OEKのCD

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2018年8月19日 - 2018年8月25日

2018/08/21

#IMA × OEKチェンバーコンサート。前半は,#ロラン・ドガレイユ,#レジス・パスキエ,#毛利伯郎 といったIMA講師陣による,知られざる名曲の名演。後半は #ピオトル・パレチニ 先生とOEKメンバーによる室内楽版,ショパンの協奏曲1番

8月恒例の,いしかわミュージックアカデミー(IMA)が今年も石川県立音楽堂を中心に行われています。このIMAの講師とオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)メンバーとが共演する室内楽公演が行われたので聞いてきました。

毎年この公演では,ピアノの入るやや大きめの室内楽曲がメインで演奏されるのですが,今年は,ショパンのピアノ協奏曲第1番の室内楽版が演奏されました。滅多に演奏される機会がない曲であることに加え,ソリストはIMAの講師で,ショパン国際ピアノコンクールの審査委員でありショパン音楽大学教授である,ピオトル・パレチニさんということで,まずは,この曲を目当てに聞きに行きました。

前半に演奏される曲は...実はよく分かっていなかったのですが,この2曲が本当に素晴らしい曲・演奏でした。

最初に演奏された,トゥリーナのピアノ三重奏曲第2番は,ロラン・ドガレイユさんのヴァイオリン,毛利伯郎さんのチェロ,草冬香さんのピアノによる演奏でした。まず,トゥリーナという作曲者自体,よく知らない人だったのですが(ギター曲を作っていたはず...ぐらいの知識),とても良い作品でした。スペインの作曲家ということもあるのか,短調の作品であるにも関わらず,どこか陽光が差してくるような明るさがありました。メロディも大変親しみやすく,ドガレイユさんを中心に3人の奏者も大変楽しそうに演奏されていました。各楽器の「対話」と「ハモリ」が素晴らしく,熟練の室内楽の楽しさを満喫させてくれるような演奏でした。

次に演奏された,エネスコのヴァイオリン・ソナタ第3番も初めて聞く曲でした。ルーマニアの民俗様式でというサブタイトルがあったので,ルーマニア狂詩曲のような,楽しげな曲かなと予想していたのですが,曲が進むにつれて,どんどん狂気が増してくるような,すごい作品でした。これは,大ベテラン・ヴァイオリニスト,レジス・パスキエさんのすごさにもよると思います。曲全体として,ミステリアスな雰囲気が漂い,楽章の中で緩急の変化が大きい点で,ヤナーチェクやバルトークの曲と似た感じもあったのですが,それともひと味違う,迫力と魅力のある作品でした。

パスキエさんの演奏は,時々音がかすれたり,揺れたりしていましたが,それがまたこの曲の雰囲気にぴったりで,第3楽章の最後などでは,三又瑛子さんのピアノと一体となって(この曲のピアノ・パートも大変難しいのではないかと思いました),スリリングな盛り上がりを作っていました。

というわけで,まず,IMA講師による前半の2曲だけで大満足でした。

後半に演奏されたショパンのピアノ協奏曲第1番(室内楽版)の方は,やはり,管弦楽版に親しみ過ぎているせいか,個人的には結構違和感を感じてしまいました。ここはファゴットが伴奏しているはず,ホルンが出てこない,トランペットが聞こえない...という感じで,ついつい頭の中で音を補いながら聞いてしまいました。

パレチニさんは,見るからに「立派な先生」という雰囲気の方で,その演奏にも堂々たる貫禄がありました。室内楽版ということで,ピアノを激しく叩くような感じはなく,弦楽五重奏(弦楽四重奏+コントラバス)とバランスの取れた演奏を聞かせてくれました。速いパッセージでのショパンならではのキラキラした音の美しさ,第2楽章でのノクターン風の気分など,イメージどおりのショパンを聞かせてくれました。

「協奏曲」ということでOEKメンバーは,がっちりとした演奏を聞かせてくれたのですが,交流ホールの場合,かなり音がデッド(というかダイレクトに聞こえすぎる)なので,弦楽五重奏の音がかなり硬く聞こえました。その分,ピアノに弦楽器の音が薄く重なるような部分(2楽章など)では,ちょうど良い感じに聞こえました。

というわけで,この室内楽版については,コンサートホールで聞いたらまた印象が変わるのではないかと思いました。実は,9月16日に金沢出身のピアニスト,木米真理恵さんが,石川県立音楽堂コンサートホールで,この曲を弦楽四重奏との共演で演奏する公演が行われます。たまたま,同じ曲の競演ということになってしまったのだと思いますが,個人的には,是非,聞き比べをしてみたいなと思っています。

というわけで,今年のIMA関連の室内楽公演も,充実した選曲&演奏を楽しむことができました。

2018/08/19

本日は石川県立音楽堂で講談&オペラ「卒塔婆小町」(神田松之丞+田中祐子指揮OEK,家田紀子,小林由樹他)とIMAライジングスター・コンサートをハシゴ

本日は午後から久しぶりに石川県立美術館に出かけ,講談&オペラ「卒塔婆小町」といしかわミュージック・アカデミー(IMA)のライジングスター・コンサートをハシゴしてきました。

石川県立音楽堂の邦楽ホールでは,年1回ぐらいのペースで,「日本人作曲家による室内オペラ」の上演を行っています。昨年は,落語の「死神」と池辺晋一郎さん作曲によるオペラ版「死神」を組み合わせた公演がありましたが,今年は,「卒塔婆小町」がテーマです。

この作品は,もともとは能として作られたものですが,三島由紀夫が「近代能楽集」の1つとして戯曲に翻案したものもあります。今回のオペラも,この三島版に基づいたもので,作曲者は石桁眞禮生です。演奏時間は45分程度ということで,それと組み合わせる形で,前半では,講談師の神田松之丞さんによる,新作講談「卒塔婆小町」が披露されました。

この松之丞さんの講談ですが,オリジナルの能を翻案したものでした。この点については,すべて松之丞さんに「お任せ」になっていたようで,その辺の裏話(1週間前に完成!)が,「アフター・トーク」で披露されました(アフター・トークは,演劇の後に行われることが近年増えているのですが,とても良い企画だと思いました)。

講談を聞く機会は,金沢では非常に少ないのですが,まず松之丞さんの声に惹かれました。マイクは使っていましたが,小さな声の部分でもクリアに染み渡るようにセリフが聞こえました。「講談は,ストーリーを克明に表現するもの」と説明されていましたが,まさにそのとおりでした。スラスラとセリフが連なっていくのを聞くのが心地良かったですね(「男はつらいよ」の寅さんのイメージ)。要所要所で,台をパンパンと叩くのも講談ならではの手法です。これもまた新鮮でした。「ストーリーの流れを作り,盛り上げていく」という点で,オペラに共通する部分もあると思いました。

ストーリーの方は,オリジナルの能に基づいているだけあって,ひんやりとした感触のある深さのようなものを感じました。マクラの部分は,落語を聞くような面白さでしたが,その後は,しっかりと古典を聞いたような充実感が残りました。

後半のオペラの方は,小編成のOEKがピットに入り,かなりしっかりとした大道具のある舞台で演じられました。衣装の方も現代風になったり鹿鳴館風になったり,変化に富んでいました(1回だけの上演にはもったいないぐらい)。全体は1幕構成でしたが,途中,鹿鳴館時代にワープする(この辺の時空を超える辺りが,能と共通する部分ですが)場が入っていましたので,全体は3部構成という感じでした。

音楽の方は,覚えやすいメロディが出てくる感じではなかったので,「現代音楽」風の難解さもありましたが,特に中間の鹿鳴館の場では,ワルツが出てきたり(男女ペアのダンサーも登場していました),小町と詩人の熱い歌が出てきたり,聞き応えがありました。歌手については,この小町(老婆)役の家田紀子さんと詩人役の小林由樹さんを中心に迫力のある声を聞かせてくれました。コンパクトな大きさの邦楽ホールならではの良さだと思います。特に家田さんの方は,最初と最後は老婆役,中間部ではドレスを来た「小町」役ということで,45分の間で,若さと老いと演じ分けており見事でした。

田中祐子さん指揮のOEKは,小編成の割に打楽器と沢山使っていたこともあり,大変ダイナミックで色彩的なサウンドを聞かせてくれました。邦楽ホールでのオペラ上演は,この点でもメリットがあると思います。

「三島作品を通して存在する「命」とそこにつながる「愛と美」を考えさせてくれる」と演出の知久晴美さんは,プログラムに書かれていました。実のところ,なかなかそこまで理解できなかったので,講談の内容と合わせて,今からしっかりと反芻してみようと思います。

アフタートークの中で,講談とオーケストラのコラボのことが半分冗談交じりで語られていましたが,実際,この邦楽ホールに特にぴったりだと思うので,実現することを期待したいと思います。既存のオペラを講談+室内オペラに編曲するというのもありだと思います(「ガル祭」の企画でも良いかも)。

アフタートークの後,今度は交流ホールに移動し,IMAライジングスターコンサートを聞いてきました。このコンサートも毎年恒例です。今年も,IMAで講習を受けている,日本と韓国等の若手演奏家たちの水準の高い演奏を楽しむことができました。

今回登場したのは次の人たちです。
ナキョン・カン,外村理紗,エイミー・M・オ,吉江美桜,ドンヒュン・キム(ヴァイオリン),牟田口遙香(チェロ),ジュヒ・イム(ピアノ)

昨年に続いて登場した方も多かったのですが,技術的には全く問題がなく,安心してその表現を楽しむことができました。特に印象に残ったのは,吉江美桜さんが演奏した,エルンストの「魔王」でした。シューベルトの「魔王」の歌唱部分と伴奏部分を一人で演奏するような凄い曲です。以前にも聞いたことはありますが,ヴァイオリンの作り出す多彩な音を駆使した音のドラマになっていました。

最後に演奏されたショーソンの「詩曲」も,このコンサートによく出てくる曲ですが,次第に熱気を帯びてくるように盛り上がるドンヒュン・キムさんの演奏は迫力十分でした。

IMAについては,あさって火曜日に,講師の先生方による室内楽公演があるので,こちらも聞きに行こうと思います。

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