心」という期待感が湧きました。

ソプラノの吉田珠代さんとの共演もモーツァルトの作品でした。「どうしてあなたを忘れられましょう」というコンサート・アリアだったのですが(初めて聴く曲でした),ソプラノに加え,第2のソリストという感じでピアノが加わる変わった編成の作品でした。最初しっとりとした弦楽器の演奏に続いて,吉田さんの声が入ってくるのですが,その音にぴったりのしっとり感で,「素晴らしい!」と思いました。上質な声といった余裕と品の良さのを感じました。

後半は華やかさを増してくるのですが,コロラトゥーラ的な要素は,ピアノにお任せしている感じで,全曲を通じて,落ち着いた美しさを感じさせてくれました。ピアノは居福健太郎さんという方が担当していましたが,吉田さんの声にしっかりと絡み,曲を盛り上げてくれました。

そして,池辺さんの新作です。これもまた,素晴らしい作品でした。「この風の彼方へ」ということで,ちょっと武満徹の曲のタイトルを思わせる感じでしたが,詩的な要素を素材にしている点でも共通する部分があると思いました。

曲の最初の部分はピチカートっぽい弦楽器の音と打楽器各種が混ざったような音で始まり,フルートやクラリネットがそれぞれ,意味深でソリスティックなフレーズを演奏します。この出だしの部分から,強くひかれました。その後も色々な楽器のソロが出てきたりしましたが,池辺さん自身が演奏前に語っていたとおり,OEKのメンバーの顔をイメージして書いたのではと思わせるほど,OEKにフィットした音を聞かせてくれました。

曲の後半では,弦楽器が不協和音でザッザッザッザッザッ....といった「春の祭典」を思わせるようなリズムで演奏する部分があったり,池辺さん自身プログラムノートで「3.11以降の僕のライトモチーフ」と書かれていた,何かを深く語りかけるようなフレーズが出てきたり,現代の社会に漂う漠然とした不安をしっかり伝えてくれるような「力」を感じました。

演奏前のトークで,「スダーンさんはとても細かく練習を行っていたので,イメージどおりの音が響いた。一音も修正の必要がなかった」と池辺さんは語っていましたが,池辺さんの会心の作品ではないかと思いました。この作品は,機会があれば,再演していって欲しいものです。

というわけで,プログラム的には一見地味目で,時間的にも短めでしたが,メモリアル・コンサートの趣旨にぴったりの内容だったと思います。特にスダーンさんの指揮が素晴らしかったですね。岩城メモリアルであると同時に,スダーンさんへの期待がさらに広まる,「襲名披露」公演だったと思いました。

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