OEKのCD

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2018年10月7日 - 2018年10月13日

2018/10/13

#oekjp #ユベール・スダーン 指揮OEKの10月の定期公演は,シューベルト,モーツァルト,ハイドンの作品。「太鼓連打」の引き締まった力強さをはじめ,自信に溢れた立派な演奏。久しぶりの #堀米ゆず子 さんとは,モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第1番を共演。こんなに良い曲だった!と曲の魅力を再発見

ユベール・スダーン指揮OEKの10月のマイスター定期公演は,シューベルトの交響曲第5番,モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第1番,ハイドンの交響曲第103番「太鼓連打」というウィーン古典派の作品集でした(シューベルトの5番も古典派と言っても良いでしょう)。9月の川瀬賢太郎さん指揮によるフィルハーモニー定期もウィーン古典派特集だったので,丁度セットになるようなプログラムだったと思います。

スダーンさんとOEKの組み合わせについては,9月上旬に行われた岩城メモリアルコンサートで,その相性の良さは証明済みでしたが,今回のプログラムでは,さらにスダーンさんらしさが徹底した充実した音楽を聞かせてくれたと思います。

最初に演奏された,シューベルトの交響曲第5番は,OEKのベーシックなレパートリーの1つで過去何回も演奏してきている曲です。今回の演奏は,基本的にテンポは速めでインテンポでしたので,コンパクトでかっちりとまとまった古典的な曲という印象が残りました。シューベルトの曲らしい叙情味を要所要所に聞かせてくれながら,曲全体としては,揺るぎない構築感を感じさせてくれる素晴らしい演奏でした。

2曲目は,ベテランのヴァイオリン奏者,堀米ゆず子さんをソリストに迎えてのモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第1番でした。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲については,圧倒的に3番と5番。その次に4番が演奏される機会が多いのですが,第1番を実演で聞くのは...初めてのような気がします。

CDなどでは,やはり3,4,5番の印象が強く,どういう曲か覚えていなかったのですが,今回,堀米さんによる演奏を聞いて,良い曲だなぁと思いました。堀米さんがOEKと共演するのは,20数年ぶりのことです。その音色には自然に円熟味が漂っており,モーツァルト19歳の時の作品を,味わい深く聞かせてくれました。両端楽章などは,速いパッセージを鮮やかに聞かせてくれたのですが,そこには常に余裕がありました。第2楽章のアダージョは音楽自体に深みがあり,底光りするような美しさを感じさせてくれました。

今シーズン,OEKはフォルクハルト・シュトイデさんとの共演で,モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番も演奏しますが,この際,第2番もどなたかと演奏してもらい,「全集」にしてもらたいものです。

後半はハイドンの交響曲第103番「太鼓連打」1曲でした。編成的には,実はこの曲がいちばん大きいので,今回のプログラムの場合,トリにぴったりでした。何よりも,スダーンさんの作る音楽に折り目正しさと同時に力感が溢れ,壮麗さすら感じさせる気分の中で演奏会を締めてくれました。

この曲については,ニックネームが付けられているとおり,第1楽章冒頭などに出てくる「太鼓連打」がまず聞き所になります。英語だと「Drum Roll」となりますが,まさに本日の演奏はバロック・ティンパニによる,コロコロコロ...といった心地良いロールのクレシェンド,デクレッシェンドで始まりました。第1楽章は,このロールにしっかり縁取られて,躍動感溢れる音楽を聞かせてくれました。

変奏曲形式の第2楽章も大変力強い歩みでした。その間にサイモン・ブレンディスさんによる鮮やかなソロが活躍していました。第3楽章のメヌエットもゴツゴツとした感じで始まりましたが,トリオの部分は対照的に夢見るような心地よさ。クラリネットの音がとろけるように響いていました。そしてホルンの信号で始まる,推進力のある第4楽章。改めて,ハイドンは良いなぁと思いました。どの曲を聞いても楽しめるというのは,実はとてもすごいのでは,と思っています。

というわけで,9月に続いて,スダーンさんとOEKの強い信頼感に結ばれたような充実の演奏を楽しむことができました。

ちなみに,この日は,客演の首席チェロ奏者として,マルタ・スドゥラバさんが参加していました。コントラバスのルビナスさん,ヴィオラのグリシンさんと合わせて,クレメラータ・バルティカ出身のメンバーで低弦が支えられていた形になります。今回,とても低音が充実して感じられたのは,このこともあったのかなと思いました。

2018/10/09

#石川県立音楽堂 室内楽シリーズ 木管アンサンブルの響き。OEKの木管メンバーを中心とした「木管祭り」。オリジナル・アレンジの「牧神の午後」,「スペイン奇想曲」をはじめ,木管アンサンブルの多彩な魅力を伝えてくれました。#oekjp

今晩は,石川県立音楽堂室内楽シリーズ「木管アンサンブルの響き」を聞いてきました。昨年度までの室内楽シリーズは,交流ホールで行われることが多かったのですが,今年度はコンサートホールで行う方針になったようで,ゆったりと楽しんで来ました。つくづく,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の木管パートの音色は美しいなぁと思いました。交流ホールの方がステージが近いメリットはありますたが,やはり,響きの美しさの点では,コンサートホールが上回っていますね。

今回の編成は,OEKの松木さん,加納さん,遠藤さん,柳浦さん,金星さんによる「木管五重奏」がベースで,そこに,クラリネット(各種)担当の松永彩子さん,アルト・サックスの角口圭都さん,ピアノの倉戸テルさんが加わっていました。

今回のプログラムで素晴らしかったのが,7曲全部,楽器編成が違っていた点です。最初のハイドンのディヴェルティメントは,基本メンバー5人。その後,クラリネットを中心としたメンデルスゾーンの曲,フルートのソロで始まるドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」の編曲版,オーボエを中心としたピアソラの「アディオス・ノニーノ」。そして後半は,ヤナーチェクの木管六重奏曲「青春」,最後に全員勢揃いのリムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」の編曲版。曲目の傾向もバラエティに富んでおり,木管アンサンブルの楽しさを味わうのに絶好の演奏会だったと思います。

今回の目玉だったのは,やはり今回の編成のために,松永彩子さんが編曲した「牧神の午後への前奏曲」と「スペイン奇想曲」だったと思います。通常の木管五重奏にアルト・サックスやバス・クラリネット。さらにはピアノやパーカッションも加わり,オリジナルのオーケストラ版とは一味違った,柔らかな響き,明快な躍動感...などを楽しませてくれました。

「牧神の午後」は,フルートの松木さやさんのソロで始まりましたが,その音を聞いただけで,別世界に連れて行ってくれるようでした。編曲者の松永さんへのインタビューでは,管楽器は弦楽器のようなロングトーンは苦手なので,いくつかの楽器に分担させた,といったことを語っていました。その色々な音の積み重ねや切り替わりも面白いと思いました。

ヤナーチェクの「青春」は,少々つかみ所のない雰囲気のない作品でしたが,管楽アンサンブル版の「スペイン奇想曲」は,オーケストラ版とは違った鮮やかさとまろやかさがあり,演奏会全体を楽しく締めてくれました。

最後,アンコールとして,ちょっとビッグ・バンド風の趣きのある,「アイ・ガット・リズム」が演奏されてお開きとなりました。この曲では,ソロを演奏した,角口圭都さんのアルト・サックスの柔らかく艶のある音も印象的でした。

このシリーズでは,メンバーのトークが入るのも楽しみですが,今回は「入れ替わり立ち替わり」だったのも,OEKファンには嬉しかったですね。そういったことも含め,「OEK木管祭り」といった明るい雰囲気に包まれ,会場全体にリラックスした空気があったのがとても良かったと思います。この木管シリーズは,是非,続編を期待したいと思います。

2018/10/08

石川フィルハーモニー交響楽団第31回定期演奏会を聞いて来ました。鶴見彩さんとのラフマニノフのピアノ協奏曲第2番とチャイコフスキーの交響曲第5番。自信に溢れた充実の演奏会でした。

本日は午後から,石川フィルハーモニー交響楽団の第31回定期演奏会を聞いて来ました。演奏されたのは,金沢を中心に活躍されているピアニスト,鶴見彩さんをソリストに迎えてのラフマニノフのピアノ協奏曲第2番とチャイコフスキーの交響曲第5番ということで,人気曲を組み合わせた,王道を行くようなプログラムでした。

ラフマニノフの方は,超人気曲ですが,金沢では比較的実演で演奏される機会の少ない作品です。開演時間の13:15に石川県立音楽堂コンサートホールに行ったところ,既に長蛇の列ができていましたが,この曲目当てだった人も多かったのではいかと思います。演奏の方も,この期待に応える,充実したものでした。特にチャイコフスキーの方は,指揮の花本康二さんと石川フィルのつながりの強さを示すような,自信に溢れた名演だったのではないかと思います。

前半のラフマニノフは,「さすが鶴見さん」という立派な演奏でした。鶴見さんについては,色々なアーティストとの共演がとても多いので,近年は「室内楽の人」という印象があったのですが,協奏曲の演奏でも,その実力は存分に発揮されていました。特に両端楽章での技巧が鮮やかで(最後の部分など,腕の動きが速く,「何本あるのだろう?」という感じでしたね),各楽章の見せ場をしっかりと聞かせてくれました。

所々で出てくる,ラフマニノフならではの息の長いメロディについては,石川フィルの演奏ともども,とても気持ちよく流れていました。プレトークの時,花本さんは,第1楽章は浅田真央,第3楽章は(花本さんの世代では)伊藤みどりのフィギュアの曲としてお馴染みと語っていましたが,それを聞いたせいか,第1楽章の終盤などは,手拍子を入れてしまいたくなりました。じっくりとテンポを落とした堂々とした歩みが印象的でした。

第2楽章の端正な叙情性は,室内楽で色々なアーティストとの共演が多い,鶴見さんのキャラクターにぴったりだと思いました。第3楽章では,終盤,ティンパニの音が1発入った後,オーケストラが第2主題をうねるように歌い出す感じが大好きですが,この日の演奏もイメージどおりの演奏で,プレトークで話を聞いてこともあり,しっかりと伊藤みどりさんのパフォーマンスが蘇ってきてしまいました。

後半のチャイコフスキーの交響曲第5番は,ここ数年,何回も聞いている曲ですが,何回聞いても良い曲だなぁと実感させてくれる作品です。全体的なテンポ設定は,慌てる感じの部分はなかったのですが,オーケストラの音が常に引き締まっており,ピリッとした充実感を感じさせてくれました。円熟の演奏という印象を持ちました。

第1楽章から,要所要所で「運命のモチーフ」が出てくるのですが,これを主に担当していたトランペット等の金管楽器の音が素晴らしく,「チャイコフスキー5番はこれでなくては」と改めて思いました。チャイコフスキーならではの,甘いメロディの歌わせ方も大変丁寧で,「チャイコフスキーはこうでなくては」と思いました。キビキビとした運びとの対比も鮮やかでした。

そして第2楽章のホルンの独奏です。これもまたお見事でした。イメージどおりの,穏やかかつまろやかな音でじっくりと聞かせてくれました。この見事なソロの後,オーケストラのテンションがさらにアップした気がしました。

第4楽章も力感に溢れた演奏でした。ここでも金管セクションのまとまりの良い音が素晴らしく,充実のサウンドを楽しませてくれました。コーダに入る前の大きな間の部分では,.少しパラパラと拍手が入ってしまいましたが,「これも仕方がないだろう」という感じの充実感のある響きでした。

コーダの部分も晴れやかでした。最後の最後の部分は,慌てた感じになることなく,確信に満ちた「ジャジャジャジャン」で鮮やかに締めてくれました。

アンコールでは,「くるみ割り人形」の中の曲が演奏されました。組曲に入っていない「ジゴーニュ小母さんと道化たち」という気楽に楽しめる曲で,曲が始まった途端,「おっ」と思いました。OEKの公演では,小母さんの巨大なスカートの中に小さな子供たちが沢山潜んでいる,という設定の曲だったと思います。色々と聞かせどころが詰まっており,アンコールにぴったりの曲だと思いました。

というわけで,連休最後の午後,台風一過の気持ちよい気候の中で,オーケストラ音楽を存分に楽しませてくれる内容だったと思います。

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