OEKのCD

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2018年1月21日 - 2018年1月27日

2018/01/24

OEK設立30周年記念特別公演 #佐渡裕 指揮OEK+兵庫県PAC管弦楽団 合同演奏会 大砲の登場する(煙も出ます)正しい「1812年」をはじめ,お得意のレパートリーを気持ちよく楽しむことができました。さすが佐渡さん! #oekjp

全国的に「今日は大雪?」という警戒が進む中,OEK設立30周年記念特別公演として行われた,佐渡裕さん指揮による,OEKと+兵庫県芸術文化センター管弦楽団(PAC)の合同演奏会を聞いてきました。幸い金沢の雪は,演奏会の開始時点ではさほどでもなく,交通の乱れなどはありませんでした。

今回のプログラムは,前半がOEKとPACがそれぞれ単独で演奏した後,後半は両オーケストラがチャイコフスキーの管弦楽曲を合同で演奏するという構成でした。まず,後半の曲の中に,実演で演奏される機会が少ない幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」が入っていたり,OEK単独演奏としてハイドンの交響曲第44番「悲しみ」が入ていたり,金沢で聞く機会の少ない曲が入っていたのがうれしかったですね。こういうプログラムが組めるのも佐渡さんの人気の力だと思います。

ハイドンの交響曲第44番「悲しみ」は,いわゆる「シュトルム・ウント・ドランク」時代の作品で,ハイドンには珍しい短調の作品です。ただし,この日の演奏は,鋭く攻撃的な悲しみというよりは,しっとりと肌に染み入るような深さを感じました。特に第3楽章の品格の高さと透明感を持った静けさが大変印象的でした。OEKの美質をしっかりと引き出した素晴らしい演奏だったと思います。

2曲目のフォーレの「ペレアスとメリザンド」組曲は,PACオケが設立当初に何度も演奏してきた曲とのことです。佐渡さんお得意のレパートリーといえそうです。第1曲が始まったとたんに,音楽の透明感と同時に音楽が大きく広がり,スケールの大きさを感じました。有名なシシリエンヌを始め,各奏者のソリスティックな活躍も素晴らしく,音楽に立体感を感じました。

佐渡さんと言えば,テレビの映像を見る限りでは、「汗,汗,汗」という印象を持っていたのですが,非常に爽やかで洗練された音楽を作る方だと思いました(佐渡さんの演奏を実演で聞くのは,実は初めてでした)。よい意味で裏切られました。

後半は,お楽しみの合同演奏によるチャイコフスキーでした。「フランチェスカ・ダ・リ・ミニ」は,ダンテの「神曲」に基づく,「地獄めぐり」を描いた曲ですが,有名な「ロメオとジュリエット」序曲同様に,激しい部分とロマンティックな部分の対比が楽しめる作品で,ストレートに大編成オーケストラによる多彩な表現力を楽しむことができました。オーケストラの響きについては,題材的に,もっと不健康な気分が欲しいかなとも思いましたが(不倫がテーマなので),終結部でのパーカッションの強烈な連打をはじめ,圧倒的な響きの魅力に浸ることができました。

最後に演奏された「1812年」については,終盤に出てくる大砲がどうなるのかな?という楽しみがあります。今回は...正真正銘,小細工なしの大砲が登場しました。これには皆さん大喜びでした。舞台下手側には考えてみるとやや不自然な「スペース」があり,終盤この部分にソロソロと大砲が入場。「ドカン!」という音はシンセサイザーだったような気がしましたが,その音と同時に白い煙が立ち上り,「おお」という感じのインパクトがありました。

演奏の方は,純音楽的に素晴らしいと思いました。冒頭のチェロとヴィオラの合奏の音の透明感,キビキビとした音楽の運び,中盤に出てくるヴァイオリンの音の清々しさ...色物的な感じとはひと味違った,密度の高い音楽となっていました。そして,大砲が登場するのと連動して,パイプオルガンのステージにバンダ(別働隊)のトランペットとトロンボーンの皆さんが登場。バンダの音もうるさくなることはなく,音楽に気持ちの良い華やかさを加えていました。

見た目のインパクトだけではなく,音楽面でも「正しい1812年」だったと思いました。

大いに盛り上がった会場からの拍手に応え,アンコールとして佐渡さんお得意のスーザの行進曲「星条旗よ永遠なれ」がシャキっと演奏されました。この曲は,佐渡さん指揮シエナ・ウィンド・オーケストラの演奏会のアンコールの定番曲ですが,元をただせば,佐渡委さんの師匠でもある,レナード・バーンスタインにつながると思います。コーダの部分では,全員起立し,格好良くテンポアップするあたりが佐渡さんらしさ満載でした。

ちなみに(かなり無理がありましたが),チェロ奏者の皆さんまで立って演奏していました。しかもOEKの大澤さんと早川さんはロシアと米国の国旗をこの部分で取り出していました。佐渡さんの指揮にしっかり応えるサービス精神でした。

というようなわけで,大変楽しく充実した公演となりました。演奏会の間は,ホールの外の積雪の状況をすっかり忘れることができました。合同演奏ならではの,お祭り的な華やかさと同時に充実のプログラムを充実した演奏で楽しませてくれた、創設30周年にふさわしい演奏会となりました。

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