OEKのCD

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2018/12/30

今年もあとわずか。2018年のOEKの公演を定期公演を中心に振り返ってみました。 #oekjp

2018年もあとわずかです。今年も石川県立音楽堂で行われたOEKの定期公演を中心に,数多くの演奏会を楽しむことができました。この時期,音楽雑誌では,ベストコンサートを決める企画もありますが,私の場合,何事につけ「これがいちばん」を決めるのが苦手なので(正直なところ,記憶がどんどん薄れていくので...),全体的な印象を振り返ってみたいと思います。

今年のOEKの定期公演のうち,9月最初の川瀬賢太郎さん指揮のものだけは聞きに行けなかったのですが(その代わり,同一内容の大阪公演を聞きに行きました),それ以外はすべて聞くことができました。フィルハーモニーとマイスターの定期公演をタイプ分けすると,次のような感じになると思います。

A OEKのレパートリーの根幹,古典派~初期ロマン派の作品中心のプログラム
B バロック音楽など古楽系の指揮者による声楽が加わるプログラム
C 編成を少し大きくしてのロマン派プログラム
D 指揮者のこだわりのプログラム
E オペラ

OEKの定期会員に入っていれば,これらをバランス良く楽しますね。フル編成のオーケストラの定期公演の場合より,A,Bが多い分,プログラムの多様性や工夫があるのがOEKの良さです。そして,近年は,以前にも増して,世界的に著名なアーティストによる,OEK独自企画的な公演が多かったと思います。ちょうど1年前の1月にマルク・ミンコフスキさんがOEKの芸術監督になることが発表されましたが,このことがその象徴だと思います。そして,このことは,OEKの試行錯誤の30年の歴史の成果だったのではないかと思います。

そのミンコフスキさん指揮による,7/30の「ペレアスとメリザンド」定期公演は,記念碑的な公演でした。通常のオペラとは一味違う,演劇的で象徴的なオペラの魅力を理想的なキャストと見事なプロジェクションマッピングとともに伝えてくれました。その他のオペラ公演では,11/25の「リゴレット」も,金沢初演でした。青山貴さん,森麻季さんを中心に,イタリア・オペラの中でも特に魅力的な作品をしっかり楽しむことができました。

ただし,オペラというのは,やはり総合芸術なので,OEKファンとしては,上記のタイプAのOEKの根幹プログラムを色々な指揮者で楽しむことができたのが,いちばん嬉しかったですね。井上道義さんの音楽監督として最後のステージとなった3/17公演でのハイドンの「朝・昼・晩」,9月からOEKの指揮者団に加わったユベール・スダーンさん指揮による10/13公演でのハイドンの103番,シューベルトの5番,川瀬賢太郎さんによる9月定期でのハイドンの90番,ベートーヴェンの5番。その他,急遽代役で2/24公演に登場したマティアス・バーメルトさんによるシューベルトの6番,7/7の公演に登場したリープライヒさん指揮によるベートーヴェンの1番。こういった曲を,色々な解釈で楽しむことができました。

ちなみにモーツァルトの方は,5月の楽都音楽祭で,たっぷりと楽しむことができました。一見,名曲中心の「どなたでも楽しめます」といった内容でしたが,今年の場合,「室内オーケストラの競演」のようになっていたのがとても面白かったですね。

上記のタイプBの古楽型については,3/10の北谷直樹さんとラ・フォンテ・ヴェルデによる公演が,非常にスリリングでした。オリジナリティの点では,今年最高だったと思いますた。11/01の鈴木雅明さんとRIAS室内合唱団による公演は,バロック音楽ではなくメンデルスゾーンの珍しい宗教音楽がメインで演奏されました。素晴らしい合唱の力と共に,隠れた名曲を再発見するような公演になったと思います。

合唱団と共演した公演では,8/26に富山で行われた山下一史さん指揮によるベートーヴェンのミサ・ソレムニスも聞き応えがありました。前年のヴェルディに続いての「夏のミサ」公演も定着しつつあるようですね。

タイプCのロマン派的な公演については,定期公演ではありませんが,1/23に行われた佐渡裕さん指揮による兵庫PACオケとの合同公演が楽しめました。「1812年」では,立派な大砲も登場しましたね。6月の定期公演に登場した,川瀬さんは,金沢ではシューマンの「ライン」,小松ではチャイコフスキーの5番を楽しませてくれました。武満徹「系図」での谷花音さんの見事なナレーションも鮮烈な印象が残っています。

10月の小松公演では田中祐子さん指揮によるフランス・プログラム。サン=サーンスの2番はOEKにピッタリの曲でした。そして,番外編が,2/26のミンコフスキさん指揮レ・ミュジシャン・デュ・ルーブルによるメンデルスゾーンの3番,4番。古楽器によるちょっと不自由な感じが魅力になっているような演奏でした。

最後にタイプDの「こだわりの選曲」については,どの公演も「こだわり」なのですが,特に井上道義さん指揮による,2/3公演でのショスタコーヴィチにチェロ協奏曲とヒンデミットの「画家マティス」の組み合わせが印象的でした。クニャーゼフさんのチェロは今年登場したソリストの中でも最も強烈な印象を残してくれた気がします。
井上さんの指揮では,11/7に邦楽ホールで行われた,邦楽洋楽コラボレーション公演も井上さんらしさ満載,本領発揮といった内容でした。

6/21の下野竜也さん指揮による定期は,後半にロッシーニの序曲が並ぶ下野さんならではの選曲。吉野直子さんのハープによる,ニーノ・ロータの曲も良い曲でしたね。11/29の定期には,オリ・ムストネンさんが初登場。ムストネンさん自身の作品とヒンデミット,シベリウスなどの作品を組み合わせる,何が出てくるか分からないようなプログラム。全身アーティストといった感じのムストネンさんの魅力をたっぷうり味わうことができました。

OEKと共演したソリストでは,上記の人たちに加え,フルートのジャスミン・チェイさん,ピアニストの反田恭平さん,小山実稚恵さん,ヴァイオリンの堀米ゆず子さんなど,若手からベテランまで実力者との共演が続きました。

その他,ピアニストの平野加奈さん,OEKのフルート奏者,松木さやさんなど地元の若手奏者との共演もありました。音楽堂室内楽シリーズでは,OEKの奏者たちによる室内楽公演も楽しむこともできましたが,今後も地元のアーティストやOEK内の名手たちとの共演に期待したいと思います。聴衆からの距離の近いアーティストについては,世界的に活躍するアーティストとは違った,「応援しながら聞く」という最高の楽しみがあるのではないかと思っています。

先日,天皇誕生日の記者会見の中で天皇陛下は,平成の時代が戦争のない時代として終わりそうであることに言及されていましたが,世の中が平和であることが,芸術活動の前提だと私は思っています。来年は5月に元号が変わりますが,新しい時代も戦争のない時代が続くことを心から願っています。

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