OEKのCD

2018年5月
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2017年12月31日 - 2018年1月6日

2018/01/06

2018年の「演奏会初め」は,#フォルクハルト・シュトイデ さんのリードによるOEK定期公演。新年早々,ウィーン直送の正しいニューイヤーコンサートを楽しみました。そして,MVPは鍛冶屋担当の #グンナー・フラス さん! #oekjp

2018年最初のコンサートは,OEKのニューイヤーコンサートでした。この演奏会については,10年ぐらい前までは,マイケル・ダウスさんの弾き振りによるシュトラウス・ファミリーのワルツやポルカが定番だったのですが,その後は,声楽を交えたプログラム,古楽を交えたプログラムなど「ウィーン風」にこだわることなく,色々なタイプのコンサートが行われてきました。

今年のニューイヤーコンサートは,今年の1月1日にウィーンでリッカルド・ムーティの指揮の下,ニューイヤーコンサートを行ってきたばかりの,ウィーン・フィルのコンサートマスター,フォルクハルト・シュトイデさんをリーダー&ソリストに迎えての楽しい演奏会となりました。

今年のウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート(不思議なめぐりあわせですが,本日,演奏会と同じ時間帯にNHKで再放送をしていましたね)を観たとき,「もしかしたら1月6日に金沢に来るシュトイデさん?」と思った方も多かったと思いますが,本日の演奏を聞いて,まさに産地直送のウィーンの空気を運んでくれたように感じました。それにしても新年早々,シュトイデさんもハードスケジュールです。

演奏会は前半,ウェーバーの「オベロン」序曲とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(シュトイデさんがソロ)が演奏された後,後半にシュトラウス・ファミリーの音楽が演奏されました。

ウェーバーの「オベロン」序曲は,OEKが演奏するのは初めてかもしれません。個人的には魅力的なメロディが次々湧いて出てくる感じが大好きな曲です。新年最初にこの曲を聞けて,まず良い気分になりました。シュトイデさんは,通常のコンサートマスターの席に座り,リードする動作も必要最小限でしたが,そういったところに職人的な雰囲気を感じました。とろんとした感じの序奏とキビキビと妖精が動き回るような主部とのコントラストが鮮やかかつ自然で,この曲の魅力をストレートに味わうことができました。

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の方は,昨年は神尾真由子さんの演奏で聞きましたが,その演奏とは対照的な気分のある演奏でした。まず,ステージ中央にビシッと立つシュトイデさんの姿が凜々しかったですね。音楽の方もグイグイと攻めるようなテンポで始まりました。シュトイデさんのヴァイオリンについては,音には甘い香りがあるけれども,表現としては引き締まっており,さすがウィーン・フィルのコンサートマスターというバランスの良さがあると感じました。

最初の部分は,オーケストラとのテンポ感が少し合わない感じもしましたが,段々と一体となって音楽が流れて行きました。じっくりとテンポを落とした第2主題の静謐な雰囲気もとても良いと思いました。耽美的になりすぎない第2楽章では,その分,曲の素朴で親しみやすい味のようなものを感じました。第3楽章も,自由自在に羽ばたくというよりは,OEKと一体となって音楽を楽しむような,室内楽的な気分がありました。ソリスティックな華やかさよりは,指揮者無しのアンサンブルのスリリングさ(?)であるとか,楽しさを感じさせてくれるような演奏だったと思います。

さて後半です。最初に演奏された「こうもり」序曲を聞いて,「正しい「こうもり」だ!」と思いました。この曲については,実演でもCDでも何度も聞いてきた曲ですが,テンポ感であるとか間の取り方であるとか,すべての点で,「これだ!」と思わせるフィット感がありました。安易に「本場の演奏」と言いたくはないのですが,シュトイデさんは,ウィーンで「こうもり」を毎年のように演奏しているはずなので,今回,そのエッセンスがしっかりとOEKに伝えられたのではないかと思いました。

その後も楽しい演奏の連続でしたが(特にエドゥアルト・シュトラウスの「テープは切られた」は,リアルに鉄道を描写しており気に入りました),何と言っても「鍛冶屋のポルカ」が最高でした。これからOEKのニューイヤーコンサートに行く人には「ネタばれ」になってしまうのですが,鍛冶屋担当のグンナー・フラスさんのパフォーマンスが最高でした。

鍛冶屋をイメージするエプロンを付けて,ステージ中央に登場。ソリスト気分満々でシュトイデさんやヤングさんと握手。さらには何とチューニングも開始。オーボエのAの音を受けて,金床をカーンと叩く,というパフォーマンス(個人的には,これがいちばん受けました)。その後もバッグ(「鍛冶屋さん背セット一式」という感じでしたね)から,飲み物を取り出したり,新聞を取り出したり...周到に準備された,楽しいパフォーマンスに拍手大喝采でした。そして,何よりも金床のカーンと冴えた音。この音自体素晴らしいと思いました。

など,珍しい作品も交えてプログラムが進み,最後は定番中の定番の「美しく青きドナウ」で締められました。この演奏でも,序奏の弦楽器の弱音トレモロの音の後にホルンの音が聞こえてくると,「ドナウ!」という気分になります。そして主部がゆったり始まると...ウィーン国立歌劇場のバレエが見えてくるような錯覚になります。こうもり同様,「正しいドナウ」という安心感のある演奏でした。

アンコールはもちろん,聴衆が手拍子で参加するラデツキー行進曲した。井上道義さん指揮のニューイヤーコンサートの時は,あえてこの曲を外しているようなところがありましたので,考えてみると久しぶりかもしれません。テンポは,(私の感覚では)今年のムーティ指揮ウィーン・フィルと同じくらいだと思いました。和気あいあいと楽しむのに最適のテンポでした。

というようなわけで,今年のニューイヤーコンサートでは,産地直送のウィーン風ニューイヤーを楽しむことができました。OEKは今後,富山県射水市,東京,大阪でも同様のコンサートを行いますが,指揮&ピアノはシュテファン・ヴラダーさんになります。恐らく,シュトイデさんの演奏とは一味違った演奏になると思います。金沢で楽しんだ後,もう一度楽しみたい方も含め,是非お出かけください。

PS.今年も恒例の「たろう」さん提供の「どら焼き」のサービスがありました。今年はピーナッツ味ということで,どういう味か今から楽しみたいと思います。

2017/12/31

今年もOEKを中心に沢山の音楽を #石川県立音楽堂 などで楽しむことができたことに感謝。来年は平成30年,OEKも30年&新音楽監督に。楽都音楽祭は2年目。新しい扉が開かれることを楽しみにしたと思います。#oekjp

2017年も大晦日となりましたので,今年1年の金沢周辺で行われたコンサートをふり返っていたいと思います。私の方は,今年も石川県立音楽堂でのOEKの公演を中心に,色々な演奏会に行くことができました。定期公演PHとMも全部聞くことができました。まずは,ライブでの音楽鑑賞を生活の中に置いた生活を続けることができたことに感謝したいと思います。

1月
  • エンリコ・オノフリ指揮 PH定期 王宮の花火の音楽やモーツァルトの「ハフナー」交響曲を中心とした,古楽奏法によるニューイヤーコンサートはとても祝祭的でした。
  • 笈田ヨシ演出,中嶋彰子ソプラノによる新演出の「蝶々夫人」。ベテラン演出家ならではの,リアルに日本的で新鮮な公演でした。こういう新演出が金沢からスタートしていることは素晴らしいことだと思います。
2月
  • マルク・ミンコフスキ指揮 PH定期 定期公演の中でのロッシーニの「セヴィリアの理髪師」全曲。生きの良い若手歌手が音楽的にもパフォーマンス的にも縦横無尽に躍動していました。
3月
  • 井上道義指揮 M定期 モーツァルトの「レクイエム」を中心としたプログラム。抑制の効いた,深い内容を感じさせる演奏。ダニイール・グリシンさんの独奏によるバルトークのヴィオラ協奏曲も充実の演奏でした。
4月
  • 鈴木優人指揮 PH定期 OEK定期初登場の鈴木さん指揮による,春にふさわしい柔らかさのある演奏はとても魅力的でした。ヴァイオリンの木嶋真優さんもすっかり大人の演奏家になりました。
5月
  • いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭2017 ラ・フォル・ジュルネ金沢の後継音楽祭として,ベートーヴェンをテーマに行われました。ラ・フォル・ジュルネのスタイルを踏襲しつつ,「地元アーティスト」の活躍が増えていたのが特徴だったと思います。充実した公演も多かったのですが,全体的に見ると,2年目以降,さらに金沢的に発展していって欲しいと思いました。
  • 新人登竜門コンサート ピアノ部門 川畑夕姫さん,尾田奈々帆さんはともに立派な演奏。これから色々な公演での再会を期待しています。
6月
  • ハインツ・ホリガー指揮 PH定期 70代後半とは思えない,チャレンジングでスリリングな選曲と演奏。
  • アビゲイル・ヤング リーダー&ヴァイオリン M定期 指揮者なし,ソリストなし(全部ヤングさんが兼務!)だからこそ,OEKの魅力がストレートに伝わってくるような素晴らしい公演。
7月
  • 辻博之指揮 M定期 M定期はモーツァルトの音楽がテーマでしたが,その締めくくり。マイナーなオペラアリアや重唱を組み込むなど,そのまま来年の「楽都音楽祭」に持って行ってもよさそうな内容でした。
  • 井上道義指揮 PH定期 ティエリー・エスケシュさんの自作・自演によるオルガン協奏曲(新作)を中心とした音楽堂ならではのプログラム。
9月
  • 井上道義指揮 PH定期 新シーズン最初は,神尾真由子さんとがっぷり四つに組んだベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲と井上さんが「この曲はOEKとしか演奏する気がしない」と語っていたベートーヴェンの「田園」。この頃,井上さんの退任が発表されましたが,いつかまた,井上さんの「田園」は聞いてみたいものです。
10月
  • シュテファン・ヴラダー指揮,ピアノ PH定期 ヴラダーさんの弾き振りによるモーツァルトの協奏曲と筋肉質の「ジュピター」。新しいウィーンのスタイルといった感じの充実した演奏の連続でした。
11月
  • アマデウスLIVE 映画「アマデウス」の映像に合わせて,全編サウンド・トラックを演奏するという凄い企画。指揮者の辻博之さんとOEKの職人技で,名作映画の魅力がさらにアップしていました。
  • 歌劇「トスカ」 広上淳一指揮 河瀬直美新演出による全国巡回公演の一つ。日本的で新鮮な映像美と濃厚なドラマとを堪能させてくれる公演。「トス香」役のルイザ・アルブレヒトヴァさんも役柄にぴったりでした。
  • ミヒャエル・ザンデルリンク指揮 M定期 10月に続いてのモーツァルト中心のプログラムでしたが,全く違うアプローチから,説得力のある音楽を聞かせてくれました。この柔軟性がOEKの素晴らしさだと思います。
  • デーヴィッド・アサートン指揮 PH定期 OEKがこれまであまり取り上げてこなかったイギリス音楽特集+おなじみのベートーヴェンの7番。とても合理的であると同時に,ベテラン指揮者ならではの風格が伝わってくる充実した公演でした。
その他,IMA関連の室内楽公演,オペラを落語化した「死神」,北陸初演だったヴェルディの「レクイエム」,岩城さんのスピリットを引き継ぐ「メモリアルコンサート」,ジャズ・ヴァイオリン奏者・マッズ・トーリングとの共演,管楽器メンバー大活躍の室内楽公演...どれもこれも素晴らしい内容でした。

私の場合,大抵の曲については「このスタイルでないとダメ」という聴き方ではなく,「今度はこう聞かせてくれたか」という感じで,違いを見つけるのが好きです。どの公演でも,曲の素晴らしさや面白さを伝えてくれる工夫があり,それを見つける喜びを感じました。

来年2018年は,平成30年であると同時に,OEK創設30周年の年になります。そして,約10年OEKの音楽を務めた井上道義さんが退任されます。考えてみると,春の連休中に行われていた,ラ・フォル・ジュルネ金沢と在任期間が連動していたんですね。いずれにしても,節目の年になることは確かです。まずは,OEKの次期音楽監督がどなたになるかが大変気になります。いろいろな点で新しい扉が開かれることを期待したいと思います。


これはいつも思っていることですが,来年については,少しでも平和な世界となり,少しでも多くの人が生で音楽を聞くことの喜びや楽しみを味わうことのできる年になって欲しいと思います。

それでは,良いお年をお迎えください。

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