OEKのCD

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2018年2月25日 - 2018年3月3日

2018/03/03

金沢市アートホールで #田島睦子 ピアノリサイタルを聞いてきました。クララ・シューマンに寄せられた名曲たちと題された素晴らしい選曲。のびのびと聞かせてくれました。

金曜日の夜,金沢市アートホールで田島睦子さんのピアノリサイタルを聞いてきました。田島さんは,OEKとの共演,楽都音楽祭での活躍をはじめとして,金沢市を中心に活発に活動をされています。リサイタルも定期的に行うなど,田島さんを暖かく見守る固定ファンも多いのではないかと思います。私もその一人です。その気持ちの良い弾きっぷりに惚れて(?)います。

今回の田島さんのリサイタルでまず良かったのが選曲です。「クララ・シューマンに寄せられた名曲たち」と題して,シューマン,リスト,ブラームスの曲を中心に演奏されたのですが,それに加えて,フリードリヒ・グルダやマルク・アンドレ・アムランといった現代のピアニスト兼作曲家の曲が加えられていました。常にとても面白い,新しいレパートリーに取り組んでいる点が素晴らしいと思います。そして,全ての曲につながりが感じられました。

「ウィーンの音楽」としてグルダの「アリア」が美しく演奏された後,「ゴージャスな無言歌」といった感じで,シューマンの歌曲をリストが編曲した2曲が演奏されました。それにしても「献呈」という作品は,近年,特に大人気ですね。反田恭平さんもよく演奏していますね。

クララへの思いがこもったブラームスの「主題と変奏」(これは弦楽六重奏曲第1番の第3楽章のピアノ版)に続き,リストの「パガニーニ大変奏曲」第6番。この曲は,パガニーニのカプリースに基づく変奏曲です。そして,アムランの作品は,同じパガニーニの主題による変奏曲。リストの曲に輪を掛けて難易度が高まったような作品でした。

田島さんは,これらの作品を平然と,そしてのびのびと,難易度の高い作品を聞かせてくれました。特にリストとアムランの「パガニーニ変奏曲」の連続が圧巻でした。アムランの曲では,不協和音が出てきたり,ベートーヴェンの曲がパロディのように出てきたり,どんどんインスピレーションが広がり,エネルギーが拡散していくような面白さがありました。

後半は,シューマンの幻想曲op.17が,ドンと1曲,演奏されました。この日のプログラムは,ピアノ・ソナタが1曲も入っていなかったのですが,この曲は実質,3楽章からなるソナタということで,今回のプログラムの核となっていました。私自身,実演で一度聞いてみたかった作品で,今回のいちばんの目当てでした。

田島さんは,シューマンのクララへの思いのこもった名品を,ここでものびのびと屈託なく,聞かせてくれました。幻想曲というタイトルからすると,もっと屈折した感じがあると良いのかなと思いましたが,この難曲を立派に聞かせてくれました。行進曲風の第2楽章の後に続く,静かに幸福感が流れるような第3楽章が特に素晴らしいと思いました。

前半と後半の最後の方で,田島さんのトークが入りましたが,それを暖かく見守るのも恒例ですね。最後,アンコールで「4月のパリ」(シャンソンをピアノ独奏に編曲したもの)がリラックスした雰囲気で演奏されて,お開きとなりました。

田島さんは今年の楽都音楽祭では,モーツァルトのピアノ協奏曲第24番をモーツァルテウム管弦楽団と共演します。その期待を高めてくれるようなリサイタルでした。

2018/02/26

#マルク・ミンコフスキ 指揮 #レ・ミュジシャン・デュ・ルーブル 金沢公演 メンデルスゾーン「イタリア」「スコットランド」他を独特の色合いで表現。懐の広さのある指揮者だなぁと期待が増しました。

土曜日から3日連続となる石川県立音楽堂通いです。本日は,9月からOEKの芸術監督に就任することが決まっているマルク・ミンコフスキさん指揮レ・ミュジシャン・デュ・ルーブルの来日公演が行われたので聞きに行ってきました。この公演は,OEKファンならずとも聞き逃すわけにはいきませんね。

プログラムは,メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」,交響曲第4番「イタリア」,第3番「スコットランド」の名曲3曲でした。プログラムには,序曲,第3番,第4番の順に記載されていたのですが,ミンコフスキさんらしく,直前に変更され,序曲,第4番,第3番の順に演奏されました。曲の長さ的には,変更後の方が「落ち着く」感じです。

レ・ミュジシャン・デュ・ルーブルの編成は,OEKを少し上回るぐらいの,「思ったより大編成」でした。公演を聞くのは2回目ですが,やはりメンデルスゾーンの曲をオリジナル楽器で演奏するとなると,これくらいが適正かなと思いました。楽器のピッチは,モダン楽器の場合よりも,やや低く感じました。特に管楽器については,オリジナル楽器ならではの,独特の落ち着きと素朴さを感じさせる音が印象的でした。

オーケストラ全体としても,磨き抜かれたつややかさというよりは,さらりとした軽さやほの暗さが基調となっていると感じました。というわけで,最初に演奏された「フィンガルの洞窟」,最後に演奏された「スコットランド」の雰囲気に特にぴったりだと思いました。色の発色はやや地味だけれども,微妙な色合いの変化と重なり合いが美しい,透明水彩といった趣きがありました。

メロディの歌わせ方については,熱くなり過ぎないけれども,所々,深い情感が沈潜していく部分もあり,どこかミステリアスな気分があります。これもミンコフスキさんならではの魅力だと思います。

その一方,「イタリア」の最終楽章,「スコットランド」の第2楽章などの急速楽章での,妥協のないテンポによる軽やかさもお見事でした。メンデルスゾーンにぴったりです。オリジナル楽器ということで,音程が取りにくそうな部分もあったのですが,それがまた,良い味付けになっているところもありました。

「イタリア」の3楽章の中間部に出てくるホルンの信号なども,途中,ゲシュトップフト奏法を使うなど,野趣たっぷりでした。「スコットランド」の最終楽章のコーダの部分もオリジナル楽器を使うことで勇壮さがさらに強調されていたと思いました。

「スコットランド」については,メンデルスゾーンの指示によると,各楽章間は連続的に演奏することになっていますが,本日の演奏では,「イタリア」についても同様のスタイルだったと思います。それどころか,前半最初に演奏された「フィンガル」と「イタリア」でさえ,連続的に演奏していました。通常,序曲が終わった後は,一旦,指揮者は袖に引っ込むのが普通ですが,ミンコフスキさんは,「フィンガル」終了後,拍手をしばらく受けた後,パッと「イタリア」を演奏し始めました。その他の楽章間もインターバルは短めでした。

こういう形で演奏することで,演奏会全体として「フィンガル」+「イタリア」≒「スコットランド」というバランスの良い構図になっていると感じました。

ミンコフスキさんの演奏については,どの部分をとってもミンコフスキさんらしさが浸透していますが,演奏全体として見ると,オーケストラのメンバーの自発性や演奏する喜びが感じられます。演奏の雰囲気についても,重苦しくならないけれども,随所に意味深さがある。スリリングさがあるけれどもシリアスになりすぎない...と相反するものが常に共存しているような,「懐の深さ」といって良いような不思議な魅力があると思いました。そして...この日も演奏曲順を急に変更したように,ミンコフスキさんには,常にお客さんを驚かせようという「茶目っ気」もあります。

まずは7月のドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」公演が大変楽しみです。そして,9月以降,芸術監督に就任した後は,OEKというオーケストラのあり方であるとか,金沢という都市全体にも影響を与えてくれるのではないか,と期待が広がりました。ミンコフスキさんへの期待がさらに大きくなった演奏会でした。

PS.本日は,演奏の直前に会場のお客さんに向けて,マルク・ミンコフスキさんから「ごあいさつ」がありました。ミンコフスキさんが「アンサンブル金沢」と発音すると,「ア」の音が鼻に掛かったようになり,「さすが(?)フランス人」と妙なところで感心してしまいました。

2018/02/25

音楽堂室内楽シリーズ #ピーター・ブレイナー 編曲・指揮によるOEKメンバーがソリストとして活躍するビートルズ・ゴー・バロック。念願の #カンタ さん独奏によるハイドンのチェロ協奏曲も楽しめました #NAXOS #oekjp

今年度最後の「音楽堂室内楽シリーズ」として行われた,OEKメンバーによる演奏会「ビートルズ・ゴー・バロック」を聞いてきました。この「ビートルズ・ゴー・バロック」というのは,1990年代にNAXOSレーベルから発売されたCDのタイトルです。ビートルズの作品をバロック音楽の合奏協奏曲風に編曲して楽しもうというコンセプトのアルバムで,世界的に話題を集めました。今回はそのCDの編曲と指揮を担当した,ピーター・ブレイナーさんを指揮者に招き,このCDに収録されている曲の中から数曲が演奏されました。

このブレイナーさんですが,実は,OEKの首席チェロ奏者のルドヴィート・カンタさんとも旧知の仲で,約30年前に,カンタさんとブレイナーさんのコンビで,同じくNAXOSレーベルからハイドンのチェロ協奏曲集のCDをリリースしています。この録音は,「ジャズ風のカデンツァが突如出てくる!」ということで話題を集めました。今回は,ビートルズのアレンジものに加え,この「ジャズ風カデンツァ版」ハイドンも演奏されました。

というようなわけで,かなりマニアックであると同時に誰でも楽しめるコンサート...特にNAXOSレーベルのファンにとっては,興味津々のコンサートとなりました。

今回,「ビートルズ・ゴー・バロック」の中から3つの「合奏協奏曲」が演奏されました。それぞれ,ヘンデル風,ヴィヴァルディ風,コレルリ風という設定になっていました。この中では,ヴィヴァルディの「四季」のパロディだというのが,一目瞭然だったヴィヴァルディ風がいちばん分かりやすかったと思います。巧く溶け込みすぎていて,「本当にビートルズ?」といった曲もありましたが,バロック音楽とビートルズの相性の良さを改めて実感しました。

そして,OEKファンとしてうれしかったのは,ソリストが曲ごとに次々と交替していた点です。今回登場した,OEKのヴァイオリンとチェロのほとんどの方がソリストを担当していました。どこか,学校の授業中,順番に指名されて,立ち上がって発表をしていくような趣きがあり,見ていて楽しかったですね。

今回,最初に合奏協奏曲の「サンプル」として,ヘンデルの合奏協奏曲が1曲演奏されたのですが,それと全く同じ楽章数+ソリストでビートルズ風合奏協奏曲が演奏されたのも面白いと思いました。

演奏の方は,古楽奏法的な感じではなく,しっかりとヴィブラートを掛けて演奏していましたが,それがとても良いと思いました。ブレイナーさんの指揮の下,難しいことは言わず,のびのびと楽しんで演奏しましょうといったところがあり,バロック音楽の楽しさを気持ち良く感じることができました。

前半の最後は,もう一つの目玉のカンタさんの独奏による,ハイドンのチェロ協奏曲第1番が演奏されました。この曲を実演で聞くのは,昨年の夏以降,3回目なのですが,今回は1階席で聞いたこともあり,オーケストラとソリストとのやりとりの面白さを強く感じることができました。ジャズ風のカデンツァについては,意外にシリアスな感じで,ちょっと唐突かなと思いましたが,「滅多に聞けないものを聞けた」というお得感(?)がありました。平然と演奏された3楽章の超絶技巧も良かったのですが,2楽章でも暖かな歌は,カンタ+OEKならではのアットホームさだと思いました。

最後にオーボエの加納さんを加えての「この胸のときめきを」(この曲だけはエルヴィス・プレスリーの曲ですが)とフルートの松木さんを加えての「イエローサブマリン」が演奏されました。加納さんのオーボエですが,いつもにも増して,音が素晴らしく,客席には「うっとり」というオーラが漂っているのが見えるようでした。曲自体,ロックンロールではなく,もともとイタリアのカンツォーネ風の曲なので,マルチェルロのオーボエ協奏曲の第2楽章あたりと区別が付かないぐらいのハマり具合でした。

最後の「イエローサブマリン」は,もともと鼻歌風の曲なのですが,松木さんのフルートで演奏すると,どこかゴージャスになっていました。最後の方には,ブレイナーさんの合図の下,「ヘイ!」の掛け声も入り,楽しくお開きとなりました。

この日のプログラムは,「室内楽シリーズ」の枠を超えた編成で,音楽を聞く楽しさをしっかりと伝えてくれました。これを機会に,NAXOS提携(?)シリーズなどを期待したいところです。

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